ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜   作:ソードダンサー

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遅れてすみません!
色々ありまして遅れました!
長く時間を開けたせいでひどいことになってますがご勘弁を…


日常2

放課後、火乃香と夏音はラ・フォリアが泊まっている部屋の前にいた。

呼び鈴を鳴らし、目的の人物を呼び出す。

中からはーいと腑抜けた声を出しながら鍵を開ける音が同時に聞こえた。

「お久しぶりですノンナさん」

「あら〜ほんと、久しぶりじゃない火乃香くん?」

中から出てきたのは金色の髪が所々跳ねている女性が出てきた。

「夏音、彼女がラ・フォリアの専属コーディネーターのノンナさんだ」

「は、はじめましてでした。今日はよろしくお願いします!」

少し緊張した様子で頭を下げる夏音を見ながらノンナはニヤつきながら夏音に抱きついた。

「はじめまして〜夏音ちゃん!夏音ちゃんすごく可愛い!ねぇ、火乃香くん?このまま持ち帰っていいかしら?!」

「ふぇ?!」

「それは困ります。それより、今回は無理を言って申し訳ない」

「んと…そうね、興奮しすぎちゃったみたい。それと謝らなくてもいいわよ!今日はよろしくね、夏音ちゃん!」

2人は無駄に豪華な部屋に足を踏み入れた。

「ノンナさん、そういえばリアの姿が見えませんが…?」

「シャワー、浴びてるわよ?」

「そうですか」

昨日、稲垣大佐から夏音とラ・フォリアと一緒にパーティーに参加するように言われたため、夏音のドレスが必要となったのだ。

そこで火乃香は数週間前から絃神島に訪れているラ・フォリアに夏音のドレスについて打診したところ、近々、アルディギア王室御用達の服屋が絃神島に進出しようとしているらしく、その関係でノンナがこちらにいたため、彼女に夏音のドレスを仕立てて貰うことになった。

「生地のカタログはこれで、色のカタログはこれ…夏音ちゃんどれがいい?」

夏音と火乃香の目の前には生地のサンプルが広げられていた。

滑らかな肌触りのものがほとんどだがそれぞれ若干の違いがある。

色も白や赤、黒、金といったものや、薄めの色など非常に多くのサンプルがある。

「随分と多いんだな…」

「種類が多いと何選んでいいかわからなくなっちゃいます」

「でしたらこれがいいのではないですか?」

「お姉様、こんにちわでした」

「えぇ、こんにちわ夏音」

サンプルの多さに火乃香は驚き、夏音は迷っていると背中からラ・フォリアの声が聞こえてきた。

「リア…背中から抱きついてくるのはいいけどきちんと服を着るんだはしたないぞ」

「あら、いいではありませんか?」

「風邪を引いたらどうする?」

「仕方ありませんわね」

火乃香は背中から急に熱が消えていくのを感じた。

ラ・フォリアはスタスタと寝室に引っ込み布が擦れる音がそこから聞こえてきた。それと同時に火乃香の裾をくいくいと引っ張られた。

「火乃香さん、ノンナさん、決まりました」

白を基調とし、肌触りの良い生地を選んだらしい。デザインは派手なフリルがあしらわれていないシンプルなパーティードレスだ。

「かしこまりました…では、採寸するので…あちらに行きましょうか!」

手をわしゃわしゃさせながら夏音の肩を掴み、一室に閉じこもった。

部屋の中からちょっとした喘ぎ声が聞こえてくるが、火乃香はきっと気のせいだと思い込むことにした。

「リア、大佐からの打診だ。これに目を通してくれ」

「これは…わかりましたわ。後で必ず本国に転送して直接お父様から返事をすると伝えておいてください」

「わかった…ところで…クレジットって使えたっけ?」

「使えるはずです」

現金を持ち歩かない火乃香は基本的にカード決済だった。なぜかカードで決済しようとすると店員は皆そろって顔をひきつらせるが火乃香はそう言ったことに興味がないためよくわからないでいた。

現に火乃香が使っているカードは那月が契約を代行したためすべて任せっきりにしている。那月本人は自分と同じところだと言っていたが…。

「お待たせしました〜」

「火乃香さん…お待たせしました…」

妙にツヤツヤしたノンナと心なしか疲れが滲み出ている夏音が部屋から出てきてそれぞれ元の位置に座った。

「では、決済に入らせてもらいますね〜現金で一括にします?」

「いやカードで頼む」

「わかりました少々お待ちください…読み取る機械を出すので…」

カバンからカードを読み取る専用の機械を取り出したノンナが火乃香からクレジットカードを受け取りカードをスキャンさせた。

「一括にしますね…こちらにサインをお願いします。それから領収書です」

南宮火乃香とサインをして、領収書をすぐに回収する。給料は恐ろしいほどもらっているし全く使っていないためスイスの銀行に溜まるだけ溜まっていたために、値段は大した気にもとめず、ましてや元々はこちらの要件につき合わせる為とここ二週間のせめてものお詫びとしてプレゼントするためだ。これぐらいどうと言うことはない。

火乃香はゆっくりとソファから立ち上がる。

「さて、要件は終わったしいい時間になったからレストランに俺たちは行かせてもらうよ。リア、夏音行くよ」

「はい!」

「楽しみですね火乃香!」

ゆっくりと日常が動きだした


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