年齢は話の都合上中学3年生となります。
では、どうぞ。
卯月が最近楽しそうにしている。
まあ?あの姉の楽しそうにする理由なんて一つしかないけどな。俺がその理由を初めて聞いた時はすげえ喜……違う、びっくりした。
「さっちゃん!!聞いてください!」ドアバーン!
「おわあぁ!?」
「さささ、さっちゃん!聞いてください、聞いてください!」
「ちょ、待て、落ち着け!つか、ノックしろ!」
「いいから、聞いてください!」
「よくねえよ!?てか、聞く!聞くから落ち着け!」
「あ、すみません……」
「ったく……。で?どした?」
「実は…さっちゃん専用写真集が完成しました!!」
「はい?」
「あっ……私アイドルになれるんです!!!」
「え!?マジ!?マジなのか!?やった、やったな!」
「はい!!」
……こんな感じ。いや、まて!こ、こんなに喜んでない!!あ、違う!!びっくりしてない!ホントだぞ?ホントだからな!
と、まあこんな感じで卯月は念願のアイドルになることが出来て、今は凄く楽しそうにしている。良かったよ、マジで。ずっと頑張ってたから、俺も嬉し…いや、安心した。
確か…シンデレラプロジェクト?って言うのに参加してるらしい。すごくいい子が沢山いるって言ってたな。15人だったっけ?そんの中でも一番早くデビューしてたし。それは素直に凄いと思う。ニュージェネだったか?いやこれは略称か?まあ、3人でのデビューだ。俺も全部の……できるだけのライブは見に行ったけどやっぱ卯月が1番かわ…笑顔が似合ってたな。
ちなみに、その姉は今はアイドルの仕事で家にいない。なんでも今日はニュージェネとしての初のラジオの仕事らしい。朝から張り切ってたな。そのおかげで部屋に突撃してくることも、侵入してくることもなく落ち着いて受験勉強出来るってわけだな。
ただ、朝に卯月に
「今日は初めてのラジオのお仕事なので絶対聞いてくださいね!!聞いてくれなかったら。メッですよ?」
とのことなので俺は聞かなくてはいけない。ま、まあ?勉強の息抜きとして聞いてやる分にはいいけどな?
あと……「メッ」が怖い。
「…………とヤバイヤバイ。もうラジオの時間だ。ん〜と、イヤホンとー、スマホとー、あ、音はMAXで……うるさ!?MAXは駄目だ。……このくらいでいいかな?うし!準備完璧おっけい!…いや、楽しみな訳じゃないぞ!?ただ、聞けって言うから……」
誰に言い訳してるんだ俺は?
〜〜♪
お?
『はいはーい!ラジオをお聞きの皆さん、こんにちは!本日からこの時間はニュージェネレーションズがお送りするラジオ!!略してニューラジ!が放送されます!司会進行は私!リーダーの本田未央です!』
『渋谷凛だよ。』
『あ、えっと島村卯月、頑張ります!』
もうアガってる……。(次から卯、凛、未をつけます。)
未『あはは!しまむーは相変わらずだねぇ?』
凛『まあ、それも卯月のいい所だから』
卯『あ、あうう……』
俺もあううって言いたいわ……
凛『ふふっ。あっ、えーっと、このラジオでは346プロからの最新の情報を提供したり、皆さんから質問を募集してそれに私たちが答えていくっていう内容でお送りします。でいいのかな?』
卯『でも今回は最初なので情報も質問もないんですよね?』
なぜあらかじめ募集をかけなかった……。かけてたら間違いなく送ったのに……
未『そうなんだよね〜、どうしよう?』
凛『どうしようって……。あ、えーと、今日は3人のフリートークで。だって。』
未『おお?なんかラジオっぽい!』
卯『フリートークですか〜……何についてがいいでしょう?』
凛『まずは3人の好きなものとかから話題を膨らませていきましょう。だって』
なんか、渋谷って人、最初以外カンペ見てない?
卯『凛ちゃん、ずっとカンペ見てますね……』
あ、やっぱり
未『好きなものかー……やっぱりフライドチキンかな?』
卯『ずっと言ってますもんね!』
未『あ!あと〜兄……凛『ストップ』?どしたの?』
凛『なんか、それはダメな気がする。』
未『え〜?じゃあしぶりんは?』
卯『やっぱりチョコレートですか?』
渋谷さんチョコ好きなのね……子供っぽい。
凛『後は飼ってる犬のハナコかな?』
卯『ああ!!可愛いですよね、、ハナコちゃん!』
未『え!?しまむー見たことあるの!?いいーなー!なんか私だけ知らないみたいじゃん……』
凛『まあまあ、また今度ね?卯月は?』
卯『私は生ハムメロンですね!』
未・凛『……』
卯『あ、あれ?』
凛『ねえ卯月、それってさ美味しいの?』
未『確かに不思議な組み合わせだよね……』
生ハムメロン……美味しいよ?
卯『え?とっても美味しいですよ!さっちゃんも美味しいって言ってますし!』
凛『へぇ〜……ん?さっちゃんって?』
卯『私の自慢の弟です!』
未『しまむーって弟いたんだね?どんな子なの?』
あっその質問は……
卯『よく聞いてくれました!!!』ツクエバーン!
凛・未『!?』
あちゃ〜……。
卯『それはもう!すごく可愛いんですよ!!まず男の子なのに皐月って名前が可愛いですよね!でも皐月っいう名前が似合うくらい可愛くて、目とかつぶらで幼い顔してて、髪はすごく綺麗ですし、最近は大きくなってお姉ちゃんじゃなくて卯月って呼ぶようになっちゃったのが少し寂しいですけど、なんだかこう卯月って呼ばれるのも悪くないかなぁって思いますし!あ、あと口は悪いことがあるんですけど実はすごく優しかったり、私がアイドルになれることを報告した時は凄く喜んでくれて!!雨の日とか用事もないのに用事があるって言って迎えに来てくれたり!!それと……』
未『ちょっとしまむー!?お、落ち着いて!?し、しぶりん!しぶりんも落ち着かせるの……』
凛『わかる!!』
未『あれーーーー?』
卯『あと、すごく頼りがいがあって、はにかむ笑顔が可愛くて!あ、写真あるんですよ!見てください!』
凛『見る見る。』
未『あれー!?しぶりん!?なんか今日おかしくない?ていうかまだ放送中……え!?時間が来た!?いや、でも2人が話聞いてないし……。私が締める!?あ、えーといろいろハプニングがありましたが、これからもニューラジは続きますので応援お願いします!それではまた、次回!バイバーイ!……チョットフタリトモナニシテンノサ!』
卯・凛『シャシンミテマス』イヤ!ダカラサー!!
〜〜♪
俺はそっとイヤホンを机の上に置いて……頭を抱えた。
「あの、アホ卯月……」
……何してくれちゃってんの!?ラジオで俺のこと話すとかアホなの!?このラジオ全国放送なのに!……明日の学校行きたくねえ……
そんな感じで少し……というかかなり心配な姉のことですが最近はやっぱり楽しそうです。
おわり!
「ま、まあ?頼りがいがあるとか?優しいとか言われても別に嬉しくともなんともないけど?……ケーキ2つ買えるお金あったかな……?」
おわり?
しまむー可愛いですよね?
今回は変態ではなく、溺愛しすぎって感じにしました。
私も溺愛されたいなぁ……。