オウガテイルになったんだが 作:腹ペコ
「オウガテイルの群れ、ねぇ....」
「そうだ、贖罪の街で50近くの数が確認された」
「ここまで大規模な群れを作るのは珍しいですね」
「数がどうだろうと俺たちのやる事は変わらない....」
「報告によるとこのオウガテイルたちは廃ビルを巣として活動しているらしい。話に聞く知性あるオウガテイルの可能性が高い。充分注意した上で討伐に臨め」
○○○○○○○○○○○
ハックション!!
「どうしやした?」
「何言ってんだアンタ」
「新しい威嚇かい?」
いや何でもない.....何故か言わなきゃいけないと思ってな....
今のはクシャミではなくハックションと言っただけだ。いや、ホントになんで言ったか分からないんだが.....
そういえばオウガテイルになってからクシャミやら咳やらしなくなったな。風邪もひいてないし。今更ながらアラガミの方が人間より健康的なんじゃないか....?
班長会議を終え自分は早速新しい家を探すことにした。待機組を何匹か連れてあまり離れていない距離で探し始めた。
しかし...
「見つからないもんでやすね」
「今の場所も見つける時大変だったしな」
「テキトーに決めてもいいと思うんだがねぇ」
こらこらテキトーはダメだ、しっかりした所を見つけないと。
贖罪の街には様々な建物があり人間が隠れ住む分には困ることはない。人間だったらな!
オウガテイルたる自分たちは人間よりも体が大きい。つまり普通の建物には入れない訳だ。だからまず自分たちが入れるのが第一条件。
他にも色々条件はあるんだが取り敢えずは自分たちが入れる建物だ。
「あの時のボスは...プクク」
「当時は本気で心配したが思い出せば....クク」
「え、何かあったのかい?」
ええいやかましい!うるさいぞ!黙って探せやコラァ!
あの時はバカだったんだよ....今も大して変わらないがね!
・・・しかし、そうかあの時のことを知らない奴もいるのか。(いや説明する気はないぞ!?)
ということはもう古参とか新参とかに分けられるのか。いつの間にか増えてるから自分じゃ把握しきれないこともあるんだが....
何だか随分遠くに来たような気がするな...
「あっしら生まれてずっとここでやすが?」
「引っ越しはまだしてないぞ」
「ボスはここ生まれじゃないんで?」
いやそういうことじゃないぞ!?
あーいやまぁそうなんだが...確かにお前らの言う通りではあるんだが....
遠くって言うのは距離的な事じゃなくてだな、こう精神的というか地位みたいなやつというか....
「精神的?」
「地位ってリーダーはリーダーだろ?」
「たまにボス訳分からないことを言うよな」
訳分からん言うな!!
うぐぐ.....こいつらに心を理解させるのは難しそうだな.....