『ーーではここで、最新の世論調査による支持率を発表したいと思います』
『王室ライターの真島さん、お願いします』
それからしばらく話した後、俺達はニュースの続きを見ていた
真島さん全然変わんねーなー
真島さんとは、父さんの高校の後輩で王室専属のライターさんだ
『今回の調査によりますと、やはり世代を問わず第一王女の葵様が人気を集めています。第二王女、奏様の人気も高いですねえ』
へー、葵と奏人気なんだ
『やはり、次期国王となると上のご兄弟が有利ということでしょうか?』
『一概にそうとは言えませんよ、別の調査ではーー』
一通り兄弟全員の支持率が発表されていく
にしても…
『ーー末っ子の栞様がなったら、楽しそうですよねー』
『私も応援しています』
軽いな…大丈夫かこの国
国の将来が不安になる
『次回の調査ではひったくり犯を捕まえた件で、茜様の支持率も格段に上昇すると思われます』
「だそうだ、やったな茜!」
「いやぁぁあ!これ以上映さないでぇぇえ!」
「カメラよく捉えてるな」
茜が犯人の顔面に膝蹴りを入れている写真が映し出され、頭を抱えて絶叫する茜と感心する修
「茜、頑張ったんだし良いじゃない!」
「そうだぞ、国民に良く知ってもらって支持してもらえるよう頑張るのも王族の仕事だぞ!国民がいなきゃ国は成り立たないからな」
「うぅ…だけど…」
ほんと、茜のこの人見知りというか恥ずかしがり屋というか…この性格、早いとこどうにかしないとなー
『さらに!今回は国王から最新情報を頂いてきました!なんと、6年間の責務を終え第一王子の翔様が本日ご帰還されたそうです!』
さっき城で撮った選挙ポスターが映し出される
「あ、翔にいだ!」
「ほんと、こういうとこだけ無駄に仕事早いな…」
最早ちょっと引くわ…
『明日にはこのポスターも町中に張り出され選挙に参加されるとの事です。これをきっかけに他のご兄弟の支持率がどう変動するかも楽しみですねーー』
「ただいまー」
そして間も無くして父さんが帰ってきた
「あ、パパ!おかえりなさい!」
「あら、本当に早かったわねー」
「はい!お、翔もちゃんと帰ってるな」
父さんの言葉に軽く手をあげ返事をする
「お前達、全員週末は何か予定あるか?」
「え?別にないけど?」
「俺も今朝帰ったばかりだしあるわけもなく…」
「どっかつれてってくれるの!?」
父さんの質問にそれぞれ答える
みんな予定なし
自分でいうのもあれだけど王家暇かよ
「いや。急な話なんだが、お前達のテレビ出演が決まってな」
「「「へ?」」」
どうやら父さんの計らいで俺達兄弟の事を紹介する為、テレビ特番が決まったらしい
選挙にも影響してくるし、なにより6年間いなかった俺の紹介も兼ねての事のようだ
やはり茜は最後まで渋ってたけど、そんなわがままが通じるわけもなく全員参加することになった
それから、俺の6年間の旅の話を改めてしながらみんなで夕飯を食べた
6年ぶりの家族との食事、母さんの手料理は懐かしく、嬉しく、本当に帰ってきたんだと改めて実感した
空白の6年間を埋めるように家族は騒がしく、そして賑やかな時を過ごした