真剣で弟と認めなさい!?   作:黒瀧汕

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はい、少々飛びますね。

そう言えば遅れた情報ですが……マルさん1位おめでとう!!
あ"あ"マルさん!!マルさんマルさん"ん"ん"!!
はぁ"ぁ"あ"あ"あ"マルさーーん"!!!!

〜しばらく悶えた〜


第九話

 九鬼財閥の御曹司と話し込んだり、その後嵐のように現れた財閥の当主である九鬼帝と色々と飛んだ話したり血の繋がりを証明されてから約一ヶ月が過ぎた。正直、九鬼帝との会話が一番頭から離れられなかったのは言うまでもない。

 あれから目が回るような忙しさに追われ俺は周りから付けられたコードじゃない、本物の名前で呼ばれるようになった。「九鬼(くき)傑將(まさかつ)」。正直、他人の名前にしか感じない名前(それ)を俺はまだ受け入れ難かった。共に過ごした記憶のない他人に馴れ馴れしく飯だの鍛錬だのと連れ回されれば戸惑わぬ訳がなかった。しかし、そんな生活が続いたお陰か、または元から備わっていた日本人の血からなのか、予想してたよりも俺はこの地に馴染んだ。

 語学関係はことわざやら例えやらまだ理解出来てない部分が多いが、意思疎通に影響のない程度には話せるようになった。元から仕事に不都合ないよう事前学習していたのが功を呼んだのも一因だ。

 

 「そういえば、再来週から学校か」

 

 日本に来てから一ヶ月経つ。今の生活に多少は慣れ一般教養を身につけた途端、突然九鬼帝から学校通いを言い渡された。一体何の意図があるのか問い詰めようとした所、既に主犯である帝の姿はなくアフリカへ飛んだ行ったあとであった。後で聞いたのであろう英雄もこの通達には大変喜んでいた。その英雄の喜びとは逆に俺の気分は大部気落ちしていた。

 今まで自由に飲み食い歩き仕事をしていたが、それが知識と規範を得るためだけに奪われると思うとため息が零れた。

 

 「どうされましたか傑將様。何か不安な事でも?」

 「……たった今音もなく現れた執事に対する疑問は生まれましたけど、まあ、二週間後の事です」

 「二週間後……。確か、傑將様の晴れ舞台である東西交流戦は学年単位で行われる擬似的な合戦でしたね」

 「そう、川神学園の転入条件に別の試験が……ん?」

 

 そこで傑將は重要な発言があったことを聞き逃さなかった。

 

 「待て、合戦?」

 「はい、西にある川神学園と同じ制度を導入した学園『天神館』が川神学園に決闘を申し込んだ様です」

 「クラウディオ、それはいつ決まった話だ?」

 「つい一時間前ですね」

 

 何ということだろうか、まさかこちらの転校するタイミングにそんなイベントが鉢合わせようとは思わなかった。しかし、クラウディオの話によると俺の試験はそれに含まれる様だ。

 

 「クラウディオ、一つ聞きたいのだが…」

 「試験内容に関わったのはヒュームと帝様です」

 「ありがとう、と て も わ か り や す か っ た よ」

 

 とうとう、あの雷帝殿は手段を選ばなくなってきた。初めて顔を合わせた時はどこか距離感と言うか壁を感じていたが、猟犬に敗れた事実を知るや否や鍛錬の相手に組み込まれたのだ。そこから遠慮などというものは俺から消え失せた。

 

 「あの二人は揃いも揃って……」

 

頭を抱えたくなる気持ちを抑え合戦の事について思考を始めた。二人のことだ、生半可な結果で合格するようにはしていないだろう。ならば、今出来ることを成す為に現在時刻から会話可能な人物達に連絡を入れた。その姿をひっそりと眺める老執事の顔はとても穏やかだった。




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