城下町のダンデライオン~王の剣~   作:空音スチーマー。

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今回は少し長めです

台詞も多いので読みにくいかもしれません
読みにくいなどご意見ありましたお願いします!
今後書き方を変えますので


第7話【長男の能力】

『ーーご覧いただいたのは茜さまがひったくり犯を捕まえたニュースでした』

『こんな貴重なVTRが見られるのもサクラダファミリーニュースならではですね』

 

6年ぶりの再開を果たした俺達家族は現在リビングのソファに座ってテレビを見ていた

 

 

サクラダファミリーニュース

町中にある監視カメラで撮影された家族の映像や家族について毎週放送されるニュースである

 

これも父さんが俺達家族の事を国民にもっと良く知ってもらおうと始めたものだ

 

 

「お、さっきの事件じゃんか。仕事早いなぁ」

「お兄ちゃん知ってるの?」

「まあこの場にいたからな」

「え!翔ちゃんいたの!?」

「まあ一応な」

「いつから!?」

「茜が犯人追いかけ出したとこからかな」

「さ、最初からじゃん!じゃあさ、もしかしてあの時のナイフって翔ちゃん?」

「ナイフ?そんな物どこにも映ってなかったぞ?」

「え?」

 

いま流れてたニュースの録画を入れる修

 

ちなみに余談だがサクラダファミリーニュースは第一回からすべて録画されている

 

 

「あれ?本当だ!ない!なんで!?」

 

先程の映像には犯人を攻撃したナイフどころか犯人が持っていたナイフすら映っていなかった

 

「なんでって、そりゃあ俺が編集で消させたから」

「「「え?」」」

「いや、帰って来て早々面倒ごとに巻き込まれたくなかったし…証拠隠滅…みたいな?」

 

そう、あの事件の現場から離れた後、家に帰る前に城によった理由はこれだ

 

映像からナイフのみを編集で消させたのだ

 

「ってことはあの消えたナイフってもしかしてーー「あぁ俺だ」えぇ!?」

「やっぱり翔君だったんだね」

 

台所から出てきて同じようにテレビの前に座る葵

 

母さんに手伝いはもういいから久しぶりの兄と話してこいと言われたらしい

 

「あーやっぱ葵にはバレてたか」

「え?え?どういう事?」

 

俺と葵以外全員訳がわからないといった顔をしている

 

 

「ーーつまり兄さんの能力で茜を助けた、と言うことですね」

「ま、そうなるな」

「さすがです兄様!」

 

茜がみんなに事件の詳細を話し、修がまとる

 

そして目を輝かせる輝

 

純粋な良い子だなー

 

「え!?翔にい能力あったの!?」

「なに言ってるの岬ちゃん!私たちと同じ王族なんだから能力があって当然じゃん!」

「そっか、岬も光もまだ小さかったから覚えてないか」

 

そう、何を隠そう最初俺には特殊能力がなかったのだ

 

厳密に言えば開花するのが遅かっただけだけど…

 

「俺には最初能力がなかったんだよ。けど11の時たまたま能力が発覚してね…その能力が関係して旅に出てたんだ」

「そうだったんだ…それで、どんな能力なの?」

「私見たーい!」

「僕も!」

「…私も」

 

俺の能力を知らない岬、光、輝、栞は目を輝かせる

 

「俺の能力は王の剣、キングスグレイブ。俺が保有する武器を異空間の倉庫から呼び寄せる能力だよ」

 

そう言って、ひったくり犯に投げたナイフ、正確には短刀を手元に召喚する

 

「あ、私があの時見た消えたナイフだ」

「すごーい!」

「カッコいいです兄様!」

「でも、それならかなねえも似たようなことできるよね?」

「それは違うな岬。奏のは欲しい物を生成する能力だろ?俺の場合は既に手元にある私物を出すわけだから他の物はだせないんだよ」

「なるほどー!」

 

「ちなみにその短刀は6代目の夜叉王の刀剣だね」

「お、詳しいな遥、正解だ」

「なにそれ?」

 

遥の言葉に頷く

 

葵、修、奏以外は頭に?を浮かべている

 

「俺らのご先祖様、つまり昔の国王が使っていた私物だよ。13代ある歴代の王達の遺品を回収する為にこの6年間全国を旅して各々に眠るご先祖様達のお墓参りをしてたんだよ」

「これはその内の1つ。夜叉王と呼ばれていた6代目国王の短刀だ。全部で6本あるんだ」

 

俺の言葉に付け足す修

 

「なんだお前らほんと詳しいな」

「私と修君は翔君が子供の時ご先祖様達について書かれた本を読んで憧れてたのを知ってるから」

「私は歴史の本で読んだことがあっただけよ」

「僕も本で知ってただけさ」

「二人はこう言ってますが、兄さんの旅の目的を知って必死に勉強しただけです」

「「ーーっ!!」」

「そうなの?なんかありがとな奏、遥!」

 

そう言って二人の頭を撫でる

 

「「…/////」」

 

「でも翔ちゃん、なんで先代達の遺品が必要なの?」

「ん、それはな、俺の能力が未完成だからだ」

「「「未完成?」」」

 

俺の言葉に事情を知らない子らはさらに疑問が深まる

 

「そう。俺の能力は歴代王の力を全て集めて初めて本来の力を発するんだよ」

「だから王の剣(キングスグレイブ)というわけですね兄様!」

「そういうことだ輝。ちなみに王の剣(キングスグレイブ)にはもう1つ能力があってだなーー」

 

そこまで言って光の背後にそっと短刀を投げる

 

「ーーえ!?」

「とまあ、こんな感じに呼び出してる武器の場所にワープすること出来る」

 

その瞬間俺は光の背後に現れ、光の頭を撫でながらそう言った

 

「ちなみにこれは修の瞬間移動とは似ている様で違う。俺の場合は武器の所にしか行けないからな…あと歴代の武器は自由に切れ味や重さを操れる」

「あーそれであの犯人の手に刺さらなかったんだ」

「ご名答」

「じゃあつまり、翔にいは全部集めたから帰って来たってこと?」

「いや、それがまだ全部じゃないんだ。いま手元にあるのは11種類。残りは先代国王と現国王、つまり俺達の祖父と父さんのだ」

「ねえねえ!しょうちゃん!他のも見せてよ!」

「ぼ、僕も見たいです兄様!」

「また、今度な」

 

そう言って光と輝の頭を撫でる

 

あんな物騒なものここで出すわけにはいかないからな…

 




次回は明日投稿します!

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