城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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私事ではありますが、名前を変えました

ただふと思い付いた語呂が気に入っただけです
言葉になんの意味もありませんwww


第12話【王家の休日】

「兄上!僕ヒーローショーが見たいです!」

「落ち着け輝、まだショーまで時間がある。あっちのグッズを見に行ってみよう」

 

「奏お姉さま、これお母様にどうかな?」

「そうね!栞が選んだ物ならなんでも喜んでもらえるはずよ!」

 

「遥!次あれ乗ろー!」

「わかったから引っ張るなよ岬!」

 

「あかねちゃんお化け屋敷あるよ!入ろー!」

「えぇぇぇえ!?本気!?私嫌だよぉぉ!!」

 

……

 

「…カオスだな」

「ふふ、みんな楽しそうだね」

 

 

ゴールデンウィーク最終日

 

俺達兄弟は遊園地へ来ていた

 

理由はせっかくの埋め合わせのトイレ掃除をしようと思っていたのに結局みんなに手伝ってもらったので、俺の奢りで遊園地へ行くことにしたのだ

 

 

ゴールデンウィークだが、幸い最終日ということもあり人は少ない方だ

 

王族の名を出せば貸し切りにも出来たが、さすがに茜一人の為に貸し切りにしては他のお客さんにも迷惑だからな…

 

これぐらいは我慢してもらいたいものだ…今後の為にも…

 

 

そして冒頭に戻るが、みんな各々好き勝手に楽しみ困惑状態となっている

 

「んじゃ午前中はそれぞれ自由にするから昼頃さっき言ったレストランに集合なー!」

「「「はーい!」」」

 

茜には頑張ってもらいたいとこだが、さすがに食事くらいは落ち着いて食べたいだろうと申し訳ないけど特別に個室を用意してもらった

 

「んじゃ、俺は修と輝に着いてくわ!なんかあったら連絡くれ」

「りょうかい!私は茜が心配だから茜達に着いてるね」

「…あーうん、一番大変そうだけど、頼むな」

 

ちらっと茜の方に目をやると

 

これから入るお化け屋敷への恐怖か、それとも人混みへの恐怖か、色々なものに脅え挙動不審になりながら光の背後にくっついていた

 

いまの茜の方が何よりも怖いと思うぞ

 

 

そして昼、最初に指定したレストランで食事をしてた

 

「どうした遥、食欲ないのか?」

「…うん…ちょっと、ね…」

「もー遥ったらだらしないなー!ちょっと絶叫マシーン乗り継いだだけじゃーん!」

 

合流してから遥の顔色が悪いと思ってたけど…

 

あー…どんまい!強く生きろ遥!!

 

 

「ーーちゃんと可愛く撮ってねー!」

「わかってるよ」

 

そう言って持参していたカメラで光を撮る

 

実は俺はカメラが趣味だったりする

 

幼い頃、お小遣いやお年玉を貯めて自腹で購入した一眼レフのカメラで色々な人物や動物、風景を写真に収めるのが趣味だ

 

昼食後、すぐに動いたらお腹にもあれなのでいまはみんなで軽い乗り物に乗ったり、両親や友達へのお土産を選んだりの時間にしてる

 

俺はそんな妹弟達を写真に収めている

 

 

観覧車に乗って一番上で見えた父さんの城を笑顔で指差す茜とそれを微笑ましく見る葵

 

よく遊園地で売っている限定のカチューシャを奏にかけて笑う修とそれに対し顔を赤くして怒る奏

 

ある程度顔色も落ち着いてきた遥の肩に腕をまわして笑顔でピースをする岬

 

ヒーローショーのグッズ売り場で購入した謎の腕輪を腕にはめポーズを決める輝

 

笑顔でソフトクリームを差し出す栞

 

そして今撮ったメリーゴーランドに乗り笑顔でピースをする光

 

 

今日はいい写真がたくさん撮れたな

 

昔から一番好きな写真は家族の写真だ

 

帰ったら両親に見せてあげよう

 

 

ある程度経過したところで俺達一行は岬と光の提案で、この遊園地の目玉のジェットコースターの列に並んでいた

 

「大変申し訳ありません!栞様のご乗車は難しいかと…輝様はお楽しみいただけるのですが…」

 

キャストの人がすごく申し訳なさそうな顔でそう告げる

 

どうやら身長が規定に満たしていない為、栞は乗れないらしい

 

「それは仕方ないことですから大丈夫ですよ!…だそうなので俺は栞と下で待ってるよ」

「あ、じゃあ私も」

 

「「なら私(僕)がーー!」」

「ダメだよ遥!これ乗ったら絶叫系制覇なんだから!」

「あかねちゃんも逃げちゃダメだよー!」

 

同時にハモる茜と遥だが、岬と光に捕まった

 

遥、そんなに絶叫系苦手だったのか…

 

それに茜、お前もかよ…

 

逃げ場を失った哀れな妹と弟に苦笑いしながら、葵と栞を連れて列から離れる

 

てか茜に関しちゃ、普段から能力使って飛んでるんだし、似たようなもんだろ、そこは平気であれよ…

 

 

「栞、おいしい?」

「うん!お姉さまにもあげる!」

「ありがとう!うん、美味しいね!」

 

栞にわたあめを買ってあげ、近くのベンチに腰かけてみんなを待つ

 

「お兄さまもどーぞ!」

「ありがとう、栞!」

  

「ねー見て見て!翔様と葵様よ!」

「ほんとだ!栞様と3人でいると親子みたーい!!」

 

と、他のお客さんがなにやら盛り上がっている

 

いや親子て…俺達兄妹だし…

 

そんなことを考えながら上を見上げると

 

ちょうどみんなが乗ったジェットコースターが最上部に到達し、一気に急降下

 

……

 

茜と遥が真っ白になってた気がするけど…

 

見なかったことにしよう…

 

 

楽しい時間も終わりを迎え、俺達は帰路についていた

 

今日1日の事を楽しそうに話す妹弟を微笑ましく見つめながら俺と葵は一番後ろを歩いていた

 

「今日はありがとうね翔君」

「いや、なに、ただの手伝ってもらったお礼だよ」

「それでもだよ、ありがとう!みんな凄く楽しそうだった」

「どういたしまして、楽しんでもらえたなら何よりだわ」

 

「おーい!2人とも!はやく、はやくー!!」

 

葵とそんな話をしていたら気がつくとみんなとけっこう距離が離れていた

 

「なぁ葵…」

「なぁに?」

 

「たまにはこういう日も悪くないな」

「ふふ、そうだね!」

 

笑顔で手を降る妹弟達に返事をして、カメラのシャッターを切り、撮れた写真を確認する

 

うん、悪くない

 

 

 

『ーーご覧頂いたのは、ご兄弟の休日でした!ーー大変仲睦まじく、見ているこちらも思わず笑顔になりますねーー』




次回は明日のこの時間に!

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