ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜 作:ソードダンサー
戦闘シーンもいつもによりも酷く、さらに、自分の身勝手な解釈も入ってます。見れたものではないですね笑
あと今回の話は難産しました。きつすぎて原作の文章をパクリまくってしまった…許してくださいお願いしますorz
夏音ちゃんの喋り方難しすぎる…!
ではどうぞ!
所々壊れかけ、焦げている協会の中で黒髪の少年と銀髪のどこか幻想的な雰囲気を持つ少女が居た。2人の周りには十数匹の仔猫が集まり、キャットフードを食べている。
「いやー、ほんとこいつらよく食うなー」
「皆んな、遊んでお腹が空いていたみたい。でした」
語尾が若干特殊な少女は、仔猫達に向ける目は優しく、シスターの様だ。
彼女は叶瀬夏音。2年前火乃香がアルディギア王室の護衛の任務から帰って来た時、不良に絡まれていた所を助けだした。当時は、王女であるラ・ファリアから王の隠し事がいるかもしれないと聞いてはいたものの、実際に出会い、戸惑ってしまった。
しかし、お互い話したり一緒に出掛けたりしているうちにに惹かれあい、現在は付き合っている。
「そう言えばまた猫を拾って来たみたいだね?」
「気づいたら付いて来ちゃってる、でした」
夏音は猫に好かれる体質なのか歩いているだけで猫がすり寄ってくる。本人も生粋の動物マニアなので、問題はないだろう。
仔猫がビニール袋を被って遊んでいる様子がどことなく、可愛らしく、そして面白い。
2人は小さく笑いながら、火乃香は昨夜の戦闘を忘れ、ずっと望んで来た『平穏な日常』を噛み締めていた。
「火乃香さん…また危険なことをしようとしてるんじゃないんですか?」
「突然どうした?」
「もう2年も一緒にいるんです。それに、この夏もずっと危険な仕事に出ていたみたいでした。昨日の爆発事件の現場にもいたんじゃないですか?」
「夏音には隠し事できなさそうだ。ちょっとテロリストまがいな奴が島に入って来て、それの対応に追われてるんだ…」
降参のポーズをとりながら軽く言ったがそれでも夏音の表情は優れない
「火乃香さん…絶対に帰って来て欲しい…でした」
「当たり前だ!俺は絶対に死なないし、君の元に帰って来るから安心しろ」
「本当ですか…?」
「勿論」
火乃香は優しく微笑むと、夏音は頬をほんのり赤くして、微笑み返してきた。その表情は誰が見ても天使のようだと火乃香は思った。
「あと、夏休みは仕事で一緒に居られなかったけど、これからお昼食べに行かない?」
「!行きたい、でした!」
2人は互いに小さく笑いながら一通り戯れ協会跡地を後に、テティスモールへと向かったのだった。
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通常夏休み明けと言うのはどこの学校もダラダラとした雰囲気に包まれた学生や夏休み中の思い出話に花を咲かせる学生達がいるだろう。そしてここ彩海学園も例に漏れずそういった生徒達が多くいた。しかし1年B組の男子だけは違った。パーカーを着た少年暁古城と制服をきっちり着こなした南宮火乃香の周りに男子生徒どもが暑苦しく纏わりついていたのだ。
「中等部に転校生が来るんだってな!暁の妹さんと同じクラスだって聞いたぜ!なぁ紹介してくれよ!」
「おい火乃香!中等部の聖女とはどうなってるんだよ!?夏休みお前ら2人の目撃情報がなかったからついに爆発したか!?」
「な訳あるか!夏休みは仕事で
すると火乃香に纏わりついていた男子たちの近くによりそって来る影が一つある。学級委員長の築島倫だ
「そうよー火乃香と聖女ちゃんの絆は火乃香がいつも持ち歩いている斬れ味の良さそうな刀ですら斬ることはできないんだか。」
ニヤニヤ笑いながら火乃香をからかう倫。火乃香はいつも弄ってくる築島倫が少し苦手だ。
女子からは羨望の眼差し男子からは嫉妬の眼差しホント辛いねぇ。
火乃香は中性的な顔立ちで、基本学校では肩より若干長い髪を後ろで纏めている。格好によっては女子にもなりうるのだ。
クラス中から弄られている最中、教室のドアが開いた。担任の南宮先生だ…。
「暁古城はいるか?」
「はい、なんすか?」
「昼休み生徒指導室に来い。中等部の転校生と一緒にな。それと火乃香は別件で話がある。悪いが何処かのバカと一緒に来てくれ。」
那月は古城に意地悪い笑みを浮かべながら伝え、火乃香には複雑な表情で伝え、風のよう颯爽と消えていった。
「おいおいおい、暁ぃ!転校生に手を出したのか?!」
クラスの厄介ごと全てを引き受けてくれる古城は、クラスのサイクロン掃除機とでも言うべきかもしれない
浅葱がゴミ箱の近くに寄り、何やら紙の束を破いている。
古城が悲鳴をあげている。おそらく見せてもらう予定だった課題を破いたのだろう…古城御愁傷様。
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場所は変わり生徒指導室。
古城は姫柊を呼びにいくため、少し遅れて来るそうだ。故に部屋には那月と火乃香の2人だけである。
「火乃香が言っていた通り、昨日キーストーゲートに襲撃が来なかった。恐らく今日襲撃される恐れがある。HRは出なくていいから授業が終わったら直ぐに向かってくれ。あれはいつも携帯してるんだろ?」
「勿論。キーストーンゲートまで転移してくれる?」
「仕方ない特別だ」
「ありがとう南宮先生」
するとドアが3回叩かれた。古城が来たらしい。
「那月ちゃん、話ってn−ガハッ!…いってぇいきなり何しやがる!」
「教師をちゃん付けで呼ぶな!いつもいっているだろ馬鹿者!それとお前が件の転校生か。何故呼ばれたかわかるか?」
「えっと…なんでですか?」
「一昨日、港の倉庫で爆発事件があったのは知っているな?」
古城と姫柊の顔がみるみるうちに青くなっていく。
そりゃぁそうだろう。何せ当事者だから。
「暁古城、眷獣を暴走させたらしいな。被害額は300億になるそうだ」
魔女のようなー実際魔女なのだがー笑みを浮かべながら古城を問いただす。が、那月はその事で弄る気は無いらしく、本題に入った。
「お前たちは奴らの事をどこまで知っている?」
「男はロタリンギアの殲教師ってのと女が眷獣付きのホムンクルスってことだけだ。」
「そうか…お前たちはこの件には首をもう突っ込むな。あとはこちらの仕事だ」
そう言い終わると姫柊は那月に食いかかった。
「それは出来ません!これは立派な国際魔導犯罪です!獅子王機関の管轄です!」
国の縄張り争いが高校の生徒指導室で繰り広げられた。
「私はあくまで教師としてお前たちに言っているんだ。生徒を危険な目に合わさないそれが教師の務めだ。だから首を突っ込むな。いいな?」
「はい…」
「ならもう行っていいぞ」
そう言われれば誰も反論ができなくなる。いくら獅子王機関の剣巫だからと言って、まだ彼女は15で義務教育を受けなければならないのだ。故に雪菜は彼女に論破され食い下がるしか無く、2人は那月に解放され、生徒指導室から出ようとした。
その時、那月は思い出したかのように爆弾を投下した。
「それともう一昨日のような夜遊びは控えるんだな。ホラお前の忘れ物だ」
「ネコマたん…」
雪菜がそう呟いた時ハッとした表情をし、那月を見るとニヤニヤと笑っていた。どうにも釈然としない表情で古城と雪菜は今度こそ生徒指導室を後にしたのだった。
「んじゃ姉さん、また後で」
そう言いながら5時限目が始まるのでさっさと教室へ戻った時、古城の机が空いていた。
「浅葱、古城知らないか?」
「なんかあいつ戻ってきたと思ったらいきなりロタリンギアの会社について調べて欲しいって頼まれたから調べてあげたら5時間目休むって言ってどっか言ったわよ」
「ほーん」
「なんか知ってるの?」
「いや別にっとチャイム鳴ったし、んじゃ」
自分の席に着き怠い授業をうけ、キーストーンゲートへ向かったのだった。
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火乃香がキーストーンゲートについた時、すでに2人組は侵入し
「クッソ…!もうちょっと耐えろよガーディアン…!」
悪態をつけつつ火乃香は殲教師のオイスタッハとホムンクルスのアスタルテを追った。
そしてついに見つけた。厚さ70センチの気密隔壁がぶち破られ、オイスタッタハが中央に歩み寄っていた。
「ロタ…ギアより簒…し不朽体…我らの手に取り戻す日を待ちわび「見つけたぜ…テロリストが…!」!?」
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火乃香が到着する前、暁古城と姫柊雪菜を倒したオイスタッタハとアスタルテはキーストーンゲートのエントランスから堂々と侵入し、警備用オートマタを破壊していた。
勿論、その情報はすぐにでアイランドガードの特殊部隊のガーディアンに情報が入っていた。
襲撃者2人を食い止めるべくアイランドガードは獅子奮闘したが、アスタルテの操る人工眷獣には敵わず、結局無残に敗れ、周りには血が飛び散っていた。
キーストーンゲート最下層にあるのは海の中。海面下200メートル地点。4機のギガフロートから伸びる連結用のワイヤーをチューンすることで、島全体の振動を制御、無害化している。
だが現在、この最下層を隔てている厚さ70センチの気密隔壁が悲鳴のようなきしみ音をあげて、こじ開けられていく。こんな芸当をやってのけたのは、虹色に輝く人型の眷獣だった。
「
もともと抑揚の乏しかった声は、今はすでに感情を失っている。
しかしオイスタッタハはアスタルテに一瞥もくれず、最下層へと歩み出る。
「お…おお…」オイスタッタハの口から悲嘆と歓喜の声が同時に洩れた。
「ロタリンギアの聖堂より簒奪晒し不朽体…我らさんとの手に取り戻す日を待ちわび「見つけたぜ…テロリストが…!」!?」
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遂に火乃香とオイスタッタハが対立した。火乃香は気配も無くオイスタッタの背後に無 忍び寄り声をかけた。
驚いたように後ろを振り向くオイスタッタハを尻目に、火乃香は口を開く。
「貴様が求めていたのはその死骸か…。
憐れだな…。過去の偉人に囚われ、教徒の為自分のためと本心を押し殺し、剰え、あたかも自分が望んでいた様に自己暗示をかけ、己を犠牲にしようとする。だから僕は君に聞いてみよう。本当にそれは望んだ事なのか?僕はね人は自らの意思に基づいて行動した時価値を持つと思っている。だがねさっきも言ったが僕の目からは君のその行動自体何らかの自『義務』という自己暗示からくる一種の脅迫概念の様に見える」
「何を訳のわからない事を言っている!これは紛れもなく!我ら信徒の総意であり私自身の願いでもある!」
「信徒の総意とか言っている時点で君の意思からくる行動ではないよ。
ファシズムって知っているかい?集団心理を利用し、指導者が現状の問題点や不満要素を大きく取り上げ民衆に対し熱く語りきかせる。
するとやがてその指導者と同じ思考を持つ一部の民衆が、その指導者が正しいと言うふうに主張し始め、そんな考えを元から持っていなかった筈の人間が、あたかも最初から自分もその意見を持っていた、と錯覚する。
そして民衆が指導者の言っていることが正しいという論調ができたら、それらの課題を達成しようと指導者が民衆に語りかけ熱狂に包み、やがて民衆は指導者の雄弁な主張と自己暗示に負けてしまう。
そこまでならまだ救いようはあるにはある。だがね、中には熱狂に必要以上に当てられ狂った様に指導者を支持し、指導者を神格化してしまい一種の宗教団体になってしまうことがある。
我らの崇拝すべき指導者の為に我々が実践しよう!と言い出す愚か者がいる。まさに君の様な人間さ。
君がどれだけ偉いのかはわからないが…指導者の立ち位置に立っていない事は確かだ。つまり君は踊らされていた憐れな羊さ」
「う、うるさい…!貴方に何がわかるか!偉大なるロタリンギアの聖人の遺体が地に埋められるならまだしも、踏みにじられているのだ!」
「残念だ…自覚が無ければ反省のしようもない。君にはこれ以上の成長は期待できないみたいだ。主人公が来るまで、僕が相手をしようじゃないか」
そう言いながら、火乃香はおもむろに刀に手を伸ばした。刀身は白く輝き、どこか冷たさもある。一方のオイスタッタハも戦斧をとり、火乃香に斬りかかりに行った。火乃香は感覚を極限まで鋭く尖らせ、時間感覚を限界にまで引き伸ばす。そうすることによって、周りの動きが、何十分の1のスピードにまで緩められ、全てがスローに見える。
例えば、ハエや蚊の羽根の羽ばたく様子がはっきりと見えたり、時速160キロの球が時速50キロくらいの速度に見えたり、極限まで引き伸ばせば、銃弾が目標に到達するまでの光景を見たり…。故に、オイスタッハの太刀筋など見切るのは火乃香にとっては容易い。
横に斧が薙ぎ払われる戦斧をしゃがみで回避し、腕を切り落とそうとオイスタッハの目の前に飛び出す。しかしオイスタッハも馬鹿ではない。飛び出して来る火乃香に右足の膝蹴りをかまそうとする。しかし火乃香は左に回避し、同時にオイスタッハの右肩を掴み全力で左にに押しのける。全体重が左側に傾いていたのでオイスタッハはあっさりと倒されてしまう。
「雑魚だな…」
「くっ…アスタルテ!要石を取って逃げるぞ!」
今まで棒立ちだったアスタルテに命令を出す。
「
「なに…?」
「悪いな。さっきの命令はキャンセルしてもらうぜオッサン。」
第四真祖暁古城が気怠げな表情で笑っていた。
「おせーよ。第四真祖」
「悪いな主役は遅れて登場するもんだろ?」
「お前の場合は姫柊さんとイチャコラして遅れたんだろ?」
「んぐ!」
言葉に詰まる古城は話題を変えようとオイスタッハたちを見る。
「聖遺物って言うんだったなやっぱりこいつがあんたの狙いだったわけか」
「この島の設計者である絃神千羅はよくやりました。東西南北よつに分割したギガフロートを風水で言うところの四神に見立て、それらを有機的に結合する事で龍脈を制御しようとした。」
オイスタッハが語る。ものすごく語る段々鬱陶しくなってきた火乃香はオイスタッハの言葉に続く様に言葉を紡ぐ。
「それでも四神の長たる黄龍つまり要諦となるキーストーンが必要だった。しかし当時の技術じゃその要石は作り出せないだからロタリンギアの聖遺物に手を出した…だろ?」
「供犠建材…」
弱々しくうめいたのは雪菜だった。
「我らの聖堂より簒奪した尊き偉人の遺体を魔族どもが跳梁する島の土台として踏みにじる所業決して許せるものではありません!故に実力を持って我らの聖遺物を奪還するのです!」
「ふーん。だったら五十六万人が犠牲になってもいいと。それは横暴だ。だけど理にかなっているのも確かだ」
「南宮先輩!?」
雪菜は驚き火乃香を見やる。
「だってそうだろ?自分達の信仰を踏みにじられたんだから…ならそれ相応の罪を受けなければならない。だけどねオイスタッハ…さっきも言ったがこれは君の本当の意思のように感じられないんだよ。己の意思だと言うのなら力づくで奪って見るといいさ。この世に正解なんてものはなに1つない。あるのは妥協だけなんだから。力は明確だりだから力で決着をつけよう。古城も掌握した眷獣使ってみたいだろ?」
薄ら笑いを浮かべながら火乃香は古城に尋ねる。
「力を積極的に使いたいかと言えばそうではないんだが…
だがなオッサン!あんたは俺はあんたに胴体をぶった斬られた借りがあるんだぜ。あんたの目的の前にこっちの決着をつけようか」
「ふん!ならばいいだろう!アスタルテ!」
「
「さぁ始めようか、オッサン____ここから先は
「いいえ、先輩。わたしたちの戦争、です!」
「
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「古城!お前はオイスタッタハを頼む!俺と姫柊さんでアスタルテをやる!姫柊さんは
指示を受けた古城と雪菜はそれぞれの目標に向かい走り出した。
雪霞狼に刻印されたDOEによりアスタルテの眷獣の動きが鈍る。
その隙に、火乃香は気配を極限まで消し去り、背後に回る。そして自らの刀に手を伸ばす。
「破魔・龍王刃!」
刀に神力を流し込みながら空間を斬るように、刀を抜く。すると眷獣であるゴーレムが消え去り、アスタルテが横たわる。
「んじゃ俺は見学に回るわ」
そう言いながらアスタルテの横に腰を下ろした火乃香は古城とオイスタッハの決着を見ていた。
古城はオイスタッタハに対し魔力で作り出した雷球を鋭いパスの感覚でオイスタッタハへと投げつけていく。
しかしオイスタッタハも切り札はあったようだ。
法衣の隙間から吹き出した凄まじい呪力に古城の顔から血の気が引いた。「汚ねぇぞオッサン!そんな切り札隠し持ってたのかよ!ならこっちも切り札を出させてもらおうか!
勝負は決したな。そう思いながら火乃香は未だ戦っている古城を尻目に立ち去るようにキーストーンゲートから出て行った。
次回で聖者の右腕篇を完結させます!
そして前々からしつこく言ってますがキャラ設定などを書き終わったあと、一旦、日常会を挟んで戦王の使者篇にいきたいと思います。