Fate/GrandOrderとセブンスドラゴンシリーズを混ぜてみた   作:白鷺 葵

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【諸注意】

・『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』がうっかり1.5部および第2部に突入した際に起きそうな可能性の一側面を形にしてみた単発もの。
・『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』は第1部+結絆の絆イベント完了の時点でひと区切り。1.5部や2部に突入する予定はない。
・『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』の世界とは平行世界同士の関係。故に、あちらとは設定が変更されている。
 一例,1部で“いなくなる”面々が残留している、その影響を受けた人間関係や性格の変化がある、設定の魔改造等
・このお話だけに出てくるオリジナルクラス/星観測者(スターゲイザー)がある。該当者はナナドラⅢの登場人物。
・ナナドラⅢ側からNPCキャラクターがサーヴァントとして顕現している。但し、サポート一辺倒で戦闘能力は皆無。
・登場人物の中に上位生命体故がいるため、人類およびFate関係者に厳しい発言をするので注意してほしい(重要)
・登場人物の中に上位生命体故がいるため、人類およびFate関係者に厳しい発言をするので注意してほしい(重要)
・登場人物の中に上位生命体故がいるため、人類およびFate関係者に厳しい発言をするので注意してほしい(重要)
・力関係は真竜<(越えられない壁)<異聞帯関係者(重要)
・力関係は真竜<(越えられない壁)<異聞帯関係者(重要)
・力関係は真竜<(越えられない壁)<異聞帯関係者(重要)
・上記の力関係故、FGOの雰囲気をぶち壊すレベルで蹂躙ものになる(重要)
・上記の力関係故、FGOの雰囲気をぶち壊すレベルで蹂躙ものになる(重要)
・上記の力関係故、FGOの雰囲気をぶち壊すレベルで蹂躙ものになる(重要)
・書き手には両作品を貶めるつもりは一切ありません。(重要)
・書き手には両作品を貶めるつもりは一切ありません。(重要)
・書き手には両作品を貶めるつもりは一切ありません。(重要)
・書き手には両作品を貶めるつもりは一切ありません。(重要)

・第2部序章のネタバレ、-MOONLIGHT/LOSTROOM-の要素が含まれています。
・後者の要素を前面に出した妄想展開や捏造があります。

『浪漫色彩IF』シリーズは特にヤバイです。力関係が「セブンスドラゴン系列>(越えられない壁)>FGO」となっています。
上記の諸注意を読んで納得して頂けましたら、この先へとお進みください。


第2部断章.救世主と星観測者/Stargazer

 ――汎人類史は、何をもって“汎人類史”と定義され、定着されるのだろうか。

 

 その答えは、“異聞帯と同等の存在でありながら、汎人類史に固執する英霊”だけが知っている。

 あるいは、世界を創り替えた“人類の統合者”と、彼等と絆を持つ“観測者”だけが知っている。

 

 

***

 

 

『……ははは……キミは、ボクには勿体ないくらい、立派な孫だったよ。……結絆……』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、燃え尽きていった命があった。

 

 誰よりも優しい、結絆の祖父。

 満足げに微笑んだ彼は、どんな気持ちで目を閉じたのだろう。

 

 

『何もかもが信じられないこの世界で、お前たちが幸せでいてくれることが救いだった。……私にとって、何よりもの……。――……結絆、お前は私の……希望だ』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、燃え尽きていった命があった。

 

 大事な人々の幸せを願ったが故に、世界の理不尽に怒ったおじ。

 祈るようにして呟いた彼は、どんな気持ちで目を閉じたのだろう。

 

 

『――いってらっしゃい、結絆』

 

 

 葬送花が咲き乱れる世界で、置いて行った命があった。

 

 宇宙(せかい)が終わる瞬間(とき)まで愛する人の傍にいることを選び、結絆を送り出した祖母。

 綺麗な微笑みを浮かべて頭を撫でてくれた彼女は、どんな気持ちで「いってらっしゃい」と言ったのだろう。

 

 

 

 

 最後の竜を打ち倒したとき、世界は真っ白な光で包まれた。肌に突き刺さるかのような膨大なエネルギーに身じろぎしつつも、結絆は真っ直ぐに前を見据える。

 ナガミミ曰く、今の宇宙には何も存在していないのだという。本来ならば、第7真竜が目覚めたとき、太陽系を滅ぼすために使われるはずだった力らしい。

 だが、7番目の真竜は生まれなかった。人類が、真竜への進化を否定したためである。結果、7体の竜を喰らった人間である結絆が、このエネルギーの担い手に選ばれた。

 

 

「――さあ、結絆! 願うんだ! テメェの望む世界はどんな世界だ?」

 

「……僕の、望む世界……」

 

 

 ナガミミが問いかける。結絆は己の望みを思い描いた。

 

 竜のいない世界。竜による滅びを否定し、それを排除した世界。

 結絆にとっての大切な人たちが、幸せになれる世界だ。

 

 結絆が何を望んでいるのか、何を願っているのかを察したのだろう。ナガミミは声高に叫んだ。

 

 

「――願えええええええええええええーッ!」

 

 

***

 

 

 結絆・ヴィラノヴァ・アーキマンの朝は早い。現在時刻は午前4時を指しており、部屋の中はまだ薄暗かった。心地の良い微睡みではあるが、いつまでもそれに浸るつもりはない。少々名残惜しい気がしたが、結絆はそれを振り払うようにして体を起こした。

 個人的な持論だが、結絆は『目覚めにはアツアツのコーヒーが効果的』だと思っている。部屋に備え付けられた電気ケトルを操作すれば、程なくして湯気が湧きたってきた。インスタントコーヒーをマグの中に投下し、お湯を入れる。

 砂糖とミルクで味を調え、ゆっくりと飲み干すのが結絆の飲み方だ。ブラックコーヒーはあまり好きではない。『早く大人になりたい』と語っていた少女も、苦いものがあまり好きではなかったか――などと考えて、結絆は口元を緩めた。

 

 身支度を整えながら、結絆は鏡に映った自分の姿を見返す。

 祖父と同じカルデア医療班の制服を身に纏った姿は、何度見返しても照れ臭い。

 

 

(降臨が進んでこの姿になったときは、凄く嬉しかったなあ……)

 

 

 祖父を敬愛していた結絆にとって、この姿は自身の憧れそのものだった。白衣を身に纏った己の姿を祖父に見せたかったし、いずれは祖父と同じ白衣を纏って一緒に仕事がしたいと願っていたのだ。

 自分が亡くしたものを思い返しながら、結絆は静かに息を吐く。情けなく歪んだ鏡の中の自分を隠すようにして、目を拭った。滲んだ視界は一瞬でクリアになる。――よし、今日もいつも通りだ。

 

 自室を出る。施設内が不気味なほどに静かだと感じたのは、決して時間帯だけのせいではない。

 

 どんな時間帯だろうと、誰かしらのサーヴァントがうろうろしていたのが常だった。何十騎のサーヴァントが闊歩して賑わっていたカルデアだったが、現在は水を打ったように静かである。サーヴァントの気配は殆どない。

 『数日前までは毎日がお祭りみたいなテンションだった』と言われたら、誰がその言葉を信じるだろうか。結絆は苦笑しつつ、窓の外に視線を向ける。粉雪を巻き上げるようにして吹きすさぶ風の音が聞こえてきそうだった。

 一抹の寂しさを飲み下し、医務室へ足を進める。部屋には既に――否、恐らく『ずっと』という表現の方が正しいだろう。祖父は数日の徹夜を敢行するワーカーホリックだからだ――薄ぼんやりと明かりが灯っていた。眉間に皺が寄ったのは当然と言えよう。

 

 

「シバさんがいたら、『寿命を対価にして得るにしては、それじゃあ大赤字じゃないですかー!』って怒ってたかもしれませんね」

 

 

 結絆はひっそり口元を緩めた。祖父が嘗て英霊――魔術王だった頃のロマンスの相手の姿を思い出す。女王というより商売人の気質が強かった彼女は、つい先日、カルデアから去っていったばかりだ。

 彼女だけではない。カルデアに在籍していた大半のサーヴァントが退去したのは昨日の話である。守りの要を手放さずを得なかったのは、これから発生するであろう対人戦を乗り切るために必要な対価だった。

 

 2015年――突如、100年先まで保証されていた未来が否定された。それを観測したのは、星見台を管理していた魔術師一族だ。一族の長たるオルガマリー・アニムスフィアは、保証されていた未来――人理を取り戻すために全世界からレイシフト適性者/マスター候補を招集する。人理に発生した異変を解き明かすため、総勢48名が集められた。

 だが、レイシフトが行われる直前にテロが発生。48名のマスター候補のうち、無事だったのは1人の一般人のみ。最初に観測されていた特異点を攻略したのもつかの間、現在まで続いていた人理がすべて焼け落ちた。それに伴い、人類は存在を否定され、断絶する。焼却を免れたのはカルデアという施設にいた数十名の職員だけだ。

 殉職したオルガマリー所長に代わり、唯一無事だった暫定最高責任者だった医療班主任のロマニ・アーキマンを総司令官として、唯一無事だったマスター候補――魔術なんて齧ったこともない一般人の少女――一色(いっしき)彩羽(あやは)が人類の未来を取り戻すために7つの特異点を巡った。戦いが終結したのは、2016年の年末である。

 

 人理焼却を防ぎ、世界を救ったカルデアのマスター。数多のサーヴァントを使役した一色彩羽と彼女の所属するカルデアには、本当の意味での平穏はない。

 

 人理焼却から世界を救った英雄たちに待っていたのは、外部からの圧力や責任問題の追及、および残党たちが引き起こした事件の尻拭いだった。最も、外部内部共に『現時点で最優先なのは後者である』という認識が一致し、前者は一端保留とされたのだが。

 嘗て魔神柱を統括していた黒幕ゲーティア――現在は監視の名目でカルデア預かりとなっている――によると、『戦闘を放棄し、逃走した個体がいた。奴らは独自の自我を以て、行動を始めた』らしい。その影響で発生した4つの亜種特異点や様々な問題を解決するために奔走した。

 

 

(残党の起こした事件が解決するまでに費やした時間は半年間。おじいさまがホームズさんやダ・ヴィンチさんと協力して、おばあさまやマシュさんに降りかかるであろう災厄を回避するために準備をしていたようですが……)

 

 

 結絆は深々とため息をついた。

 

 彼等が“悪意から守るべき対象者”に結絆を組み込んだのはやりすぎではないか、と思う。

 ……まあ、『彼等に黙ってこっそり動き回っていた』という点では、結絆も他人のことは言えないのだが。

 

 

「――あ、結絆! おはよう!」

 

 

 背後から聞こえてきた声に振り返る。若芽色の髪を束ねた少女が、ウサギのぬいぐるみを抱えてこちらに駆け寄ってきたところだった。それを見た結絆の口元が自然と緩む。

 

 

「――おはようございます、ミオ。最近は早起きですね」

 

「“自分ができることを頑張る”って決めてるから。早起きもその1つなんだ!」

 

 

 少女――那雲(ナグモ)(ミオ)ははにかみながらも、いい笑顔で答える。

 だが、彼女に抱え込まれていたウサギのぬいぐるみが鼻で笑った。

 「どうだかなァ」とぼやく声には、呆れと若干の悪意が滲む。

 

 

「コムスメのヤツ、オレ様が起こさないといつまでも惰眠を貪ってんだよ。今日だって布団と仲良し――」

 

「――ナガミミちゃん?」

 

「あーうん、やっぱなんでもなかったぜー!」

 

 

 得体の知れない圧力を放つ、暗い笑み。ミオは時々、どこか怖い笑みを浮かべることがある。それを向けられたウサギのぬいぐるみ――ナガミミは、明らかに上ずった声を絞り出して視線を逸らした。以前からだが、ナガミミはミオの暗い笑みに弱い。

 談笑もそこそこに、結絆は医務室の扉に手をかけた。ミオとナガミミは談笑を続けながら、指令室の方へと向かう。結絆の戦場が医務室とレイシフト先であるならば、彼女たちの戦場は指令室――レイシフト時の存在証明、およびナビゲーターだ。

 

 ミオとナガミミは、U.E.77年に発生したCode:VFDで結絆たち――ノーデンス13班をサポートしてくれた専属ナビゲーターである。それと同時に、人理焼却事件の際、彩羽によって召喚されたサーヴァントでもあった。クラスは星観測者(スターゲイザー)という特殊なものらしい。

 U.E.77年での戦いで援護一辺倒だった2人には、戦闘能力など皆無だ。だが、それを補って余りあるほどの援護能力を持っている。空間把握能力や情報処理演算能力に長けていた。それだけではなく、レイシフトにおける意味消失を防ぐ『証明』と『記憶および記録すること』も得意としていた。

 ミオとナガミミが星観測者(スターゲイザー)という特殊クラスで召喚された理由に見当がついているのは、当事者である本人たちを除けば結絆だけであろう。実際、結絆は“2人が後者の能力に特化する”ことになった事件を引き起こした張本人だからだ。

 

 ()()()()()()()()()()()()を知っている人間たち。その特異性が、ミオとナガミミを呼び寄せる縁となったのかもしれない。閑話休題。

 

 結絆が扉を開けて医務室に踏み込む。椅子に腰かけていた部屋の主の背中がびくんと跳ねた。首の動きから察するに、結絆が踏み込む直前まで夢現の状態だったのだろう。

 ワンテンポ遅れて「ほぁい!?」という間抜けな叫び声が響き、医療班兼カルデア職員中の最高権力者が振り返った。東雲色の髪を束ね、若葉を思わせる緑の双瞼が瞬く。

 

 

「おはようございます、おじいさま」

 

「あ、ああ。……おはよう、結絆」

 

 

 うたたねを取り繕えるような状態ではなかったようで、カルデアの暫定最高責任者――ロマニ・アーキマンは間抜けな挨拶で返した。

 目は薄らと充血しており、焦点がまだきちんと合っていない。元から白い肌は更に白くなり、目元の隈を際立たせている。

 振り返る際にうっかり倒したマグカップの中身は空だったが、コップの底には乾いたコーヒーがこびりついていた。それを見た結絆の眉間に皺が寄る。

 

 

「……おじいさま。また徹夜したんですか?」

 

「あはは……。どうしても、今のうちに片付けておきたい案件があったから」

 

 

 ロマニはへらりと苦笑する。普通の人が見たら「これだからドクターは」と苦笑してなあなあにしてしまうような昼行燈顔だが、彼がそんな表情を浮かべるときは、大抵『大きな隠し事をしている』ときだ。

 

 結絆の眉間が更に深くなったのは当然だろう。ロマニはまた、自分たちに大きな隠し事をしようとしている。結絆に伏せるだけならまだいいが、結絆のマスターにして祖母――一色彩羽にも黙ったままでいる気なのだろうか?

 『彼の正体が黒幕の元・上司であるソロモン王で、自爆特攻をすることで世界を救おうとしていた』という秘密だけでも、彩羽には大きなショックだったと言うのに。……まさか、また似たような自爆特攻をしないと解決できない案件があるのだろうか?

 

 結絆の眼差しから不穏なものを感じ取ったロマニが「違うからね!? 自爆特攻はもうしないから!!」と声を上げた。

 是非ともそうして欲しい。ロマニは“死んででも世界を守る選択より、一緒に生き延びる算段を立てるべき”である。

 ……まあ、大きな秘密を抱えているのは結絆も一緒なので、人のことは言えなかったりするのであるが。

 

 

「引継ぎ用の資料だよ。あとは、彩羽ちゃんに関する隠蔽工作かな。ホームズやモリアーティの協力があったから、どうにか間に合ったけど……」

 

「……そういえば、今日でしたね。カルデアの新所長がやって来るのは」

 

 

 屍累々の花畑で唯一生き残った男の顔を思い出しながら、結絆はロマニに話題を投げかける。

 ロマニは小さく頷き返した。若葉色の瞳に浮かぶのは、深い憂いだ。

 

 

「――何事もなければいいんだ。彩羽ちゃんが害されるようなことや、人理焼却級の“世界の危機”なんて。……今度こそ、ボクの勘違いや杞憂で済んでくれれば……」

 

 

 ロマニは祈るようにため息をつく。案の定、ロマニはまた隠し事をしていたらしい。此度の共犯者はダ・ヴィンチとホームズ、蚊帳の外は彩羽、マシュ、結絆を筆頭とした職員たちのようだ。彼を咎めようかと口を開いた結絆だったが、下手人の性格を思い出して押し黙る。

 

 ロマニ・アーキマンは、石橋が目の前にあったら「石橋が壊れてしまう原因となり得るすべての要素をリストアップして、過剰且つ虱潰しに対策を講じる」タイプだ。

 しかも、その対策準備を整えている姿や対策法を、石橋を渡る当事者たちには知られないようにしている。すべてが自分1人の杞憂によるものであってほしいと願いながら。

 大事な人たちを不安にさせたくない――ロマニの気持ちはよく分かる。だから、結絆は何も言わないことを選んだ。彼にとっての日常の象徴に徹することを選んだのだ。

 

 

「……そうですね。何事もなく、平穏に過ごせたらいいですね」

 

 

 同時に、思う。結絆・ヴィラノヴァ・アーキマンにとっての日常の象徴を。

 彩羽がいて、ロマニがいて、ゲーティアがいて、3人が穏やかに過ごせる世界を。

 失くしてしまった日常を、それの上に成り立つ日常を、想うのだ。

 

 

(――誰が、覚えているだろうか)

 

 

 まだ頑張ろうとする祖父に「次の戦いに備えて休め」と圧をかけながら、結絆は思い返す。

 

 2020年に来襲した3番目の荒神竜、2021年に来襲した5番目の呪神竜――いや、2017年の時間で表すならば、どちらも「来襲するであろう」と表記するものが普通だ。だが、この世界に()()()()()()()()()()()()()ことは、結絆・ヴィラノヴァ・アーキマン自身がよく知っている。

 同時に、西暦7000年相当に襲来した3番目の荒神竜や6番目の武神竜も、西暦2100年相当に発生するCode:VFDの延長線上にある“お花見”も、何もかもが()()()()()()()となった。――滅びの未来を否定し、歴史すら書き換えた首謀者は今、すまし顔で未来の祖父(ロマニ)の無茶を咎めている。

 

 

『キミもあのマスターの孫だネ! 祖母孫共々、悪に関する才能はからっきしだ!』

 

『――……()()()()()()()()()()、『“人類史における完全犯罪”を成し得る素養がある』というのは、皮肉な話だがネ』

 

 

 唯一無二のマスター――時には『我が娘(マイガール)』と呼んで可愛がっている――彩羽を守るために、犯罪請負人(クライムコンサルタント)としての才覚をフル回転させていたモリアーティの言葉が脳裏をかすめた。

 モリアーティでさえ()()なのだ。恐らく、彼の人の宿敵であるホームズも、同じ情報を掴んでいるはず。しかしホームズは悪癖――“確証が持てるまで、調査内容を外部に漏らさない”――が、それを他者に語ることを許さない。

 語られたところで、その確証を掴むことはほぼ不可能。同時に、ホームズなら余裕で“むやみに真相を暴いた瞬間、連鎖的に()()()()()()()”ことまでは突き止めているだろう。モリアーティも然り。

 

 野良状態の2名ならば躊躇うことなく暴いたのかもしれない。あるいは、利用しようと画策したのかもしれない。

 

 だが、一色彩羽のサーヴァントとして現界するに至ったプロセスが、結絆の――ひいては世界の秘密を暴くことを阻んでいる。

 自分が好む主を、好き好んで地獄送りにする従者がどこにいるのか。双方ねじ曲がってはいるが、立派なマスターガチ勢なのだから。

 

 

(……そもそも、首謀者が“あのヒトである”時点で、犯罪として成立しない気がするんですがね)

 

 

 満面の笑みを浮かべながら剪定作業を行う友人の姿を思い出して、結絆は心の中でため息をつく。

 人間から見れば、彼女は問答無用の犯罪者。だが彼女側からすれば、“躾をした”だけに過ぎない。

 彼女からしてみれば、人間たちから犯罪者呼ばわりされること自体が『お門違い』なのだろう。

 

 人間から何を言われても折檻に走ることなく、笑顔で許すことが救いだろうか。

 屍累々のお花見を目の当たりにすれば、きっと誰だって結絆と同じことを考えるだろう。閑話休題。

 

 

(本当に、何もなければいいのに)

 

 

 祖父が懸念するようなことが――祖母が傷つくようなことが発生するだなんて、考えたくはない。

 血反吐を吐くような痛みを乗り越えて()()()()()“この世界”が、何者かによって害されるなんて。

 

 もしもロマニの想像が現実となり、“この世界”が根本から揺るがされるようなことが起きたなら――結絆は。

 

 

「――結絆? どうかしたのかい?」

 

「――いいえ、何でもありませんよ」

 

 

 音を立てずに首をもたげた竜の気配を感じつつ、結絆は静かに微笑んだ。

 視界の端に、()()()()()()()()()()()()()()()()がちらついたのは――きっと気のせいではない。

 

 

◆◆◆

 

 

 嘗て、特異点で自分たちを助けてくれた英霊がいた。その中には神話上の神や女神、国を治める王族等、“現代人の尺度では測れない物差しを有する者たち”が存在している。

 反目したことは確かにあったが、最終的には多くの英霊――もとい、“現代人の尺度では測れない物差しを有する者たち”が、人理修復のために手を貸してくれたのだ。

 

 ――考えなかったわけではなかった。『彼等が人類最後のマスターの為に振るった力が、人類最後のマスターを屠るために振るわれたらどうなるか』なんて。

 

 虚数の海を越えて辿り着いた外史世界では、汎人類史こそが倒されるべき悪である。討ち果たされ、淘汰されるべき弱者である。そんなものに手を貸すような英霊など存在するはずがない。ありとあらゆる手段を以て、汎人類史を潰しにかかるのは当然だった。

 ……最も、それは少し前までの話。現在、異聞帯にとっての汎人類史は『絶対的な捕食者』であり、『最強最悪の天敵』であり、『約束された敗北が保証された相手』である。真正面から正々堂々正攻法で挑んでいるからこそ互角なだけで、実際は『窮鼠になりきるには実力不足な連中』が相手だった。

 

 

「正しい歴史から訪れた漂流者よ、キミたちに勝機はない」

 

 

 この認識は、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()という極限状態でも崩れない。

 そんなこととは露知らず、異聞帯に与する盾の英霊はご高説を垂れ流している。

 人類ハードモードを自称するにしては、頭の中がお花畑なのではないかと心配になるレベルだ。

 

 

「……流石は粗大ゴミだね。口だけ大きい。剪定の場に立つ資格がないのも当然だ」

 

「本当のことでも口に出しちゃダメですよ、アリー」

 

 

 理想の城によって宝具の威力を跳ね返された際に発生した余韻ごと、衣服についた汚れを払い落す。

 

 幸か不幸か、盾の英霊には聞こえなかったようだ。ご高説が続いているのが証拠である。そのおかげで、結絆の隣にいるアリーの機嫌が面白い勢いで急降下していた。花を咲かせないのは縛りの一環である。本気を出したら秒コンマ単位で終わるためだ。それでは意味がない。

 足掻きの果てに逆転勝利する形こそ、結絆たちにとっての“正々堂々の正攻法”なのだ。因みに、この場にいる面々は、極限状態下にあっても誰1人として諦めていない。たとえ汎人類史から召喚した英霊たちの大半が倒れても、今この場にいるのが自分たちだけであっても、心は爛々と燃え盛っている。

 

 

「確かに、この星の未来は物理的な意味で白紙になった。貴方の世界では汎人類史(私たち)こそが悪とされる身……誰の協力も得られはしない」

 

「ならば分かっているはずだ。『何もしないこそが、キミたちの幸福である』と。それなのに何故――」

 

「――だから、何だって言うの?」

 

 

 彩羽ははっきりと言い返した。

 

 

「私は人間だ。一色彩羽という命だ。こんな極限状態に追い込まれても――否、こんな極限状態に追い込まれたからこそ、何かをせずにはいられない。愚かだろうと、無様だろうと、足掻く権利だけはまだ手放してないんだ」

 

 

 真竜ニアラ――あるいはフォーマルハウトが来襲したとき、祖母はどんな啖呵を切ったのだろう。その片鱗を探しながら、結絆は彩羽を見守る。

 

 

「まだ終わりじゃない。終わってなんかいない。……戦い続ける人間がいる限り、立ち上がった人間がいる限り、足掻き続ける限り、諦めていない限り! 私たちは『生きている』んだから!!」

 

 

 結絆の脳裏に浮かんだのは、屍累々の“お花見”だった。結絆たちだけが知っている、()()()()()()()()

 極点へと至った人類の統合者が、数多の痛みと引き換えに隠蔽し、書き換えた()()()()()だ。

 

 あの日、因果を書き換える作戦を立てたのは誰だったのか。

 あの日、恩師の跡を継いで完成させた最後の希望を手渡してくれたのは誰だったのか。

 あの日、血反吐を吐きながら激励の言葉で背中を押してくれたのは誰だったのか。

 

 彼らの眼差しは、盾の英霊に啖呵を切った彩羽と同じだった。極限状態にあっても決して諦めず、生きるための道を探している。

 

 己の優位性に胡坐をかいている様子はなく、狩人としての獰猛さと貪欲さを失うこともなかった。痛む四肢を引きずっても尚、鋼の旋律を鳴らして歩んだ一歩は途切れていない。白い砂と化した星の表面に足跡を刻む。

 同じようにして、マシュ、ロマニ、ゲーティア、ゴルドルフらも、白紙の大地に足跡を刻んで立ち上がった。自分たちは生きているのだと叫ぶ代わりに、満身創痍の四肢に鞭を打って、滅びの未来に喰らい付く。

 

 

「そうだとも。足掻き続けること、諦めないこと……それこそが、汎人類史(ボクたち)の真骨頂だ。――チキン野郎のボクはともかく、ボクのお嫁さん舐めるなよ!」

 

「犠牲を積み上げても尚、愚かしくも浅ましく、希望を謳い続けた者がいた。その姿に憧れて、私は今、ここにいる。――この決断を悔いる等、質の悪い冗談だな」

 

 

 ロマニとゲーティアが笑う。

 

 

「私たちは生きています! ()()『生きている』んです! 故に、選択する自由は奪われてなんかいない! だから、私たちは選んだんです――滅びを否定し、戦い続けることを!」

 

「何故諦めないかと言いたげな顔だな。……なあに、単純なことだ。――私という命が叫ぶのだよ。『何もしないことこそが、ゴルドルフ・ムジーク最大の不幸である』と!」

 

 

 マシュが盾を構え、ゴルドルフは弾の切れた銃を握り締める。

 

 白い砂に新たな跡が刻まれた。篝火の炎がより一層爆ぜるように、古き星が命の終わりを告げて新たな星が生まれ落ちた輝きのように、己の命の存在を誰かに伝えようとするかの如く。弱くて脆くて愚かでも、それでも『まだ生きている』のだと叫ぶのだ。

 「無駄なことを。汎人類史(キミたち)が否定されたことは――」――盾の英霊の御高説は、そこで打ち止めとなった。一面に広がる白紙の砂漠に、一輪の花が咲いたためである。盾の英霊の足元に咲いた花は、宇宙(そら)が生まれる場所に咲いていた白い花と同じものだ。

 

 話題が変わるが、真竜が有するフロワロには様々な色がある。

 

 3番目の真竜ニアラと6番目の真竜ヘイズは一方的な虐殺を好むが故に、真っ赤なフロワロを咲かせて星を覆い尽した。1番目の真竜アイオトは、数多の宇宙に命の種を蒔いた。現在は『役目を終えて傍観者に徹している』ため、フロワロの花に鮮やかな色彩はない。花弁は茶色く萎びている。

 4番目の真竜ヒュプノスは、真竜へ至るまでのプロセスが影響してか、花の色は鮮やかな青だった。翼の部分に組み込まれた精神種族の片割れを象徴する青色であるが、フロワロの毒性は、もう片割れの抱いていた底なしの憎悪を示すが如く容赦がない。並大抵の生物にとって脅威だろう。

 2番目の真竜ノーデンスが有していた花の色は薄桃色。史上最大の大剪定――もとい、人類滅亡級の大虐殺による衝撃は未だ色褪せない。だが、薄桃のフロワロにとってそんなものは副産物でしかないのだ。真骨頂は、適合者を真竜候補クラスの能力値まで一気に引き上げる。

 

 では、7番目の真竜が有したフロワロはどうだろう。竜として目覚めることなく、結絆に統合されたVFDが咲かせた白い花は。

 新たなる宇宙での第1真竜となるはずだった理の竜は――最早『存在証明すら行われない』異形が振るう力は、何だったのだろう?

 

 

「なんだ、この花は……!?」

 

汎人類史(僕たち)がまだ、諦めていない証拠ですよ」

 

 

 戦慄する盾の英霊に、結絆は告げる。

 

 

「そうして、僕たちが存在していることを『証明』するものです」

 

 

 否定された汎人類史。剪定された未来の悪意によって冒され、何も残らぬ白紙と化した惑星に、残滓が残っているはずがない。

 英霊の強さは知名度によって変動する。異聞帯という異世界では、汎人類史の英霊の知名度――強さはひっくり返る。文字通り、塵に等しいのだ。

 力の大半を削がれた汎人類史の英霊が、剪定された未来の悪意によって強化された異聞帯のサーヴァントに敵う筈がない――それが、当たり前の常識である。

 

 だから『汎人類史たるカルデアが、異聞帯に乗り込んでクリプターたちと戦う』など、単なる自殺行為でしかない。

 向うも同じことを考えている。それ故の警告、それ故の慢心。

 

 

「存在を『証明』されていないから、存在を『観測』されていないから、汎人類史のサーヴァントは異聞帯で著しく弱体化する。――ならば、冒され白紙と化した汎人類史を『観測』し、『証明』し、『記録』できれば、そちらと互角に戦える。……そういうことですよね?」

 

 

 ――もしも、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。『観測』も『証明』もできない事象を、『観測』し、『証明』し、『記憶』する存在がいるならば。

 そんな前提なんてぶち壊し、本領を発揮することなど造作もない。“不可能という壁を破壊し、未来を創り上げる”というのは、結絆の――7番目の真竜の十八番だ。

 

 

「――おいコムスメ、準備はいいな!?」

 

「ナガミミちゃんこそ! わたしたちのバディ・ナビ、見せてあげるっ!」

 

 

 証明のためのプロセスは、たった今執り行われた。シャドウ・ボーダーでナビゲートを行っていた、援護特化のサーヴァントたちによって。

 結絆・ヴィラノヴァ・アーキマンの偉業を『観測』し、『記憶』し、『証明』することができる、ただ2つの存在たちによって。

 

 

「わたしたちは“観測者”」

 

「星が覆い隠した事象を『観測』し、『記憶』し、『証明』する……!」

 

 

 白紙の砂漠に、光の軌跡が刻まれる。否定された世界の残影が映し出される。汎人類史は確かに()()()()()()のだと、『証明』された。

 誰もが観測できぬ偉業を『観測』し、記憶できぬ偉業を『記憶』し、証明できぬ偉業を『証明』する――不可能を不可能なまま可能にした、絶対の観測者。

 

 

「『観測』開始、『記憶』完了、『証明』終了!」

 

「そうだ。オレたちは、ここにいる!」

 

「「星に願いを、宇宙(そら)(しるし)を! ――ChRφNiClESeVeN(クロニクルセブン)!!」」

 

 

 さあ、逆転を始めよう。――逆境からの巻き返しは、自分たちの十八番なのだから。

 

 

***

 

 

『ナガミミが僕のことを――あの旅を覚えていてくれるなら、僕はそれだけで充分です』

 

 

 言いたいことをすべて飲み込んで、寂しそうに笑った青年の横顔を覚えている。

 旅路で手にしたものより、旅路の果てに亡くしたものの方が多かったのに。

 

 

『――只今帰りました、ミオ』

 

 

 躊躇うように手を彷徨わせた後、安心したように、照れくさそうに頭を掻いた青年の泣き笑いを覚えている。

 わずかに残ったキセキ――『奇跡』あるいは『軌跡』――の欠片を集めて、そっと抱え込むかのようだった。

 

 

 

 ――それは、知る者のいない物語。

 

 星と言う名の畑に種を蒔き、やがてそれを刈り取る者。

 ある者はそれを農業といい、ある者はそれを放牧といい、ある者は――それを、殺戮と呼んだ。

 

 真竜――円熟を迎えた種族がただ1つの意志で統合された際に生まれる、高次生命体。宇宙を喰らいて生まれ落ち、新たな宇宙の礎となるために喰らわれる循環に組み込まれた命。

 とある宇宙で生まれた原初の一粒が蒔いた種は、7つの命として花を咲かせる。竜に至ったのはそのうち6つ。2番目の真竜は、眠り続ける7番目を目覚めさせるべく動き始めた。

 滅びを回避するために、人類は数多の竜を退ける。抗い、狩り続ける。結果、己の意図せぬところで、第2真竜によって『進化という名の袋小路』に追い込まれた。

 

 新たな竜として目覚めるか、未完成のまま生きるか――前者の果てに待つのは地球と人類の滅亡、後者は勝率0の極限状態だ。

 

 そんな絶望的な状況に追い込まれても尚、人類は屈しなかった。因果を覆すために戦った。散っていった者たちの悲願を叶えて、滅びの因果を乗り越えて見せた。統合者として剪定を生き残った青年が『竜という存在を否定した』ことで、竜による人類滅亡は『なかったこと』となったのだ。

 “竜によって存在を証明されていた者たちが軒並み消え去った”世界で、人々は平和を謳歌する。偉業、旅路、絆……それらの残骸すら探すことなど困難極まりない。彼の者が成し遂げた偉業を知る者はただ2人――統合者の偉業を観測し、記憶し、記録する者のみ。

 

 

『世界中の誰もが忘れても、オレ様は覚えててやるよ。……よく頑張ったな』

 

 

 どこかの銀河で生まれた、『生きたい』という願いの統合思念体。ゴスロリチックな服を身に纏った、真っ白なウサギのぬいぐるみ。

 青年の願いが形になった世界では金髪ツインテールの少女として、新しい人生を始めた少女――ナガミミ。

 

 

『小さい頃、お父さんが『ノーデンスがどうこう』って話してたこと、覚えてたの。だから、ここに来れば、お父さんのヒントが見つかるかもって思ったんだ』

 

『わたし、記憶力はいいんだよ!』

 

 

 嘗てムラクモ13班を導いた人工生命体のナビゲーター――ミロクとミイナの系譜を受け継いだ少女、那雲ミオ。

 

 人類でただ2人、星の具現者たる救世主が成した偉業を『観測』し、『記憶』し、『記録』する者。あるいは、偉業の存在を『証明』する者。

 誰もが観測できぬ偉業を『観測』し、記憶できぬ偉業を『記憶』し、証明できぬ偉業を『証明』する――不可能を不可能なまま可能にした、絶対の観測者。

 戦う力は一切持たぬ少女たちは、過去や未来を超えた星の具現者の旅路を『証明』し続けている。まるでどこぞの星見台のように、星を見つめているのだ。

 

 故に、当てはめられたクラスは星観測者(スターゲイザー)

 星の具現者(アルティメット・ワン)を見守り続ける者に相応しい。

 

 

 

 

 

 忘れることなかれ。

 

 命を証明できるのは、命だけである。

 

 

 

◆◆◆

 

 

 ――汎人類史は、何をもって“汎人類史”と定義され、定着されるのだろうか。

 

 その答えは、“異聞帯と同等の存在でありながら、汎人類史に固執する英霊”だけが知っている。

 あるいは、世界を創り替えた“人類の統合者”と彼等と絆を持つ“観測者”、旅路を見守った“降臨者”だけが知っている。

 

 汎人類史を否定し、己の世界こそが未来の正統者であると語る7つの異聞帯――宇宙に失われた帯の群れ(コズミック・ロストベルト)たちは、圧倒的に無知であった。

 汎人類史が“汎人類史”となった所以を知らず、汎人類史を創り上げた“極点の捕食者”の願いを知らず、2番目と7番目の真竜を敵に回すことの意味を知らなかった。

 誰も知らない物語を否定した彼らの末路はただ1つ。7番目の竜が成し得た偉業を否定した瞬間に、何もかもが定められたのだ。

 

 ――おめでとう、身の程知らずの愚か者諸君。

 

 汝らの道は既に途絶え、剪定は確定した。躾を行わずに真正面から潰しにかかるのは、“極点の捕食者”によるプライドと慈悲である。

 圧倒的な力など必要ない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ことができる――それこそが汎人類史最大の武器。

 

 

 

 さあ、始めよう。

 

 これは、未来が現在を冒す物語ではない。未来からの侵略ではない。

 絶対的な汎人類史の守護者が、汎人類史を冒そうとする愚か者を喰らいつくすまでの物語だ。

 

 




『第2部断章.結絆「激おこぷんぷん丸」/Imperial wrath』を補完するお話です。『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』と『浪漫色彩IF - 異聞への航海者 -』の決定的な差をメインにした要素が多く使われています。
ナナドラⅢからミオとナガミミが登場。この2人はⅢ本編EDで「主人公が世界を救ったことを知っている」数少ない存在なんですよね。何もかもが「なかったこと」にされても忘れなかったのは、最後まで13班のナビに徹したことによる絆だったのでしょうか?
そこから『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』で結絆が使った対宇宙宝具の詳細と合わせると、『Fate/SeventhOrder Code:Romantic color』と『浪漫色彩IF - 異聞への航海者 -』の差異に気づけることでしょう。証明してくれる人がいるって大事ですよね。

このノリでいくと、いずれ“結絆オルタ”なるものの設定を考えそうで怖いです。汎人類史を冒そうとする要素を排除することに特化した系の結絆とか。
他にも、個人趣味全開なアリーやミオ&ナガミミのマテリアルを制作するかもしれません。こっちの方が形にしやすい気がします。

あと、ゴルドルフ所長がアリーのマスターになった話を発展させ、『彼が召喚したサーヴァントはナナドラシリーズ関係者ばかり』なんてネタも楽しそうですね。
スランプ期間が長かったことの反動で、色々書けることが楽しくて仕方ないんですよね。

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