今回から妖々夢編となります…本文は今までより短めですが、三章の始まりとしてこの辺りが良い区切りと思ってこのようになりました。
稚拙な文章、思い付きの超展開、厨二要素多めでお送りしておりますが…それでも読んで下さる方は、ゆっくりしていってね。
第三章 壱 その背中で語るもの
♦︎ 九皐 ♦︎
妖怪の山で、伊吹と射命丸に出逢ってから三ヶ月もの時が経過していた。夏が過ぎ、馬肥ゆる秋を越え、冬も終わろうかという如月の月。多くの得難い出逢いに恵まれた私は、妖怪の山の一件以来…他者の視線が劇的に変わった事に気付き始めた。
と言っても紅魔館の皆や八雲一家、幽香やメディスンはこれ迄通り変わらなかったが…特に人間側の私への認識はかなりの高評価らしい。
「あん? コウ? 良い奴だぜ! 霊夢もそう思うだろう?」
「そうね…フランドールの狂気とか、パチュリーの病気も治したらしいし。ま、悪い奴じゃないわね」
曰く、幻想郷の秩序を守る第三の存在。
一人は紫、一人は霊夢、最後が私だ…明らかに浮いている。そも秩序などというモノは、それぞれ捉え方が違えば善し悪しも変わるというのに癩な話だ。
「負けた私が言うのも何だが、アイツは本物さ。鬼は嘘を吐かない! 私は…大事な事は嘘は吐かない! 今度ゆっくりと、酒を酌み交わしたいねぇ」
「萃香、アンタいつもそう言って最後には酔っ払って絡むじゃない。またコウに負けたいの?」
「幽香も負けたんでしょ? 私知ってるよ!」
「メ、メディスン…? 何処でそれを」
曰く、力有る妖怪達の橋渡し。
出逢った先から強者揃いだった所為か、例を挙げればレミリア嬢率いる紅魔館。太陽の丘の幽香。山の四天王である伊吹。軒並み知名度、実力共に一級品の面々と親しくなった事に端を発する。
「コウ様は、この幻想郷に新風を巻き起こしましたわ。細々とした問題は残るものの…感謝こそすれ不満など、有り得ませんわ! 嗚呼、コウ様! こんな事ならあの時強引にでも我が家に」
「紫様…近頃発作が酷いですよ。賢者なんですからもう少しーー」
曰く、妖怪の賢者、八雲紫のお墨付き。
私は彼女を頼りにしているが、彼女は如何だろうか。紫は会う度私に好意的だが…彼女が誠実な反面、それに胡座を掻いていないかと自問自答する事も多い。楽園に住む者の殆どは彼女の知と力を認めている為、結果としてそれに肖っているだけだ。過大評価此処に極まれりというもの。
「コウ様…ですか? その…私の入れた紅茶が、今まで飲んだ中で一番美味しいと仰って下さいました。それが凄く…嬉しくて」
「コウが来ない日は、魔理沙と弾幕ごっこしてるの!それと、お姉様も寂しそうだわ」
「ちょ!? フラン!? 貴女急に何をーー」
曰く、友誼を結んだ妖怪達を纏め上げ、各地を守護させている影の首領。
これが最も物申したい噂だ…友誼を結んだのに間違いは無いが、影の首領とは何だ? 皆目身に覚えが無い。私は繋がりの有る者たちに一々指示する立場ではないし、皆に了承を得た上で住処の近くを各々に警邏して貰っているのだ。
「また始まりましたね…でも、とっても平和です」
「美鈴? 貴女いつからそんなに老成したのよ。私なんて最近一人で出歩ける程活気に溢れているのに」
「パチュリー様ぁ…せめてお出掛けの際は一声かけて下さいと言っているじゃありませんかー! 御病気が治ったとしても、私はもう心配で」
以上が…紅魔館で茶を馳走になっていた私に、突然現れた射命丸が渡してきた《アンケート》なる書面の内容だ。
射命丸はあの後、伊吹の傷が癒え始めてから直ぐに私を調べ上げたらしい。人里の認知度、紅魔、太陽の丘、妖怪の山で私に関わった特に因縁のある人物を総当たりしたという。
「何故そこまでする?」
「私は、私なりのやり方で貴方と向き合おうと決めただけですよ。これは、所謂お近付きの印というヤツです!」
それなら止めはしないが…何やら全く無関係な遣り取りまで丁寧に載っているのは、彼女の遊び心なのか。
「ほへぇ…これが九皐さんのお家ですか。何だかとっても」
「…分かっている。適当で良いと言っておいたのだが、うむ」
紫から私の住まいが完成したとの報を聞いて、地図に記された場所へ射命丸を連れて足を運んだ。それまでは何の問題も無かったのだが…
「立地としては…ええ、秀逸? ですね」
家という観点からすれば、とても良く出来ていた。
作りは洋風、煉瓦造りの塀に開け放たれた正門は風情がある。立派な家なのだが、それ以外の要素が奇妙の一言だった。
「うむ…神社、太陽の丘、紅魔館、森、至る要所の中間に建てたらしい」
これを手掛けたのは、何とあの伊吹だとか。鬼は建築関係に明るい様で、着工したその日から天狗や河童…つまりは妖怪の山に住む手空きの者を強引に駆り出して建てたと、後の伊吹は語っている。
「しかし、何故この場所なんですかね? 平原のど真ん中にポツンと屋敷なんて」
「……距離の問題だそうだ」
「はい? あ、ああ! なるほど!」
射命丸にはその意味が分かったのか…私にはさっぱりだ。
何でも始めは、博麗神社の近くに建てる予定だったが、レミリア嬢や幽香が断固反対したとの事だ。
かといって双方の住まいにほど近い訳でも無く、紫に伝えられた新居はさながら道端の茶飲み処の様だ。外観こそ似つかないが、交通の便は余り良くない。
「とりあえず入りませんか? 中も見たいですし、改めて九皐さんに取材もしたいので」
「ならば行くか」
正門を抜け、小さいながらも整った庭の前で、伊吹と紫が私達を待っていた。
「ようこそ、いいえ…お帰りなさいませ。コウ様」
「うむ…帰ったぞ」
「なんだいなんだい? 私と文抜きで新婚みたいな雰囲気醸しちゃってさ。この家建てたの私なんだけど」
「ちょっと! 病み上がりは空気を読んで黙ってなさいな!」
その病み上がりの伊吹に建築を依頼したのは紫の筈だが、当の鬼の少女は気にした風も無く昼間から酒を呷っている。
「中へ入ろう。冬も終わりとはいえ、まだまだ冷える…鍵などは有るのか?」
「コレだよ、常用と予備二本で併せて三本だ。自分で管理するなり誰かに渡すなり好きにしなよ」
渡された三本の鍵に、紫は食い入る様な視線を投げかけているが…それ程珍しい造りの鍵でもない。
気に留めぬ事にして、豪奢な扉に鍵を挿し込み捻る。
抵抗も少なく開かれた扉の先には、想像したよりも立派な部屋が広がっていた。
「見事な出来だ」
「これくらい訳無いよ。設計図は河童が書いたもんだが、柱から壁紙まで加工と組み上げは私がやったんだ」
鬼が建築に造詣が深いのは聞き及んでいたが、一人で住むには勿体無い出来映えだ。将来的に住人が増えるのも考えて造ってくれたのだろうが…些か広過ぎる。
「客や知り合いを泊めるのも問題無いよ。部屋数は居間から寝室合わせて何と十五部屋だ!」
部屋数の多さにも驚いたが、そこに階段、通路の数と広さを考えれば納得の規模だ。
「お一人じゃ使い切れないですね。どうです? いっそ同居人を募ってみては?」
「私と暮らしたい者が居ると思うか?」
射命丸の提案に疑問を訴えると、不思議な事に場は沈黙に包まれてしまった。
「兎も角だ。ありがとう、伊吹。これだけの住まい、私には過ぎた贈り物だ」
「よせよ、山の件ではアンタに泥被せちまったんだ。むしろ足りないくらいだよ」
照れ隠しに瓢箪を手で弄ぶ彼女の表情は、酒に酔ったのか頬が赤く視線も何処か熱を帯びていた。昼間から飲む酒というのは、やはり酔いが回り易いのだな。
「オッホン! さあ萃香、私がスキマで送りますから家具を取りに行きますわよ!」
「お、おう! そうだね、手伝って貰おうかな! それじゃあ九皐、また後でな!」
伊吹と紫はスキマの中へ入って何処かへ消えてしまう。後には私と射命丸しか残っていない…間が保てない事は無いが、家具も何も無いこの屋敷で二人きりで取材というのは面白くない。
「人里へ行きませんか? 取材は簡単な質問だけですし、歩きながらでも」
「そうだな。実は、人里を回るのは初めてだ」
「え!? 意外ですね…じゃあ、行きましょうか」
人里の座標を解析し、玄関から人里直通の孔を開けて転移を試みる。形成された孔を前に射命丸は怪訝な表情を浮かべたが、私が促すと彼女も恐る恐る孔の中へ歩を進める。
孔に通じていたのは人里の入り口だった。
周囲を見渡せば茶屋に服屋、雑貨などを示す暖簾の掛かった様々な家屋が建ち並び、人の数は通行人だけでも数百は下らない。
「ほ、本当に一瞬で着いちゃいましたね…初めてお見かけした時から思っていたのですが、貴方何者なんですか? 正直に申しますと異常過ぎます。色々とヤバいですよ」
その《ヤバい》という言葉の意味は知らないが、私からすれば出来て当たり前のモノを異常と言われても答えようが無い。気付いた時には可能であっただけで、私にも不可能な事柄は幾らでも有る。
「私が何者か、というのは取材か?」
「ええ、まあ。例えば妖怪として種族は何に該当するかとか…能力はどんな物をお持ちなのかとか」
つまり射命丸は、伊吹や幽香に勝った理由を知りたいらしい。返答に困る質問をされるのは、幻想郷に来て何度目か。その場は無言で歩き出し、人々の喧騒に紛れて射命丸の耳にだけ届く声量で語る事にする。
「私は…負に属するモノを生み出し、操る事が出来る」
「負に属する…ですか、抽象的ですね」
「事実そうなのだ。物質、現象、曖昧で在るかどうかも定かでない物まで多岐に渡るが…生み出し操るというのは、逆もまた可能とする」
「レミリアさんの妹君…フランドールさんの狂気やパチュリーさんが患っていたという持病を取り除いた様に、ですか?」
利口な頭をしている…それによく紅魔の皆からその話を聞き出せたものだ。何かを自由に生み出し、自在に操作し得るという事は…高め、減じ、奪う事も然り。
それ等の負は吸い取れば私の裡で無色の力になり、吐き出せば負を帯びた何かに変えられる。長い生で一頻り何が奪え、何に変わるか試したが…可能不可能は感覚的な部分でしか分からない。
「ああ…奪ったモノは無尽蔵に蓄積され、全て私の力となる」
「何ですかそれはーー万能どころか、全能の能力ですよ。人外が持つ能力にしても異常です」
「全能ではない。《正》に係るモノは操れないからな…よって能力で生命を創造する事は不可能だ」
正と負の均衡は、負の比率の方が圧倒的に高い。これで正まで取り入れてしまえば…私は真に何処でも無い場所で、何でもない何かに成り果てる事だろう。
「正とは命…ですか。では、殺傷力は無いと?」
「ーーーーいや、放った力は例外無く…純粋な負で構成されている。攻撃に使えば効果は単純化され、破壊や殺戮に特化した性質と威力が備わる」
始末が悪いのはこの部分だ…やり過ぎれば、掠めただけで生物の命を根源から絶ってしまう。奪った命を、元の状態に戻す事は出来ない。
「ならば…風見さんや伊吹様の時には」
「それなりの威力で撃ち出したが、死なせぬ様に制御していた」
射命丸は、私の返答を境に押し黙ってしまった。青ざめた顔付きから何を思うのかは想像に難くない。
「今放っている気配や力は二割程度だ。包み隠さず振る舞うには、楽園は儚い」
「……本当に、出鱈目です。伊吹様に勝ったのに二割? 百で数えたら二十って事ですよ…嘘に聞こえないのが更に厄介です」
「私もそう思う。自分で不便だと感じるのだ…外で他者に向けられて来た視線は、粗々芳しくない。ところで射命丸よ、私が普段どうやって腹を満たしているか…分かるか?」
妖怪ならば人の恐れ、畏敬、又は人そのものを、糧とする。人は動植物を糧にする。当たり前だが、私はその当たり前には入っていない。
「何なんです…」
「不安、恐れ、怒り、憎悪、悲哀、負に属する心の揺らぎや、数多の災害から生命の死まで。世に害を為す遍く事象こそ…私の糧だ」
人も人ならざる者も抱く負の感情を、私の意思とは無関係に我が身はその性質故に啜り上げる。見知らぬ何処かで嵐が吹き荒れ、火の手が上がるだけで糊口を凌げてしまう。
「悪辣極まりない。かといって死んでやる度胸も無いのだ」
「…言葉が出ません。しかし…貴方の生来の在り様を否定する程、私は傲慢でもないつもりです」
その言葉だけでどれほど救われるのか、君は知らないのだ。生きているのさえ度し難い、負の権化たる私には…ただ受け入れて貰える事の意味こそ何より大きい。
「私がどんな存在か…それが最初の質問だったな」
「はい。御無理にとは、最早言えませんが」
「構わない、私の名は知っているな?」
射命丸は一つ頷くと、私の言葉を聞き漏らすまいと沈黙していた。今更私の種族など、誰に告げたとて問題は無い。会話に夢中だったが、気付けば今は人里を進んで中腹に差し掛かる頃…私は彼女に素性を明かした。
「正確には、九皐は下の名だ…上は深竜。深淵の如き、闇色の竜と外では呼び名を与えられた。改めて名乗ろう、深竜・九皐…それが私だ」
「竜…種としては間違いなく最強の一角ですね。中には高位の神々すら一顧だにせず、純粋な膂力のみで打ち倒す個体も居ると聞きます。貴方はーーーー」
「私がどの程度かは知らん…興味も無い。そういった話は、他の者達とするのが良いだろう。今答えてやれるのはこれくらいだ」
その場に立ち止まり、深く聞き込もうとする射命丸を置いて私は進み続ける。これ以上話した所で、射命丸の見識では分かりかねる内容も増えてくる。加えて…私は取材の内容に興味を失ってしまった。
彼女が今後如何にしてその胸中を整理し、次に私と語らうかは本人次第だ。
「このまま私は人里を見て回る。今は距離を置いておけ、射命丸…君の気が向いたら、私の住まいにまた来るが良い」
射命丸に残した言葉を最後に、彼女とは其処で別れた。
人里の大通りには、私が見た事の無い様々な店が並んでいる。大人達は良く働き活気に溢れ、幼子達は道端で遊び友と親睦を深め合う。治安の良さが俄かに伝わって来る有様は、幻想郷を守護する面々の努力の結晶だ。
その光景は目を覆いたくなるほど眩しく尊い。
自然と私も不器用ながら微笑を浮かべそうになった時、注意を欠いていた所為か誰かと身体がぶつかってしまった。
「あ、すみません! お怪我は有りませんか?」
「此方こそ申し訳ない。私は何とも無いが、君こそ大丈夫か?」
互いに声を掛け合った所で、私は彼女の姿を改めて視認した。首筋程まで伸びた、美しい銀の頭髪。群青の空を閉じ込めた様な瞳の色。年相応のあどけなさと、活発さを窺わせる整った顔立ち…美少女と言って相違ない。
「ええ。大丈夫です、お気遣い感謝します。では、私はこれにて失礼します」
彼女は私が向かってきた方向へと、直ぐ様歩き去って行った。その華奢な背を見て特徴的な部分がもう一つ、背に括られた二本の刀が目に入った。
「あの娘、剣士か」
体幹が確りとしており、迷いの無い歩みと偏りの無い重心から、彼女も美鈴と同じく武に通ずる者だと推測する。
年は人間であれば十四、十五か…そして私は見逃さなかった。彼女の傍らに漂う、白く丸みを帯びた不可思議なモノを。
二振りの剣、彼女に侍る白い何か…尋常な見て呉れでは無いと同時に、私はまた何処かで出逢うかも知れないとーーーー根拠の無い予感に囚われていた。
♦︎ ??? ♦︎
「只今帰りましたー! 頼まれていたお菓子、買って来ましたよー!」
長らく二人で過ごした我が家、《白玉楼》に居る筈の主人の声は帰って来なかった。また些細なことに気を取られて私の声に気付かないのかもしれない。
「《
庭の方まで探しに行くと漸く見つけた私の主人は、宙を揺蕩いながら此方を振り返る。
「《
「はい! 魂魄妖夢、只今帰りました。さ、新商品の御団子ですよ! すぐお茶を淹れますから」
「妖夢」
「はい?」
幽々子様は静かな声音で私に呼び掛け、その御顔を見ると…いつに無く華やかな佇まいで私を見つめていた。
「どうされました?」
「《春》は、順調に集まっているみたいね。御覧なさい…もうじき満開の桜が見られるわ」
正直な所、私はこの古木が昔から好きではない。
庭の景観を保つのが日頃から大変だし、庭の手入れの際には必ずこの古木に合わせなければならないからだ。
私が生まれるずっと昔から此処に在るという古木は、年季こそ入っているものの全く敬意を払えない。
「春を集め続ければ、異変に気付く者も出てくるでしょう。でも辞める気は無いの…だって」
その先の台詞を、主人は紡ごうとはしなかった。
春を無理やり集めれば、幻想郷の冬が終わる事は無い。春を奪われた楽園はただ白く…凍て付く風に晒されるのみ。
「花が咲いたら、きちんと春を帰せば良いのです。異変と見做されるのは必至ですが…此処に辿り着くのは容易ではありません」
庭の真中に立つ巨大な古木は、ここ数週間で枝という枝に多くの蕾を付け始めている。この桜の木が咲いた暁には、きっと幽々子様も満足して頂けるだろう。
「しかし、宜しかったのですか? この木は先代の庭師…お爺様に咲かせてはならないと固く言い含められておりましたのに」
「気になるから仕方ないわ。桜が満開になれば…きっとこの言い様の無い気持ちも晴れると思うから」
そう仰る割に、主人の表情は何処か物憂げだった…私には、幽々子様の心中を察する事は難しい。
それでも成し遂げたい…私は幽々子様の剣術指南役にして白玉楼の庭師。そして彼女は、幼少の砌より仕えるただ一人の御方だから。
背に携えた一族の家宝…白楼剣を掲げ、自らと主人が揺らぐ事無く進む事を祈り、あらん限りの覚悟で以って宣言した。
「この剣に懸けて…必ずや」
「ええ…宜しくね、妖夢」
この桜の面妖な気配に惹かれて、幽々子様の望みを断たんとする者共が近い内に現れるかも知れない。
私の決意は変わらない。幽々子様の願いを果たすべく、邪魔する者は須らく斬り捨てる。古木が花開けば春は帰すのだ…どうせ異変として扱われるなら、成就する光景をまざまざと見せ付けてやる。
来るならば来い、まだ見ぬ楽園の徒よ。
黄泉路の水先案内人は、この魂魄妖夢が引き受ける。
主への忠の為、主の心を潤すが為…相対したその時は。
妖怪が鍛えし我が刀、師が伝えし我が力、その身をもって味わうが良い。
みょん、遂に出せましたみょん。
みょんみょんする気分が高まり過ぎて止まりません。
中身の無いあとがきで申し訳ありませんが、最後まで読んで下さった方、誠にありがとうございます!