ゼロの使い魔~鋼龍と登場しなかった少女~   作:hi・mazin

1 / 6
いろんな作品に影響されてつい書いてしまいました。

計画性はほぼないです。


※ 修正の件ですが上記の通り計画性皆無の為現状維持とさせていただきます。


最初の日の話 鋼龍異世界に行く

 

 

ある夜、俺は夢を見た、夢の中の俺は何処にでもいる普通の『人間の男』であり、家庭や親、友人関係も平凡なりに良好であり何も変わったこともないありふれた人生の夢

しかしこの夢の最後はいつも同じであった

そう、最後はいつも突然目の前が真っ暗になり身体が冷たくなり意識が闇に消えていく・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

凍えるような寒さを感じ俺は目を覚ました。

周りの風景は眠る前と変わらず木々の生い茂るジャングルであった

その光景にため息が漏れ、身体を起き上がらせるべく動くと体や関節からギチギチと音が鳴り響き錆びた鱗の欠片が少量だが地面に落ちる

どうやら関節部まで錆が来たらしく体の動きがどうも鈍い、ここまで身体が錆付いたとなると脱皮まであと一週間と言ったところだろう

とはいうもの、まだ2回しか経験した事がないから何日かずれる可能性はあると思う

 

 

 

もう勘の鋭い方なら御分かりと思うが俺は『日本人の男』で転生して『鋼龍クシャルダオラ』になっております

という事で必然的にこの世界は『モンスターハンター』の世界だという事になる

な、何を言ってんだと思うだろうが、俺も何を言ってるか理解に苦しむが気が付いたらこうなっていたんだ

 

大体こういう転生モノって死んだ時に神様が現れてチート能力を貰って漫画やアニメの世界で無双するモノが普通ではないだろうか

 

え、古龍に転生した時点で勝ち組だろうって? っはは、確かに基本スペックは群を抜いていると思いますよ、でもね、強いのは上位クエとかG級クエとか極限個体だけであり、今現在の俺は下位クエ位のスペックで最小金冠サイズしかないんですよ、したがって残念だが無双出来るほど強くなるのは何十年も先の事である……イキテイレバノハナシダガ

 

それと断っておくが俺が人間の時の記憶が戻ったのは何故か最近の事なので古龍の生まれ方とかは全く分からない。まぁ自分の生まれた瞬間を記憶しているなど人間の時も不可能だし年齢を重ねると幼少期の記憶すら曖昧になるしこれは仕方がない事だと思ってもらうしかない

 

あと人間としての記憶が戻った時に何か葛藤は無かったかと言われれば、すいませんが正直何もなかったです。

何でと言われても私の場合はそうだったのでそうとしか言えない

なので私は人間の心と古龍の本能を持って自由気ままに生きています

 

強いて言えば退屈という感情が芽生え『クシャルダオラ』にあるまじき行為だが火山を見学に行ったり砂漠に行ったりと刺激的な毎日を過ごしている

食事にも変化があり、昔は金属鉱物の鉱石や鉱脈をかじっていたが記憶が戻ってからは果物や魚や肉を食べ始めた、調味料が無いので自然な味であったが割とうまいとこの古龍の身体は感じているようだ

 

話が擦れたが今現在俺は『錆鋼龍』と言われる錆状態であり最近は関節まで固まり始め錆びる前の状態と比べてかなり動き辛い状態だ、それでも並みのモンスターなら相手にならない程には強い……と思う

 

最初の脱皮前の時はモンハンの設定通り身体が思う様に動かないストレスでイライラしており、たまたま近くにいたハンターを襲い鬱憤晴らしをしようとしましたけど、やっぱハンターって人外だわ

あっという間に四人に囲まれて散々な目(角破壊に翼破壊されたが尻尾だけは守り切った)に遭わされましたよ

何とか生き延びられ(リオレウスのワールドツアー戦法で)無事に脱皮出来たが今回は油断はしない

あ、角はかなり時間がかかったけど何とか再生しましたよ

 

 

まず周りの環境だが徹底的に人目とモンスターを避け海に浮かぶ小さな孤島に身を隠している

どれだけ人目が無いかとアイルーやメラルーすらいないと言えばお分かりいただけるだろう

ホントあいつら火山から氷海まで人間以上に活動してんだもん居ない所を探すのにえらい苦労をしてしまった

 

ここまで休まずに飛んできたので流石に疲れてしまい、ひと眠りしようと寝床を探し始めると急に目の前に光り輝く鏡のようなものが姿を現した

もし古龍のままだったら警戒したのかもしれないが人間の心と記憶を取り戻した今の俺ならこの鏡の正体が分かる

 

自分の身体位の大きさで淡く光る鏡のような物体、まさしくアニメで見たゼロ魔の召喚門である

 

それの正体を理解した瞬間、もう身体に流れていない筈のアニオタの血が騒ぎだした

モンハンの世界に転生できたばかりかゼロ魔の世界まで体験できるとはホンットォォォォについている!!

古龍の血(アニオタ)が騒ぐぜ、ってやかましいわ(笑)

 

最早召喚に応じるのは決定事項として俺は誰の使い魔になるのだろう?

 

最有力候補はやはり主役である虚無のメイジ『ルイズ』であろうか? という事は俺は『ガンダールヴ』のルーンが刻まれるのだろうか?

そうなれば問題が出てくる、勿論古龍ゆえに武器が持てずルーンの効果が丸々無駄になる恐れがある

そうなるといろいろと原作が大きく狂いそうだな、それに俺はサイトとルイズの掛け合いというか、お互い素直になれない関係は結構好きなのでなるべく壊したくはない

 

次の有力候補は風竜つながりで『タバサ』であろうか?

それでも問題が沢山出てくる

まず俺は風韻竜のように魔法が使えないし人にも変化出来ないためいろいろと原作に狂いが出てきそうだ

それに俺はタバサとシルフィードのデコボココンビは結構好きなので壊したくない

 

さっきから同じ事ばかり言っている自分に少し嫌気がさしてくるな

 

しかし向こうの世界に行けば否応なしに戦乱に巻き込まれるのは確実である。最大金冠サイズでG級スペックがあれば怖いものなど無かったがしれないが、今だこの体は幼く下位クエスペックであり、とても戦乱の地で活躍は見込めない

そう思うと恐怖心が身体を支配していき異世界行きを躊躇させる

しかし同時にこんなチャンスは滅多に、いや、この先何年、何十年生きようが二度とないだろうという気持ちが捨てきれない

そう思うと目の前の召喚門から中々離れる事が出来ず鏡の前でウロウロしてしまう

 

と、しばらくウロウロしていると俺の前に一羽の鳩っぽい鳥が舞い降り地面を突きながら餌を探し始めた

 

全く、アホ鳥は気楽でいいな、俺なんて一生の問題について真剣に悩んでいるというのに……って、そっちに行くなぁぁぁ!!

 

あろう事かアホ鳥が召喚門に向けて進み始めたので俺は咄嗟に身体の周りに龍風圧を発生させアホ鳥を吹き飛ばす

おめーみたいなありきたりな奴はお呼びじゃないんだよ

 

俺は豪快に吹き飛んでいくアホ鳥を見ながら無意識に一歩を踏み出す

 

今に思えば本当に間抜けだったと思う、そのたった一歩で召喚門に身体が触れてしまい凄まじい力で吸い込まれてしまった

その瞬間この世界から俺という『鋼龍クシャルダオラ』の存在は消えてしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ああ来てしまった。周りの景色は今までいた孤島とはうって変わりそよ風が気持ちいい草原になっており、周りには色とりどりの髪色の制服を着た人間が多数おり、皆一様に俺の姿を見ていた

 

ああ。さようなら自由と弱肉強食の世界。こんにちはゼロ魔の世界と主人公様……ってダレこの子!

 

髪はピンクでも青でもないセミロングのストレートの金髪で両目が見えないほど前髪が長く目の色は分からない、身長は高くも低くもなく標準であり、スカートを履いていることから女の子という事がわかる

 

ちょっと待て、こういう転生モノは主要人物の誰かに召喚されてドタバタに巻き込まれるもんだろう! 誰だよこのモブ子

 

予想外の事が起こり俺の中に自分勝手な焦りが生まれ自分を召喚した女の子を無視して周りをキョロキョロと見回してみたところ希望の光を発見する

 

禿げた中年教諭の頭の光に心を落ち着かせた俺は改めて冷静に周りを見回すとゼロ魔の主要人物の皆さまを発見する事に成功する

 

 

見た所主人公御一行様は使い魔の召喚を終えているらしくデカい風竜や火トカゲの姿が視界に入る

もちろん主人公はまだ召喚していないけどね

 

しかし、ここまで役者が揃っているとどうしても原作介入したい気持ちが沸きあがってくる

 

「あ、貴方がわ、私の使い魔ですか?」

 

問題はどうやって介入していくかだ、一番手っ取り早い方法はルイズに虐げられているサイトに助け舟を出して『お前良い奴だな』という感じに仲良くなって一緒に事件に巻き込まれては友情を深めたりしていけばこの世界を楽しめるかもしれない

 

「つ、使い魔ですか!!」

 

ちっ、良い感じに妄想が滾ってきたのに邪魔すんなよモブ子。一人前のご主人気取りしやがって

まぁ、こんな名も無いモブ子でも俺をゼロ魔の世界に呼んでくれた存在だ、最低限の礼儀は尽くしてやらんとな

 

そう思った俺はわざわざ『コントラクト・サーヴァント』をしやすい位置に顔を持って行ってやった

 

「ひっ!」

 

そしたら今まで自分の事を無視していた龍が急に目の前に顔をもってきた事にモブ子は驚き一歩後退した

ホント使えん奴だな、さっさと儀式を終わらせろよ、それが終わったら後は俺の好きにさせてもらうぞ、てめーのような原作にも登場しないモブ子なんかそれしか価値が無いんだからな

 

そういえば使い魔のルーンを刻まれると召喚者に対して好意を抱くようになる効果もあったよな、もっともそんなルーン如きに屈するほど古龍の精神はヤワじゃないがな

 

そうこうしている間にモブ子の準備が終わったらしくこちらに杖を向け呪文を詠唱し始めたようだ

 

「我が名はサフィーナ・イファナ・ベラ・ラ・ミ・サイファー。五つの力を司るペンタゴン。この者に祝福を与え、我の使い魔となせ」

 

フン、俺は使い魔のルーンなんかには絶対に屈しないぞ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サフィーナちゃんマジ天使。やべえ、この子マジ可愛い、平均的な身長も大きくも小さくもない胸もマジ愛らしい

 

「あの、使い魔になってくれて、その……ありがとう」

 

くふぅ~!! 前髪で目は見えないけれど伏せ見がちでモジモジする姿も可愛えええ! 何この生き物可愛すぎるんだけど、マジでこのご主人様当たりだわ、ヒステリック桃髪でも過去が重過ぎる青髪でもなくてホント良かったわ

 

「それでね、私こんな性格だからあんまりお友達とかいなくて……だから、と、友達になってくれたらうれしいな」

 

テレながら両手でもじもじしながらお願いされては紳士として断ることは出来ないな。俺とサフィーナちゃんは心の友と書いて心友だな、ズッ友だよ

 

そうだ、ちょうど今日から俺は原作に介入する予定だしご主人様も一緒に事件に巻き込まれよう、そうすれば主人公メンバーの皆とも友達になれるし、俺も退屈しないで良いしウインウインの関係だね

 

そんな感じでご主人様と触れ合っていたらとうとう主人公『ルイズ』の番が来たようだ、その様子を固唾を飲んで皆が見入っていたが、案の定一回目は派手な爆発が起こっただけで何も起こらず周りから笑い声や悪口が聞こえてくる

 

「ミス・ヴァリエールだって一生懸命にやってるんだから、あんな言い方しなくてもいいのに……」

 

何度目かの失敗の時ご主人様はそうつぶやく様に言っておられた、ホントマジ優しいわこの子。うん、これなら主役の皆には嫌われないだろう。ほんとサフィーナちゃんの株が俺の中でストップ高だよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何度目かの爆発の末についに主人公のがご降臨された!! ようこそサイト君異世界に(笑)

 

「なにあの子。平民なのかなぁ?」

 

いえいえ虚無メイジの神の盾『ガンダールヴ』でございますよ。サフィーナちゃんもこれからガッツリ絡むんだから挨拶の言葉でも考えてたほうがいいよ

 

ルイズとサイトからはかなり離れた位置に居るのに大声で言い合っているのが聞こえてくる

ついに物語が動きだすのを感じ笑い声が思わず漏れてしまう

 

「どうしたのそんな唸り声を出して。あの二人が気になるの?」

 

どうやら人間には古龍の笑い声はみな唸り声に聞こえるようだ。しかし、安心しておくれサフィーナちゃん、俺は今猛烈に気分が良いのだ

 

その後は原作通りに『コントラクト・サーヴァント』を交わしサイト君がルーンを刻む痛みに耐え中年教師が珍しいルーンだとスケッチし解散の流れとなりこの場に居た生徒は魔法で空を飛び学園に戻って行った。もちろんルイズ達は歩いて帰るようだ

 

この瞬間を待っていた。なぜなら今なら余計な邪魔もなくスムーズにルイズ達に顔を売ることが出来るはずだ、なので俺とサフィーナちゃんの顔を是非とも覚えてもらい今後のお話に参加させてもらおうではないか

 

「じゃぁ、私達も帰ろうね。そうだ、帰ったら貴方に似合うステキな名前を考えてあげなくちゃね」

 

わーいやったー新しいお名前だ~(*´▽`*) ……って、ええええええΣ(・□・;)!! サフィーナちゃん何で二人を無視して帰ろうとスンの!? ここからが良いとこなのよ。……て、分かるはずないか、仕方がない強硬手段を取らせていただきます

 

すでに『フライ』の魔法で数m浮かびあがっていたサフィーナのマントに噛みつき無理やり空中から引きずり下ろした

 

「きゃぁぁぁ!! 何なの!? ねぇ何するの!?」

 

慌てふためくサフィーナちゃんの事を無視してマントを噛んだまま親猫が子猫の首裏を噛んで持ち運ぶがごとくご主人様を銜えたまま『ゼロ魔』の主人公ルイズとサイトの下に全力で駆け出していった

 

「いやぁぁっぁ!! 離してぇぇぇぇ!!」

 

か~いにゅ~♪ か~いにゅ~♬ 原~作介~入♪

 

ふふふ、怖がらなくてもいいんだよ、おじちゃんはサフィーナちゃんの為に友達作りに協力してあげてるだけだよ、それにはまず、積極的に相手に関わらなくちゃいけないんだよ

大丈夫、俺の手に掛かれば巨大ゴーレムと戦ったり、戦場にラブレターを一緒に回収しに行けるほどの深い仲にしてあげるから

 

全力で走っていると目的の人物である二人が面白い様に慌て始めたがそんなの関係ないとばかしに二人のもとに到着した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

原作第一巻の挿絵にルイズとサイトの目の前に錆びた龍にマントを咥えられ宙づり状態の少女の絵が人知れず追加される

この少女が真っ赤になった顔を両手で隠しながら自己紹介をしているシーンはなかなかシュールだが良いシーンであると一部で好評であった

 

 

 

物語には『まだ』あまり変化はみられない……

 

 




タグにもあるように時間がある時にまた続きを更新したいと思います

・・・需要があったらの話だけれどね

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。