【SW2.0&2.5】モンスター娘たちがモンスター娘を演じる日常【蛮族PC有】 作:龍委員長
今回のシナリオは、結末有りき(PLの反応を有る程度決めて構成)で作っている部分が多分に含まれております。
やりたかったギミックというより、やりたかったシーンのためのシナリオと言いましょうか。PL同士の打ち合わせとか無しに盛り上がる演出ができるのが仮想卓の醍醐味・・・というと言い訳になるかもしれませんが、お付き合いいただければ幸いです。
そういったものが苦手な方はブラウザバック推奨いたします。
9.成長報告~
M.O.N庁舎 会議室
来留主:
もう9回目かぁ。今回はレアにスポットを当てた内容になるのと、予定通りなら一応の区切りになる予定だよ。
ミーア:
最終回?
来留主:
墨須さんから要求が出てるわけじゃないけど、話の一区切りにはなると思うよ。その後も続けられる内容にはしてるつもりだから、続けようと思えば続けられるけど。
セントレア:
ふむ。レアは前回ラミと一緒にその正体が知れ渡ってしまいましたし、その辺りに関する話でしょうか。
来留主:
うん、そう。あとはこの前の死因にも関係してるかな。
ラクネラ:
あぁ、あったわね。そういえばあの時なんで狙われたのかとかハッキリしたことは解らずじまいだったわね。
マナコ:
レアさんが亡くなってそれどころじゃなかったですからね。
来留主:
まぁ、その辺りも含めて伏線回収できるといいなぁ、って内容だね。
それじゃ前回からの成長報告をしてもらおうかな。
ラミ:
はーい。
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ラミ=ネート PL:ミーア
種族:ラミア 年齢:17 性別:女性
種族特徴:[暗視]、[ラミアの身体]、[ラミアの吸血]、[変化]、[弱点(土+3)]
生まれ:学者
能力値/能力値ボーナス
器用度:12/+2
敏捷度:22/+3
筋力 :14/+2
生命力:14/+2 生命抵抗力:7 最大HP:29
知力 :28/+4
精神力:25/+4 精神抵抗力:9 最大MP:40
冒険者レベル:5 経験点:220/15,220
技能
セージ:5、プリースト(ザイア):5
グラップラー:2←UPDATE!
レンジャー :1←NEW!
戦闘特技
《魔法収束》、《魔法拡大/数》、《ターゲッティング》、《追加攻撃》
経歴
人族になることを夢見ている。
人族を研究していた。
戦場に置き去りにされた。
言語(注釈がないものは、会話・読文両方習得)
交易共通語、ザルツ地方語(会話)、神紀文明語(読文)、魔法文明語(読文)、魔動機文明語(読文)、汎用蛮族語、ドレイク語、ドワーフ語(会話)
武器
変化時不可装備:<牙>、<尻尾>
変化時専用 :<キック>
常時使用可能 :<アイアンナックル>、<投げ>
防具
<ポイントガード>
装飾品
頭 :<とんがり帽子>
首 :<奴隷の首輪>(偽)
右手 :<知性の指輪>
その他:<聖印>(ザイア)
所持アイテム
<バルバロス携帯セット>、<知性の指輪>、<人血液>、<魔晶石(5点)>×2、<アンチドーテポーション>、<アウェイクポーション>×2、<保存食>×4、<ヒーリングポーション>×5
1,492G
所持名誉点/合計名誉点:161/206
“一途な”ラムホ(顔見知り:10)
“リュックの”ベッソン(顔見知り:5)
レイ=ラシンデ (顔見知り:15)
“迷える信仰”リョー=ワザイア(顔見知り:15)
==========
ミーア:
騎士神ザイアの神官戦士ラミ=ネート。
戦士としての腕を磨くべく修行してグラップラー技能が2になったわ。
あとは前回のこともあって街に居るのが落ち着かなくなってきたから、キャンプの知識と技術を学んだわよ。
来留主:
なるほどね。人間に助けられて、人族社会で生きていくことを決めていたラミには辛い展開になってるよね。
ミーア:
うん。でもだからって街の人に八つ当たりはしないわよ。そんなことしたら私たちに出て行ってほしい連中の思う壺だもの。
マナコ:
つらい立場ですよね。
ラクネラ:
私たちも人のこと言えないわよ。人族圏内に蛮族を連れ込んだ裏切り者扱いでしょ?
来留主:
そうだね。そこまではっきり言うヒトが居るか判らないけど。
じゃぁ次、ラク姉さんお願い。
ラクネラ:
はいはい。
==========
メア=ウィドウ PL:ラクネラ・アラクネラ
種族:ナイトメア(人間生まれ) 年齢:20
性別:女性
種族特徴:[異貌]、[弱点(銀、土+2)]
生まれ:軽戦士
能力値/能力値ボーナス
器用度:25/+4
敏捷度:24/+4
筋力 :18/+3
生命力:20/+3 生命抵抗力:9 最大HP:38
知力 :14/+2
精神力:13/+2 精神抵抗力:8 最大MP:13
冒険者レベル:6←UPDATE!
経験点1,240/14,240
技能
エンハンサー:6←UPDATE!
フェンサー :5
戦闘特技
《かいくぐり》、《回避行動I》、《テイルスイングI》
練技
【ガゼルフット】、【キャッツアイ】、【チックチック】、【ドラゴンテイル】、【ケンタウロスレッグ】
【ジャイアントアーム】←NEW!
経歴ほか
大恋愛したことが有る。
異種族を怖がっていた。
大切な約束をしている。
穢れ:1点
言語(注釈ないものは会話と読文両方習得)
交易共通語、ザルツ地方語
武器
<レイピア>
防具
<ソフトレザー>、<ラウンドシールド>
装飾品
頭 :<ウィッグ>(<かつら>相当)
左手:<疾風の腕輪>
腰 :<血晶石の腹帯>
所持アイテムなど
<冒険者キット>、<テント>、<疾風の腕輪>、<アウェイクポーション>×3、<アンチドーテポーション>、<魔晶石(3点)>×3、<保存食>×4、<ヒーリングポーション>×5
1,464G
所持名誉点/合計名誉点:161/306
“一途な”ラムホ(顔見知り:10)
“リュックの”ベッソン(顔見知り:5)
レイ=ラシンデ (顔見知り:15)
“迷える信仰”リョー=ワザイア(顔見知り:15)
“商人”ローズ=リザード・ゴースト=ゴート(顔見知り:100)
==========
ラクネラ:
はい。ナイトメアのメア。
相変わらずエンハンサー優先の成長ね。ハニーの話を聞く限り、それも今回で終わりかもだけれど。
セントレア:
なにやら理由があると言っていたな。
ラクネラ:
まぁね。その辺も今回披露できるといいだけど。大丈夫?
来留主:
いちおうチャンスは用意してるよ。上手くいくかは判らないけど
じゃぁ、つぎはマナコさんお願い。
マナコ:
は、はい。
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マタビ PL:マナコ
種族:タビット 年齢:10
性別:女性
種族特徴:[第六感] 生まれ:魔動機師
能力値/能力値ボーナス
器用度:20/+3
敏捷度:13/+2
筋力 :10/+1
生命力:9/+1 生命抵抗力:6 最大HP:24
知力 :24/+4
精神力:22/+3 精神抵抗力:8 最大MP:34
冒険者レベル:5 経験点:970/14,970
技能
マギテック:4、シューター:5、
スカウト:3←UPDATE!
レンジャー:1、セージ:1
戦闘特技
《ターゲッティング》、《MP軽減/マギテック》、《鷹の目》
経歴
純潔である。
守りの剣に触れたことが有る。
予知夢を見たことがある。
言語(注釈ないものは会話・読文両方習得)
交易共通語、ザルツ地方語(会話)、神紀文明語(読文)、魔動機文明語
武器
<サーペンタインガン>、<ジェザイル>
防具
<ソフトレザー>
装飾品
首 :<マギスフィア(小)>
背中 :<ウエポンホルダー>(ジェザイル)
左手 :<巧みの指輪>
腰 :<ガンベルト>(弾:12発)
足 :<フローティングマギスフィア(中)>
その他:<フローティングマギスフィア(大)>
所持アイテム
<冒険者セット>、<スカウト用ツール>、<薬師道具セット>、<アンチドーテポーション>、<ヒーリングポーション>×3、<弾>×12、<アウェイクポーション>×2、<救命草>×8、<保存食>×4、<魔晶石(点)>×5、<魔香草>×3
2,441G
所持名誉点/合計名誉点:161/306
“一途な”ラムホ(顔見知り:10)
“リュックの”ベッソン(顔見知り:5)
レイ=ラシンデ (顔見知り:15)
“迷える信仰”リョー=ワザイア(顔見知り:15)
“商人”ローズ=リザード・ゴースト=ゴート(顔見知り:100)
==========
マナコ:
タビットの魔動機師、マタビです。えと、街の人たちの視線が気になって人目を避けているうちに、スカウト技能があがりました。って、本当にこんな理由で良いんですか?
来留主:
いいよいいよ。ゲーム的に有利になる成長に、世界観的に合理的な理由を考えるのも限界があるし。それっぽければOK、OK。
セントレア:
街で生活しているメンバーには迷惑をかけてしまっていますね。
最後は私ですね。
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レア=トーレ PL:セントレア・シアヌス
種族:ケンタウロス 年齢:10
性別:女性
種族特徴:[半馬半人]、[馬人の武術]、[弱点(土+3)]
生まれ:戦士
能力値/能力値ボーナス
器用度:26/+4
敏捷度:13/+2
筋力 :19/+3
生命力:21/+3 生命抵抗力:8 最大HP:51
知力 :14/+2
精神力:15/+2 精神抵抗力:7 最大MP:15
冒険者レベル:5 経験点120/15,120
技能
ファイター:5、ライダー:4
セージ:2←UPDATE!
レンジャー:3←UPDATE!
戦闘特技
《ディフェンススタンス》、《斬り返しI》、《頑強》
騎芸
【攻撃阻害】、【チャージ】、【高所攻撃】、【威嚇】
経歴ほか
人肉が食べられない。
特定の相手に恨みを買っている
妖精が苦手。
穢れ:4点(角:1)
言語(注釈ないものは会話・読文両方習得)
交易共通語(会話)←NEW!
ザルツ地方語(会話)、汎用蛮族語、ケンタウロス語
武器
<蹄>、<ファルシオン>
防具
<チェインメイル>
装飾品
首:<ドレイの首輪>(偽)
所持アイテム
<バルバロス携帯セット>、<北向きの針>、<アウェイクポーション>、<アンチドーテポーション>、<ヒーリングポーション>×4、<救命草>×12、<魔香草>×6、<保存食>×7
7,422G
所持名誉点/合計名誉点:161/206
“一途な”ラムホ(顔見知り:10)
“リュックの”ベッソン(顔見知り:5)
レイ=ラシンデ (顔見知り:15)
“迷える信仰”リョー=ワザイア(顔見知り:15)
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セントレア:
ケンタウロスの戦士、レア。相変わらず戦闘よりも生活のための技能を成長させています。これで共通語も喋られるようになったので、公的な場でもなんとかなりそうですね。
来留主:
順調だね。ほんと、街中に入れなくなって申し訳ない。
さてとみんな特に買い物は無いみたいだけど?
ミーア:
う~ん前に買ったものが残ってるし、装備は買い換えられる物がないし、このままでもいいかな~って。
来留主:
なるほど。でも、今回はみんなの選択とダイス目次第では戦闘が多めになるし、日数もかかりそうだから保存食を含めて買い物をしてもらえると安心かな。導入後でもかまわないんだけど、演出的にのんびり買い物できる雰囲気ではなくなりそうだし。
マナコ:
遠出するお話になるんですか?
来留主:
うん。じつは今回の目的地は・・・
~~~~~~~~~~
~~~~~~~~~~
ラクネラ:
なるほど。なら確かに食料に不安があるわね。そういえば、前のセッションから何日くらい経ってるの? 生活費を考慮しないといくらぐらい使えるか判断できないんだけど。
来留主:
あぁ、ごめん。そうだなぁ、直後ってことはないけどあんまり日数もあけられないだろうし・・・5日後かな。
じゃぁ、先に生活費の申請をしてもらおうか。
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生活費(5日分)
ラミ :40×5+12(神殿への寄付)=212G 残金:1,280G
メア :40×5=200G 残金:1,264G
マタビ:40×5=200G 残金:2,241G
レア :労働を対価に食料を分けてもらった。残金:7,422G
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セントレア:
アイテムの購入は必要ならレアが支払おう。蘇生の礼が食事数日分では効かんだろう。
ミーア:
そこはお言葉に甘えようかな。まずは何を買うかだけど。
ラクネラ:
<保存食>は必須。薬草系はレアがたくさん持ってるから、戦闘中でも回復できるポーション類かしら。
マナコ:
そうですね。あとはMP節約に魔晶石も補充したいところです。
セントレア:
その辺りの配分は3人に任せよう。レアはMPを消費するあてはない。
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買い物結果
<保存食(1週間分)>×5=250G・・・皆で分配
<魔晶石(5点)>×10=5,000G ・・・ラミが所持
<魔晶石(3点)>×10=3,000G ・・・メアが所持
<魔晶石(2点)>×10=2,000G ・・・マタビが所持
<弾丸>(12発)×8=400G・・・マタビが所持
残金
ラミ :389G
メア :389G
マタビ:389G
レア :390G
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来留主:
(完全に富の再分配というか、死ぬ準備というか・・・)
結局ポーションは買わないんだね。
ミーア:
うん。みんなのヒーリングポーション合わせたら17個もあったから、こっちは大丈夫かな、て。
来留主:
OK。じゃぁさっそく導入を始めていこう。と、まずはマスターシーンから。前回の鉱山での一件があって数日後のフェンディル王宮での一幕。場所は姫や大臣たちが集まって会議している場所だ。
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9-1.
フェンディル王国 王宮内 会議室
GM(来留主):
ドン! とテーブルを拳で叩き声を荒げる内務大臣。
内務大臣(GM):(タビットの老婆)
「なにを躊躇する理由がありましょうか! これは明確に国家の転覆を狙っての事と考えるべきです!」
キャンボル(GM):
「しかし、彼女らは現に住民からの依頼を解決しており・・・」
外交大臣(GM):(壮年のリカント)
「そのようですがどれも個人的な依頼ばかり。例の坑道での一件だけが国からの依頼。
それとて、コボルトという同胞を解放するのが目的だったのでは?」
商業大臣(GM):(ローズ失脚により繰上大臣になったグラスランナー)
「それは・・・。しかし旧デニール鉱山で働いていた元鉱山夫たちは現在も新しい職場で問題なく活動していると・・・」
内務大臣(GM):
「それこそ我々を油断させるためでしょう!
姫、ご決断ください! あの
ケンタウロスの処分を!」
==========
来留主:
というところかな。はぁ、のどが渇いた。
マナコ:
おつかれさまです。
これはレアのこと、ですよね?
来留主:
そうそう。正体もばれちゃったから蛮族の存在に怯えるヒトたちや、穢れに対して排他的な考えの人たちがみんなを追放しようとしてる。一般人は陰口だったり、ちょっと度胸の有る人たちが集まってデモを行ったりしてる程度で直接的な被害はほとんどないけど、そんな国内の動きを王宮でも公式の判断をすべきという事になったんだ。
この世界の一般的な価値観として排斥派のほうが優勢かな。過激なヒトは処刑すべきという発言もしてる。
直接会った事の有る騎士団長。上司であるローズ元大臣の失脚で昇進&部署の健全化もなされたローズの後釜の大臣。この2人は擁護派だけど、国家安全保障上強気で弁護することもできないって感じ。
ラクネラ:
で? 当の双子姫様の判断は?
来留主:
あぁうん。じゃぁその辺りの演出を。次はレア以外の3人の所に騎士団が現れる。場所は――
マナコ:
(ダメだったみたい・・・)
==========
9-2.
フェンディル王国 王都 寛容な交流亭
GM(来留主):
ある日の昼前。依頼もなく1階の食堂で奇異の目を受けながら過ごしていると、入り口が急に騒がしくなる。
目を向けるとマスターの制止を振り切り数人の騎士がラミたちの下へズカズカと近付いて来る。先頭は騎士団長“天に唾吐く”キャンボル=グランディ。
キャンボル(GM):
「おくつろぎのところ失礼します。我らに御同行願います。これは王命でもあり、あなた方に拒否権はありません」
その宣言に周囲の客や他の冒険者がにわかに騒ぎ出すが、騎士たちの威圧ですぐに静かになる。
ラミ(ミーア):
「え、あ・・・」
メア(ラクネラ):
「理由は訊いてもいいのかしら?」
キャンボル(GM):
「心当たりならお有りかと」
マタビ(マナコ):
「それは・・・」
視線をラミへと向けます。
メア(ラクネラ):
「ここで抵抗してもお店に迷惑がかかるだけ、か」
ラミ(ミーア):
「ぁ」
キャンボル(GM):
「抵抗の度合い次第では」
ラミ(ミーア):
「(そんな言い方、抵抗させないように脅してるようなもんじゃ)」
メア(ラクネラ):
「事が済んだ後、荷物を取りに戻ってこれるのかしら?」
キャンボル(GM):
「・・・監視がつく事にはなるかとは思いますが・・・」
マタビ(マナコ):
「(私たちが街から移動する必要がある?)」
メア(ラクネラ):
「はぁ。
マスター。ちゃんと戻ってくるから部屋空けないでよ」
クリス(GM):
「あぁ。解ってる。
団長さん。こいつらに何かあったら・・・」
キャンボル(GM):
「・・・善処します・・・」
=========
ミーア:
お姫様完全に敵じゃないのー!
ラクネラ:
で、どこに連れて行かれるの?
来留主:
えーと、囚人用の馬車に乗せられてトッネオ村に向かうよ。
マナコ:
囚人?!
来留主:
あぁ、そんなに怯えないで。拘束はされないから。ただオリに車輪をつけて馬に牽かせている感じの乗り物をイメージして。
セントレア:
これで本題ともいえるレアへの糾弾でしょうか。しかし移動手段がまるで見世物ですね。
来留主:
装甲車みたいな内にも外にも頑丈な乗り物はほとんど存在しない世界だからね。中で何か細工をされないように、死角を無くす事を優先したつくりになってるね。
あ、拘束はされないと言ったけど演出上、魔法が使えないようにラミの聖印とマタビのマギスフィアは没収されるよ。まだ導入で本格的に行動してもらう時には返却されるから安心してね。
魔法使い組:
はぁい。
==========
9-3.
フェンディル王国 トッネオ村
GM(来留主):
レアが住処の洞窟で独りの時間を過ごしているとバタンとドアが開け放たれ、レアに農作物をよく分けてくれる青年が駆け込んできた
青年(GM):
「れ、レアさん! 大変だ! お、王宮がアンタを捕まえにきた!」
レア(セントレア):
「?!」
~~~~~~~~~~
GM(来留主):
トッネオの入口付近。
王家の家紋が大きくあしらわれた馬車の前にラミ、メア、マタビ、レアの4人が跪かされている。ラミは変化を解き蛇の下半身をさらしている。4人の四方には抜き身の剣を掲げた騎士が控えている。その騎士の囲いの外側に文官貴族が忌々しそうに4人を睨みつけ、さらに距離を置いた所から村人たちが不安そうに事の様子を窺っている。
皆が固唾を呑むなか、従者と思しき人物が馬車の扉を開く。執事の手を取りながら2人の少女が降りてくる。片や流れるような長髪にあどけなさを感じさせる顔立ちの少女。片やショートヘアーに年齢とは裏腹の不敵さを表情に浮かべた少女。フェンディル王国を2人で治めている異例の女王、“双子姫”コークル女王とラフェンサ女王である。
警護を兼ねた騎士以外の者が膝をつく。
王都になどめったに赴かない村人たちは初めてみる双子姫の姿にため息を漏らしている。そこへ
キャンボル(GM):
「女王陛下の御前であるぞ!」
と叫ぶと、村人も慌てた様子で膝をついた。
双子姫はラミたちの前に設けられた簡易の玉座に腰をかける。
コークル(GM):
「一同、顔を上げてください」
静かに、しかし凛と通る声が辺りに響く。それを受けてそれぞれがゆっくりと顔を上げる。
ラフェンサ(GM):
「メアさん、マタビさん。お久しぶりです」
マタビ(マナコ):
「っ!」
メア(ラクネラ):
「このような状況でなければ、再度ご尊顔を拝謁する機会を与えられたことを諸手を挙げて感謝するのですが」
傍仕え(GM):
「きさま! 陛下に向かってなんとい」
しかし、その怒号はコークルが軽く手を挙げて制する。
「っ・・・失礼いたしました」
コークル(GM):
「私たちもメアさんと同じ意見です。
そちらが前回お会いできなかったラミさんとレアさんですね。ケンタウロスのことは報告を受けていたけれど、まさかラミアも居たとは。このような形での邂逅。残念に思います」
蛮族コンビ:
『・・・』
ラフェンサ(GM):
「一応自己紹介をしておこうかしら。私たちはこのフェンディル王国の女王を務める、こっちが姉のコークル。私が妹のラフェンサ。
用件は・・・判るわよね?」
ラミ(ミーア):
「・・・っ」
レア(セントレア):(覚えてよかった交易共通語)
「陛下、それにつきまして、質問をよろしいでしょうか」
先ほどの傍仕え(GM):
「蛮族風情が陛下にかるがるsっ」
今度はラフェンサの氷のように冷たい視線を受けて言葉に詰まる。
ラフェンサ(GM):
「この無能は気にしないで、質問をどうぞ」
そう促すラフェンサの表情は口元こそ笑っているものの、視線は傍仕えを見るものと変わらぬ温度でレアを射抜いている。
レア(セントレア):
「恐れ入ります。
質問というのは、単純になぜ陛下がこちらまでいらしたのかという事でございます。
ご用向きは概ね予想がついております。だからこそ私を王都に呼び出せば、守りの剣により私は無力化されより安全に事を進められると思うのですが」
コークル(GM):
「もちろん、そうする案もありましたが結界の中ではまともに歩くこともままならないと聞きました。できることなら皆さんと忌憚なく意見交換できないかと考えた結果です」
ラフェンサ(GM):
「おかげでいつもより仰々しい行列になったことは、村の人たちには謝罪します」
突然矛先が向き、あわあわと言葉に詰まりながら頭を下げる村長以下トッネオ村民。
コークル(GM):
「では改めまして。まずはあなた方蛮族が我々人族の領域で生活をしている理由を聞かせてください。
ラミさん?」
ラミ(ミーア):
「ひゃっ、はい! えと、その、数年前にフェンディルにバルバロスが侵攻してきたことがあったと思うんですけど・・・」
ラフェンサ(GM):
「あぁ、あったわね。あの頃の国王はお父様だったけど。
あれで結構な数の騎士や冒険者を失ったんだったわね。キャンボル卿?」
ラミ(ミーア):
「うぐっ」
キャンボル(GM):
「は、はい。今では騎士団の練度も当時の物に戻りつつあります。
戦線が離れていたので私は直接見てはいませんが、ローリングストレイキャッツの皆さんの活躍は、既に引退していたとは思えないものだったと聞き及んでおります」
コークル(GM):
「もう、ラフェンサ? ラミさん、気にせず続けてください」
ラミ(ミーア):
「は、はい。それで、その、あの戦いは結局バルバロス側の撤退という形で勝負がついたわけですが・・・」
ラフェンサ(GM):
「こっちも損失はそれなりにあったけどね」
ラミ(ミーア):(涙目)
「はうっ・・・。そ、そのときの撤退に、私、ケガで、置いていかれて、そしたら、マスター・・・元ローリングストレイキャッツのクリス=コートに助けられて・・・その・・・」
メア(ラクネラ):
「人族を襲わない、共存することを条件に匿ってたんです。私を監視役に」
コークル(GM):
「なるほど。それでレアさんは?」
レア(セントレア):
「はっ。
私は・・・部族の中でも・・・・・・」
ラフェンサ(GM):
「? どうしたの? 黙り込んで」
レア(セントレア):
「ここに居る皆さんに不快な表現でしか説明できないことをお許しください」
コークル(GM):
「?」
レア(セントレア):
「私は、部族の中で珍しい、人族の肉が体に合わない個体です」
一同:
『!』
懲りない傍仕え(GM):
「お聞きになりましたか、姫! こやつらは我々を喰うのです! 早々に」
ラフェンサ(GM):
「うるさい」
傍仕え(GM):
「ひっ」
コークル(GM):(ため息1つ)
「キャンボル卿、彼を馬車へ」
キャンボル(GM):
「はっ。失礼します」
ラフェンサ(GM):
「騒がしくて申し訳ないわね。
続けてちょうだい。まぁ群れの他と違うところがあるという前置きで想像はできるけど」
レア(セントレア):
「はっ。
えぇ、おそらく陛下のお考えどおりでしょう。“それ”はバルバロスにとってはごく自然な食材です。それを口にしないというのはそれだけで迫害の対象になります」
コークル(GM):
「それで、群れから抜け出した、と」
レア(セントレア):
「いえ、詳細は少し違います。
いじめのようなものはありましたが、それでも命を奪われたり大怪我をするようなものではありません。扱いが他者より低くはなりますが、それでも戦士の部族。剣の腕を磨くことで捨てられることはありませんでした」
ラフェンサ(GM):
「じゃぁ、どうして」
レア(セントレア):
「あの日、部族の長が何者かによって暗殺されたのです。犯人は・・・私という事になっています」
一同:
『?!』
ラミ(ミーア):
「(あの時の“反逆者”てそういう・・・)」
コークル(GM):
「それは、どうして、 いえ、“なっている”ということは事実は違うのですよね?」
レア(セントレア):
「はっ。しかし真犯人は判りません。以前も犯人として私を捕らえようと部族の者がこの村の近くに現れていました」
メア(ラクネラ):
「そいつらは既に討伐していますので、ご安心を」
ラフェンサ(GM):
「ふーん。それで、群れに居れなくなって逃げてきた、と?」
レア(セントレア):
「はっ」
コークル(GM):
「事情は理解できました。ですが」
ラフェンサ(GM):
「それと、あなたたちを国内に置いておくかは別問題」
その言葉に村人たちはどよめきだす。
ラミ(ミーア):
「それは・・・私たちが蛮族だから、ですか」
コークル(GM):
「そう、なります」
マタビ(マナコ):
「待ってください! 彼女たちは何度も蛮族退治に参加しています。レッサーオーガの時も一緒に私たちを騙し討ちできたはずなのに、しませんでした!」
ラフェンサ(GM):
「問題はそこではないのよ。
肝心なのは、多くの国民が不安の中で生活しなくてはいけない。それが問題なのよ」
マタビ(マナコ):
「そ、れは・・・」
コークル(GM):
「申し訳ないですけれど、穢れを持つものを街に入れるのは反発も多く」
メア(ラクネラ):
「それは、
ラフェンサ(GM):
「・・・まぁ、そう言われるとは思ったけれどね。それでもその姿に恐怖する民が居る以上、見過ごすことはできないのよ」
メア(ラクネラ):
「・・・穢れだの姿だの下らない」
ここで跪いた姿勢から立ち上がるわ。
衛兵(GM):
「動くな!」
切っ先をメアに突きつけるがメアは気にした風もなく衛兵を見つめる。
メア(ラクネラ):
「穢れが問題というならどうして普段からナイトメアを追放していないの?
外見だって・・・」
ここで練技を使用するわ。
「この姿と! 彼女たちの姿! その奇怪さにどれほどの差があるというの!?」
と近くの騎士を睨みつけるわ。
GM(来留主):
ナイトメアという異貌の者が実際にその身体を変容させスゴむ様に周囲は息を呑む。
それを後押ししようと村長が冒険者たちの横に並ぶように出てきて膝を付く。慌てていたためか脚は絡まりほとんど転がるような様相だ。
サオラム(GM):
「め、メアさんの言うとおりでございます! レアさんたちは我々の村を害獣から護ってくれました。そればかりか畑仕事まで手伝ってくれました。 どうか、どうか御慈悲を!」
と地に額をこすりつける。
コークル(GM):
「お気持ちはわかります」
サオラム(GM):
「ではっ!」
ラフェンサ(GM):
「じゃぁ今ここに彼女と同じような理由で流れ着いたっていう蛮族が居たとしてあなたは無条件で受け入れられる? そうねたとえば・・・人間の心臓を食べることでその人間に化けることができるレッサーオーガとか」
サオラム(GM):
「・・・それは・・・」
ラミ(ミーア):
「そうだ、これ! これは?!」
首輪をガチャガチャさせてうったえるよ。
コークル(GM):
「あー、それは・・・」
ラフェンサ(GM):
「保険にはなるけれど、あなたたちの行動を制限するものではないでしょう」
要するに、仮に暗殺目的の潜入でターゲットが1人の場合、事前に計画を察知できない限り首輪の装着者を殺害する機能はどうしても後手に回り意味がないと告げる。本音は立場上首輪が偽者であることも知っているため同意できないだけだが。
ラミ(ミーア):
「うー・・・」
GM(来留主):
冒険者や村民が言葉に詰まっていると、駆け込んでくる軽装鎧の兵士。
兵士(GM):
「報告!」
キャンボル(GM):
「いま陛下は取り込み中だ。向こうで私が」
伝令をその場から引き離そうとした騎士団長の言葉を遮った兵士の言葉にその場に居た全ての者が動きを止めた。
兵士(GM):
「オッド山脈山麓よりフェンディルへ向けて進行する複数のケンタウロスを確認!」
つづく
ロールプレイ過多でお送りしております。
導入が長くなったのでいったんここまで。もう少し導入は続きます。
穢れと外見への差別を自身の種族と練技での身体変化を使って否定するのは、メアの経歴が決まった時点でやりたいと思っていたシーンです。これができたので今セッションは成功です(大げさ)
これまでシナリオを作るときは、極力プレイヤーの選択は考慮せずに作るようにしていました(それでも完全に意識の外にできるものではありませんが)が、今回はやりたかったシーンがいくつかあるので、そのためのシナリオであり、そのためのセッションになってしまっています。
仮想卓だからそういうものでしょう、という方は最後までお付き合いいただければ幸いです。