もしアイドル達にオリ兄弟がいたら?   作:雨乃谷 飴人

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お久しぶりです。
雨乃谷です。
総選挙来ましたね。みなさんは誰に投票しますか?
では、どうぞ。


25歳児に弟がいたら?

さ、酒臭い……。

あ、みなさんこんにちは。僕です。本来なら例にならってここで姉との関係性を語るべきなんですが、それどころではないので省略させてもらいますね。

 

え?じゃあ今何してるのかって?それは……。

 

「ねえさーん……?」

 

「Zzzz……。」

 

「……。」

 

姉さんの家に来てます。別に何ヶ月ぶりの再会とかではないです。むしろ、姉さんがアイドルになって一人暮らしを始めてから週一くらいのペースで会ってます。

なんせ、僕の姉はほっておくと空き缶やら空き瓶やらを溜め込み、着替えをほっぽり出すなんて状態になるんです。

 

「寝るときはせめてパジャマ着てよ……。」

 

「Zzz……うへへぇ……おしゃけぇ(*´﹃`*)」

 

信じられますか?今僕の目の前には、あの!高垣楓がいるんですよ!若葉色の下着姿でヨダレ垂らしながらですが……。

これはファンの方にはとてもじゃないがお見せできないです。……下着姿がどうのではなく、この醜態を、ですが。

 

「姉さん!起きて!」

 

「芋かのかぁ……一刻者……純米大吟醸ぉ…… 」

 

「(・-・ )」

 

せめて可愛らしい寝言なら怒りはそう生まれません。

みなさん聞きました?わかります?何言ってるか。わからない人は調べてみてくださいね!

 

「スゥ〜……どっせぇぇい!!!」

 

「ぷぎゃ!」

 

いい加減おきてもらわないと掃除ができませんので、必殺のシーツ返し。顔面から床に落ちて何か言ってますが無視です。

 

「あれぇ……?私の富乃宝山は……?」

 

「寝言と違うんかい。」

 

「んー?なんで紅葉くんがここにぃ?」

 

「……。」

 

実はこの台詞週一で言ってます。

 

「あっ、寂しいのね……?もぉ〜お姉ちゃんっ子なんだから……」

 

「あ〜はいはい速く着替えてね。」

 

「はぁ〜い。」

 

ようやく動き出しましね。もう昼の12時過ぎですよ。

 

「こんなんじゃ嫁の貰い手が心配だよ……。」

 

洗面所へ向かった姉の背を眺めながら、僕はそうもらします。

実は過去に、姉のプロデューサーにお願いしたことがあったんですが……。

 

『私にはとても……。』

 

と、やんわり断られてしまった。

だらしない面除けば容姿端麗ですし、アイドルとしてなら名を知らぬ者はいないレベルなんですが。

 

「まったく……。あ!缶は分けてっていってるのに!」

 

もー!こういうとこだよ!

ブツブツいいながら床の缶を拾う自分……。僕の婿の貰い手も見つからなそうだよ……。

 

「とぉ〜」ガバッ

 

「グエッ!」

 

「んふふ〜紅葉君はいい匂いがしますね〜。」

 

「そりゃ昼食作ってたしね……。」

 

僕の上に姉がのしかかってます。一応姉の香りだとか、吐息が耳に当たるとか、豊満な丘がぎゅむっと潰れてるとかいろいろあるんですけど、それで興奮するなら姉の世話なんか出来ません。

し、しかし重い……、まさかふとっいでででで!!!!

耳が!

 

「いったいよ!!耳噛まないで!」

 

「太ってないよ?」

 

「いや、わかるけど」

 

「重くもないよ?」

 

「いや、だから……。」

 

「太ってないし、重くないよ?」

 

「アッハイ。」

 

「よろしい。」

 

耳痛い……。ていうか僕何も言ってないのに……。

そういえば友達も同じ体験したことあるみたいなこと言ってたなぁ……。

 

「……ふむ。」

 

「何?ていうかそろそろ避けて欲しいんだけど。」

 

「私、少し胸が大きくなりました。」

 

え、何急に?

 

「うん。知ってる。」

 

そりゃ毎週抱きつかれてたら変化にも気づくよ。

 

「何も感じないの?」

 

「別に?」

 

姉だし。

 

「……最近下着がきついです。」

 

「それは太っ「ん?」いえ、何も。」

 

怖っ。

 

「お姉ちゃん、その反応は少し傷つく。」

 

「負傷の勢いで酒癖解消してくれない?」

 

「負傷ですか……ふ、しょうがないですね!」

 

「……。」

 

「(ワクワク)」

 

「25点」

 

「!?」

 

「てか、どけて!」

 

「ぬぬぬ……お昼は?」

 

「テーブルの上にあるよ!」

 

「何?」

 

「パエリア。」

 

「パエリア……紅葉君生まれる性別間違ってませんか?」

 

「うるさいよ。食べるなら食べちゃって。洗濯してる間に洗い物するから。」

 

「はぁーい!まま!」

 

「せめてパパ。」

 

ほんとに手のかかる娘を相手にしている気分です。……子供はおろか、彼女さえいたことありませんがね!

……つらっ。

 

「この服は白いからこっち、これは〜……。」

 

今頃姉さんはパエリアを食べながら、アホな事考えているでしょうね。下着はネットに入れて……。

 

「紅葉君!紅葉君!」

 

「あ〜はいはい何?」

 

「私思いつきました!」

 

「またダジャレ?」

 

「それはまだです。」

 

「(まだってことは考えてたのね……。)じゃあ何?」

 

「私の嫁の貰い手がいない。紅葉君の婿の貰い手もいない。それなら私と紅葉君が、嫁婿になればいいんじゃないですか!」

 

「寝言は寝て言ってください。」

 

「え〜……」

 

何言ってんだこの姉は。姉弟でなんてます無理だし、可能であってもこの姉は勘弁。

 

「姉さん本気ですよ?」

 

「面白いね〜。」

 

「むむむ……。」

 

姉さんが頬をふくらませてすねてますね。可愛いのは間違いないんですけどねえ……。

せめて酒癖がなければ考ることもなくはないですが。

おっとすみません。これからいろいろ家のことしなくてはいけないので今日はこの辺で。

これからも姉のことよろしくおねかいしますね?

 

 

 

おわり!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、今から3年以内に紅葉君に彼女ができなかったらお嫁にもらって?」

 

「あ〜はいはい3年ね〜。」

 

「言いましたね?言質取りましたからね?」

 

「3年ね〜。」

 

3年後どうなったかはみなさんの妄想の中で……。

 




ありがとうございました。
私は総合の中に多田ちゃんが入ってると予想します。
では、また。

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