57/良い学び舎を作るために
黒板にチョークが走る音がする。
教室の中は静かなもので、声を発する者など居ない。
そんな中でチョークを走らせる手を止めて、振り向いて生徒たちを視界に納めると、
「はいっ! というわけでこの問題を───鈴々っ、解いてくれ!」
基準も特になく、なんとなくで鈴々を指名。
「はいなのだ! 1+2+3-4で答えは2なのだ!」
元気よく立ち上がった彼女はすらすらと問題を解いて、むふんと胸を張ってみせた。
「素晴らしい! 素晴らしいよ鈴々! キミは最高だ!」
───この日。
かつては乱世であったこの大陸に、一人の天才が誕生した───……
……。
と。以上、想像でした。
「こんな感じで、天の世界の勉強は成り立ってるんだ」
学校完成を目前に控えたその日。
今日は中庭に集まって、桃香、鈴々、関羽さんの三人で勉強会を開いていた。
どうしていつも通り自分の部屋ではないのかといえば、ただ天気が良かったからなのだ。
付け加えるなら、今日は読み書きをするんじゃなく、軽く天の勉強の仕方などを学んでみようか~ってことで。
「“ちょーく”ってなんなのだ?」
「墨で書くのと違って、水分じゃなく粉とか欠片で書く物かな。ほら、粉とかは手につくと白く残るだろ? それを黒……あ、いや、今では濃い緑色が普通か。緑色の板に書くんだ。墨とは違って粉さえ取れば消せるから、何枚も何枚も紙を無駄にすることもない。卵の殻とか貝殻を使って作ってるって話も聞いたことがあるから……んん、案外この世界でも作れる、か? 圧縮する方法がないなら、粘土でもいいし」
「……よくわからないのだ」
「そ、そっか。じゃあ砂がくっつく壁に砂で文字を書くとするぞ? で、その文字は砂で書かれたもので、くっつくけど叩けば落ちるから、また何度でも書ける。……わかるか?」
「それならわかるのだっ」
「そっかそっかー、偉いぞ鈴々ーっ」
「にゃははーーっ、褒められたのだーーっ♪」
よく晴れた日の昼。
日差しが暖かく、吹く風も心地よい。
外で話し合いをするにはもってこいの陽気だった。
そんな空の下、相変わらず教鞭ではなく人差し指を振るって、四人で芝生に座りながら話し合う。
「えっと、お兄さん? お話の通りに考えると、答えるたびにお兄さんが“素晴らしい~っ”て抱きかかえてくれるの?」
「いや、あれは大げさにしただけであって、べつに褒めたり褒められたりとかはないかな。出来て当然、出来なきゃ頑張れって、そんな世界だ」
「むー……」
どうしてか不服そうだった桃香はさておき。
「それじゃあ続きだけど。授業はそれぞれ軍師が担当するとして、運動の授業……体育って言うんだけど、それを担当する教師も必要だと思うんだ」
「たいいく……ですか?」
「ああ。体を育むって書いて、体育。こっちのほうは軍師向きじゃないから、武官の誰かに担当してほしいんだ。あ、もちろん自分を基準に考えず、程度を考えて教えられる人がいい」
「鈴々がやるのだっ!」
「はい却下」
「却下だ」
「ご、ごめんね鈴々ちゃん」
「なんでなのだーっ!?」
名乗りを上げた鈴々が、この場に居る三人全員から却下を言い渡された。
どうしてって……経験上?
顔合わせの時から今まで、鍛錬には付き合ってくれているが……加減が出来ない鈴々じゃあ学びに来る人たちが死ぬ。体力的な意味で。
それに鈴々の教え方はアレだからなぁ……。春蘭あたりなら理解できるんだろうけど、普通じゃ無理だ。はーってやってうりゃーって振って勝つのだー、とか言われても、わからない人にはわからなすぎる。
しかしそれでいいのかと言われれば……わからないならわからないなりに、歩み寄ってみせるのが知ろうと努力するということ。
ならば……そだな。氣の練り方から集中、発動までを鈴々的に解説してみるとしたら……。
1:まず、「あ゙あ゙ぁぁぁあぁああ!!」と力を溜めます。
2:次に「ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙ん゙!!」と集中します。
3:「うおおおおおおおおおお!!」と放ちます。
結論:これであなたも不破忍道入門!
……ただのすごい漢だこれ。忘れよう。
うん、よし。まずは小さなところからコツコツといくのが理想的だよな。
コツコツとくると……鈴々は向かない。向くとしても相当後になるだろう。
だから今は無理だって話で、通う人達が相当に……相っ当っに! 慣れたあとでなら、なんというかそのー……平気なのではないでしょうか。
「あ、あー……そのー……。鈴々は最後の関門、みたいなもの……かな? ほら、まずは少しずつ慣れてもらう必要があるだろ? いきなり激しい運動とかしたら、体育の授業だけ逃げ出す人とか出るかもだしさ。だから最初の頃の体育の教師は桃香に頼みたいんだけど」
「ふえぇっ!? 私っ!? どっ……どーしてーっ!?」
「教えるのが国の王って、結構いいことだと思うんだ。呉と重ねるわけじゃないけど、もっともっと民と近づける。民はもっと桃香がどんな人なのかを知ることが出来て、桃香も民がどんな人たちなのかをもっと知れる。悪いことじゃないと思うんだけど……どう?」
「え、う、うー……」
「一刀殿、案としては悪くはないとは思いますが、桃香さまは王であり、日々の仕事もあります。そうそう授業に出られるほど時間に余裕がある身では───」
「そこなんだよな、問題は……」
武官の中でも程度を知っている人……自分のペースで行き過ぎない人がいい。
民の体力も察してあげられて、かつ一緒に頑張ってあげられる。……そんな都合のいい人、居るか?
一人で考えてもピンとこないな。せっかく話し合いの場を設けてるんだし、三人にも訊いてみよう。
…………と、口に出してみれば、三人が一斉に俺を指差した。
「? ……なにか付いてる?」
「いえ、そうではなく」
「お兄さんが適任って意味で指差してるんだけど」
「なのだ」
「……エ?」
え……俺が? 体育教師?
……あっはっは、まっさか嘘でしょう。……え? ほんとに?
「初日に桃香を筋肉痛にさせたような俺がそんなことやって、民が耐えられるかな」
「あれは大変だったねー。でもほら、辛かったけど、きちんと実りになってるもん。大丈夫、きっと民のみんなもわかってくれるし、お兄さんなら出来るよ」
「お姉ちゃんみたいに運動すれば、胸が大きくなるのー?」
「ふえっ……!?」
「なっ……鈴々っ! 実りというのはその実りではなくてだな……っ!」
「にゃははー、冗談なのだ」
「も、もうっ、鈴々ちゃんっ!?」
頭の後ろで腕を組み、にししーと笑う鈴々に向かい、桃香と関羽さんが叫ぶ姿を生暖かい目で見守る。
元気な姿っていいもんだなぁ……誓いで結ばれた義理の姉妹とはいえ、本当の姉妹みたいだ。それなのに内容が内容なために、普通の眼差しでは見守れない自分へ馬鹿野郎を届けよう。大丈夫、会話に混ざるような馬鹿なことはしない。迂闊にそんなことをすればどうなるか、魏や呉で十分に学んでるから。
混ざるっていうか、主に巻き込まれてる俺だけど。
「でも……そっか。俺でいいなら喜んで引き受けるけど……授業を受ける人たちが納得してくれるかな」
「いえ、それは問題ないかと。ここ最近では子供達や工夫、買い付け先の者から一刀殿の噂が広まっています。それに加え、呉から来た商人らの見聞も広まり、好印象はあれど悪い印象は無いはずですから」
「えと、そうなのか?」
「はい。ですからどうかご安心を。むしろ胸を張り、思うように指導すればよいのです」
「そうだよ~。やってる最中は辛いけど、慣れてくるときちんと自分の力になってるんだ~って実感が持てるもん。重いものを軽く振るえた時なんて、感動だったよ~?」
胸の上で指を絡め、うっとり顔の桃香さん。
確かに、人の話も右から左な状態で、ブンブカと木刀を振り回してたし。
けど、それは氣を扱えたからであって、扱えない人にとっての鍛錬は結構……いや、かなり辛い。
ただの体力作りとして体育をするならまだしも、氣の使用を目指して体を鍛えるとなれば……祭さんが言うように、十里を軽く走れるくらいになる必要が……いいや待て待て待て、あれは流石に大げさだ。
……そうだな、ランニングとか跳び箱とか、普通に学校でやるくらいので十分だろう。
「じゃあ……こんなところかな? あと気になることとかってあるかな」
「あ……ではひとつ質問が。結局のところ、学びに来る民たちからはいくらか……その、授業料というものを受け取ることになるのでしょうか」
はい、とわざわざ挙手をしてくれた関羽さんにこくりと頷きつつ、答えようとしたら……桃香が先に答えてくえた。
「あ、ううん違うよ? まずはしばらく通ってもらって、続けられそうな子には続けてもらうってことにしたの。“たいけんにゅーがく”ってお兄さんが言ってたけど、そうだよね。続けられるかわからないのに、えっと……じゅぎょーりょー? を払わせちゃうのは可哀想だよね」
そう、結局はこの案に落ち着いた。
そもそも税をやりくりして建てた学校なんだから、もっと民にもオープンにするべきだと思うんだ。ほら、税を払っているなら授業料免除ですよーとか。教鞭を振るった数だけ給料に色がつきますよーとか。
しかしそういうわけにもいかならいらしい。国って難しいね。
だからまず体験してもらい、体験してもらった人たちからの意見も取り入れ、もっと煮詰めていきましょうと。
この時代と俺の時代とじゃあ明らかに違う部分もあるわけだから、“こんなものだろう”って考えや流れだけで動かすのは無茶なのだ。
故に授業料はそう高いものじゃなく、いわゆる“知識をつけて国のために頑張ってください方式”……嫌な名前だなこれ。
「とまあそんなわけだから。他に気になることとかあるかな」
「ごはんはどーなるのだー?」
「現地調達」
「えぇええっ!?」
「げ、現地調達……ですか? あの、一刀殿? それはいったいどういう───」
「体育の授業の中に“狩猟”を混ぜて、野山を駆けて猪を狩ったり山菜を摘んだりして、己の食料は己で手に入れる。そんな野性味溢れる世の厳しさをみんなにも知───」
『却下ですっ(だよっ)!!』
あっさり却下された。
むしろ当然だった。
「や、冗談だから冗談……山菜摘みならまだしも、猪と格闘なんてしたくもないよ」
「そんなことないのだ、現地調達のほうが面白そうなのだっ!」
「? 鈴々、山菜とかって好きだったっけ?」
「違うよー? 猪を狩るのが楽しそうって言ったのだ」
「……近辺の野山で猪が絶滅するからやめようね?」
毎食牡丹鍋なんてやってたら、果たしてどれくらいの日数で絶滅するか。
この世界の皆様はパワフルだから、本当にやりそうで怖い。
「けどまあ、みんなでやったら楽しそうって言えば楽しそうなんだよな、山菜摘み。みんなで採ってきた山菜をみんなで調理するんだ。そうして夜空の下とか青空の下で食べる食事がまた美味しくてさ」
いわゆる合宿とかキャンプだな。ビデオカメラ回してると、大体心霊だったりするけど。
人が賑やかそうにしていると寄ってくるっていうけど、川でのキャンプ中とかが一番危険らしい。
そんな世界から離れて結構経つけど、この時代でも心霊写真とかは撮れたりするんだろうか。今度ケータイでパシャリと……ああいや、今はいいか。
「うん、食事の世話まではさすがに無償じゃあ無理だから、出すのは難しいということで。実際に山菜や魚を食料にするのもアリだと思うけど、時間がかかりすぎるのが難点だ」
大自然の恵みに感謝を。感謝とか言いつつ、一方的に奪ってるだけだけど。
恵みとか言うわりに、俺達って自然に対してどんな対価を払ってるんだか。
覚悟を胸に刻み始めてからここまで、本気には本気をぶつけてきてみたからこそ考えるようになったんだが……うん、特になんにもしてないよなぁ。
感謝しか送れない僕らを許してください。いつも水浴び、お世話になっています。
「授業料じゃなくて、食事を賄える程度を払ってもらえれば、それで食事が出せるんだけどね」
「毎日っていうのはちょっと高いよね~」
「それが問題なんだよ。まあ、最初はともかく体験してもらわないと意味がない。食事のこととかは一度後回しで、どうやって体験入学してもらうかも考えないとな」
ただ漠然と「学校、はじめました」って冷やし中華チックに攻めてみても、きっと誰も来やしないだろう。
こう……なにか。なにか心を揺さぶるキャッチコピーが欲しい。
「学校に体験入学してもらうために、なにか民の心を揺さぶる言葉とか、無いかな」
「心を揺さぶる……ですか」
「えっと……うーん」
「ご飯食べ放題なのだ!」
「国中の人が押しかけるよ! 潰れるよこの国! 他ならぬ愛する民の胃袋で滅びるよ!」
元気なのは大変よろしいが、次代を支える民たちの成長を願ってのことで国を潰してどーしますか。
元気に挙手しての言葉だったけど、当然却下とする。
と、次は関羽さんが手を挙げて言ってくれる。
「では将や王が日々、どういったことをしているのかを覗くことが出来る、というのは」
「ぇええええっ!? みみ、みんなに見られちゃうのー!?」
「……桃香。王であるキミが一番に嫌がってどうするのさ……」
「え、えうぅ、だってぇえ~……」
ままならない。
しかし……蜀の将の日々か。
……あっち行って騒いでこっち行って騒いで、の連続な気もするんだが。
「そういうのは自然体を見せなきゃ意味がないからなぁ……そうなると、たとえば恋が昼寝していたりだとか」
「うぐっ」
「馬超さんと文醜さんがところ構わず競い合ってたりとか」
「はぐっ」
「陳宮が張々に乗りながら騎馬隊の真似をして雄々しく叫んでるところとか」
「ぐっ……」
「魏延さんが桃香のマッサージをしながら鼻血を出しているところとかを、赤裸々に見てもらうことに───」
「い、いえっ、却下の方向でっ!」
「……だよなぁ」
やっぱりままならない。
格好いいところだけ見せても仕方ないってことを、関羽さんもわかってくれている。
だからこそ自然体を見せるのが一番なのだが……正直喩えに挙げたものだけでも民が引きそうな気がしてならない。
失礼だとは思うけど、昼間から酒を飲みまくっている厳顔さんなんて余計に見せられない。
でも、わかるんだよなぁ、格好いい自分だけを見せたいって気持ち。
俺もいつか、自分の背中を見て育つような庶人の子とかと出会ったら、格好いい自分ばっかり見せそうな気がするし。いや、それとも苦労している部分は見せず、余裕のある自分ばかりを見せて、仕事を女性に任せて自分は働かないズヴォラ男として認識されるのだろうか。
……現状じゃあ、そんな自分が想像できなかった。まず、俺の背中を見て育つって時点でなぁ……。
「んー、むずかしいのだー」
「あ……じゃあこういうのってどうかな。体験入学してくれたら、今なら天の御遣いであるお兄さんと握手が出来るー、とか」
次弾、桃香さま。
ハイと手を挙げて言ってくれたのは嬉しいんだが。
「いや……俺との握手を望んで体験入学してくれる人なんて、居ないと思うぞ?」
せっかくだけど却下の方向で。
どんな人を狙えば、そんなので人が集まってくれるんだろう。
「えー? 悪くないと思うんだけど……ねぇ愛紗ちゃん」
「一刀殿と握手を、ですか。噂の天の御遣いを見ることが出来ると知れば、集まる人も居るでしょうが……」
「が……? あ、あれ? なにかだめだった?」
「はい……残念ですが、それで集まるのは授業目的ではなく見物目的の民だけです。恐らく一刀殿がどんな人物なのかを見ることで満足し、授業は受けずに帰る可能性が高いかと……」
「うーん……そうなのかなー……」
民を信じるのはいいけど、こればっかりは違うと言いきれない。
だからやっぱり却下の方向で。
「じゃあ、私達ばっかりじゃなくてお兄さんの意見は?」
「え? 俺?」
はた、と振られてみれば……ううん、確かに訊いてばかりだった。
来てもらうための行為か……。
「……あ。街に繰り出して辻教師をしてみるとか」
「? あの、それはどういった行動なのでしょう」
「道行く人に片っ端から1+1=2であることを教えたり、かと思えば1+1では41になるという昔ならではの───」
「却下ですっ」
「ソ、ソウデスカ……」
算数となぞなぞの違いを説くっていう、子供達の関心を惹かせるようなことをしようと思ってたんだけど……だ、だめかぁ……。
子供達は街では見かけても、学校には来なさそうだからなぁ……きっかけを作って誘おうって作戦を言う前に却下されてしまった。
「あ、お兄さんっ。もし来てくれるのが子供でもいいなら、“おやつあげるから一緒においで~”って言って、連れてくれば───」
「桃香さん。それ、天でも有名な誘拐の手口だから」
「えぇっ!?」
「驚かない驚かないっ……! この世界でだって十分にありそうだろ、それ……!」
「そうかなぁ。乱世だった頃なんて、“あげるから~”って言葉なんて、きっと誰も信じなかったよ? だって、自分が食べるだけでも大変だったんだもん」
「あげてばっかりだったお姉ちゃんが言っても、説得力ないのだ」
「ふふっ……確かに」
「うくっ……! も、もーっ! 二人ともひどいぃいっ!」
実に微笑ましい義姉妹だった。
「ははっ……あ。じゃあ、もし“あげる”って言った人が豪華な服を着ていたりしたら、どうだったと思う?」
「あ……つ、ついていっちゃってたかも……」
「お姉ちゃんだったらそうじゃなくてもついていきそうなのだ」
「えぇ~? あははっ、いくらなんでもいかないよ~っ。ね、愛紗ちゃんっ?」
「………」
「……あれ? なんで目、逸らすの? ……あっ……愛紗ちゃぁあ~んっ!!」
「い、いえ、私はなにも……」
説得力っていうのは武器だ。
それをどう組み立てて証明するかで、交渉などは決まるのだろう。
糧を餌に誰かを騙す人も、それなりの用意はしているんだろうし……引っかかったら引っかかったで、身包み剥がされたり殺されたりなんて、黄巾の乱の頃を思えば“無い”だなんて言えやしない。
……一応、降り立った途端に身包み剥がされそうになった、天の御遣いの経験論です。
「むー……難しいのだー」
「考えすぎって逆によくないよな……案外お茶でも飲んでホッと息を吐いたら、簡単に思いつけることっていうのもあるんだけど……」
「一刀殿自身、他に案は?」
「ん……地道に広めていくしかないと思う。で、来てくれた人には初日から厳しくいかないこと。段階を追って少しずつ難しいものを教える。それだけかなぁ……」
来てくれるようにするっていうのは難しい。
まずは少しずつ、必要になれば対処法を。
天の時代とは異なった現在で学校を始めるんだ、全てが手探りに近くなるのはどうしてもこう……仕方がないことだ。