Fate/GrandOrderとセブンスドラゴンシリーズを混ぜてみた   作:白鷺 葵

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・ぐだ男&ぐだ子不在で、我が家設定の『人類の統合者』がぐだポジに収まっている。名前は出ない。
・『百花繚乱クロニクルセブン』の世界観に関するネタバレに抵触する可能性がある。あちらの方でも大分バレバレだが、注意してほしい。
・クロスオーバーのバランスはナナドラ>越えられない壁>FGO(重要)。
・クロスオーバーのバランスはナナドラ>越えられない壁>FGO(重要)。
・クロスオーバーのバランスはナナドラ>越えられない壁>FGO(重要)。
・クロスオーバーのバランスはナナドラ>越えられない壁>FGO(重要)。
・真竜がFate関連要素をこき下ろす言動が出てくる(重要)
・真竜がFate関連要素をこき下ろす言動が出てくる(重要)
・真竜がFate関連要素をこき下ろす言動が出てくる(重要)
・セブンスドラゴン無印・2020シリーズ・Ⅲ-code:VFD-の容赦のないネタバレ。
・パワーワードのオンパレード。
・手紙系の独白調。
・クリプター勢が酷い目に合う(重要)
・クリプター勢が酷い目に合う(重要)
・クリプター勢が酷い目に合う(重要)
・あまり深く考えないで読むことをお勧めする(重要)
・あまり深く考えないで読むことをお勧めする(重要)
・あまり深く考えないで読むことをお勧めする(重要)

上記の注意を読んだうえで大丈夫な方のみお進みください。


殺戮者のエントリーだ!
統合者「7個宇宙PON☆とやったぜ!」


 拝啓

 

 我が故郷で桜が咲き誇るはずの4月は、真っ白な氷で覆われてしまいました。クソ寒いです。

 ゼロ・ブルーが再来したのかと見間違うかもしれませんが、原因は全く別物です。あしからず。

 

 クリプターに名称を変更した冷凍野郎Aチームの1人から「自分だったらもっと良い結果を出せた。世界を救えた(要約)」と苦情を入れられたので、『彼が英雄になれる世界』をプレゼントしてあげました。「1万ドルPON☆とくれたぜ!」を俺視点側に修正した表現――所謂「1個宇宙PON☆とやったぜ!」というヤツです。

 前回人理焼却発生時、冷凍野郎Aチームはレフ・ライノール・フラウロスの仕掛けた不意打ちテロによって意識不明の重体になっていた7人組です。本来の計画であれば、彼らがメインになって人理修復(グランドオーダー)を行うはずでした。曰く、「世界を救うために選び出された精鋭7人」とのこと。

 しかし、前回の戦いで彼らは意識不明の重体で冷凍睡眠処置を施されていました。生のままだったら致命傷だったのと、人命の重さから責任追及されることを恐れた当時の所長が下した後ろ向きの自己満足によって施された処置なのですが、彼らにとってそれは「余計なお世話」だったのでしょう。

 

 自分たちが世界を救う勇者になるはずだった物語は、どこの馬の骨とも知らぬ一般人がヒイヒイ言いながら這いつくばってでも成し遂げた英雄譚にされてしまいました。怒り狂うのも無理はないのかもしれません。タケハヤのように諦めの境地に達するには、いささかレベルが低かったようです。特にロシアのクリプター――カドックくんの精神性は如月ユウマ枠でした。統合者候補に片足を突っ込まずにいられたのは、彼の隣にアナスタシアが寄り添っているためだと思われます。

 

 カドックくんが担当する異聞帯は、マイナス100度が当たり前の極寒の地ロシアでした。ヤガと呼ばれる狼人間――狼と人間の遺伝子を掛け合わせた新人類――が暮らす、弱肉強食の掟が蔓延る世界です。

 ぶっちゃけ、真竜が人類を食うことが正当化されるような世界観でした。どこぞのお花畑大剪定に対して、絶対文句を言ってはいけないような世界観でした。一方的に食われて終わりそうだなと思ったのは内緒です。言わなかったのは優しさです。

 

 彼らが汎人類史に喧嘩を売って、異聞帯――汎人類史よりも過酷且つ強靭な世界――を正当化しようとした理由の1つが、カドックくんの言った「僕でも世界を救えるんだ(意訳)」だったのでしょう。後は、強靭な人類史を創り上げないと困るような出来事がこの先に待ち構えているためではないでしょうか? 後者は俺の個人的な予想ですが。

 そんなことしなくてもどうにかなるのは俺が実証しているのですが、クリプターの皆さんには説明のしようがないので信じてもらえません。証明できないことは存在しないのと同義なのです。異聞帯は随分と優しくない世界のようだ。俺は汎人類史のような「弱くても不完全でも許される世界」育ちのため、「強さだけがすべて」というのは納得できません。

 実際に、凄まじい強さを誇った極点の捕食者たちは、ちっぽけで不完全な知的生命体によって1個宇宙から狩りつくされました。人類の持つ不完全さが可能性という形に現れ、袋小路を打破し未来を創り上げるという形で発現したのです。不完全でなければ世界が救えないというのは、クリプターたちへの痛烈な皮肉になりそうだなと感じました。閑話休題。

 

 クリプターたちが汎人類史を凍結させ、自分の理想とする世界=異聞帯に立てこもってしのぎを削り合っているのは、自分たちが正しいと言うことを示すため。クリプターたちは協力体制を敷きながらも、異聞帯同士に優劣をつけているようです。

 汎人類史を潰すと言うことでは結託しているけれど、最後はクリプター同士で潰し合いしそうな気配が漂っていました。汎人類史に喧嘩を売った大演説でもそれを臭わせるようなことを言っていたので、汎人類史が倒れたら、即異聞帯淘汰合戦になっていたことでしょう。

 

 そのことを指摘しながら1個宇宙PON☆とあげたら、カドックくんとアナスタシアは滅茶苦茶当惑していました。いきなり汎人類史のマスターから1個宇宙PON☆と貰ったものだから、頭が追い付かなかったのでしょう。ただ、自分たちの世界と種族が滅びなくて済んだと知ったヤガたちが大喜びし、種族全体が俺の肯定派に回りました。俺もカドックくんの肩を叩き、「これで戦う理由はなくなったね。彼女とお幸せに!」と言って、作ったばかりの1個宇宙にまとめて放り込んでおきました。いやあいい仕事した!

 

 結果、他のクリプターたちが大騒ぎ。そりゃあカドックくんだけ優遇したんだからクレームが来るよね。

 あげましたとも。気前よく、6個宇宙作ってクリプターのみんなにPON☆と贈呈しちゃいました。

 喜ばれましたよ。汎人類史なんて滅ぼさなくても、クリプター同士で淘汰合戦しなくても、自分たちが英雄になれる世界なのだから。

 

 その代わり、凍結されてしまった汎人類史は解凍。汎人類史は汎人類史として、今日も平穏に日々を紡いでおります。何もない平穏が一番幸せなんだよね。俺知ってる。

 

 話題は変わるけど、この世界では編纂事象と剪定事象って呼ばれる要素があるらしいですね。

 

 編纂事象は今ここに存在している世界と時間の流れであり、細々ではあるけれど続いていくことが約束されているもの。どんなに陰惨な喪失や未来が待ち構えていたとしても、人類が滅びずに続いていくそうです。

 剪定事象は滅びが確定した世界らしいですね。どんなに繁栄していても、編纂事象で命を落とした人間が幸せになっていても、編纂事象よりも明らかに幸福な未来でも、強制緩やか問わず滅びが確約されてしまうそうです。

 

 特に後者は「栄華を極めたが故の滅び」という要素もあるようですよ? ()()()()()()()()()()()()()()ことも、滅びの中に入っているのかもしれません。

 異聞帯の世界観も剪定事象案件ですから、それをそのまま引き継いだ1個宇宙も、剪定事象扱いされてしまってもおかしくないわけです。

 

 

 ――だって、過酷な環境で生き抜くことによって、()()()()()()()のですから。文化的にも、種族的にも。

 

 

 ここから唐突に、真竜についての話に変えます。真竜は星と言う大地に種を蒔き、命を育てます。星に撒いた命が築き上げた文明が栄華を極めたタイミングを狙い、収穫作業を始めるわけです。星に住まう命たちからすれば「虐殺」と言えるアレです。どこぞの誰かがやった大剪定もそれに当たります。

 もし、世界が剪定事象扱いになってしまった原因が「星に住まう種族が築き上げた文明が栄華を極めてしまったから」というものだったら。その延長線上に、真竜たちの来訪があったら――なんて、どうでしょう? 終わるから目をつけられたのか、目をつけられたから終わったのか……卵と鶏理論ではありますが、なかなか気になりますよね?

 俺がクリプター一同に贈呈した1個宇宙ですが、「編纂事象扱いになるか剪定事象扱いになるかは、クリプターたち本人に懸かってる」と言いました。「これからは、キミたちが、己の命を証明する戦いが始まる」と。意味は理解していないようでしたが、きっとこれから知ることになるでしょう。

 

 

 星という名の大地に種を蒔き、育て、刈り取る行為。

 

 ある者はそれを農業と言い。

 ある者はそれを放牧と言い。

 ある者はそれを――殺戮と言った。

 

 奴らは農家であり畜産家。家畜を生み出し、育て、喰らう。

 奴らが育てた家畜の枠組みに、人類がそのまま収まるだけの話。

 

 世界が終わると言う意味では、真竜襲来が確定した世界は剪定事象扱いとなるでしょう。そして、嘗ての俺が成し遂げた世界再編は、剪定事象を無理矢理編纂事象にしたのと同義。

 

 

 真竜曰く、今回のケースは第7真竜が第1真竜として命をばら撒いた扱いになるらしいですね。俺にはもう関係のない話なのですが、そういえばこんな話聞いたなあと思って、書き連ねてみました。

 クリプターの皆さんは「自分たちが英雄だと証明する」ことの意味を、これから知ります。彼らはこれから、嘗ての誰かが辿った旅路を征くことになります。俺ですらヒイヒイ泣き叫んだあの旅路を辿るのです。

 

 まあでも、大丈夫でしょう。だって彼らは人類ハードモードで生きてきた人たちですから。

 汎人類史をぬるま湯と嘲笑い、「自分たちならより良い形で世界を救えたのだ」と豪語したのですから。

 その言葉に嘘偽りがなかったことくらい、簡単に証明できるはずでしょう!!

 

 

 彼らからの良い報告を楽しみにしながら、俺は筆を置くことにします。では、そちらもお元気で。

 

 

 敬具

 

 

 

―――

 

 

【メッセージ確認】

 

From◆◆ To▲▲

 

題名:いい加減にしろ

 

 俺のところに切り落とした左腕を送ってくるのやめてください。

 今月でもう7本目です。

 

 

 

【メッセージ確認】

 

From▲▲ To◆◆

 

題名:これで最後の1本だけど

 

 最初から7人だったでしょう?

 だから、これが最後の1本だよ。

 

 やっぱパチモンはダメだね!

 

 

 

 

【メッセージ確認】

 

From◆◆ To▲▲

 

題名:マジか

 

 ――なんで異聞帯のニンゲンはすぐ死んでしまうん?

 

 

 




「ヤガが真竜襲来を乗り越える姿が想像できない」や「剪定事象=真竜のご飯になる」という図式に当てはめた結果出来上がった問題作。多方面から殴られるだろうなとは思いつつ、冒頭の諸注意でガチガチに固めておきました。読んで不快に思ってしまったのなら申し訳ありませんが、こちらで責任を取ることはできません。ご了承ください。
因みに、この語り部は色々な意味で酷い奴なので、『1個宇宙を進呈されたクリプターの面々が()()()()()()()()()()』は分かりません。何かを言った彼らを無視し、語り部が自己完結させた可能性もあります。VFDも理理ばかり言って、Ⅲ主人公側の話なんて聞いていませんでしたからね。その毛色が強めです。

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