ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜   作:ソードダンサー

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孤島の武装蜂起篇2

火乃香が拐われたからクラスは朝の喧騒さを失っていた。

誰1人として口を開かず動くことすらしない。廊下や他クラスの笑い声が静寂に包まれた教室内にまで響く。それがどうにも煩わしいと感じながらもやはり動くことはできない。

HRの開始を知らせる予鈴が鳴るが、座席にに座ることもしない。

那月がそんな教室にいつものように入ってきた。

「お前らHRを始めるから席につけ」

クラスは一斉に那月を睨む。

「なんで早くに気づかなかったんだ?那月ちゃんならいくらでも気づけたはずd「暁古城それ以上口にするな。この教室で何があったかはわかっている」…なら!」

「それができなかったんだ。上からの命令でな…今はこれで許してほしい」

あの天上天下唯我独尊を貫く南宮那月が生徒の前で頭を下げた。それが意味することは誰にでもわかった。いつまで続くかわからない重苦し日々が幕を開ける。

 

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機内の中で火乃香は目覚めた。手錠や猿轡といった拘束器具がつけられていない事を確認していると、部屋に襲撃犯の1人が入ってきた。

「申し訳ありません少佐。あのような拉致まがいな事をしてしまったのには訳があります」

「言い訳は聞かない…事情は大佐に聞く繋がってるんだろ?」

襲撃犯…もとい第2特務隊通称サピロス隊所属の男を睨みつけるが男ははモニターを火乃香の前にセットし電源を入れる。

すると画面の向こうには今回の襲撃を手引した黒幕がコーヒー片手に待っていた。

「どういう事なんだ大佐?」

「まぁそんなカッカするな。いきなり拉致られて憤ってるのはわからないでもない。がまずは私の話を聞け」

「俺は夏音に手を出した事を!」

「だから話を聞くんだ!いいか?約2時間前とある島で演習が行われていたところを潜り込んでいたJAMの奴らが島を乗っ取った。そして奴らは国連軍が保管するとある武装システムを要求してきた。人質はアメリカ合衆国国防省付属機関先進研究局局長ドナルド・アンダーソンとアームズテック社社長ケネス・ベイカー社長だ」

「まて、国防省長官はわかるだけどなぜアームズテック社の社長だ?奴らはアームズテック社を隠れ蓑に使っているはずだそんな組織のお偉いさんを人質にって意味がない気がするが…」

「アームズテック社は米軍や第三世界向けに兵器を提供しているからな、何も知らないホワイトハウスは表の顔を見て今慌てはためている」

「ホワイトハウスの地下がお祭り騒ぎなのはわかった。肝心なタイムリミットは?」

「あと22時間だ。もし要求が飲まれなければ核を発射するといってきた」

「核だと?」

「あぁ。情報によれば移動式のミサイル発射台らしい。そして、厄介なことにステレス弾頭だという話だ」

「ステルス?」

「今までのミサイルでは燃料の噴射によってどうしてもレーダーに探知されるが、レールガンによって打ち出すことでその問題をクリアしたらしい。島に囚われた開発者のタレコミだがな。

よって火乃香、君の任務は2点だ

アメリカ合衆国国防省付属機関先進研究局局長ドナルド・アンダーソンとアームズテック社社長ケネス・ベイカー社長の救出と開発者のハル・エメリッヒ博士の協力のもとで、JAMのミサイル発射能力有無の確認ともしミサイル発射が可能だと判断できた場合はそのミサイル発射システムの破壊だ」

「作戦はわかった。潜入経路は?」

「現地は今、台風が直撃しているからHALO降下は不可能だ。よって、太平洋を横断中の第7艦隊と合流し、ディスカバリーに積み込んだ単独潜水輸送艦ノーチラスで島から約20マイル手前まで接近し、輸送艦は放棄、後は泳いでくれ。

武器装備の支給はない唯一支給されるとすれば双眼鏡くらいだろう。後は現地調達だ」

「単独潜入か…まるで昔やったゲームのパロディだな…つか状況や名前がほぼそのまんまなきがする」

「そういうな火乃香。作者はそのゲームのシリーズがお気に入りなんだ許してやれ」

「大佐あんたちょっとメタいよ?!ただでさえくそつまらんこのSSが更につまらなくなっちまうだろ!」

「お前もなかなかひどい言いようじゃないか、それだけ軽口叩けるんだったら余裕だな?」

「もち」

潜水艦ディスカバリーに乗船した火乃香は作戦のメディカルサポーターのナオミ・ハンターに注射をしてもらった。1をプレイしてくれた人にはわかるとおまうが注射の内容は彼が打たれた注射とほぼ同じものを含んだ注射だ。唯一違うところといえばFOXDIEが入っていないところだろう。

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狭い空間の中で息を押し殺しながらハッチが解放されるのを今か今かと待ち構える。

暗視機能のついたカメラからの映像をディスプレイが映し出していく。ディスプレイからは外の景色が見ることができ、所々にサンゴや魚が泳いでいるのを確認することができる。ディスカバリーから射出されてから約1時間が経とうとしている。もうそろそろかと思った時ノーチラスが揺れ、ハッチが解放された。ここからは泳いで地下のドッグへ潜入しなければならない。

泳ぎ続けること1時間で地下の搬入ドッグについた。

様子を見る限りコンテナが一定の間隔で積まれていてその奥に地上へ行くための昇降エレベーターが見える。

火乃香は迷わずそのエレベーターへ乗り込み地上へ出る。

どんな作戦でも報告連絡相談は必須事項であるため一応本部と通信を取ることにした。

「こちらアルマース1潜入に成功した。これより任務を開始する」

『こちら本部了解。タイムリミットまで18時間をちょうど切った。それと先ほどハワイ州ヒッカム空軍基地から陽動作戦(フェイントオペレーション)のためF18二機が出撃した。地上の様子はどうだ?』

「まってくれ…ハインド!?ロシアの戦闘ヘリ(ガンシップ)が駐機している。敵はほとんどロシア製だAK47やパイナップルを装備している…それと…っ!」

『どうした』

「霞…いやコードネーム蒼き殺戮者(ブルーブレイカー)がいたハインドを出すみたいだ会話はあまり聞こえない」

ほのかの目先にいたブルーブレイカーもとい天童霞はハインドDに搭乗し、出撃した。火乃香の頭上をわざわざ通過して行くところを見ると既にこちらの参入に気がついているのだろう。よくは見えなかったが口角が若干上がっていた気がする。

『でもこんな嵐の中ハインドを飛ばすなんてバカよね』

「誰だ?」

『初めましてアルマース1私はメイ・リンよあなたのレーダーや通信システムをサポートしているわ。あなたが使ってるそのレーダーも私が開発したの。ソリトンレーダーって言うのよ』

そこからソリトンレーダーについてある程度レクチャーを受けたあと唐突にメイリンが話題を晒した

『でも驚いたわ』

「なにが?」

『だって世界のCFFが誇る最強の切り札がこんなに可愛らしい男の子だったと言うことよ!私より若いじゃない!』

「よせ…これでも結構気にしてるんだ。それに君だって十分若い。そんな君がソリトンレーダーなどと最新技術の開発者だなんて考えられない」

『あら、最強の切り札に口説かれた?』

「口説いたつもりもなければ口説こうと言う下心もない」

『えー!まさかそっち系?』

随分と失礼なことを言う人だと火乃香は思った。

『メイ・リン…彼をからかうのはやめたほうがいい。アルディギアの王女様と彼の後輩に睨まれるぞ』

「そう言うことだ生憎俺の左右の席は埋まってる」

『は、ハーレム系だったの…。意外だわ』

「まぁなんにせよお互いの職業に偏見を持っていたみたいだな」

『そうね、これから18時間よろしくね』

何かブツクサ言っていたがこれ以上話し続けると収拾がつかなくなるので話を強引に切り上げ通信を切って任務に集中することにした。

 

 

タイムリミットまで残り17時間50分

 

 




ぶっちゃけ一万文字くらい書いてから投稿しようかと考えていたんですが、長文は趣味に合わないのでやめました。

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