ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜   作:ソードダンサー

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取り敢えず、試験が一つ片付いたので投稿します。


聖者の右腕2

「暑い・・・焼ける・・・融ける・・・焦げる」

ぶつくさと不満を垂れ流しながら明日の追試に向けて必死になっているのは、つい先ほどまで、彼の担任である南宮那月の補修という名の拷問を見事耐え抜いた暁古城だ。

現在彼は、否、彼らは、昼食をとるために、火乃香と共に立ち寄ったファミレスで暑さをしのぎながら、勉強しようとした。

が、しかし、現実はそんなに甘くなく、彼らが案内されたのは、日光が直に当たり、さらには、エアコンの恩恵を受けることのない、角の座席へ案内されたのだ。

「今何時だ?」

「さっきも同じようなこと、聞かなかったか?」

「古城の勉強に対する意識が低いのは今に始まったことじゃないだろ?ちなみに現在時刻は15:56だ。因みに、試験開始まだ残り18時間4分あるぞ!」

同じ問いを繰り返す古城に呆れ、半目でにらむ火乃香を余所におどけた風に答えるのは、いつもヘッドフォンを首にぶら下げ、髪の毛をツンツンに逆立てた、彼らのクラスメイトであり親友の矢瀬基樹である。

彼は財閥の語曹司だとかなんとか・・・もっともそんな風には全く見えないのだがあえて口にはしないでおこう。

「つか、なんで俺だけこんなに追試があるんだよ!数学なんて授業で習ってないぞこんなの・・・!」

彼の追試教科は国数社理英の主要五教科に加え、体育のハーフマラソンがあるのだ。

「文句言うんじゃねーよ。」

火乃香に一蹴された古城は悔しそうにうなだれた。

「だからこうして哀れに思った私たちが、こうしてあんたの勉強を見てあげてるんでしょ!感謝しなさいよね!」

「俺の目の前に大量の皿がなければ、感謝の念が出たものを・・・つか浅葱と火乃香!お前ら食いすぎなんだよ1少しは自重しやがれ!」

古城が文句を言うのも仕方ないだろう。何せ彼の目の前には山ほどの料理の皿が積みあげられているのだから。

そ原因は、食べ盛りの男子高校生一人と、髪の毛を派手に染め制服を改造した校則ギリギリの少女藍葉浅葱によって作られたのだ。

「まぁ、足りない分は出してやるよ。」

「頼むぜ、火乃香」

「あ、そろそろバイトの時間だ。じゃ古城明日の追試頑張ってね。」

「バイト?」

「そ。管理公社のメンテナンスのバイト。ワリがいいんだ。」

「ふーん、気を付けろよー・・・しっかし、あんな派手な格好していて、機械に強くて、頭良いとか」

「本人は嫌がって努力してますアピールしてないけどな。っと俺もそろそろ帰るわ。」

「え?お前最後まで付き合ってくれねぇのか?」

「浅葱がいないんじゃ、いても意味ないしな。じゃあな古城、火乃香」

浅葱と矢瀬二人が店から出て行ったことにより寂しい空間ができてしまった。

「そんじゃ、俺らも帰るか」

「だな」

二人も店から出ていくことを決意したのだった。

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昼食代により、モノレールの運賃すらなくなってしまった二人は現在、夕方なのに日光に照らされながら歩いていた。

古城はフードを深く被り、火乃香は扇子で仰ぎながら、先ほどから尾行してくる存在を、必死に撒こうとしていた。

「古城、意外としつこくないか?」

「だな。どーすっかな」

何とか振り払おうと、周りを見当たすとちょうどよさげな場所を見つけた。

「火乃香、ゲーセンに逃げるぞ。」

「賛成、ついでに涼めるしな。」

というわけでゲーセンに立ち寄り、尾行してくる人間を観察していた。

「うちの中等部の制服か?凪沙の知り合いか?」

入り口でおどおどしている少女をクレーンゲームの陰から観察する二人なのだが、どうしても位置が悪くよく見えない。

「古城、俺なんかすごい、罪悪感に襲われているんだけど。どうしよう。」

「奇遇だな実は俺もなんだ。」

二人はとてつもない罪悪感に苛まれていた。

「「店でるか・・・」」

二人は店を出ることにした。そして店を出ようとした瞬間、尾行少女と鉢合わせしてしまった。

(ん・・・?この子どこかで、見たことがあるような・・・)

火乃香はまるでゴマが歯に挟まったかのような違和感に苛まれていると不意に少女の声で思考の海から現実へと戻された。

「第四真祖!」

「!?」

火乃香は思いもよらぬ出来事に唖然としていた古城もどうやら同じようだ。

が、次の瞬間火乃香は更に唖然としてしまう。

「Oh!Midispiace!Auguri!ワタシトオリスガリノイタリアジンデース!ニッポンゴヨクワカリマセーン!Arrivederci!Grazie!」

(は?こいつ何言ってんだ?嘘つくならもう少しまともな嘘つけよ・・・このこもビックリして声が出てないぞ…!)

「外国人・・・?違いますよね・・・?暁古城ですよね?」

(こいつ・・・第四真祖目当てかよ・・・てことは・・・獅子王機関か?めんどくさいことになりそうだ・・・姉さんの機嫌が悪くななぁ)

「あーすまんそれ人違いだわ。他当たってくれ。」

「え・・・人違い・・・だってそこに・・・」

何かを言いかけているが、気にせずその場を離れる二人。だが火乃香は薄々感づいてはいた。

(もしかして姫柊雪菜か・・・?)

何故なら彼は一度、師匠に連れられ獅子王機関の実戦教官補佐およびサバイバル教官として訪れていたからだ。

突如、後ろから二人の男と少女の声が聞こえた。

「ねぇねぇ、そこのキミィ、逆ナン失敗しちゃった?お兄さんたちと遊ばない?」

「給料出たばっかだからさぁ、色々楽しませてあげられるよ?」

少女はナンパされていた。

「中学生に手を出すとか変態かよ」

「それにあいつら魔族だぜ」

男二人の腕には、魔族であることを示すにブレスレッドがはめられていた。

「いえ結構です。」

「っち、いいから来いよ・・・!」

男の一人がいらいらしながら少女に手を出し・・・

「きゃっ」

スカートをめくった。その瞬間、火乃香はバネではじかれたように男二人に走って近づきCQCを叩き込み素早く手錠をかけた。

この間僅か20秒足らず。これも日ごろ那月の指示のもと特区警備隊との日ごろの訓練のたまものだろう。

「はい。痴漢二名現行犯逮捕。警察が来るまでおとなしくしていろ」

そういいながら、警察へ連絡した。それからものの数分で警察が到着し容疑者を渡した。

「あのっ・・・」

さっきの尾行少女が火乃香のもとへ何か言いたげなっ風によってきた。

「その前に、古城こっち来い。腹くくるしかねぇぞ!・・・でなにかな?」

「前に一度、高神の森に来ませんでしたか?」

「あーやっぱりあの時の子か・・・姫柊さん久しぶり。元気そうで何よりだ」

「覚えててくれたんですね!?」

「勿論だとも」

「お・・・おいお前らふたりとも知り合いか?」

話についていけなくて困惑している古城がやってきた。

「まぁなんだ・・・ここで昔話もあれだちょうど近くに銀行あるから金を下ろして、俺の知り合いがやっている店に行くぞ」

「いえわざわざ下さなくても、食事代は私が出します!」

「いや悪いだろ・・・」

「いえ!助けていただいたお礼だと思って!」

「そうか・・・?ならお言葉に甘えさせてもらうかな」

古城と火乃香は彼女の申し出にありがたく乗っかることにし、古城は凪沙に火乃香は那月にそれぞれ連絡し、火乃香の知り合いのやっている店に向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい。ということで今回はこの辺で終わりです。
なぜ師子王機関が外部の人間を雇ったかは次の章で明らかになります。
更新されないからと言って見捨てずに、読んでくれればうれしい限りです。
それと聖者の右腕篇が終わりましたら、キャラ設定を書こうかと思いますので措置裏も併せて読んでくれると幸いです!
それでは、また次回!

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