ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜 作:ソードダンサー
青き迷宮の魔女とか観測者達の宴の話ははやりましぇーん!だって那月ちゃんとか阿夜とかLCOとか闇聖書とか過去の問題がないんだもん!てかそういう原作設定は引っ張ってきてないからね!仕方ないね!
孤島の武装蜂起篇
「あっはははははは!ほらほら遅いぞ!追いついてみなよ!」
白い肌をした子供が高笑いをしながら闇夜の中を走り抜けた。
戦場にいた全ての人間の目にはその子供は白い悪魔のように映った。子供が通った道にいた兵士は殺され兵器は真っ二つに叩き切られていた。黒と白の刀を持ちその刃には赤い一本の細い線伝っている。赤い線を刃が取り込むほど刀の切れ味は増していく。
1人また1人と正規軍、魔族、反乱軍関係なしに上半身と下半身が切り捨てられていく。
まさにこの世の地獄だ。野外だというのにあたりからはナパームの独特の匂いと血の匂いが充満している。
奇跡的に生還した1人の軍人はのちにこう語った。
「やつは悪魔だ」と。
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「……っ!」
勢いよく上半身を起こし辺りを見回す。豪華な装飾が施された部屋をゆっくりと見回す。
「…?火乃香?大丈夫ですか?相当うなされていたようですが」
隣から鈴を鳴らすような声が聞こえ、ようやく火乃香は正気を取り戻しゆっくりとその声の主に顔を向けた。彼女より少し身長が高く髪の毛が長いこと以外は瓜二つの外観を持つ裸の少女がこれまた上半身裸の火乃香に抱きついた。
「リア…ごめん心配かけたね…」
ここはラ・フォリアが滞在しているホテルの部屋だ。病院で夏音と別れた後一緒にいたラ・フォリアからディナーに誘われた火乃香はそれを快諾したのが運の尽きで、食事をした後はラ・フォリアの泊まるホテルまで送って帰るつもりだっだが結局なんやかんやで一夜を共にしている。
「シャワー浴びてくるよ…ってもうこんな時間かよ!?」
ふと枕元にあったデジタル時計を見ると時刻は5:30を指していた。
「まだ早朝ではありませんか?どうしてこんなに早くに?」
「今日は多感な囮捜査に協力しなきゃいけないんだよ…7時学校集合だから早く行かなきゃ…」
火乃香は朝からドッタンバッタン大騒ぎしながら学校の準備をして登校するのであった
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朝のモノレールというのはなかなかに混んでいるもので特に登下校中の女子学生を狙った痴漢が多発する時間帯でもある。乗車率150%以上を記録しているモノレール内で古城と雪菜はギリギリまでくっついていた。
「先輩…当たってます…!」
「し、仕方ないだろ!満員なんだから!」
「ひゃ!いい今胸触りましたね!?この変態」
「不可抗力だ!」
小声で話しているので周りに聞こえていないのが幸いだ。
「ん?あれ…うちの生徒…だよな」
古城が意識しないようぐるっと辺りを見回すと痴漢の被害にあいそうになっている彩海学園高等部の制服を着た女子学生に痴漢を働こうとする不届き者を発見した。
「痴漢か…?」
「先輩あの子を助けてあげないと」
「そうだな…。すみません」
そう言いながら痴漢魔の手を握ろうとしたときブレーキがかかりモノレールが停車し人がホームへなだれ込んで行く中古城の手が誰かに掴まれ…
「現行犯で逮捕します!」
「え…?」
妹の担任であり那月の後輩の笹崎岬がそこにはいた。
「馬鹿者痴漢はこっちで捕まえた」
後ろを振り向けばゴスロリではなく彩海学園の制服を着た那月とその後ろには見慣れない女子学生が立っていた。
「最近痴漢が多くてな囮捜査の一環だ」
「へー後ろの子がさっき痴漢に会いそうになってたけど大丈夫だったのか?」
「せ、先輩…」
「ありがとう暁さん私は無事よ」
「お、そうか…那月ちゃんどうしたんだ?なんでみんな笑いこらえているんだ」
「暁古城お前鈍感にもほどがあるぞ…ハハハこいつは火乃香だ」
「ウェ!?うそだろ!?え!?発作は大丈夫なのか…?」
「騒ぐな古城鬱陶しい。別に任務だと割り切ればどうということはないぞ!それじゃ後処理があるからまた後で〜ほら行くよ姉さんとワンコ」
そう言いながら火乃香達3人は颯爽と消えていった。
「何だったんだ?」
「さ、さぁ…」
2人は茫然と立ち尽くしたのだった。
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女子の制服から着替えた火乃香は鬱陶しいほどうるさい朝のクラスに足を踏み入れた。
やはりというべきかほとんどの会話が今朝の痴漢の話題だった。
やれ古城が痴漢に間違われただの那月ちゃんがうちの制服姿でウロついてただの大抵ろくな話ではない。
「火乃香〜古城〜中等部の聖女ちゃんからご指名よ」
学級委員の月島倫が夏音が来ていることを知らせる。声がいささか大きかったせいか色々と注目を浴びる。火乃香は別に浴びはしなかったが例にもれず古城にはクラスの男子による死線が突き刺さる。
女子は女子で先ほどまで話題にしていた痴漢から修羅場か修羅場かと期待する目で2人を見続ける。
「夏音、凪沙ちゃんおはよう。夏音、無事退院できそうだって話だね」
「ヤッホーほのちゃんおはよー」
夏音と夏音の後ろからひょっこり顔おだした凪沙に挨拶を忘れずにする。
「叶瀬さん退院したのか?」
「はい、おかげさまで無事でした」
微笑む夏音を見て火乃香はひっそり心の中でデレていた…勿論表には出さない。
「そうか…あれ?退院したら今度どこに住むんだ?」
「そ、それは…」
「
「え!夏音ちゃんとほのちゃんが同居!?これはもしや…」
何か変なことを想像しているらしい凪沙は顔がゲスいことになっている
「こりゃ那月ちゃんが大変だな…毎日甘ったるい光景見せられて」
古城は明日からげんなりとした表情でHRにやってくるであろう那月ちゃんを想像して苦笑いをしていた。
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「こちらアルファ分隊配置についた」
「こちらヤンキー分隊了解配置についた」
「アルファ1より全機へこれより突入作戦を開始する。目標はアルマース隊所属天童火乃香周りの生徒には一切傷つけるな」
「「「roger」」」
「突撃」
「!?」
突然火乃香に謎の警告音が聞こえた。
「?火乃香?どうした?」
「全員窓から離れて耳を抑えて伏せろ!目を開けるな!」
「おいおいいきなり叫ぶなよ!戦争ボケか(笑)?」
クラスの人は誰1人として火乃香の忠告を無視し笑っている。平和ボケした人間にはわからないだろう。だがその数秒後に教室と廊下の窓が割れ、フラッシュバンが教室に投げられた。
火乃香は急いで目と耳を抑え、閃光と音響から身を守った。
そして爆発と同時に襲撃犯が窓を破り教室へ突入した。
教室内で銃を撃つこともできるが混乱状態の生徒や何よりも夏音や凪沙がいる手前、銃をむやみに打てば2人に被弾しないという保証もないことを悟った火乃香はすぐさまCQBへと移る。
教室に突入した2人をベクトルに逆らわずに投げ飛ばし、ようやく状況が掴めた時には既に遅く、夏音と凪沙の背中に銃が突きつけられていた。そして同時にエンブレムで襲撃犯の所属もわかった。
「貴様…どういうつもりだ」
「同行を願う」
「拒否させてもらう貴様らに指示を受ける筋合いはない大佐からの直接命令以外では動かない」
「総司令からの命令だ」
「なっ!聞いてないぞ!」
火乃香は驚嘆する。大佐ならばこのような無駄なことは決してさせない。それだけ緊急の作戦が立てられるのだろうがこれはあまりにも非効率的すぎる。もっと上手くやるはずだ。様々な思考を巡らすが、残念ながらほとんど手持ちの情報を持たない火乃香にとってはそれらの思考で得た結論はほとんど意味をなさない。
「火乃香さん…!」
「ほのちゃん…古城くん助けて…」
「2人ともそのまま動くなよ…!」
不安そうな2人の声に古城は落ち着かせるかのように伝える。
「こんなことが許されると思っているのか?民間人に銃を突きつけ、挙げ句の果てに隠密作戦すらない…!貴様ら後でしばか倒してやるから覚えておけ…!」
「ご自由にどうぞ…やれ」
「うぁ!」
意味深な事を呟いたと思った次の瞬間、火乃香は気絶し倒れ込んだ。
「時間がかかりすぎた。急いで回収しランデヴーポイントまで移動するぞ」
「お、おい待ちやがれ!」
古城は火乃香を連れ去ろうとする襲撃犯に拳を叩きつけようとする。
「いいのか?お友達が死ぬぞ」
「うっ!」
気絶している火乃香の頭に銃を突きつけられるのを見た古城は全ての戦意を根こそぎ持っていかれ膝から崩れ落ちる。
その後ろで夏音は凪沙に支えられながらも泣いていた。
不気味な静寂を残し、火乃香を担いだ襲撃犯は窓から脱出し、あらかじめ用意していたであろうワゴン車に乗り込み何処かへ行ってしまった。
彼女達が次に姿を見たのは約1週間後のニュースだった
そしてこれから起きる出来事は後に世界最小規模の戦力による世界最大規模の被害をもたらすことになる第三次世界大戦の幕開けでもあった。
みなさん10月22日は選挙ですね!誰に投票するにせよ選挙にはしっかりいかなければ!ではまた次回!