もしアイドル達にオリ兄弟がいたら?   作:雨乃谷 飴人

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最初に、この話に出てくるロシア語はほぼがエキサイト翻訳によるコピペです。わたしはロシア語がわかりませんのでどうか許してください。それぞれ言葉の意味ははあとがきにのせておきますので。
では、どうぞ



ロシアハーフの女の子に兄のような人がいたら?

なんでもアーニャがアイドルになるためにこちらに来るらしい。その知らせは俺をイスから落とすだけの衝撃を与えた。アーニャがアイドル、それはわかる。むしろなるべくして成ると言ってもいいくらいだ。彼女は幼い頃からさながら妖精のような神秘的な印象を受ける容姿をしている。しかし1度笑えば花が咲くような可憐な笑顔を見せるのだ。…クサイことを言っているのはわかっている。たが、俺にクサいセリフを言わせれるだけの人材なのだ彼女は。

……ん?なぜ幼い頃を知っているかって?それは……え、聞いてない?いいから語らせてくれ、彼女を迎えに空港に来ているが彼女が来るまで暇なんだ。

俺は今でこそ東京に腰を落ち着かせてるが、8年前までは転勤族だった。その転勤を繰り返す中で北海道にいる期間があった。そしてその北海道に引っ越した時とほぼ同じタイミングで引っ越してきたのがアーニャ一家なのだ。引っ越してきたタイミングも同じ、さらに家まで隣ということから彼女とはすぐに仲良くなり、妹のようにかわいがっていたのを覚えている。彼女は親が日本人とロシア人と言うハーフであるが日本に来たのは当時が初めてだったため日本語が苦手だった。そのため俺が必死になりながら教えていたのも仲良くなった理由一つだ。

まあ、そんな誰もが羨ましがるような展開でも長くは続かない。おわかりかと思うが親の転勤が決まってしまった。俺もその時に限っては拒否したのだがそれが最後の転勤らしく親は意思を固めていたため俺の訴えは受け容れられなかった。当時はアーニャと共によく泣いたものだ。

ただその時にアーニャの発した言葉が印象深かった。

 

「Звезды……アナタの星に、なります。」

 

あの時は何を言われているかわからなかったが、今だとわかる気がする。皆はわかるか?おそらくではあるが……

星はどこからでも見えるだろ?アイドルで名前を上げればテレビやラジオ他にもいろいろな場面で目にすることになる。だからアイドルになる=星になるって事だと思う。これで違っていたら恥ずか死する。

 

「カイト!」

 

お?来たかな?

おお……電話やらLINEやらで話はしていたが実際に合うのは8年ぶりだけど……すごいな

 

「はぁ、ふぅ……」

 

…………

 

「После долгого времени……久しぶり、ですねカイト」

「あ、ああ……」

「……どうか、しましたか?」

「あ、いや…」

 

驚いた。ここまで綺麗になっているとは思わなかった。一瞬頭の中のアーニャと一致しなかったくらいだ。いや、8年だぞ?一致しなくなるもの仕方無いはずだ。うん。

 

「あっと、久しぶりだな。アーニャ。」

「Да!会えて、嬉しいです!」

 

笑顔が眩しい…

 

「ふむ……」

「?」

 

しかしあれだな。ジャケットにショートパンツか……美脚が素晴らしい

 

「変わらず、足が好きですね?」

「ファ!?い、いや何のことかね?」

「Спокойствие、安心、しました。この服にして、正解、でしたね?」

「いや、ちが……」

 

8年ぶりの再会で何の話をしているんだ……

あれ?というか……

 

「8年ぶりなのによく俺のことわかったな?」

「Да。カイトのこと、忘れるはずありません。」

「お、おう……」

「もちろん、足が好きなことも、ですよ?」

「それはちがーう!!!」

「フフフ……」

 

危ねえ、もう少しで足好きのレッテルが……いやそれはいい。それよりもドキッとしたぜ……

 

「ほら、荷物」

「Спасибо、ありがとうございます。」

 

うむ、何気に重い……

 

「そいで、どうする?」

「Туризм、観光、したいですね。」

「観光ね……」

「ダメ、ですか?」ウルウル

「あ、いや、大丈夫だから!!いこう!な!?」

「!」パァ!

 

涙目はずるいよ……

 

「んじゃ何処行きたい?」

「ん〜…お任せします♪」

「お、おう!任せろ!」

 

さて……どこに行こうかな?

 

以下ダイジェスト

 

 

「хорошо!!見てください!カニが動いてます!」

「お、おおそうね……」

「カイト!あれは食べれますか?」

「いや、無理だから!?」(動くカニの看板)

 

「хорошо……大きいですね」

「まあ、スカイツリーだからね」

「東京タワー……小さい、ですね」

「東京タワーが聞いたら泣きそうだな」

 

「カイト!ゲイシャやマイコサンはいないんですか?」

「東京ではなかなか見られないな」

「Извините……残念です……」

「また今度な」

「!はい!」

 

「カイト!」

「はいはい」

「ディ〇ニーランドはどこですか?」

「東京にないぞ。」

「Ложь……」

「ん?なんて?」

「嘘です……」

「嘘じゃないよ、てかそれは北海道にいてもわかるはずだぞ?」

 

「хорошо!!メイドさんです!」

「そうだな」

「たしか、萌え萌えキュン!ですね?」

「……アーニャの知識の偏りに疑問を感じる。」

 

「Вкусный、美味しい、です!」

「そうだな。(なぜたこ焼き……?)」

「カイト」

「はふぁっあつっん?何?」

「たこ焼きはタコを焼いていないです。」

「ん?まあ、そうだな」

「どうしてたこ焼きというのですか?」

「ええ〜……」

 

「Ой……建物、全部大きいですね」

「それ最初に言うべきじゃない?」

 

他にも他愛のない話や思い出話をしながら観光し……

そしてすっかり日は落ちて、場所はこれからアーニャが所属する事務所の寮の前。

 

「どうだ?楽しめてもらえたか?」

「Да!凄く楽しかったです!」

「そいつは良かった。」

「……」

「……」

 

気まずい……。本来であればここでバイバイで終わりなのだか、お互い別れを切り出さないというか出したくないせいかさっきから会話しては黙りを繰り返している。

 

「ほ、ほら!夜も遅くなるし荷解きもあるだろうから今日はこのへんでな……」

「……」

「あ、あの……?」

 

どうしたらいいの?言葉が返ってこないし、俺は服の裾をつかまれていて動けない。こういう時はなんて声をかければいい?

 

「あの、アーニャさん?」

「カイト!」

「ひゃ、ひゃい!」

 

変な声が

 

「えっと、私は、これからアイドルになります。それで、その、周りには知らない人ばかりで、それに、私は話すことがあまり得意ではありません。それでちゃんと他の人と仲良くなれるか不安です。本当は少し怖いです。だから、私に勇気を下さい。」

 

多分これを伝えるのに必死に考えていたんだろう。いつも最初に出てくるロシア語がなく日本語オンリーだ。これはきっと彼女の本音だから勇気が欲しいのも本当なんだろう。それなら俺も本音で話さなくてはいけない。

 

「アーニャは」

「はい。」

「アーニャは凄く綺麗で可愛い。日本語は確かに苦手かもしれないけどそれは言葉にして話すことだけだ。聞くことも書くこともできる。それは教えた俺が言うんだから間違いない。それにアーニャの笑顔は人を幸せに出来るものだからきっと他の人とも仲良くなれる。だから大丈夫だ」

「……」

 

いつになく真面目な話をしてみたが伝わっただろうか。

 

「カイト!」ガバッ

「うお!?」

 

だだだ抱き着いてきたーーー!?どどどどうすれば!?抱きしめかえす!?ああああ、可愛いいい匂い柔らかい煩悩退散!!

 

「やっぱりカイトは優しい、ですね。変わりないです。」

「お、おお。」

「だからわたしはあの頃から……」

「ど、どうした?」

「カイト」

「はい!」

「Мой дорогой народ.」

「え、え?」

 

今なんて言った!?

 

「今の言葉、言ってもらえませんか?」

「え、ええ?」

「勇気、ください」

「わ、わかった、えっと……Мой дорогой народ.……であってる?」

「Да、上手ですね」

「いまのどういう意味なんだ?」

「応援してる、という意味ですよ。」

「そ、そっか」

 

ならいいんだけど

 

「それじゃぁカイト、До свидания、さようなら、です」

「ん、あ、ああまたな」

 

そして笑顔で寮の中に入っていくアーニャ。何だったんだろう最後のは?

意味を考えながら俺は家に向かって足を進めるのだった。

 

そして、どうやらアーニャがアイドルになるようです。

 

おしまい!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

とある寮の一室で……

 

「やっぱりカイトは優しくてかっこいい、ですね。」

 

そう言って少女はバッグの中にあったロケットペンダントの写真を愛おしそうに見る。そこには幼い男の子と外国人のような幼い少女が仲良さそうに手をつないでいる写真があった。

 

「私がアナタの星になれたらМой дорогой народ.、今度は日本語で伝えますからね」

 

少女はそう言って窓から夜空を見上げ、成長した男の子に向けて言葉をつぶやくのだった。

 

おしまい?




ありがとうございます。それではロシア語の意味です。
(エキサイト翻訳から)
Звезды 星
После долгого времени 久しぶり
Спасибо ありがとう
Спокойствие 安心
Извините 残念
Туризм 観光
Ложь 嘘
Вкусный 美味しい
Ой おお
Да はい
До свидания さようなら
Мой дорогой народ. 私の愛しい人。

ロシア語がわかる人の中で使い方違くね?や、意味的におかしい、などと言う思いを抱く人もいると思います。
それについてはほんとすみません。ロシア語わかりません。許してください。

アーニャ天使

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