城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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すいません
この回は長くなりすぎたので前後編あります

前編後編合わせて1話です
少し長いですがお楽しみください


第10話【櫻田家の長男 前編】

『皆様!こんにちは!』

『なんと今回のサクラダファミリーニュースは王家のご兄弟全員に来ていただきました!』

『皆様よろしくお願いします!』

 

そして週末、父さんに言われた通り俺達兄弟はテレビ出演の為、とある高層ビルの前に来ていた

 

設置された特大スクリーンには『サクラダファミリーニュース~特別編~』という文字が映し出されており

 

司会の声に合わせて後ろの観衆から歓声が上がる 

 

 

にしても、高いなこのビル、何階まであんだ?

 

 

『国民の皆様もご存じの通り、王族の皆様には特殊能力が備わっております』

『本日はあるゲームに挑戦していただき、その能力を披露して頂こうと思っています』

 

「ーーっえ!そんなの聞いてないよ!」

 

葵の後ろに隠れた茜が驚き声をあげる

 

「そういうな茜、こういうのも大切な事だ」

 

光や輝を見てみろ、凄くやる気満々だぞ

 

 

司会の説明にもあった通り、俺達王家は特殊能力がある

 

もちろんそれを全ての国民が良く思ってくれてはいないだろう

 

こんな人間離れした力、恐れられていてもおかしくはない

 

だからこそ、自分達の力を知ってもらう為にはこういった場も必要なのだ

 

 

『ーーそのゲームとはーー』

 

『『危機一髪ダンディくんを救え!』』

 

『屋上に取り残された人々に見立てた人形、ダンディくん!これを制限時間内に多く回収し、下に用意された籠に入れていただくというシンプルなルールです!』

『国王からも激励のメッセージを頂いております!』

 

そう言って画面が切り替わり父さんが映り

 

『みな、惜しみ無く力を発揮し、国民の皆様に自分達の事をよく知ってもらえるよう頑張ってほしい。一番成績の悪かった者には城のトイレ掃除をしてもらう』

 

満面の笑みで爆弾を投下しやがった

 

「えー!?」

「お城のトイレ掃除ぃー?」

 

『あ、それから翔。今回は歴代の使用を許可する。危険だけはないよう存分に力を振るいなさい』

 

「はいよ」

 

俺は普段はあまり歴代の武器を出さないようにしている

 

理由は簡単、見た目が物騒だからだ…

 

いくら切れ味を変えれると言っても、元は危険物だ

 

銃刀法違反が適用されるなら、今ここにはいないだろう

 

王族として、息子として、国王である父さんの名誉を傷つけない様、普段は使わないで別に保有している木刀や竹刀など見た目が危なくない物を使っている

 

 

ちなみに茜を助ける時に投げた夜叉王の刀剣だが…

 

咄嗟だったんだ…見なかったことにしてほしい…

 

いや、むしろ刺さらないよう調整しただけでも誉めてほしいものだ

 

 

そしてまた画面が先ほどの司会二人に切り替わり

 

『ーーそうなんです!国民の皆様!今回なんと、先日ご帰還された第一王子の翔様もご出席して頂いております!!』

 

そしてまた、後ろで歓声があがる

 

「翔君人気者だね!」

「6年間いなかったんだ、どんな奴かおもしろがってるだけだろ?」

 

『制限時間は60分!皆様準備はよろしいですか?ーーそれではスタートです!』

 

葵とそんな会話をしていると、どうやらゲームが始まったらしい

 

ーーーーーーー

 

「僕はこのビル、登ります!」

 

そう言ってすごい跳躍力と共にビルの壁を登り始める

 

『最初に動いたのは四男輝様!能力は怪力超人(リミットオーバー)物凄いパワーを発揮し、順調にビルを登っております!ーーおっと!ここでアクシデント発生!』

『見ているこちらもハラハラしますね!』

 

しかし、その瞬間ビルの壁の一部を破壊し、危うく落ちかける

 

「よーし、私だって!ーー「あんまり無理しないでね」わかってるって!じゃ、始めちゃおっかな!」

 

『五女光様の能力は生命操作(ゴッドハンド)!生命の成長を操ることが出来ます』

『考えましたね!樹木の成長を操り屋上へ一番乗りです!』

 

近くにあった街路樹に登り能力を使う光

 

しかし、

 

「あ、あれ!?伸びすぎたぁぁぁあ!!」

 

成長を促進させすぎビルの高さを越えてしまった

 

これではビルには乗り移れない

 

『あーっと残念!24時間は元には戻りません!』

 

「なにやってんだかあの子は…よく考えたら自分が登るなんて効率悪いですねぇ」

 

そう言って5体のドローンを周囲に出現させる奏

 

『次女奏様の能力は物質生成(ヘブンズゲート)!あらゆる物質を生成することが出来ます!』

 

しかし、価値に等しい金額が引き落とされるのだが…国民は知らない

 

「私も頑張らなくちゃーー」

 

岬は7人の自分にそっくりな人物を生み出した

 

『四女岬様の能力は感情分裂(オールフォーワン)!最大で7人の分身を生むことが出来ます!』

 

ちなみに、7人にはそれぞれ名前や意思があり、人間の欲望や感情とされる七つの大罪が具現化した存在である

 

また、元は岬個人なので、分身達とはテレパシーで会話することも出来る

 

 

「そうなの?…ごめんなさい、ちょっとわからない」

「栞、なに話してるの?」

「あのね、せっかく消火栓さんが近道教えてくれたんだけど、わからなくって…」

「なんだって?」

「B2、荷物用エレベーター、27階で乗り換えーー」

「あぁ、あのルートね!ーー「お姉ちゃんわかるの!?」前に一度見学に来たことあるから」

 

そう言って栞と手を繋いでビルの中へ入っていく葵

 

『六女栞様の能力は物体会話(ソウルメイト)!生物だけでなく無機物とも会話することが出来ます!』

『長女葵様の能力は完全学習(インビジブルワーク)!一度覚えたことは決して忘れません!』

 

「んじゃ俺も、ずっと映りっぱなしってのもなーー」

 

修は瞬間移動で一気にビルの屋上に移動する

 

『次男修様の能力は瞬間移動(トランスポーター)!ご自身とご自身の触れたものを一瞬で移動することが出来ます!』

 

『ーー皆様、能力を発揮し始め、ゲームも盛り上がってきました!ますます目が離せません!』

 


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