死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件 作:くいあらためよ
「なぁ、ハルナ…ここら辺はヤバくないか?」
「なぜそう思う?」
「だって、ここの海域は……………」
「イオナ、行くぞ!」
「了解。」
「な、なぁ、千早群像……」
「バックアップを頼むぞ、ハルナ、キリシマ。」
キリシマの懸念は誰にも伝わることはなく、401は進んでいった。
「ふぅ…………ようやく出てきたか。」
コンゴウは、おおむね予定通りだと言いたそうな表情で指示を下していく。
「マヤ、お前はタカオの相手を頼む。」
『はーい!』
「他は私と共に401を狩るぞ。」
『させないわよッ!!』
ヒュウガの攻撃がコンゴウの動きを拒んでいく。
「チッ……………クロシオ、シラヌイ、カバーを頼む。」
『クッ………ミカサは何をしてるのッ!!』
『もう少しよ!待っていて!』
「無駄な足掻きを…お前達は敗けるのだ。」
『何よ、余裕ぶってッ…』
「おとなしく降服………グッ!?」
コンゴウの船体に重力爆弾が当たった。
「これは………機雷!クロシオ!シラヌイ!回避しろ!」
そう命令するも、シラヌイは避けることができたがクロシオは先行し過ぎていたためもろに機雷攻撃を受けることになる。
『千早群像の案で作られた物よ、ここまでうまくいくとは思わなかったけど。』
「…………」
『……ッ!コンゴウ!右から魚雷!!』
「なに!?」
マヤの報告で、右舷から接近してきた魚雷を防ぐ。
どうやら侵食魚雷だったらしい。
「401……来たな。」
『よし、タカオ、ヒュウガ、ご苦労だった。これより、作戦を開始するぞ!ミカサ!』
『ザッ…………ザザッ……』
『ミカサ?どうした!』
『…ザ………ニ………ザザッ…ゲテッ』
ノイズが激しくて連絡が出来ない。
何かあったのだろうか。
ひとまず、群像らの作戦に大きな狂いが生じたのは言うまでもない。
『クッ…!作戦変更!!プラン2発動!』
ミカサは絶望的な状況に陥っていた。
硫黄島から出発し、予定通り401と合流するはずだった。
「なんで………ここにもいるのよッ!」
「あの姿……………間違いない…」
「なに?知ってるの山口。」
「あれは、我々海軍の中でも憧れの船だったんだ。」
41cm 連装砲、4基。
かつて、ビックセブンと言われた戦艦
「あれは、ナガトだ!!」
「ナガト!?ナガトって………あの戦艦長門!?」
「クソッ!ミカサ、撃ってくるぞ!」
「わかってるわよ!!」
レーザーがミカサの船体をかすめていく。
「なんて威力なの…………ッ!まだほかにもいるの!?」
「ミカサ、右舷にもう2隻!あれは…………おそらく駆逐艦だ!」
「見えたわ…………あれは『シグレ』と『シラツユ』だわ…………」
これはまずい…………いくらなんでも戦艦だけでなく駆逐艦2隻を同時に相手をだなんて!
「千早群像に連絡を!!」
「ダメ!繋がらない!」
「まさに八方塞がりかよ…………」
そこでふと、考えが浮かんだ。
おそらく、うまくいかないであろう。
「……………山口」
「ん?」
「私たち、逃げ切れると思う?」
「頑張れば………しかし、千早達が危なくなると思うが?」
「違うわ、彼らから遠ざけるのよ!」
ミカサは最大船速で群像達がいる方向から遠坂っていった。
「少し、寂しいけれど………山口、信号弾を!」
「わかってるよ!」
上空に蒼の閃光弾が打ち上がった。
「よし、いっちょやりますりますか!」
『皇国ノ興廃コノ一戦ニアリ。諸君、各員一層奮励努力セヨ』
蒼の信号弾に込められた意味は、千早達にも届いたのだった。