Fate/GrandOrderとセブンスドラゴンシリーズを混ぜてみた   作:白鷺 葵

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・メンタルチート。
・前線で戦う系マスター(前衛とは言ってない)。


序章-1.祈りの具現/Install

 ――どこかの宇宙(せかい)にいる『彼女(あなた)』へ

 

 ――どこかの宇宙(せかい)にいる『彼女(わたし)』より

 

 

◆◆◆

 

 

 白い世界に、誰かが佇んでいる。

 

 夕焼け色の髪をリボンで束ね、黄色を基調にした煌びやかな衣装を身に纏った少女。それは、彩羽が見知った人物――『彼女(一色彩羽)』だった。

 彼女の瞳に映る彩羽の姿は、装飾品や服の違いを除けば瓜二つ。夕焼け色の髪をシュシュで束ね、カルデアの制服を身に纏っているくらいか。丁度、意識を失う前の格好だ。

 

 

(……そういえば、わたし、マシュにどこまで話したんだっけ?)

 

 

 一色彩羽が密かに抱える、ささやかな冒険譚。夢の中で何度も何度も追体験し、その経験や知識を取り込み、付随していた『彼女(じぶん)』の感情を受け取り、己の意志と感性ですべての出来事への想いを抱いてきた。

 絶望も希望、想像も後悔、祈りと願い――傷だらけの腕で抱き、痛む四肢を引きずって駆け抜けた『彼女(じぶん)』の旅路(じんせい)を、一色彩羽は見守ってきた。時には心を重ねて、共に駆け抜けてきた。ある意味、『彼女(じぶん)』もまた、ここにいる一色彩羽を構成する重大要素の1つだと言えるだろう。

 けれど、そんな自分の半身とも言えるような『彼女(じぶん)』と対峙するのは初めてだ。いつも彩羽が一方的に同調しているだけで、『彼女(じぶん)』が彩羽を認識することは今まで一度もあり得なかったためである。

 

 何かを言わねば、と思った。けれど、彩羽の口からは頼りない呼吸が漏れるのみ。

 

 すると、『彼女(じぶん)』は柔らかに微笑んだ。そこに敵意や疑念はない。むしろ、彩羽に対して親し気な印象を受ける。琥珀色の瞳はとても優しい。

 『彼女(じぶん)』は彩羽へ歩み寄って来て、手をかざした。彩羽もそれにつられるようにして、『彼女(彩羽)』の手に自分の手を重ねる。

 

 

「『彼女(あなた)』はわたし。わたしは『彼女(あなた)』」

 

 

 淡い光が瞬く。体の奥底から熱が込み上げてくるような感覚に、彩羽は息を飲んだ。その熱と比例して、『彼女(彩羽)』の姿が希薄になっていくではないか。

 

 

「わたしは『彼女(あなた)』ではないけれど、それでも、『彼女(あなた)』はわたしだった」

 

 

 なのに、『彼女(じぶん)』は気にする様子もない。

 だから、と、『彼女(じぶん)』は微笑む。

 

 

「――この祈りが、『彼女(あなた)』の道を切り開く標になりますように」

 

 

 幾千幾億と束ねられた星と人の祈りと願い。凪いだ水面のように静かに、けれど荒れ狂う焔のように渦巻き、流星の如く煌めく。

 誰かを想い命を燃やした人々の遺志、それを受け取って生きようとする人々の意志が、彩羽を(にないて)に選んだのだ。

 彩羽は躊躇うことなくその祈りを受け取った。視界が更に白んでいく。意識がどこかへ引きずられていくような感覚に見舞われたとき、一気に視界が暗転した。

 

 

◇◇◇

 

 

 目が覚めたら、マシュが彩羽のことを「マスター」と呼び、露出度高目なワンピース風の鎧に身を包んだ破廉恥な格好になって、大きな盾を構えていた。

 それだけではない。彩羽の格好も、カルデアの制服から煌びやかな衣装へと変わっていた。……しかもこの服、どこかで見覚えがある。

 

 

(これ、『彼女(あのひと)』の服だ!?)

 

 

 腰のベルトに備え付けられていたのは、『彼女(じぶん)』が竜戦役を駆け抜けた際に愛用していた得物――メガホンである。己の指示や歌声を響かせるための増幅系武器。こんな奇特な武器を振るったのは、後にも先にも『彼女(じぶん)』だけであろう。

 マシュはこの状況に混乱している様子だった。さもありなん。レイシフトによって燃え盛る街に投げ出されただけでなく、2人揃ってコスプレイヤーの真似事みたいな恰好をしているのだから。しかも、ここは安全ではない。自分たちの周囲は敵で取り囲まれている。

 

 

「言語による意思疎通は不可能。――敵性生物と判断します」

 

「だろうね。見た目もアレだし」

 

 

 フードに身を包んだ骸骨どもは、『彼女(じぶん)』の駆け抜けた世界にいた敵性生物(マモノ)たちとは似ても似つかない。けれど、奴らの纏う雰囲気は同じだ。

 

 ならば容赦する必要は皆無。全身全霊で戦場(ステージ)をやり遂げるのみ。

 彩羽がメガホンを構えたのと、マシュが大盾を構えたのは同時だった。彩羽はマシュに視線を向ける。

 

 

「……マシュ」

 

「なんでしょう、マスター?」

 

「一緒に戦おう。わたしと貴女の2人で、この危機を乗り越えるんだ」

 

「――任せてください! 先輩のサーヴァントとして、必ず守り抜いてみせます……!」

 

 

 自分たちの宣言を皮切りに、骸骨たちが武器を振りかざして襲い掛かってきた。

 

 振り降ろされた剣をマシュが受け止め、即座に大盾で薙ぎ払う。大盾を軽々と振るっているマシュは、見た目と戦闘スタイル――盾で殴るというのは、『彼女(じぶん)』の知る限り、デストロイヤーのようなパワータイプに見える――に対して軽快に動き回っていた。

 その盾は殴る用途で造られたものではない。対象を庇い、守ることが本業なのではないかと思う。だが、前衛を任せられる相手はマシュしかいないのだ。『彼女(じぶん)』の力を託された彩羽は、後衛でサポートと攻撃をすることに特化した職業故に。

 

 

「攻撃パラメーター、アップ!」

 

「!? ――っ、てりゃああ!」

 

 

 メガホンを構えて指示を出せば、マシュが大きく目を見開いた。自身の身体能力――特に腕力――が瞬間的に強化されたことに気づいたためだろう。マシュは躊躇うことなく大盾を振り下ろした。嫌な音を立ててガイコツが粉々に砕け散る。

 アイドルの陣形指示には各身体能力を瞬間的に強化する効果がある。ただ、ノーリスクという訳ではない。攻撃を強化すれば防御が疎かになり、防御に徹すれば攻撃が満足に行えなくなるのだ。唯一デメリットなしで使える陣形指示は、回復と俊敏さを強化するものだろう。

 さて、マシュだけにすべてを任せていいとは思えない。援護を得意としているからと言って、攻撃手段が一切ないわけではないのだ。大地を蹴って飛び上がると、彩羽はマシュの背後でメガホンを構える。きぃん、と、機械音が空気を震わせた。

 

 得物であるメガホンに、ありったけの声量を叩きこむ。

 

 

「サウンドブレイク!」

 

 

 次の瞬間、それは強烈な音波となってガイコツに襲い掛かった。視認できるほどの衝撃波によって、ガイコツたちは動きを阻まれる。体を構成する骨が真っ二つに折れた個体もいた。怯んだガイコツどもは、もれなくマシュの盾によって粉砕される。入れ替わりで彩羽が地面に着地した。完璧である。

 周囲を見回したが、ガイコツはもういないようだ。大きく息を吐いてその場にへたり込む。『彼女(じぶん)』越しでなく、彩羽自身の手で敵を倒したのは初めてのことだ。自分の手は小刻みに震えている。――選抜試験の『彼女(じぶん)』も、初めて戦ったときは手を震わせてへたり込んでいたか。

 

 マシュはまだまだ余裕のようだ。息が乱れている訳でもなく、きちんと真っ直ぐ立っている。彼女は暫し周囲を見回していたが、目ぼしい変化は見当たらないらしい。

 彼女は彩羽に向き直ると、こちらに手を差し出してきた。彩羽は差し出された手を取る。半ばマシュにひっぱりあげられるような形で、彩羽は立ち上がった。そのまま、マシュの手に自分の手を重ねて微笑む。

 

 

「ありがとう。マシュ、凄かったよ! 強いんだね」

 

「……いえ、戦闘訓練はいつも居残りでした。逆上がりもできない研究員。それが私です」

 

「マシュも逆上がりできないの!? じゃあ仲間だね。わたしも全然できないんだー」

 

「本当ですか!? 先程の戦闘では、あんなにアクロバティックな動きを見せていたのに?」

 

「いや、多分あれは――」

 

『――ああ、やっと繋がった!』

 

 

 彩羽が言葉を紡ぐ前に、通信音が割り込んだ。声の主はロマニ。どうやら、彼はカルデアの火を守ることができたらしい。

 

 ロマニの無事を知り、彩羽はひっそり安堵の息を吐いた。マシュはそんな自分に気づくことなく、淡々と状況を報告する。「レイシフトに成功したのは彩羽とマシュの2名。両者とも心身ともに健康であり、彩羽を正式な調査員に登録するように」とのことだ。

 それを聞いたロマニが深々とため息をつく。“彩羽がレイシフトに巻き込まれてしまう”のは、彼の予測する範囲にあったらしい。最も、彼はそれよりも最悪な予想――彩羽がコフィンなしでの意味消失に耐えられず、レイシフトに失敗してしまう――までしていたようだが。

 正直な話、自室で出会った“サボり癖のあるゆるふわ系医師ロマニ・アーキマン”像と、通信相手である“カルデア医療部門の最高責任者ロマニ・アーキマン”像がどうも一致しない。『彼女(じぶん)』が竜戦役で養った経験則が、一抹の不穏を訴えていた。同時に、「それを追求するのはまだ早い」という予感も。

 

 親子喧嘩を連想させるような漫才を終えたロマニとマシュの会話に耳を傾ける。どうやら、マシュの服が変化したことには理由があるらしい。彼女の体を分析したロマニ曰く、「現在のマシュはサーヴァントと遜色ない戦闘力を有している」とのことだ。

 どうやら、マシュはレイシフトする寸前に英霊――サーヴァントと融合したことで、疑似英霊となり生き延びたらしい。彼女の服があんな破廉恥系のワンピース風甲冑になったのも、サーヴァントの格好に引きずられるような形だったという。そこは、疑似英霊になった際のデメリットだった。

 

 

『それで、融合した英霊の意識はあるのかい?』

 

「……いえ。彼は私に戦闘能力を託して消滅しました。最期まで真名を告げずに。……ですので、私は自分がどの英霊なのか、自分が手にした武器がどのような宝具なのか、現時点ではまるで判りません」

 

 

 マシュはしょんぼりと頭を下げた。「英霊の真名を知らない」というのは、疑似サーヴァントとしての戦闘能力に決定的な弱点になり得るらしい。

 先程出てきたガイコツを倒すことには苦労しないが、特異点の奥で待ち構える敵と戦う際に苦戦を強いられないとは限らないという訳か。

 

 

『だがまあ、不幸中の幸いだな。召喚したサーヴァントが協力的とは限らないからね。でも、マシュがサーヴァントになったなら話は早い。なにしろ全面的に信頼できる』

 

「Drの言うことには一理あるね。人によっては『人類の危機? 知ったこっちゃないね』って、前線で戦う人々を狙い撃ちしてくる連中もいるし」

 

『……彩羽ちゃん、やけに実感籠ってるね? そういうのを見たことあるのかい?』

 

「まあ、そんな感じ。具体的に言うなら、“食事の消費カロリー量とデザートの有無、向うが対話する気ゼロな外宇宙の侵略者、人類史上最大の不祥事を残して去っていった上司との癒着疑惑などで人を議会に呼び出し、それらをネタにして政治利用しようとする”輩だったかな」

 

『何その世紀末!? 小説でもそこまで酷くないよ!』

 

 

 彩羽の言うことがまかり通る世界を想像したのか、通信越しのロマニの声は情けなく震えている。彼は彩羽の話を『創作』だと思っているようだ。だが、自分の中にいる『彼女(じぶん)』が叫ぶ。彩羽が見てきた冒険譚(ゆめ)は――人と竜の物語は、確かに()()なのだ、と。

 レイシフト直前にその話を聞いていたマシュは、ロマニの反応へ物申したそうに眉をひそめた。だが、何か思いついたらしい。悪戯っぽさそうに目を輝かせると、そっと口元に手を当てた。口の端が密やかに弧を描いている。マシュは彩羽がこちらを見ていることに気づくと小さく頷いた。

 マシュは彩羽の秘密の一端を知っている。彩羽だけが知る『彼女(じぶん)』の物語を、初めて語って聞かせた相手だ。ささやかな特別を共有した、初めての相手なのだ。彩羽も同じようにしてマシュに笑い返す。それを見たマシュも、嬉しそうに目を細めてくれた。

 

 勿論、通信越しにこちらを見ているであろうロマニには悟られていない。

 奇妙な背徳感と優越感を、彩羽とマシュは共有していた。

 

 

『……なんだろう。この疎外感……』

 

「そうだ、Dr.ロマン。先輩のチェックもしていただけませんか? 先輩も、先程とは違う格好に変化しているんです。例えるなら、日本の地下で活動しているアイドルのような」

 

『――え? うわ、本当だ!』

 

(今気づいたのか……)

 

 

 彩羽の変化に気づいたロマニが素っ頓狂な声を上げた。変なところで抜けているのは、“サボり癖のあるゆるふわ系医師ロマニ・アーキマン”を連想させる要素だ。

 

 

『……実際のアイドルの衣装って、こんなにも煌びやかなんだね……』

 

 

 彩羽が身に纏っている衣装の感想を述べたロマニは、どこか照れが入っているように思える。ほええ、だの、ふああ、だの、吐息に近い感嘆の言葉がぽろぽろと零れた。

 ……そういえば、彼はネットアイドル『マギ☆マリ』のブログの愛読者だったか。レイシフト直前の御茶会を思い出し、彩羽は苦笑する。

 対照的に、マシュは絶対零度の眼差しを向けていた。ロマニはマシュの変化に気づいたようで、感嘆するのをやめて分析に集中することを選んだらしい。

 

 

『まさか、彩羽ちゃんまで戦闘能力を持つだなんて思わなかったよ……』

 

「ということは、先輩も私と同じ――」

 

『いいや。彩羽ちゃんの“変身”、マシュの疑似英霊(デミ・サーヴァント)化とはちょっと毛色が違うみたいだ。どうやら、彩羽ちゃんの力は不完全みたいだし』

 

「む。……残念です。先輩とお揃いになれるかと思ったのに」

 

 

 ロマニの報告を聞いたマシュは不満を零した。心なしか、声のトーンからハリが消えてしまったように思う。……どうやら拗ねているらしい。カルデアの廊下で初めて出会ったときより、どこか生き生きしているように思った。

 疑似英霊化でないとするならば、彩羽の変身は一体何なのだろう。どうしてこうなったかの原理に心当たりが()()()()()()()()が、素人が何かを言うより、専門家の判断を仰いだ方がよさそうだ。

 

 

『えーと……この変化と似たようなものは――ッ!?』

 

「Dr? 何か分かったんですか?」

 

『これは、夢幻召喚(インストール)!? そんな、魔術礼装なしでどうやってこれを!?』

 

 

 通信機越しのロマニは非常に驚いている様子だった。彩羽は一般人故、ロマニの言う夢幻召喚(インストール)なるものの意味など知らない。それを使うために必要なものも知らなければ、夢幻召喚(インストール)のプロセスなど分かるはずもなかった。

 

 かなり熱を込めて語ったロマニ曰く、夢幻召喚(インストール)は『英霊の力を自らの身体を触媒にし具現化することで、その能力をフルに発揮する』ものらしい。

 本来夢幻召喚(インストール)()()()()()()()()()()()()()()()()()()使()()()()()()()()()そうだ。しかも件の魔術礼装は曲者で、使うと災厄を巻き起こすとのこと。

 件の魔術礼装を使って夢幻召喚(インストール)が行われたという記述はあれども、礼装なしで夢幻召喚(インストール)が行われたことは無いそうだ。

 

 彩羽の脳裏をよぎったのは、特異点Fで意識を取り戻す前に見た夢だった。『彼女(じぶん)』と対峙し、『彼女(じぶん)』から“祈り”を手渡されたときのこと。

 平行世界の『一色彩羽(かのじょ)』は2020年代に起きた竜戦役の立役者だ。ムラクモ13班を率い、2020年では荒神竜ニアラを退け、翌年の2021年では呪神竜フォーマルハウトを屠った張本人。

 

 

「……成程。『彼女(あのひと)』が英霊で、あのとき私に『彼女(じぶん)』の力を“祈り”として譲渡した形がこの夢幻召喚(インストール)だったんだ……」

 

『『彼女(あのひと)』!? 彩羽ちゃん。キミは、キミ自身に力を貸してくれた英霊の真名を知っているのかい!?』

 

「う、うん」

 

『その英霊の真名は!? 能力は!? 宝具は!?』

 

 

 酷く切羽詰った様子で、ロマニは矢継ぎ早に問いかけてくる。その勢いに半ば気圧されるようにして、彩羽は自分がひっそり慈しんでいた冒険譚(ゆめ)を吐き出さざるを得なくなった。

 

 

「『彼女(わたし)』」

 

『「えっ?」』

 

「真名は一色彩羽。能力はカリスマ性Sランク。職業はアイドルで、歌と踊りで味方を動かすアジテイター。どこかにある宇宙(せかい)で、地球に2度襲来した高次元生命体・ドラゴンを退けた英雄の1人……ってところかな?」

 

『「えええええええええええ!?」』

 

 

 案の定。ロマニとマシュが盛大に絶叫した。

 

 

***

 

 

「だから、先輩は『わたししか知らない『彼女(あのひと)』の物語』と言ったんですね……」

 

 

 すったもんだの末、どうにか“平行世界にいる『彼女(じぶん)』が体験した物語”を説明し終えた後、真っ先に口を開いたのはマシュだった。彼女はレイシフト直前に彩羽の話を聞いており、そのことを思い出したのであろう。

 納得したように頷いたマシュは、どこか口惜しそうに口を尖らせる。彼女は「私と先輩だけの秘密だったのに」と小さく呟いた。どうやら拗ねているらしい。微笑ましい限りだ、と、彩羽はほっこりしていた。

 対して、ロマニはただ茫然と呆けている。スケールの大きさを噛み砕くことが難しいようだ。気持ちは分からなくもない。地球に外宇宙生命体――ドラゴンが来襲し、滅びの寸前まで追いつめられながらも、諦めずに戦った“狩る者”たちの物語。普通の人間が聞いた限り、それが実話だなんて思う筈がないだろう。

 

 崩壊していく諸国の中で、唯一明確な制竜権を有したのは日本の首都・東京。帝竜の持つ力によって魔境へと変貌した首都を駆け抜け竜を屠るのは、ムラクモ機関によって選び出された“狩る者”――所謂Sランク能力保持者たちだ。2020年と2021年に起きた竜戦役は、どれもスケールが大きい。

 

 2020年だけでも、重力が反転した新宿の逆サ都庁、電車と線路で組み上げられた池袋の山手線天球儀、リアル四谷怪談と化した四ツ谷の常夜の丘、砂漠広がる国分寺の灼熱砂房、鬱蒼とした森と化した渋谷の繁花樹海、洞窟と化した東京地下道、氷で閉ざされた台場の拾参号氷海、成層圏まで到達するほど伸びたトウキョウタワーがお目見えするのだ。

 2021年には渋谷、国分寺、池袋の他に、新たな迷宮(ダンジョン)――虹色の茨に覆われた丸ノ内線の亜空断層、万物を溶かす超強酸水が流れ落ちる六本木の腐食大瀑布、東京地下に突如出現したメトロ大遺跡、踏み入れた人間の正気を奪う首都高の湾岸摩天楼、黒いフロワロに覆われ成層圏まで伸びた東京スカイタワーを駆け回った。

 

 

『真竜ニアラにフォーマルハウト……。外宇宙からの生命体が、人間を家畜にするために育て、喰らうために来襲した、か……』

 

「馬鹿みたいな話だよね。信じられないのも当たり前か」

 

「先輩、私は先輩の言葉を信じます。先輩の姿や力からは、一切の邪気も感じられません。……むしろ、傍にいてくれると、とても安心します。なんだか、温かいものに包まれているような感じがして」

 

 

 そう言って微笑んだマシュは、ほんのりと頬を染めた。自分の言葉を信じてもらえたのが嬉しくて、彩羽も微笑み頷いた。

 

 ならば、問題はロマニの方だろう。彩羽は通信越しからロマニの答えを待つ。暫しうんうん唸っていたロマニだが、最後は何かを決意したように『分かった』と言った。どうやら彼も、彩羽の語る“人と竜の物語”を信じてくれたらしい。彩羽は心の底から安堵した。

 

 

『それにしても、滅びに抗う人々の物語か……。彩羽ちゃんの話を聞く限り、平行世界の2020年代は文字通りの世紀末だったんだね』

 

「確かに。絶望と死が蔓延するような大地だったけれど、それだけじゃなかった。生きていたいという願い、無事でいて欲しいという祈り……幾千もの人々が命を燃やし、幾万もの人々の想いが紡いだ、“愛と希望の物語”でもあったんだよ」

 

『“愛と希望の物語”……』

 

 

 彼の声が、酷く震えているように思う。それが驚愕なのか歓喜なのか、彩羽には判別がつかない。ロマニは暫しその言葉を復唱していた。

 何か、尊いものを噛みしめようとしているみたいに思えたのは何故だろう。幾何の時が過ぎた後、ロマニは満足げに「そうか」と呟いた。

 彩羽だけの秘密の物語だった冒険譚(ゆめ)は今、マシュやロマニと共有することができた――胸の底から湧き上がってきた喜びを、何と例えよう。

 

 彩羽に力を貸している英霊――『彼女(あのひと)』は“絶対的な人類の味方”であることは、『彼女(じぶん)』が歩んできた人生(モノガタリ)が証明している。カルデアの職員およびロマンは、そう判断を下した。

 

 

『状況によっては、キミが前線でその力を振るうことだってあるだろう。だが、無茶だけはしないでくれ。戦う力を得たからと言っても、キミの力は不完全だ。そして何より、キミは人間なんだから。それを忘れないように――』

 

「『まずは分相応のサポートから始めなさい』ってことだね。了解。心配してくれてありがとう、Dr」

 

 

 念を押してくるロマニに、彩羽は微笑んで頷いた。「特別な力を得たことに増長し、それが油断に繋がって死を迎えてしまう」という想像でもしていたのか、彩羽の答えを聞いたロマニが目を丸くする。まずはできることから始めろというのは、『彼女(あの人)』の旅路(じんせい)から学んだことだ。

 『彼女(じぶん)』を救世主として祭り上げる者がいた半面、恐ろしい存在として畏怖していた人々がいたことも事実である。中にはムラクモ機関ということで喧嘩を売ってくる者――SKYやSECT11のような敵対組織――もいたし、面と向かって「バケモノ」と言ってくる者だっていた。

 

 けれど、帝竜を屠っていく度、『彼女(じぶん)』たちを畏怖していた人々が13班を応援してくれるようになった。敵対していた人々も力を貸してた。

 

 謂れなき誹謗中傷をばら撒いた犯人をとっちめてくれたり、日常生活で積極的に声をかけてくれたり、有事になると自分たちを助けるために命まで懸けてくれた。道を切り開き、背中を押してくれた。彼らの勇気が、祈りが、狩る者たちを送り出してくれたのだ。

 転んでもいい。怯えてもいい。折れたっていい。多くの時間がかかっても、そこから立ち上がることができるなら。圧勝じゃなくてもいい。人の命を守ることを念頭に入れた作戦なら、泥を這いずり回った末の勝利でもいい。戦う理由だって、人類のため等の高尚な理由じゃなくてもいい。

 大事なものを守りたいと願い、大切な人たちの無事を祈る。振り返れば優しく包んでくれる仲間がいて、彼らがいるこの場所が『彼女(じぶん)』にとっての救いだった。積み重ねられたささやかな日常が、『彼女(じぶん)』にとって安らげる場所だった。

 

 時折裏切られたこともあったけれど。英雄という肩書故の理不尽な目に合ったけれど。

 それでもあの場所は――人類最後の拠点(東京都庁)/人類復興の拠点(国会議事堂)は、『彼女(じぶん)』にとって“守るべき世界”そのものだったのだ。

 

 

『達観してるなあ……。そのメンタルが羨ましいよ』

 

「成長することと這い上がることに関しては、『彼女(あのひと)』とわたしの得意分野だから」

 

『……うん。さっきからキミが眩しいと思っていた原因が分かった気がする』

 

「そうですね。Drの言うとおり、先輩はとても眩しいです」

 

 

 ロマニとマシュがひそひそと何かを言っていたが、彩羽にはそれを聞き取ることはできなかった。問いかける前に、議題が変わったためである。

 

 話し合いの議題は“今後の行動方針”だ。

 ロマニ曰く、サーヴァントは弱点があるものの、充分頼れる戦力らしい。

 

 

『キミには既に強力な武器がある。マシュという、()()()()()()()がね』

 

「……最強というのは、どうかと。たぶん言い過ぎです。後で責められるのは私です」

 

『まあまあ。サーヴァントはそういうものなんだって、彩羽ちゃんに理解してもらえればいいんだ』

 

 

 ロマニの言葉に、彩羽の中にいた『彼女(じぶん)』は酷い不快感を覚えた。

 

 連想したのは、ムラクモ機関前総長・日傘(ヒガサ)(ナツメ)が行っていた人工S級の実験や、エメルが行ったルシェクローン再誕計画である。前者は計画した本人が、後者は生み出された命を狙っていたアメリカ大統領が、彼らを弄んだ/彼女を手に入れようとした。

 『彼女(じぶん)』の記憶の中にいた彼/彼女ら――ミロク、ミイナ、タケハヤ、ネコ、ダイゴ、マリナ、13班員のサイキックらの背中が鮮明に浮かぶ。確かに彼らが生み出された理由は対竜戦のためだったけれど、みんなかけがえのない仲間だったのだ。

 

 

「Dr.ロマン」

 

『えっ? あ、彩羽ちゃん?』

 

「――さっきの言葉、大至急撤回して頂けませんか」

 

『え、ええと……』

 

()()()()()()()()()()()()()()()、という発言を、撤回してください」

 

 

 通信越しの声が途切れた。彩羽の表情を真正面から見てしまったマシュがびくりと肩をすくめる。……成程、彩羽は今、凄まじい顔をしているらしい。だが、これだけは、どうしてもモノ申さずにはいられなかったのだ。

 

 

「マシュは兵器じゃない。自分の意志を持つ、立派な人間だ。私の可愛い後輩だ。私やドクターと一緒に戦っていく、かけがえのない大切な()()だ」

 

「先輩……」

 

『彩羽……』

 

「わたしのワガママだとは承知しているけれど、どうしてもこれだけは、言っておきたかったんだ」

 

 

 マシュとロマニが酷く驚いたような声を上げてこちらを見た。2人は何か言いたそうな素振りを見せたが、黙ることを選んだらしい。

 その代わり、両名とも嬉しそうに笑った。まるで、「自分は今幸せなのだ」と言外に伝えようとするかのように。

 

 

『……そうだな。すまない、撤回しよう。マシュはボクたちのかけがえのない仲間だ。そして、キミと共に戦っていくサーヴァントでもある。だから、2人で協力して、この危機を乗り越えてほしい』

 

「……先輩。貴女のサーヴァントとして、貴女の仲間として、私は全力を尽くします。これからもよろしくお願いします」

 

「――うん。私の方こそ、これからも宜しくね」

 

 

 彩羽とマシュは握手を交わし、笑いあう。自分たちの姿を見ていたロマニが音頭を取り、これからのことを話し合うことにした。通信越しのロマニの声もどこか明るい。

 だが、方向性を決めようとした途端、急に通信が乱れ始める。予備電源に切り替えたばかりだったのが仇となり、シバの出力が安定していないのが原因のようだ。

 

 

『2人とも、そこから2キロほど移動した先に霊脈の強いポイントがある。何とかそこまで辿り着いてくれ。そうすればこちらからの通信も安定する。いいかな、くれぐれも無茶な行動は控えるように。こっちもできるかぎり早く電力を――』

 

 

 ロマンが言い終える前に、無情にも通信が途切れた。彩羽とマシュ、そしていつの間にかレイシフトしていたフォウは顔を見合わせる。

 このまま立ち止まっていてもどうしようもないことを知っていた2人と1匹は、ロマニの指示通り、目的地目指して歩き始めたのだった。

 

 

◇◇◇

 

 

「――ふざけんじゃないわよぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

 

 道中でオルガマリーと合流した結果、オルガマリーが盛大に発狂した。

 

 

「私の講義を居眠りしていた一般人がサーヴァントと契約しただけでなく、礼装なしで夢幻召喚(インストール)を不完全ながらも成功させ、しかも授かった英霊の真名が“平行世界の『彼女(じぶん)』”だなんて! おまけに、貴女のような一般人が、平行世界で発生するであろう災厄の救世主だなんて! 文明の捕食者を退け、屠った英雄だなんて! もう何もかもが滅茶苦茶だわ!!」

 

「驚く気持ちはよく分かるよ。だけど所長、落ち着いて。貴女はカルデアのトップなんでしょう? トップがその有様だと、勝てる戦も勝てなくなる。まずは現状を把握するところから始めるべきかと」

 

「うぐぅ……ッ。……当り前よ。貴女に諭される必要はないわ」

 

 

 反ムラクモ派議員と論争した『彼女(じぶん)』の経験に物を言わせて、彩羽はオルガマリーの追及を躱した。一方的にがなり立てられるというのは堪ったものではない。それに、現状把握が優先されるべき事象であることは間違いではないだろう。

 ヒステリックな所長をうまい具合に誘導した彩羽の手腕を目の当たりにしたマシュが、目をぱちぱちと瞬かせた。そんな後輩に対し、彩羽は悪戯っぽく笑って見せる。カリスマ性Sランク――もとい、人を動かすことは『彼女(じぶん)』の得意分野なのだ。

 

 所長の話を自分たちの状況をすり合わせると、レイシフトに成功したのは彩羽とマシュだけらしい。他のマスター――コフィンを用いてレイシフトしようとしていた魔術師たちは来ていない。バイタルが基準値以下になるとコフィンの電源が切れる仕組みとなっているそうだ。

 レイシフト直前に起こったテロによって、大半の魔術師のバイタルも基準値以下となってしまった――それが、レイシフト成功者が自分たちしかいないという原因だろう。なんとまあ、世知辛い世の中だ。『彼女(じぶん)』がため息をついたのが聞こえてきた。彩羽も同じ気持ちである。

 「以後は自分の命令に従ってもらう」とオルガマリーは宣言した。口答えをする理由もなければメリットもないので、彩羽は素直に頷いた。オルガマリーの指示に従い、霊脈のターミナルを探す。

 

 

「所長。レイポイントは、所長の足元です」

 

「うぇぇ!? ……わ、わかってた! 分かってたわよ、そんなこと!」

 

(意外とおっちょこちょいなんだ……)

 

 

 あたふたするオルガマリーを見て、彩羽は内心酷く微笑ましい気持ちになった。盛大にがなり立てる女性だと思っていたが、可愛らしいところもある。最も、それを顔に出せば厄介なことになるのは明白だったので、彩羽は笑みを噛み殺した。

 

 レイポイントにマシュの盾を設置する。温かい光が溢れだし、光景が変わった。満天の星空を思わせるような空間には、至る所に青い光が走っている。

 嘗て『彼女(じぶん)』が振るった竜殺剣も、あんな透き通った色だった。人と星の祈りを具現化したような淡い光を、彩羽は鮮やかに思い出せた。

 

 

「これは、カルデアにあった召喚実験場と同じ……」

 

『シーキュー、シーキュー。もしもーし! よし、通信が戻ったぞ! これで――』

 

「ロマニ!? 何でアンタが仕切ってるのよ!!」

 

 

 数時間ぶりに、ロマニの声が聞こえてきた。彼は嬉々とした様子で報告しようとし――ヒステリックに叫ぶオルガマリーによって遮られた。2人はぎゃあぎゃあ叫びながらも、双方の情報をすり合わせることで現状を把握し、今後の方針を打ち立てていく。

 危篤状態になった47名のマスターは、本人たちの了承を取らずに凍結保存処理。『死なせさえしなければ――主に責任問題的な意味で――何とかなる』というマイナス方面に突っ切った理由ではあるが、全員死なせるよりはマシであろう。

 

 判断基準が酷いと自覚はしているらしく、オルガマリーは今にも泣き出してしまいそうだ。彩羽は彼女の肩を叩く。

 

 

「大丈夫だよ、所長。世の中には『自分の強化のために、組織の仲間だけでなく、都庁の避難民を躊躇なく生贄にした』組織のトップだっているし」

 

「『彼女(あなた)』のところにいた“人類の裏切り者(日傘ナツメ)”と比較されても嬉しくないわよ! そんな奴と比べれば、ロマニだって相対的に“優秀な指揮官”になっちゃうじゃない!」

 

「理由は何であれども、崖っぷちな状況に陥っても尚、人命を守ることを選べるというのは素晴らしいことだよ。その選択を選べる指揮官は良い指揮官だって相場が決まってるものだ」

 

 

 脳裏に浮かぶのは、ムラクモの最終総長を務めた青年――桐野礼文だ。先代総長/初恋の女による人類への裏切りと仲間の惨殺、利き手の喪失によって断たれた技術者生命――不幸という不幸を煮込んだような人生を歩んでいた彼だが、深緑の双瞼は何度も燃え上がった。

 折れても尚、もう一度立ち上がる。折れない強さも素晴らしいけれど、倒れても立ち上がって歩き出すという強さも素晴らしい。正直、『彼女(じぶん)』も彩羽も、彼の強さを素直に素晴らしいと思う。叩き折られても尚立ち上がるキリノの姿に、『彼女(じぶん)』は何度も励まされてきた。

 

 

「貴女……」

 

「オルガマリー所長は立派な指揮官だよ。命を失うことへの恐怖を抱く貴女になら、安心して私の命を預けられる。だから、自分を追い詰めなくていい。堂々と構えていて」

 

 

 彩羽はオルガマリーの手を取り、微笑んで見せた。オルガマリーは豆鉄砲でも喰らったみたいに目を瞬かせると、気恥ずかしそうに視線を彷徨わせた。

 が、彼女は彩羽の手をやんわりと押し返すと、ぷいっとそっぽを向いた。珍しいものを見たといわんばかりに、マシュとロマニが目を丸くしている。

 率いるだけがリーダーではない。「コイツだったら一蓮托生でも構わない」と思えるような――所謂“神輿になり得る”人物にだって、リーダーの資質がある。

 

 桐野礼文という男は、命を失う痛みに対して人一倍敏感だった。職業が医者と技術者の兼業だったというのもあるが、元来優しい性格だったのも理由だろう。

 

 オルガマリーとキリノは正反対――前者が利己的な現実論者、後者が甘い理想論者――だが、根っこにある「人の命が失われるのが嫌だ」という点は共通している。

 善人でなくたっていい。怖がりだっていい。失うのが嫌だというマイナススタートでもいい。自分が弱いと知っていることは、素晴らしい美徳なのだから。

 

 

「……先輩が所長にそんなこと言うなんて、意外でした」

 

 

 マシュが目を丸くしながら、小さく耳打ちしてきた。彩羽はひっそち苦笑する。

 

 

「臆病だけど気性の荒いキリノ総長と考えたら、なんだか『担いであげなくちゃ』って思うようになったんだ。上司の迷走を見守るのも部下の役目だったし」

 

「先輩……」

 

「ヘタレな指揮官を担いで走るのには慣れているんだ。『彼女(あのひと)』の旅路(じんせい)のおかげでね。……実際するのは初めてだけど、まあ、まずは分相応から始めようか」

 

 

 指揮官と一緒に走るのも、悪くはない――その意味を込めて、彩羽は笑った。劣勢から立て直すというのも、泥まみれになって這いずりながらでも勝利を掴むのも、『彼女(じぶん)』が駆け抜けてきた歴史と変わらない。ただ、戦場(ぶたい)が異界化した東京から特異点へ変わっただけだ。

 自分が見続けた『彼女(あのひと)』の冒険譚(たびじ)に等しき偉業(じんせい)を、今度は己が成し遂げなければならない。その旅路が過酷であることは百も承知。絶望の深さだって知っている。けれどそれ以上に――命を燃やして立った人々の美しさを、その鮮烈さを、彩羽は覚えていた。

 

 

 




このお話におけるぐだ子=彩羽の何がチートなのかと問われれば、「メンタル」と答えます。結果、「無意識に他人の地雷を処理し、そこを緑化させていく」系の主人公となりました。
不完全な形で彩羽に夢幻召喚されたアイドルの力も、ひと段落つき次第、きちんとした情報としてUPしたいですね。ふわっとした設定しかしていませんが(苦笑)
……ただ、セブンスドラゴンシリーズのストーリーを知っていると、彼女に夢幻召喚された能力の一端を察せるかもしれません。
本当なら「特異点Fでのサーヴァント召喚」まで書きたかったのですが、そこまで書き切れませんでした。無念。

活動報告へのアドバイス、大変参考になります。今回のお話と設定が出来上がったのも、アドバイスしてくださったみなさまのおかげです。本当にありがとうございました。

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