Fate/GrandOrderとセブンスドラゴンシリーズを混ぜてみた   作:白鷺 葵

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・第1部終了後、絆イベント開始直前
・結絆関係のマテリアルネタバレ(重要)
・結絆関連のマテリアルネタバレ(重要)
・クソチート宝具出現(重要)
・クソチート宝具出現(重要)
・楽曲をベースにしたパロディ風小説(重要)
・楽曲をベースにしたパロディ風小説(重要)
・パロディ風だけど、ちゃんとシナリオに絡んでいる(重要)
・パロディ風だけど、ちゃんとシナリオに絡んでいる(重要)


【参考・参照】
『とある一家の御茶会義』(くるりんご氏)




幕間前日譚.とある一家の御茶会義/Absence

「こらこら! そんなに入れたら体に悪いよ!」

 

 

 祖父の指摘に驚いて、結絆は思わずコップから手を離してしまった。派手な音を立ててコップが倒れる。

 零れたコーヒーからは溶け切らなかった砂糖の塊が滲む。6つの角砂糖は伊達ではない。

 見上げれば、怒ったような顔をした祖父、険しい顔つきのままこちらを心配するおじ、苦笑する祖母がいる。

 

 

「砂糖の数は、幸せの数なんですよ」

 

 

 結絆の大好きな人たちが()()()()()ことが嬉しくて、幸せで、思わず結絆は笑みを零した。

 祖父母とおじは何を思ったのか、一瞬目を見張った後、穏やかに微笑み返してくれた。

 

 瞬きをひとつ。次の瞬間、賑わっていたはずの部屋は嘘みたいに静かになっていた。

 

 

 ――結絆(やぬし)を取り囲んでいたはずの家族の姿は、もうない。

 

 

◇◇◇

 

 

『……ははは……キミは、ボクには勿体ないくらい、立派な孫だったよ。……結絆……』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、燃え尽きていった命があった。

 

 誰よりも優しい、結絆の祖父。

 満足げに微笑んだ彼は、どんな気持ちで目を閉じたのだろう。

 

 

***

 

 

 嫌な夢を見た。内容はよく覚えていないが、背中に汗が滲んでいるあたり、相当酷い内容だったのだろう。結絆は大きくため息をついて体を起こした。

 服を着替えて部屋を出る。階段を降りればすぐダイニングだ。生活廃人であるおじが持つにしては、キッチンもダイニングも立派過ぎる。

 お手伝いさんの行き届いたケアがなければ、ここは3日程度で汚部屋になるだろう。たとえ結絆が努力しても、ギリギリ最低限度が保たれるくらいだ。

 

 

「ふんふ、ふんふ~ん♪ てんて、てんて~ん♪」

 

 

 祖父がよく歌っていた鼻歌を口ずさみながら、結絆はケトルのスイッチを入れた。戸棚からインスタントコーヒーを取り出し、マグに3杯投入する。程なくしてケトルが鳴り響き、それを確認した結絆はお湯をマグに注いだ。

 

 インスタントコーヒーと言っても、高給取りで目が肥えているおじが愛用しているブランドだ。挽きたての豆に比べれば風味は劣るが、充分美味しい逸品である。

 時計を見れば午前7時。今日は休日だ。予定は何も入っていない。さて、今日は何をして過ごそうか。結絆がそんなことを考えていたときだった。

 

 

(――え?)

 

 

 瞬きしたその一瞬で、結絆の眼前に人が現れた。朝焼け色の髪をポニーテールに束ね、若葉を思わせるような鮮やかな双瞼が瞬く。彼が身に纏っているのは、I()S()D()F()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 

 ――ああ、と、結絆は納得した。

 今自分の目の前にいるのは、()()()()()祖父(ロマニ・アーキマン)であると。

 

 

「……え? え、えええ!? うええええええええええええええッ!?」

 

 

 それと入れ替わりで、ロマニが絶叫した。彼はまず結絆を指さし、次に周囲を確認しようとして、そのまま椅子からひっくり返った。結絆は一瞬呆気にとられたが、思わず吹き出してしまう。

 ロマニは恨めし気にこちらを見上げた。結絆が椅子から立ち上がって彼の元へ向かう。呆気にとられたロマニに手を差し伸べれば、彼は目を丸くした後、申し訳なさそうに苦笑してその手を取ってくれた。

 とりあえず、ロマニは椅子に座ることにしたらしい。それを確認した結絆は立ち上がった。今の結絆にとって()()()()()ロマニは、祖父である以上に“もてなすべき()()()”だ。客人をもてなせそうなお茶請けを探す。

 

 戸棚を開ければ、某有名和菓子メーカーのまんじゅうが入っていた。確かこれは、()()()()()()()ロマニが贔屓にしていた和菓子だったか。

 まんじゅうの中身はこし餡だから、()()()()()ロマニも気に入ってくれるだろう。結絆は確証を持って、それを片手にダイニングへと帰還した。

 

 

「お待たせしました。飲み物はコーヒー、紅茶、緑茶のどれにしますか?」

 

「……お茶請けのおまんじゅうに合わせて、緑茶で」

 

「はい。すぐに準備しますね」

 

 

 沸かしていたケトルの温度を確認する。現在60度、お茶には丁度いい温度だ。急須に茶葉を放り込み、ケトルからお湯を注ぐ。急須のお茶を湯呑に注いで完了だ。

 

 湯呑を差し出せば、ロマニは神妙な顔で受け取り礼を言った。お茶請けのおまんじゅうを一口食べて、彼は嬉しそうに表情を綻ばせる。――そう、祖父は甘いものが大好きだった。

 お茶菓子がお気に召したロマニの様子を眺めながら、結絆もおまんじゅうを口に運んだ。上品な甘さはしつこさやくどさを残さず、口の中で溶けるように消えていく。

 おまんじゅうに舌鼓を打っていとき、真正面から突き刺さるような視線を感じた。顔を挙げると、口元におまんじゅうの食べかすをつけたロマニが、何か言いたげに結絆を見つめている。

 

 

「……うして」

 

「おじいさま?」

 

「ッ、どうして! ……どうして、キミは……!!」

 

 

 結絆が目を瞬かせたのと、ロマニが声を上げたのは同時だった。ロマニは壊れた人形のように「どうして」ばかり連呼する。それしか言い表す言葉が見つからないと、それ以外に何も思い浮かばないと言わんばかりに。

 若葉色の瞳には涙の幕が張っていた。溢れそうで溢れないのは、平行世界とは言えど「結絆の祖父なのだ」という意地で踏み止まっていたためだろう。自由になったはずなのに、どうして彼は何も言えないでいるのだろう。

 

 その原因の一端を担っていると()()()()()()結絆は苦笑した。肝心要で気の利いたことを言えないのは祖父譲りなのだと改めて自覚する。困ってしまうことだが、彼との共通点があるという事実は凄く嬉しい。

 

 ロマニは優しかった。あまりにも優しすぎた。だから、彼は結絆に対して強い責任感と自責の念を抱いている。

 見ているこちらが悲しくなるくらい、原因の大部分を自分に負わせているみたいだった。……それは、結絆の意図するところではない。

 「ごめんよ」とロマニは言った。喉の奥底から絞り出したかのような、辛そうな声。ロマニが謝らなければならぬ理由などどこにもないのに。

 

 結絆はシュガーポットから角砂糖を3つ取り出した。それを自分のマグへ放り込み、スプーンをくるくる廻す。

 視界の端に映る窓からは、澄み渡った蒼穹が見えた。――ああ、世界は今日も廻っている。何の問題も滞りもなく。

 

 

「心配しないでください、ロマニおじいさま。大丈夫ですよ。もう、貴方を縛る終焉(あくむ)はなくなったんですから」

 

「でも! ……でも、おかしいだろう!? どうしてだ!? どうしてキミが……本当は、ボクが……ボクが――!!」

 

「――僕、おまんじゅう大好きです。ロマニおじいさまも大好き」

 

 

 結絆は満面の笑みを浮かべて告げた。いきなり脈絡もなく「大好き」と言われ、ロマニはぴたりと動きを止める。涙は引っ込み、間抜けな声が漏れた。

 おまんじゅうと同格扱いされたことに思うところがあるのか、眉間に深い谷ができる。困惑気味に揺れる若草の眼差しを見ていると、なんだか居心地が悪くなってきた。

 正直な話、結絆は“自分が()()()()をした”とは自覚している。そのせいで、ロマニはとても傷ついたのだ。結絆はおずおずと問いかける。

 

 

「おじいさまは、僕のこと嫌いになりましたか?」

 

 

 藪から棒に問われて、ロマニは目を点にした。途端に、若葉色の瞳からぶわあと涙があふれる。

 

 

「ちょ、おじいさま!?」

 

「……んで、なんでそんなこと言うんだよぅ! そんなこと、そんなこと……あるわけないじゃないかぁぁ!!」

 

 

 ロマニはがばりと椅子から立ち上がる。呆気にとられる結絆を無視して、彼は大股でこちらへ歩み寄った。

 結絆が何かを言うよりも先に、思いっきり抱きしめられる。――そうして、頭を撫でられた。

 

 手袋越しだけれど、彼の温もりはとても温かい。それが嬉しくて、結絆ははにかみながら目を閉じた。

 

 

◇◇◇

 

 

『何もかもが信じられないこの世界で、お前たちが幸せでいてくれることが救いだった。……私にとって、何よりもの……。――……結絆、お前は私の……希望だ』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、燃え尽きていった命があった。

 

 大事な人々の幸せを願ったが故に、世界の理不尽に怒ったおじ。

 祈るようにして呟いた彼は、どんな気持ちで目を閉じたのだろう。

 

 

***

 

 

 嫌な夢を見た。内容はよく覚えていないが、背中に汗が滲んでいるあたり、相当酷い内容だったのだろう。結絆は大きくため息をついて体を起こした。その衝撃で、ロッキングチェアが軋んだ音を立てる。

 年季の入ったロッキングチェアは、部屋の主であるおじが取引先から譲り受けた品物らしい。小さい頃は地に足がつかなくて恐ろしいと思っていたが、今では充分足が届く。成長したということだろう。

 

 時計を見れば、現在時刻は午後3時。テーブルの上には開かれたままの問題集が置きっぱなしになっている。抜けるような蒼穹はいつの間にか、曇天に覆われていた。雨音が少しづつ強くなってきたように思う。

 

 結絆はロッキングチェアから立ち上がり、問題集を片付けた。階段を降りて浴室に直行し、シャワーで汗を流した。今日は休日で予定が一切入っていないため、多少変則的な過ごし方をしても問題ない。予定が入っていたら、こんな風に過ごせなかったであろう。

 濡れた髪を乾かした後、結絆は再びキッチンの方へ向かった。早朝の御茶会以来、何も食べていない。ぐうたらで贅沢な過ごし方をしているとは自覚しているので、結絆はひっそり苦笑する。今日は簡素なもの――インスタントジャンクフードで済ませようか、などと、結絆が考えながら椅子に座ったときだった。

 

 

(――え?)

 

 

 瞬きしたその一瞬で、結絆の眼前に人が現れた。薄い金色の髪を腰まで伸ばし、薄く焦げたような色黒の肌。臙脂色の瞳が瞬く。彼が身に纏っているのは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 

 ――ああ、と、結絆は納得した。

 今自分の目の前にいるのは、()()()()()おじ(ゲーティア)であると。

 

 

「………………………………………………………………………………………………は?」

 

 

 これ以上ないくらいたっぷりの間を取って、ゲーティアはようやくそれだけ言った。変な汗を大量にかいて硬直しているあたり、平気そうなのは表面だけで、内心はかなりパニックになっているのだろう。嘗ての王の貫禄は伊達ではない。

 彼がこのように挙動不審になってしまった原因の大部分が結絆のせいだ。自分の責任を自覚している結絆は思わず苦笑してしまう。ゲーティアは案の定、警戒する獣のように周囲を見回していた。

 暫し警戒した後、危険はないと判断したらしい。ゲーティアは神妙な顔つきのまま、大人しく椅子に腰かけたままでいた。それを確認した結絆は立ち上がった。今の結絆にとって()()()()()ゲーティアは、おじである以上に“もてなすべき()()()”だ。客人をもてなせそうなお茶請けを探す。

 

 冷蔵庫を開ければ、某洋菓子メーカーの箱が鎮座していた。中身はガトーショコラ。確かこれは、()()()()()()()ゲーティアが贔屓にしていた菓子だったか。

 ほろ苦い甘さが特徴的なそれは、()()()()()ゲーティアも気に入ってくれるだろう。結絆は確証を持って、それを片手にダイニングへと帰還した。

 

 

「お待たせしました。飲み物はコーヒー、紅茶、緑茶のどれにしますか?」

 

「……コーヒーを頼む」

 

「はい。すぐに準備しますね」

 

 

 結絆は即座に立ち上がり、ケトルをセットする。幾何かの時間が過ぎた後、ケトルは高らかに音を響かせた。現在温度は100度、完全に沸騰したらしい。結絆は自分のマグと()()()()()()()ゲーティアが愛用していたマグを取り出し、インスタントコーヒーの粉を投入した。お湯を注げば、珈琲の香りが鼻をくすぐる。

 

 マグを差し出せば、ゲーティアは躊躇うような素振りを見せた後、何とも言い難そうな顔をして受け取った。コーヒーをちびりちびりと飲み進めながら、彼はガトーショコラにフォークを伸ばす。物珍しそうな眼差しからして、()()()()()ゲーティアがガトーショコラを食べるのは初めてのようだ。

 切れ端をフォークに突き刺し、おずおずと口に運ぶ。得体の知れぬものへ向けられた眼差しは、ガトーショコラを口に含んだ途端、跡形もなくなくなってしまった。残ったのは、成人済み男性の姿からは想像できないくらいの眩しい眼差し。一段階明るくなった表情からして、ガトーショコラは彼のお眼鏡に叶ったらしい。

 

 

「おいしいですか?」

 

「……おそらく、おいしいのだろうな。これは」

 

 

 確かめるように、噛みしめるように、ゲーティアは答えた。()()()()()ゲーティアは最近になって人間を始めたばかりである。どこかぎこちない態度は、今の彼が示せる精一杯の賛辞なのだろう。なんだか微笑ましい。

 ……皿や口元、テーブルに沢山の食べかすが散乱する。食事の仕方も練習中なのだろうか。練習中でこの有様だとしたら、成人をとうに過ぎて90代突き抜けた()()()()()()()ゲーティアは、やはり生活廃人だったと言えるだろう。

 ()()()()()ゲーティアは食べかすを散らすことなく食べれるようになってほしいものだ。掃除好きな英霊や汚いものが嫌いな英霊がガミガミ言いながら部屋を掃除する光景を幻視してしまい、結絆はひっそり苦笑する。

 

 

「この部屋は何だ? 初めて来たはずなのに、どこか馴染みがある。居心地もいい」

 

()()()()()()()()()()()()()()の家ですからね。既視感と親しみを抱くのは当然だと思いますよ」

 

 

 食べかすをぼろぼろ零しながら、ゲーティアは結絆に問いかけた。結絆は何の気なしに返答する。それを聞いたゲーティアが食べる手を止めた。

 

 

「……そうか。ここが……」

 

 

 彼が沈痛な面持ちを浮かべたのは、本人すらも意図せず、期せずして千里眼によって()()()()()()“結絆の真実”に対するものであろう。

 ソロモン王が見守り、ゲーティアが憤った生命の始まりと終わり。結絆が体験した大剪定(あくむ)は、彼らの経験上、最大規模の命が失われた光景だったに違いない。

 しかも、件の大剪定(あくむ)()()()()()()()ゲーティアも加担していたのだ。黒幕の意図を知らなかったとはいえ、それは免罪符にならなかった。

 

 嘗ての獣――人類悪の顕現と言われた魔術式は、憐れみから生まれた存在であった。人間を憐れんだが故に、死の運命に憤り、死によって無残に消えてゆくしかない人類に怒り、世界/人類へ喧嘩を売った存在。その在り方は、()()()()()()()ゲーティアと非常に似通っている。

 彼はいつも怒っていた。ISDFの闇に巻き込まれる形で命を落とした結絆の両親の運命に怒り、自分の息子夫婦がISDFのスケープゴートにされたのに反応が鈍い祖父ロマニの態度に憤り、息子を失って悲しみに暮れる祖母彩羽を憐れみ、その理不尽を覆そうと立ち上がった。

 

 世界を変えるために立ち上がったおじの想いは、第2真竜に利用され、人類滅亡への足がかりにされてしまった。共犯者にして被害者のジュリエッタと一緒に、愕然としていたおじの横顔は、今でもはっきり覚えていた。――そのときの表情と、ゲーティアの表情は、とても似通っている。

 

 

「釈然としないな。酷く、酷く、苛立つ」

 

 

 不機嫌と不満を前面に押し出して、ゲーティアは眉間の皺を深くする。

 

 結絆はシュガーポットから角砂糖を4つ取り出した。それを自分のマグへ放り込み、スプーンをくるくる廻す。

 視界の端に映る窓からは、にわか雨に打たれる花の鉢植えが見えた。――ああ、世界は今日も廻っている。何の問題も滞りもなく。

 

 

「心配しないでください、ゲーティアおじさま。大丈夫ですよ。もう誰かを呪う必要はありませんから」

 

「……だが……」

 

「――僕、ガトーショコラ大好きです。ゲーティアおじさまも大好き」

 

 

 結絆は満面の笑みを浮かべて告げた。いきなり脈絡もなく「大好き」と言われ、ゲーティアはぴたりと動きを止める。鳩が豆鉄砲を食ったように目を瞬かせていた。

 正直な話、結絆は“自分が()()()()をした”とは自覚している。そのせいで、ゲーティアをとても困らせたのだ。結絆はおずおずと問いかける。

 

 

「おじさまは、僕のこと嫌いになりましたか?」

 

 

 藪から棒に問われて、ゲーティアは目を点にした。途端に、彼は深々とため息をつく。

 ああやっぱり、と、結絆が目を伏せかけたとき、不意に彼が笑う気配を感じ取って顔を上げる。

 

 

「そんなこと、言うまでもないだろう」

 

 

 不遜に、不敵に。嘗て魔術王/人王と呼ばれた男は、鼻で笑ったのだった。

 

 本人にその気はなかったのかもしれない。けれど、そうやって笑うゲーティアの姿は、結絆にとって救いであった。

 

 

◇◇◇

 

 

『――いってらっしゃい、結絆』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、置いて行った命があった。

 

 宇宙(せかい)が終わる瞬間(とき)まで愛する人の傍にいることを選び、結絆を送り出した祖母。

 綺麗な微笑みを浮かべて頭を撫でてくれた彼女は、どんな気持ちで「いってらっしゃい」と言ったのだろう。

 

 

***

 

 

 嫌な夢を見た。内容はよく覚えていないが、背中に汗が滲んでいるあたり、相当酷い内容だったのだろう。結絆は大きくため息をついて体を起こした。

 ダイニングの椅子にもたれて眠るという体勢だったためか、体中が痛みを訴えている。テーブルの上は食べかすまみれで、食べ終えた後の皿も出しっぱなしのままだ。

 ()()()()ゲーティアも、生活廃人であることには変わらなかったらしい。……まあ、それを責める心づもりはないが。結絆は苦笑しつつ、立ち上がった。

 

 皿を片付け、掃除機を使って食べかすを掃除する。時計を見れば午後6時。窓の外は夕焼けが沈みつつあった。そろそろ夕飯を作らなければならない。結絆がそんなことを考えていたときだった。

 

 

(――え?)

 

 

 瞬きしたその一瞬で、結絆の眼前に人が現れた。夕焼け色の髪をシュシュで留め、琥珀を思わせるような鮮やかな双瞼が瞬く。彼女が身に纏っているのは、()()()調()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()彿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。

 

 ――ああ、と、結絆は納得した。

 今自分の目の前にいるのは、()()()()()祖母(一色彩羽)であると。

 

 祖母は最初の2人――ロマニやゲーティアとは違い、取り乱すような真似はしなかった。まるですべてを察したかのように目を瞬かせ、静かに微笑む。その笑顔は、()()()()()()()彩羽と瓜二つであった。

 背中を押された言葉を、覚えている。撫でられた手のぬくもりを、覚えている。狼狽えて情けない面を曝しそうになったのは結絆の方だった。無様に泣き出してしまいそうになるのをぐっと堪える。

 茶請けを持ってくるからと言い残し、結絆は立ち上がった。今の結絆にとって()()()()()彩羽は、祖母である以上に“もてなすべき()()()”だ。客人をもてなせそうなお茶請けを探す。

 

 

「おばあさまが好きそうなものは――……あ」

 

 

 結絆は戸棚に目を留めた。綺麗にラッピングされた袋の中に、星や花の形をしたクッキーが入っている。Code:VFDで共に戦い抜いた友人――那雲(ミオ)による手作りクッキーだ。()()()()()()()彩羽は、これを食べて「懐かしい味がする」と笑っていた姿を思い出す。

 確か、ミオは彩羽のナビゲーターだった双子――ミロクとミイナの子孫と言えるような血縁関係だったか。()()()()()彩羽は初めて食べることになるだろうが、結絆はどうしても、このクッキーを彩羽に食べてもらいたいと思った。結絆はクッキーの入った袋を手に取り、ダイニングへと帰還する。

 

 

「お待たせしました。飲み物はコーヒー、紅茶、緑茶のどれにしますか?」

 

「今日は紅茶の気分かな。お願いできる?」

 

「はい。すぐに準備しますね」

 

 

 結絆は即座に立ち上がり、ケトルをセットする。幾何かの時間が過ぎた後、ケトルは高らかに音を響かせた。現在温度は100度、完全に沸騰したらしい。結絆は自分のマグと()()()()()()()彩羽が愛用していたマグを取り出し、アップルティーのティーバッグを投入した。お湯を注げば、紅茶の香りが鼻をくすぐる。

 

 彩羽は紅茶を啜りながら、ミオの手作りクッキーに手を伸ばした。それは彩羽の口の中でサクサクと軽快な音を立てる。

 何かを確かめるようにして、彩羽はクッキーを咀嚼していた。ややあって、彼女は懐かしむように目を細めた。

 

 

「このクッキー、なんだか懐かしい味がする。……『彼女(わたし)』、このクッキーを食べたことがあるかもしれない」

 

「……このクッキーを作ったの、僕の友達なんです。那雲ミオっていって、Nav.シリーズの系譜を継いでいるんですよ」

 

「じゃあ、その子はミロクとミイナの後輩なんだね。ふふ、なんだか運命を感じるなあ」

 

 

 ()()()()()彩羽はくすくす笑いながらクッキーを食べ進める。()()()()()()()彩羽の記憶は、確かに()()()()()彩羽の中に受け継がれているらしい。

 それが嬉しくて、結絆も笑みを深くする。同じようにクッキーを口に運べば、心地よい歯ごたえと優しい甘さが口の中に広がった。やはり、ミオが作るクッキーは美味しい。

 程なくして、受け皿の上にあったクッキーはすべて姿を消してしまった。彩羽は満足げに微笑みつつ、懐かしい味のするクッキーの余韻に浸っていた。結絆もそれに続く。

 

 いつの間にか、紅茶も空になっていたらしい。結絆は再び紅茶を淹れる。爽やかなアップルティーの香りが鼻腔をくすぐった。

 

 

「結絆」

 

 

 不意に、祖母が結絆の名前を呼んだ。祖母に名前を呼ばれたの嬉しくて、結絆は反射的に「はい」と返事をした。彩羽はそれを見た途端、何かを堪えるように口元を結んだ。

 琥珀の瞳に涙の幕が張る。不意打ち同然のそれに、結絆はぎょっと肩をすくめた。とにかく泣き止んでほしいと思い、弁明しようと口を開いたが、残念ながら何も出てこない。

 肝心要で何もできなくなってしまうのは祖父ロマニとそっくりである。彩羽はそれを察したのだろう。泣きそうになりながら笑う等という器用な真似をしてみせた。

 

 ――おそらく、清く正しいを地で行く彩羽は()()知っている。結絆はそう直感した。

 

 結絆はシュガーポットから角砂糖を5つ取り出した。それを自分のマグへ放り込み、スプーンをくるくる廻す。

 視界の端に映る窓からは、満天の星に覆われた夜空が見えた。――ああ、世界は今日も廻っている。何の問題も滞りもなく。

 

 

「心配しないでください、おばあさま。大丈夫ですよ。もう、貴女を悲しませるようなことはありませんから」

 

「……分かってるよ。貴方の気持ちは、ちゃんと分かってる。嬉しい、ありがとう」

 

「おばあさま……」

 

 

 優しい笑みと言葉とは裏腹に、琥珀色の瞳は訴えている。こんな結末は納得いかないと叫びだしそうなのを堪えながら、それでも結絆のために我慢している。その姿を見るのは――当然のことであるとは言えど――やはり苦しい。

 

 

「――僕、クッキー大好きです。彩羽おばあさまも大好き」

 

 

 結絆は満面の笑みを浮かべて告げた。いきなり脈絡もなく「大好き」と言われ、彩羽は目を瞬かせる。自分も同じだと言って、彼女も笑い返してくれた。

 正直な話、結絆は“自分が()()()()をした”とは自覚している。そのせいで、彩羽をとても傷つけてしまったのだ。結絆はおずおずと問いかける。

 

 

「おばあさまは、僕のこと嫌いになりましたか?」

 

 

 藪から棒に問われて、彩羽は目を点にした。彼女はすぐ真剣な面持ちになり、結絆に質問し返す。

 

 

「結絆は? わたしのこと嫌いになった?」

 

「まさか。おばあさまを嫌いになることなんてあり得ませんよ。おばあさまは僕にとって、一番の憧れです」

 

 

 間髪入れず彼女はため息をつく。そうして、酷く安心したような顔で微笑んだ。

 

 

「それと同じ。貴方は、私のサーヴァントで、格好良いヒーローで、……自慢の孫だよ」

 

 

 その言葉に、結絆は泣きそうになった。自分が世界を救うために、人類の統合者となって成し遂げた偉業が脳裏をよぎる。あの統合劇は、「なくしてしまったもの」のほうが圧倒的に多かった。

 「竜の居ない世界」を願った代償は、結絆の意図した以上に大きい。チカも、リッカも、ユウマも、アリーも、エーグルも、ウラニアも、サイラスも、ブリジルドも、ナギリも、“()()()()()()”世界にいない。そして――

 

 

 

 

『――何を言ってるの? おじいさまとおばあさまは、随分昔に亡くなってるわよ?』

 

 

 

 

 自分の両親から告げられた言葉を、結絆は今でも覚えている。

 

 当たり前のことだった。竜の居ない世界を願うということは、彩羽が戦った竜戦役を否定することに繋がる。2020年にニアラが襲撃に来なければ、2021年にフォーマルハウトが来ることはない。フォーマルハウトが来なければ、彩羽たちは奴がばら撒いた毒素によって不老となり、人より長生きすることもなかった。

 だから、2()1()0()0()()()()()()()()()()()。彩羽も、ロマニも、ゲーティアも、みんなとうの昔に没している。代わりに、竜の影響を取っ払ったおかげで、結絆の両親たちが生き残った。どこかで憧れていた両親の姿が目の前にあるというのに、正直な話、結絆はちっとも嬉しくなかったのだ。

 だって、そこには“家族”がいない。15年余り一緒に生活していた祖父母とおじが、あの戦いを終えた後誰よりも「おかえり」と迎えてほしかった人々が、結絆の願った世界のどこにもいないのだ。世界は――……人類は、確かに救われたはずだったのに。結絆だけが、再編された世界に取り残された。

 

 ……だけど、自分が救った世界を「無駄だった」と断言するには、たくさんのものがありすぎた。

 結絆はちらりと棚へ視線を向けた。写真立ての中に飾られているそれは、()()()()()()で撮られたものである。

 

 チカも、リッカも、ユウマも、アリーも、エーグルも、ウラニアも、サイラスも、ブリジルドも、ナギリも、彩羽も、ロマニも、ゲーティアも。「なくしてしまったもの」の爪跡が、結絆の旅路を肯定するかのごとく存在していた。――この事実が、結絆にとって、何よりもの救いだったのだ。

 

 

「僕にはもう、何かを願う資格がない。だって僕はもう、エントロピーの力を使って『竜の居ない世界』を願ったから。宇宙の統合と再編は、滞りなく叶えられた……叶えられてしまったから」

 

「結絆」

 

「だから、祈ったんです。願えなくなった代わりに、『この宇宙(せかい)のどこかに、僕が出会ったすべての人々が幸せになれる世界がありますように』と」

 

 

 その祈りは、変則的な形で叶えられた。全く違う宇宙(せかい)で暮らす一色彩羽、ロマニ・アーキマン、ゲーティアの元へ、結絆・ヴィラノヴァ・アーキマンを導いた。その宇宙(せかい)どころか己の宇宙(せかい)ですら知られることのない英雄として。

 たった1度だけの偉業。「なくしたもの」だらけの、クソみたいな欠陥を抱えた力。……ああ、それでも。最後の最後に、偉大な祖父母とおじの力を凌駕してみせたというのは、ささやかな誇りだ。子の役目が親を超えることだというなら、結絆の親は祖父母とおじ――彩羽、ロマニ、ゲーティアだったのだから。

 

 

「――ねえ、おばあさま。貴女は今、幸せですか?」

 

 

 結絆の問いに、彩羽が返した答えは――

 

 

◆◆◆

 

 

「僕、お菓子も大好きです。みんなも大好き」

 

 

 結絆は幸せそうに笑いながら、シュガーポットから角砂糖を6つ取り出した。彼は全部どぼどぼとコーヒーに放り込み、鼻歌を歌いながらそれを啜る。

 

 

「こらこら! そんなに入れたら体に悪いよ!」

 

 

 孫による糖分過剰摂取をロマニは見逃さなかった。目敏い指摘に驚いて、結絆は思わずコップから手を離してしまう。派手な音を立ててコップが倒れた。

 零れたコーヒーからは溶け切らなかった砂糖の塊が滲む。6つの角砂糖は伊達ではない。結絆は目を白黒させながらこちらを見上げた。

 若葉を帯びた琥珀の双瞼には、この部屋にいる3人の姿が映っている。怒ったような顔をしたロマニ、険しい顔つきのまま心配するゲーティア、苦笑する彩羽。

 

 

「砂糖の数は、幸せの数なんですよ」

 

 

 結絆は笑みを零した。心底幸せそうな笑みに、3人は思わず目を見張る。次の瞬間、自分たちの目の前に広がったのは、痛々しいまでもの沈黙だった。

 倒れたコップからはコーヒーが流れ落ちる。溶け切らなかった砂糖が滲み、無機質な床に痕跡を刻んでいた。菓子受けとして使っていた皿には、菓子のフィルムが転がっていた。

 

 サーヴァント用に割り振られたその部屋は、彩羽が初めて召喚したサーヴァント、救世主(セイヴァー)――結絆の部屋。

 

 ――この部屋の結絆(やぬし)の姿は、もうない。

 この世界の、どこにも。

 

 

 

 

 

―――――

 

 

 >>カルデアサーヴァント録、救世主(セイヴァー)【真名:結絆・ヴィラノヴァ・アーキマン】に、新たな情報が追加されました。

 

 

 

宇宙統合す命の祈り、()最果てに望むは愛する世界。()是は人類の統合者なり()

 ランク:EX(判定不能) 種別:対1個宇宙 レンジ:測定不能 最大捕捉:測定不能

この宝具は、結絆が成した偉業そのものである。自身の持ちうる膨大なエントロピーを使い、自分が存在している世界を『1個宇宙』の単位で、自分か自分のマスターと統合する。結絆が統合者となった場合は結絆本人が、結絆によって統合者となったマスターの場合はマスターが、自身の願い通りに世界を作り替える権利を得る。

該当者が「願った」瞬間に効果が発動し、『1個宇宙』の規模で宇宙(せかい)を「願い通りに」作り変えることが可能。ガチで「規模と出力が段違い」なので、かなり強引な形で願いを具現化させることもできる。ありとあらゆる物理法則や概念事象を無視して行われるそれは、文字通りの『奇跡』と言っても過言ではないだろう。

この宝具が発動すれば、たとえこの世界が「剪定事象の袋小路」だろうと、「剪定世界の袋小路」という事象をそのままに、「“その袋小路を乗り越えた”編纂事象として登録され、運営されていく」ことが決定づけられる。誰がどう見てもビックバン級チート宝具である。対1宇宙宝具の名は伊達ではない。

例えば、人類の滅亡や親しい人々の死自体を「なかったこと」にしたり、どこぞの魔術王の“魔術に対する安全装置”による副産物――座からの消滅を「その事象を残したうえで、(結果的に)なかったこと」にしたり、人理焼却後に発生するであろう不利益になりそうな要素そのものを「存在しなかったこと」にできる。

作家系サーヴァントが見たら、確実に誰か1人が「なんでこんなもの用意した!? 言え、言うんだ!!」とクレームを入れるであろう。具体例がすべて「なかったこと」になっているのは、結絆が成した偉業が“人類滅亡を(結果的に)「なかったこと」にした”のが由来。

 

但し、クソみたいなご都合主義宝具にも、どうしようもない欠陥が付随している。

・この宝具を使える回数は、1人のマスターによってサーヴァントとして召喚され、その世界で消滅するまでの間、わずか1回のみ。

・同じ世界にいる同一人物が再び結絆を召喚した場合、宝具は既に使用済み扱い=二度と使えなくなってしまう。

・使った途端、結絆の消滅が確定する。消滅するのは世界再編直前。

・この宝具によって世界が再編された後には、この世界に「結絆がいた」という証拠の多くが「なかったこと」になる。

 

――つまり、この宝具は、「結絆・ヴィラノヴァ・アーキマンが“この世界に存在していた”という事象と引き換えに、『1個宇宙』規模で世界を変えることができる」という、一種の自爆宝具なのだ。本人も自覚しているため、「ちょっとバツが悪い」と思っている模様。

 

ただ、マスターと結絆、あるいは関係者と結絆の繋がりが強ければ強い程、宝具の効果に反して「結絆が存在していた」という証が残されるかもしれない。

その証を辿れば――彼と再び相見えることも充分にあり得るだろう。……彼自身もまた、そうなることを祈り続けているかもしれないから。

 

 

【解説】

人類の進化のカタチ――人類のまま新たなステージへ進むか、第7真竜セブンスドラゴンとして覚醒するか――を巡る戦いに勝利し、人類の統合者となった結絆。竜としての側面であるVFDを撃破したことで、彼は自動的に宇宙へと統合された。膨大なエントロピーを駆使し、結絆は「竜の居ない世界」を願う。彼の願いは滞りなく叶えられ、おおむね彼の願い通り、地球は再編されるに至った。

再編された世界では、「竜の居ない世界」として繁栄していくことが約束されていた。だが、その代償は、「仲間の多くが()()()()()()での旅路を覚えていない(思い出す可能性は限りなく低い)」、「竜によって存在を保証されていた者たちの不在」、「時空を超えて出会った仲間とは(可能性がないわけではないが、おそらく)会えない」、そして――「自分が愛した家族――祖父、祖母、おじが既に故人である」世界だった。

救ったはずの世界に打ちひしがれた結絆だが、そんな彼を救い上げた証があった。嘗て()()()()()()で仲間たちと記念撮影したときの写真が、()()()()()()()()()()に存在していたのである。この写真の光景こそが、結絆が心の底から願った世界の証であった。これを目の当たりにした結絆は、「自分たちの旅路は無意味ではなかった」と心から思えるようになったという。

 

 

「願い終えた自分に許されるのは、祈ることだけです。だから、僕は祈るんです。『この宇宙(せかい)のどこかに、僕が出会ったすべての人々が幸せになれる世界がありますように』と」

 

 

――その祈りが届いた証が、別宇宙にいた“愛する家族”を救うための戦いへ参戦するための切符だった。

 

 

 




反省も後悔もしていないが、戦々恐々とはしている。
マテリアルで言われていた『やっぱりお前はロマニの孫』、『怒ってばかりのおじさま』、『絆Lv.MAX台詞』等の回収完了。「祖父がアレなら、アレを超えるような力があればいいじゃない」という暴論の結果です。おめでとうロマニ、孫はお前の斜め上を行ったぞ!!
クソチート宝具のデメリットがカルデアを揺るがすレベルで発現⇒「やっぱりあいつを意地でも連れもどしてやる!」となるところまでがセット。ロマニよりマシなのは、連れもどせる可能性が「存在している」という点でしょうね。……絆イベントは「結絆を取り戻す」というテーマとなる模様。

今回は結絆の直接関係者で『とある一家の御茶会義』パロ風味のお話になりましたが、サーヴァントだったら誰を配役に当てられるだろうか……。そもそも、結絆のような設定の子は、どのサーヴァントと相性がいいんだろう? 性格+戦闘での相性的な問題が気になります。
ギルガメッシュやオジマンにとって、人類の統合者+全真竜撃破を成し遂げた結絆は何判定されるんでしょう? ……敵認定されて殺し合いが始まりそうな相手っているのでしょうか。謎です。ご意見・アドバイスがありましたら、活動報告にお願いします。

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