死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件   作:くいあらためよ

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第2章
流れ着く


目を開けると、視界一杯の青空が広がっていた。

白い浜辺で、私は空を見ていた。

さざ波の音が耳に心地いい。

 

ここはどこだろうか……

 

辺りを見渡すが人の気配が無い。

この浜辺にいるのは私一人だけらしい。

こんなきれいな場所に人がいないのは寂しいものだ。

 

「って、違う違う!私は沈んだんじゃ………」

 

やっと、さっきまでのことを思い出した。

確かに潜水艦の雷撃を受け、ミカサは沈んだはずだったのだ。

 

「メンタルモデルは艦と共に死ぬと思ってた………」

 

自分の体を眺めていた。

服は濡れているものの体その物は先程までの激戦の後とは思えないほど傷1つ無かった。

 

「………どうしよ」

 

流れ着いたのはいいが、ここがどこかわからない。

 

しばらく探索することにした。

 

 

 

「ずいぶん遠くへ来ちゃったけど………なにもないわね……」

 

歩いて30分、鬱蒼とするジャングルの中を歩いていた。

よく辺りをみわたしてみるも、人の姿や人工物が1つも見当たらない。

 

「むむむ……そうだ、ソナーって使えるのかしら………」 

ディスプレイを開き、索敵モードに入った。

ソナーを打ち出し、辺りに軽い衝撃が走った。

 

「………お!」

 

ミカサがいる地点から約2㎞北上した地点に大小様々な人工物があるのをとらえた。  

 

「よし!行ってみよう!!」

 

ミカサはそこへ向かいだした。

途中、何やら足跡のような物があった気がしたが、気に留めなかった。

 

向かい初めてから少しばかりたった後、突然、ヘリの爆音が響き始めた。

 

ヘリが近くにいるの?、ということは人が住んでるのかも。

 

そう考えたミカサはなるべく目立たないように慎重に動き始めた。

 

横須賀では歓待を受けたが、いまだに霧を憎むものは多いと、とくにこのような場所に住んでいるならばなおさらだと感じたからだ。

 

ゆっくりとジャングルの切れ目を見つけたため、そこから周囲の様子を調べることにした。  

目の前には、少し異様な光景が広がっていた。

 

大きな更地があり、中央には廃工場がありそれらを取り囲むように黒いギリースーツに身を包んだ兵士が立っていた。

上空には案の定、ヘリが3機飛んでいた。

 

「ここはいったい……軍事施設かなにかだろうか?」

 

すこし、彼らの話す会話に耳を澄ましてみる。

 

『見つけたか!』

 

『いーや、逃げ足が速い野郎だ。』

 

『おい!今度はあっちだ。』

 

『了解』

 

『見つけて撃ち殺してやる。』

 

「何やら、物騒な話ね……撃ち殺すって……」 

 

「本当に物騒だよなぁ……」

 

「キャァァァ!!?」

 

「シッー!静かにしてろ!」

 

突然隣に現れた男に口を塞がれる。

 

「じたばたすんな!」

 

「ッー!!ッー!!」

 

「誰かいるぞぉ!!!」

 

「くっそぉ!逃げるぞ!!」

 

突然手を引かれ走り出した。

後ろから銃弾がとんできた。

上空からもヘリが追いかけてきている。

 

とんでもないことに巻き込まれてしまったなと、ミカサは思った。




ミカサの前に現れた男とはいったい?

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