死んだら、戦艦ミカサのメンタルモデルになってた件   作:くいあらためよ

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硫黄島・再開……?

山口です。今私はドックにいます。

 

え?他のメンタルモデルは何処に行ったかって?

 

彼女らはビーチに行ったよ…

 

ん…私?私はこのドックを掃除してるよ。

 

一人でね!

 

 

「あの男、ちゃんと掃除してるのかしらね。」

 

「さぁ?心配なら見に行ったら?」

 

「な!」

 

「冗談よ、冗談。」

 

私は、この島をヒュウガに案内してもらっていた。

 

島の至るとこに旧日本軍の戦車が目につく。

 

「あれはなんだ?」

 

ふと視界のすみに大きな石碑が見えた。

 

「あぁ…あれわね、お墓よ。」

 

「お墓?」

 

タカオが物珍しそうに眺める。

 

「人間は、死んだらその魂をまつる場所としてあのような建造物を建てるそうよ。」

 

「ふーん。あ、ミカサ!」

 

私は、この墓に刻んである名前を見た。

 

『旧日本軍 硫黄島総司令 栗林忠道』

 

「栗林………」

 

「あらミカサ、知ってるの?」

 

「いや、知らないわ。」

 

とっさにそう答えたものの何か引っ掛かる。

何かが……

 

「まぁいいわ。私少し眠たくなってきたから寝るわ。」

 

一人、タカオは欠伸しながらフラフラとドックに戻っていった。

 

「さて、これからどうする?ミカサ。」

 

「私も戻るわ。少し、疲れたわ。」

 

「そうねぇ…もうそろそろ彼らも着くわ。」

 

「彼ら?」

 

「すぐにわかるわよ。」

 

ヒュウガの言葉に疑問を抱きつつもタカオの後についていった。

 

硫黄島沖

「艦長、もうすぐつきます。」

 

「千早群像……貴殿は何処に向かうつもりだ。」

 

「直にわかるさ。」

 

『ハルナ!本当に401の管理下に置かれて良かったのか?』 

 

『問題ない。401を…うまく言えないが…その……信頼している。』

 

『信頼………人間の心理か。まぁ、良い。』

 

「硫黄島管制室よりリンクの接続信号受信…接続完了。」

 

岩壁が突然光ったかと思うとそこには大きな穴が開いていた。

 

プロジェクターを使った欺瞞装置だった。 

 

『こんなところに基地を…』

 

『ここに強力な探知中和信号が出ている。どうりで見付からないわけだ。』

 

『ここなら、ナノマテリアルの補填ができるかも知れん…!』

 

『キリシマ…もう少しそのままの格好でいてくれないか?』

 

『えぇ!なんで!?』

 

『蒔絵の為だ。』 

 

『そんなぁ…なんでこいつのた…め…に。』

 

「?」

 

蒔絵のそのまっすぐや目を見つめる。

 

『ま…まぁ、この体の方が動きやすいから良いが!』

 

「ふぅ…何とか着きましたね。」

 

「………!」

 

「どうした?イオナ」

 

「変なのがいる。」

 

「変なの?」

 

「モニターに出す。」

 

モニターに映し出されたのは、重巡洋艦タカオであった。

 

「な!?」

 

「なんでここが!」

 

「……」

 

「どうしますか?」

 

「群像…もう一隻いる。」

 

「なに!?」

 

今度は戦艦ミカサが映った。

 

「ミカ……サ…ですか。」

 

「どうやら作戦は成功したみたいだな。」

 

「とりあえず降りよう。イオナ、ヒュウガは?」

 

「いる、下に降りてきてる。」

 

「なら問題ない。行くぞ!」


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