もしアイドル達にオリ兄弟がいたら?   作:雨乃谷 飴人

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こんにちは。本編です。
オリ弟くんの名前は琉兎「ると」です。
容姿、年齢、性格などは全て皆様におまかせします。
では、どうぞ。


花屋の女の子に弟がいたら?

最近姉さんが楽しそうだ。と言ってもその原因は分かりきっているんだけれど。

その原因が何のなか、僕が知ることとなった経緯から説明しよう。確か春頃だったと思う。ある日を境に姉さんがやたら疲れた顔で家に帰って来るようになった。つまらなそうな顔をしていることはあっても、疲れた顔はなかったから少し心配になって聞いてみたんだ。そしたら

 

「大丈夫、何でもないよ」

 

って後ろから抱きしめられながら言われたんだよ。その声色には疲れは感じたけど嫌な感じや思い詰めた感じはなかったから僕はそこで問いかけるをやめて、大人しく抱きしめられてることにしたんだ。なんでも、姉さん曰く

 

「琉兎は癒し効果があるから」

 

との事らしい。まあ、僕も嫌じゃないからそのままにしてるだけどね。

そんな姉さんの状態が続いてからある日のことだ。

 

「琉兎」

「んー?」

 

僕は姉さんから呼ばれたのをハナコ(飼っている犬だよ)を抱っこして棒付きアイスを食べながら返事をした。

 

「いいなぁ…」

「?冷凍庫にアイスならあるよ?」

「ああ、アイスじゃなくてハナコが」

「???」

「何でもないよ」ナデナデ

 

何故か頭を撫でられた。

 

「あ、私アイドルになることになったから」

「へぇ〜…へぁ!?」

『 キャン!!』

 

びっくりしすぎてアイスをハナコの上落としたけど、僕は悪くないと思います。

まあ、これが僕が姉さんの楽しそうな原因を知るまでの経緯だよ。その姉さんがアイドルになってからは表情が柔らかくなって、よく笑うようになった。笑うと言っても微笑むくらいだけれど。

それに僕と話す時の話題に人の名前が出てくることが増えた。

「今日卯月がね…」

「琉兎!聞いてよ!未央が…」

「プロデューサーがさ〜…」

 

みたいな感じで。その話をする姉さんはすごく楽しそうで、例えるなら…僕が姉さんのお下がりの服をいた時くらい楽しそうだったよ。でも…

 

「姉さん」

「どうしたの?」

 

僕は姉さんに抱きしめられながら店番をしている。姉さんは今日はオフらしい。なんでも大きなイベントが近々あるらしい。姉さんはアイドルとしてすっかり人気になっている。どうやら組んでいるユニット内で一悶着あったようだけどそれを乗り越え、今も活動を続けている。僕としてはとても嬉しい。だけど…

 

「姉さんは、さ…アイドル、楽しい?」

「ん…まだ楽しくなる途中かな。」

「そっか…」

「琉兎?どうしたの?」

 

僕は後ろから伸びている姉さんの腕をギュッと抱きしめた。

 

「//////!!??ど、どどどどうしたの!?今日は積極的だね!?いいの!?もう少し凄いことしていいの!!?」

「やめて」

「……はい」

 

全く、人が真面目に話そうとしてる時にこの姉は…

 

(え、え?どういうこと?遂に琉兎から求めて来たとか思ったのに?ええ?焦らしなの?それとも焦らせて楽しんでるの?どちらにしろ可愛い!!)

 

どうしようかな……でもなーこれを言って姉さんの楽しめることの邪魔をしたくはないし…嫌でもなぁ

 

(ていうか、この位置からだと丁度琉兎の鎖骨が…もう少し腕を動かせば服の中が!!桃源郷が!!ヤバッハナジガ)

 

よし!やっぱり言う!!

 

「姉さん!!」

「はい!ごめんなさい服の中とかみてませんむしろ見えません鎖骨でガマンしますああいやでもやっぱり中が…」

「あのね?」

「あ、スミマセン」

「全く……え〜とね?今姉さんはすごく忙しそうだよね?」

「えっと、まあ少しずつだけどさ」

「それってさ、これからもアイドル続けていくともっと忙しくなるってことだよね?」

「ま、まあ多分」

「てことはさ、家にいられる時間も減るってことだよね?」

「う、うん」

「だかさ?その…え〜と応援はするよ?歌ってる姉さんすごく綺麗だからさ?(グハァ!?)え?なに!?」

「い、いや何でも…。それで?ほんとにどうしたの?」

「いや、だからその〜…だから」

 

こ、この姉は…こんな時ばっかり察しがわるいんだから。

 

「だから!!察してよ!!」

「え?え?」

「〜〜〜!!もう!!寂しいの!!ずっと一緒に過ごしてきた姉さんが遠くに行っちゃいそうで!!」

「ブハァ!?あ、いやそれはプロデューサーに……」

「それも!!」

「ええ!?」

「なんかその、そのプロデューサーっ人男の人でしょ!?キモイとかブラコンとか思うかもしれないけど!なかこう……面白くないの!!」

「……」

 

い、言ってしまった……。姉さんの活動の邪魔はしたくないだけどやっぱり……。姉さん怒ったかな?

 

「……」プルプルプル!!

「え、あの?姉さん?」

 

ふ、震えてる?めっちゃ怒ってる!?

 

「その、ご、ごめ「お客様のみなさーん!!!わ、私の弟が可愛いんです!!!!!いやもうそれは半端なく!!」っちょっと姉さん!?」

 

暴走した姉を母とともに落ち着かせてから数分……

 

「落ち着いた?」

「スミマセンデシタ」

 

はぁ、やっと落ちついた。まさか店から出てまで叫ぼうとするとは……

 

「琉兎」

「あ、な、なに?」

 

いつになく真剣な目をしている姉さんが目の前にいた。そうそれはもう目の前に……

 

「って近い!」

「あ、ごめん。それでね、琉兎。」

「うん」

「ごめんね」

「え?」

 

何で謝られたの?

 

「琉兎が寂しい思いをしてることに気付いてあげられなかったね」

「いや、それは」

「琉兎はいつも私の話を楽しそうに聞いてくれてさ、誰よりも応援してくれてて、誰よりも強く背中をおしてくれるんだ。」

「……うん」

「だから、まさか寂しい思いをさせているなんて全然気づかなくて……お姉ちゃん失格だね。」

「!?そんなことは!」

「でも、大丈夫。確かに今はすごく楽しい。これからもっと忙しくなるかもしれない。でもね?琉兎に寂しい思いは絶対させないから。どんなに忙しくても、時間は作るし、何ならレッスンの途中でも……」

「それはダメでしょ!?」

「あと、できるだけプロデューサーの話題は控える」

「うっ……それは……」

「知らなかったなー。まさか琉兎があんなに嫉妬してくれているなんて。」ニヤニヤ

「ううう〜〜…」

 

ほんっとにはずい!!死ねる!!

 

「まあ、とにかく!そんなに心配しなくても大丈夫だよ?だって……」

「?」

「琉兎成分がないと私動けないから」

「はい??」

「さっき叫んだので切れたから今日は一緒に寝ようか。」

「ええ?成分って何さ?この前言ってた癒し効果ってやつなの!?」

「ほんとに一家に1人はいた方がいいね。」

「僕はマイナスイオンかなにかなの!?」

「ほら、早く寝るよ」

「え?今から!?店番は!?」

「それはなハナコに任せたから大丈夫。」

「うそでしょお!?」

『 ワンッ!!』

 

ほんとに姉さんはなんというか……でもまあ!不安も解消されたし、姉さんもこれから頑張って欲しいし!!応援はしっかりして!適度に甘えて行こうかな!!

 

「琉兎〜?早く〜」

「あ!うん!今行くー」

 

そいえば最近知ったんだけど姉さんみたいな人を確か【 ブラコン】って言うみたいだね?でもあれぐらい弟が好きっていのは普通じゃないなのかな?ま、いいか!!

 

そういう感じで、最近の姉さんは楽しそうです。

 

おしまい!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あの子達ほんとに姉弟よね?凛はブラコン自覚してあんなだし、琉兎は姉に毒されすぎて自分がシスコンなことに気づいてないし……どうしよう?ねえハナコ?」

『 クゥ〜ン……』

おしまい……?




しぶりん可愛いですね。

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