死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件   作:くいあらためよ

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黒の襲来・1

コンゴウがナガトと出会う頃

硫黄島

 

「ッ!?」

 

「!」

 

「………」

 

それぞれのメンタルモデルは感じた

二つの強力な気配が近付くのをレーダーで察知した。

 

むろん、ミカサも例外ではない。

 

「何………これ……」

 

激しく動揺していた。

何かが起きる、そんな気がしたからだ。

 

「どうした、イオナ?」

 

「どうしたんだミカサ?」

 

それを感じない彼らは呑気に声をかける。

 

「何か……くる…。」

 

先に口を開いたのはイオナであった。

 

「え?」

 

「レーダーに反応があるわ…………これは、コンゴウ!?」

 

「何!?」

 

ミカサのレーダーにもヒットする、が……

 

「私も見つけたわ……?」

 

「どうした?」

 

「い…いえ、コンゴウとマヤとその他艦がいるわね。」

 

おかしいな………さっきコンゴウに似たものをもう一隻感じたはずなのに………

 

「どうする、群像さん。何でここがバレたかは知らないがやつらは俺たちを殺す気だぞ?」

 

「…………うむ」

 

「戦力だけで言えば互角かもしれないがな。」

 

山口はヒュウガ、イオナ、タカオそしてミカサを見る。

 

「勝算が無いわけではないが…………これはどうだ?」

 

「なんだ??」

 

「お前、マジかよ………」

 

群像の口から出た言葉になかばあきれつつも、従うことにしたクルーとミカサ達だった。

 

 

「コンゴウー!401からのコンタクトがあったよー!」

 

「なに?」

 

『こちらはイオナの艦長、千早群像だ。コンゴウ初めまして。』

 

「なんのようだ?」

 

『君たちと、一度ゆっくり話してみたいと思っていたんだ。どうだ?、一緒にお茶でもしないか?』

 

「なに?」

 

『面と面を合わせて話したいんだ。どうかな?』

 

「なにを抜かすと思えば………」

 

「マヤ行きたい!!ねぇいこうよコンゴウ!」

 

「…………ふぅ、良いだろう。」

 

 

「ミカサ!急いでよッ!」

 

「わかってるわ!!」

 

ドックではミカサ、タカオ、ヒュウガと山口がせわしなく動いていた。

 

「ほらよ!これもいるだろ!!」

 

「その機械もよ!!まったく、ヒュウガも手伝いなさいよ!」

 

「るっさいわね!いま島の防御システムの構築をしてるの!邪魔しないで!」

 

「こっちは終わったわタカオ!そっちは!?」

 

「もう少しッ!いいわ!」

 

「よし、タカオは先に彼らと合流を。ミカサ、作戦の説明だ!」

 

「わかったわ。」

 

 

上でコンゴウたちの対応をしている間、ミカサと山口は先程立てた作戦の打ち合わせをしていた。

 

「私は陽動をすればいいのね?」

 

「そうだ、側面に回り込んで魚雷攻撃、間髪入れずに重力砲でコンゴウ、マヤ以外の艦艇を潰す。」

 

「でも、このルートはずいぶんと遠回りな気がするけど?」

 

今回コンゴウ達が現れたのは島の南側、ミカサが出るのは島の北側であった。

 

「敵にミカサの行動を悟らせないようにするためらしい。」

 

「そうなのね……………」

 

ミカサは、ふと心に胸騒ぎを覚えた。

 

「どうした?」

 

「ねぇ、他に船が隠れてるってことないかしら?」

 

「どういうことだ?」

 

「いえ、ふと気になって…………」

 

ミカサはさっき感じたもう一隻の気配が忘れられなかった。

あれほどまでに凛々しく、それでいて冷徹な気配がねっとりと肌に絡み付く。

 

「レーダーに映ったのはコンゴウ達だけとしか聞いていないぞ。それにミカサだって確認しただろう?」

 

「え…えぇ、そうね。」

 

「まぁ、何が起きるかわからないから、警戒だけはしておこう。」

 

「そうね……」

 

「ほんとは上の交渉が成功してくれればいいんだがなぁ……………」

 

「それはフラグじゃ……」

 

「ミカサッ!!準備よ!!」

 

タカオが走ってきてそう伝える。

 

「やはり失敗したわ!作戦開始よ!」

 

「わかったわ、多聞!」

 

「おう!一泡ふかせてやるぜ!」

 

山口は、艦に乗り込みミカサは臨戦態勢に入った。

 

 

この時は知るよしもなかった…ミカサが感じる気配が後々悲劇を起こすということを。




ミカサの感じる気配の正体とはいかに………

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