ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜   作:ソードダンサー

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天使炎上2

「悪いな内田、助かった」

よく晴れた放課後、中庭で段ボール箱に入った数匹の猫を渡す古城と火乃香と、里親として猫を引き受けた彼らのクラスメイトである内田。

「いいよ別に、うちの家族みんな動物好きだからさ」

「でも、なんか意外。暁が中等部の聖女ちゃんと仲良しだったなんて…火乃香君は…付き合ってるって知ってたけど、もしかしてそれで知り合ったの?」

内田の隣にいたもう1人の女子生徒棚田夕歩が2人に話しかけた。

「いやーまぁ…な。つか叶瀬と知り合いなのか?」

「彼女が暮らしていた修道院が家の近くだったから割とよく遊んでたんだでも…」

夕歩は夏音を見ながら懐かしそうに語る。しかし、でもの後、こちらを振りまきながら、語る。

「?」

「あの事件以来、疎遠になっちゃってね」

夕歩の顔に影がさす。

「あの事件?」

古城が聞く。

「修道院で事故があってね…何人も死んじゃったの。あの子はたった1人の生き残り。私の友達も巻き込まれてね…顔を見るとそのこと思い出しちゃって…彼女が悪いわけじゃないのに…」

申し訳なさそうな顔をしながら古城と火乃香そして夏音の方をそれぞれ見ながら続ける。

「だから、暁君と火乃香君は仲良くしてあげてね…火乃香君には言う必要ないか」

「あぁ」

古城がちらりと夏音を見ながら夕歩に答える。そして夕歩と内田は2人で校門の方まで歩いって行った。

見送った古城と火乃香は夏音の方まで歩いていった。

「これで一応全部引き取り手は全部見たかったんだけど

「はい、後はさっき拾って来た一匹だけですからね私1人でも大丈夫でした」

いつの間にかどこからかもう一匹拾って来ていたようだ。彼女は最新の猫発見機でももっているのだろうか。恐らく彼女と一緒に絃神島を歩いていたら島中の捨て猫を見つけることができるだろう。

「って!また拾って来たのかよ!」

「しーっ!先輩静かにしてください!さっき寝たばかりなんですよ!」

「あ、あぁすまん…って火乃香、さっきから黙っているがどうしたんだ?」

「……………いやなんでもない……」

「お前、この間からずっと様子がおかしいぞ?なんか悪いもん食ったか?」

「別に………考え事を…していただけ」

だんだんと声が小さくなって最後の方はよく聞こえなかった。

そんな火乃香を見ながら古城と雪菜は頭にクエスチョンマークを浮かべる。

そんな不思議空間に、声が聞こえた。

「ほう、うまそうな猫だな。知っているか?猫は極上の旨みを持つ食事だと。どれ、今晩の我が家の夕食は鍋の予定だったからな、丁度いい、その猫を私が食ってやろう」

目を細め舌舐めずりしながらとんでもない事を口走る那月が登場した。

「は!?今晩鍋とか聞いてないんですけど!?つか猫捌くのは姉さんがやってくれない!?」

今晩鍋というのは火乃香は知らないようだ。そして猫を捌けと言わんばかりの目線を向ける那月に火乃香は全力で拒否をした。

あまりの出来事に、南宮先生ではなく姉さんと呼んでしまった火乃香に那月は持っていた扇子で眉間をつく。

「ほれ、今晩の鍋の材料だその猫をよこせ火乃香の恋人」

「南宮先生、夏音が怯えてるからやめてあげてくれ」

「あー叶瀬…ここは俺たちがなんとかしておくから、お前は猫連れてさっさと逃げろ」

「あ、あの…す、すみませんでした…お言葉に甘えて、逃げます…!」

そう言いながら後ずさり、猛スピードで逃げて言った。

「全く、冗談の通じないやつだ」

「いやあんたの場合冗談に聞こえないから」

古城から正論を叩きつけられた那月は、話題を逸らす。

「暁古城、今夜私に付き合え」

「え!?なんで!?」

「バカかお前!仕事に決まってんだろ!」

「火乃香も駆り出されるのか!?」

「当たり前だ暁古城。こいつは私の助手だからな」

「へいへい」

「目標はここ最近暴れていた二体のうち一体だ。詳しくは後でメールを送る。時間に遅れるなよ?」

「わーってるって…」

「そうか。よかったもし駄々をこねられたら、この間藍羽浅葱と2人で美術室の中で生着替えを見せ合っていた写真をクラスラインに拡散せずに済んだ」

「ちょ!?なんで知ってるんだよ!?…あ」

「先輩?どう言う事ですか?」

古城は己の失言にしまったと言う顔をしながら雪菜の方を見ると、拳を固く握り、若干震えている雪菜の姿があった。

「それじゃぁな。行くぞ火乃香、準備だ」

「分かったよ。お前ら2人も痴話喧嘩で遅れるなよ」

聞いているのか聞いていないのかわからなかいが一応伝えておく。

「…お前の頼みは一応これで聞いてやったからな」

「ごめん…手間をかけさせて…でも、確証を掴むにはこうしたほうがいいと思って」

「まだ、話すことができないのか?」

「うん」

 

________________________________

テティスモール屋上に古城と雪菜がいた。

雪菜は紺色の浴衣を着ている。今日近くでお祭りがあるらしい。

放課後に那月から伝えられた時間からすでに2時間が経過しようとしている。

「待たせたな暁古城」

ようやく那月が登場した…が、彼女の格好がいささかおかしい。

「待たせたなって…待たせすぎだ!」

那月の格好は雪菜と同じく浴衣姿だ。髪飾りもつけている。同様にアスタルテも髪をサイドテールにし、お面を頭につけ、たこ焼きを美味しそうに頬張っている。

「アスタルテに夜店を堪能させてやっていたんだ」

「2時間の遅れが生じました。ご主人様(マスター)に変わり謝罪します」

「楽しかったか」

「はいとても」

「そうか、よかったな」

表情も心なしか笑っている。火乃香達と共に暮らし、表情を表すことができるようになってきているようだ。

「暁古城、メールで送った資料は読んだか」

「あぁ仮面付きってやつだろ?二体で戦ってらるみたいな…この間の爆発事故にも関係してるとかなんとか」

「そうだ」

「でもあいつらなにもんだ?」

「さぁな、新手の魔族か何かか…このあいだの爆発事故も、魔力を感知しなかった。特殊な術で魔力を感知しないようにしているのか、それとも物理か」

「魔力なら私が感知しないほうがおかしいです」

「転校生もいたのか…仮に物理だとしても、火乃香が気がつかないはずがない」

「え?なんで火乃香なんだ?」

「あいつの超直感を舐めるなよ?あいつ1人いれば例えこの島の何処かに爆弾を設置していたとしても1時間以内に見つける」

「なんだよそれ!?犬か何かか!?」

「さぁな。ただ言えるのはあいつはなにも反応しなかった。ただそれだけだ」

その時、遠くで爆発が聞こえた。

「アスタルテ、花火を上げろと特区警備隊(アイランドガード)に連絡しろ」

命令受託(アクセプト)

「え!?火乃香が居ないけどいいのか!?」

「あいつは既に私たちが今から向かうところに待機している」

そういうと空間転移をした。そこには髪を後ろで纏め、赤いバンダナを装備しオーブ色の戦闘服のズボンと白のタンクトップを着た火乃香がM82のスコープを覗いている火乃香が居た。

「火乃香、どうだ」

「動きが早すぎて照準が合わない。髪が白い子には絶対に当てたく無いからなぁ…」

「仕方ない戒めの鎖(レージング)で動きを止めるから狙い撃てそれと転校生は火乃香が外した時のために準備しておけ」

そう指示を出しながら那月はレージングで黒髪の仮面付きの動きを止める。

「ステンバーイ、ステンバーイ、」

火乃香はそう言いながらM82の引き金を引いた。

あたりに爆音が鳴り響くが先程から上がっている花火で音を誤魔化すことができている。しかし、12.7ミリの呪術弾は結界のようなものに阻まれ、消失した。

「くっそ、外した!姫柊さん!」

「はい!」

そう言いながら雪菜は雪霞狼を構えながらレージングの上を走り仮面付きへ斬りかかりに突っ込む。

「獅子の神子たる高神の剣巫が願い奉る。破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威を持ちて我に悪神百鬼を討たせ給え!」

しかし雪菜の雪霞狼も障壁に阻まれ、傷一つつけることができない。

雪菜は直ぐに後ろへ飛び、古城達のいるタワーへと戻ってくる。

それと同時に、レージングが断ち切られた。

「なに!?レージングを断ち切っただと!?」

さすがの空隙の魔女もこれには驚くしかなかった。レージングを断ち切ることのできる存在など殆どいないのだから。

「あれは魔族というよりも私達が使う神懸かりに似ています」

「…!!まずい!姉さん!」

「分かっている!暁古城!手加減するなよ!手加減すればお前が死ぬ!」

古城はとっさに天使へと向きなおる。黒髪の仮面付きはタワーを破壊した。タワーが傾きかけるが那月のレージングによって倒壊は避けることができたようだ。

「疾く在れ!9番目の眷獣!アルナスル・ミニウム!」

壊れかけの塔の横でナラクヴェーラ戦で掌握した9番目の眷獣を召喚し、仮面付きへと突っ込ませるが効いていない様子だ。

黒髪の仮面付きがこちらを睨み、攻撃を加えるため、こちらは突っ込もうとする。恐らく仮面付きは今の所、素手のみが攻撃手段のようだ。

「くそ!姉さん!黒鋼の使用許可を!」

「許可する!」

その言葉と同時に火乃香は亜空間から柄が龍の形をした漆黒の刀を手にし、そして親指を刃で薄く切る。

すると漆黒の刀身から銀色の刀身へと変わった。その輝きはあたり一面を照らし、そして膨大な神力を生み出していく。

「破魔・龍王刃!」

火乃香がそう呟きながら刀を横になぎ払うと、今まで無傷だった黒髪の仮面付きの腕が吹っ飛んでいった。

これならいける!そう誰もが信じた瞬間黒髪の仮面付きが火乃香に標的をしぼり、光の槍を手に出現させ、投げようとしていた。

素手のみかと思っていた火乃香達は完全に不意をつかれた形となった。

光の槍がどれほどの攻撃力かは分からないが、戦場で浴びる銃弾なんかより遥かに強力で、傷口の再生を阻害するだろうと火乃香はほぼ直感的に感じた。

光の槍が己を貫く瞬間を頭が勝手にイメージし、まだ開けてすらいない傷を脳が再生する。それと同時に、穴が開くであろう胴体の位置が痛み出す。幻肢痛(ファントムペイン)だ。

失ったはずの部位が痛み出したり、まだ受けてすらいない攻撃による痛みを今までの痛みの経験則から脳が勝手に再生するようなものだ。

火乃香のひたいに汗が浮かぶ。

黒髪の仮面付きが光の槍を投げようとした瞬間、先程まで様子を伺っていた銀髪の仮面付きが黒髪の仮面付きに体当たりをし、空中からタワーの上に突き落とした。

すかさず火乃香達はその現場を見にいく。

すると銀髪の仮面付きは黒髪の仮面付きの腹…正確にはマニプーラチャクラのあたりを抉った。

黒髪の仮面付きは痛みで騒ぐ。しかし、ただ騒いで終わりではない。

黒髪の仮面付きも反撃のため銀髪の仮面付きに対し、手を振りかざし、銀髪の仮面付きの仮面を叩き割った。

その瞬間火乃香は柵を飛び越え銀髪の少女の元へ走った。

彼が見た仮面の下の素顔…

「やめろ!夏音!!!」

火乃香の叫びがあたりに聞こえる。

火乃香は夏音に触れようとするとした瞬間、両手で押された。その力は恐ろしく軽かった。

「な…嘘…だろ」

古城達も銀髪の仮面付きの正体がわかったらしい。未だに信じられないというような声を上げる。

しかし夏音にはその声は届かなかった。黒髪の仮面付きのマニプーラチャクラを食べようとした瞬間一瞬体が止まった。

「夏音…本当に君が望んだことなの?」

ただ一言、風にかき消されそうなほど小さく、細い声で火乃香は夏音に尋ねた。しかし、夏音は一瞬だけ停止し捕食し始めた。

捕食し終わった夏音は口元の血を拭う動作をした。しかしその一連の行動で火乃香は夏音が涙を流していたのを見逃さなかった。

「夏音…君の本心がわかった…絶対に助けてやるからな…!」

夏音の生気を感じさせない目は一瞬だけ生気が宿ったように見えた。

火乃香は拳を固く握りながら、飛んでいった夏音を見続けた。

後ろから古城達がやってくる。

「火乃香!夏音が!知っていたのか!?」

「半分正解。正確には憶測の域だった。だけど…これでもうわかった。俺の大切な人(夏音)を助ける…!」

火乃香の目には確かな覚悟をした炎が宿っていた。

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メイガスクラフト社宅前に3人の人影があった。

「あれが夏音の家だ。受付嬢は俺のことを知っている」

いつもとあまり変わらない雰囲気だが、背中にはキーボードケースを背負い、肩にはカメラバッグ、更にキーボードケースとは反対側に長い袋、恐らく三脚か一脚を入れるための袋だろう。

「でもどういう口実で入るんだ?」

パーカーを着た古城がボヤく

「先輩…あなたはアホなんですか?」

古城にあきれるのはキーボードケースではなくギターケースを背負った雪菜だ。中には真祖を殺すための兵器が入っている。

「つか火乃香のカバンの中に何入ってるんだよ…」

「まぁ明けてからのお楽しみだ…さて入るぞ」

エントランスに3人は堂々と入り込み受付をすませる。するとエレベーターから出て来たのは赤いスーツをきたグラマーな女性だ。

「お前らあの腕輪…偽物だ」

古城達は驚いた顔をした。しかし火乃香は何食わぬ顔で前へ出る。

「本日はどのようなご用件でしょうか?」

「叶瀬夏音に会いにきたんですが」

「あいにく現在外出しています」

「じゃぁ父親の叶瀬賢生さんは?」

「お二人共島外に保有する島にいます。皆さんは一体…」

受付嬢が訝しんだ目でこちらを見る。

「夏音の恋人が父親に婚約の許可を貰いうため会いに来たという理由では不十分でしょうか?それとあなたは?」

「………いえ充分です…それと私は賢生の秘書のようなことをしています」

「そうですか」

「島に行くことができますよ」

「なら案内してください」

「畏まりました飛行場に案内します」

そう言われ案内されるがままに飛行場へやってきた。

「俺はロウ・キリシマ。ここで雇われているパイロットだ。兄ちゃん随分と荷物が多いみたいだな」

「趣味の写真撮影だよ。まぁ島外に研究所があるってのは聞いていたからもし行くことになったら野生動物とかあれば写真撮れたらなーって思っただけさ。もちろん許可はもらうつもりだ」

「そうか…だがあそこにいるのはヘビくらいなもんだぜ?」

「そうなのか」

ロウ・キリシマと何気ない世間話をしている最中古城は青ざめる雪菜を心配していた。恐らく彼女は飛行機が苦手なのだろう

「俺は前に乗るから2人は後ろに乗れ」

こうして3人はセスナ機に乗り込んだ。荷物は古城に預け、火乃香は腕に巻いてきたG-SHOCKとスマホを取り出しメモ帳を開く。

スマホの予備充電もしっかりと持ってきているので充電が切れる心配もない。

「それじゃ飛ぶぜ」

ロウ・キリシマの合図と同時にセスナは滑走路から飛び立つ。それと同時に雪菜は悲鳴をあげることになった。

火乃香は後ろの惨劇など気にせずにひたすら時計と操縦席のところにつけられている計器を見ていた。

「兄ちゃんそんなに計器が珍しいか?」

「あ、あぁ…あんまりセスナとか乗らないから気になってね」

「ふーん」

火乃香が現在行なっているのは計器の数値をスマホにメモしている。

飛行機がどの速度で何度の位置を向いているか、そしてその速度と方向にどれくらいの時間進んだか。それを細かくスマホにメモして行く。

そうすることによりセスナがどういう進路を取ったのかをわり出すことができる。

そうする事2時間島に着陸した。

「んじゃ熱心な兄ちゃんと後ろのバカップルここでサヨナラだなあーばよー」

「はぁぁぁ!?置いてくなよ!?オッサン!」

「おっさんじゃねぇ!俺は26だ!」

そう言いながらセスナでとっとと離脱したロウ・キリシマに対し怒りを覚える古城とカップルなどと言われ赤くなっている場違い少女の雪菜を横目で睨み呆れ果てる火乃香。無人島に置き去りにされこの状況はなかなかにカオスだ。

「とりあえずお前ら…ここから移動するぞ」

そう言いながらカメラバッグから取り出したのは大型のサバイバルナイフだ

「こいつ一本あればこの島で生き抜くことはできる」

「おま…これから野宿だってのに自信あるのかよ」

「当たり前だ。過去の任務でジャングルの中で1週間過ごしたこともある!食料集めや寝床確保は全て俺に任せて欲しい!お前らは飲み水の確保だけで十分だ!それに、帰ろうと思えば変えることもできる」

妙にテンションの高い火乃香に若干引く古城は火乃香の何気ない一言に食いつく

「なんで?」

「この島までの進路を事細かく書いてきたからな。ファイターパイロットなら計器だけでホームベースに帰れるくらいじゃなきゃやってけないね」

「南宮先輩そろそろ行きませんか?」

先程まで赤かった雪菜は復活し冷静な態度で火乃香に提案する

「まずは海岸沿いに出るぞ」

こうして特殊部隊所属の火乃香によるサバイバル生活が幕を開けた。

________________________________

歩くこと数十分ようやく砂浜に出た。もちろんこれまで歩いてきたところには火乃香がナイフで木に傷をつけてきた。

「トーチカだな…それに銃撃戦の後か…薬莢があちこちに転がっている後は足跡いくつもあるな」

「トーチカ?なんだそれ?」

「トーチカとは敵の進行を食い止めるための要塞みたいなものですよ先輩」

「とりあえずトーチカを寝床にするか…」

「その方が良さそうですね…それにしてもなんでこんなに銃撃戦が」

「この薬莢の形を見るにNATO弾だな5.56ミリだ。それとこっちの薬莢は9ミリ弾…しかも薬莢の形がNATOのものとは違う…アルディギアの狩猟用のスラッグ弾の薬莢に近い。それとかの足跡…いくつもあるがどれも均等だ…オートマタの軍隊か?こっちは若干足が小さい…女性のものだな…走ってきたと見ていいだろう」

何やらブツブツとつぶやいている火乃香に若干どころではないレベルで引いてしまう2人。

今回の火乃香は何かと気持ち悪い行動が目立つようだ。

「さて、姫柊さんここは南国の島だ。何が取れると思う?」

火乃香の唐突な質問にクエスチョンマークを浮かべるがすぐに質問の意味を理解した。

「ヤシの実です」

「正解だ。ヤシの実は水分を多く含んでいるから、水分に関しては問題ない。食料もロウ・キリシマが言っていた通りなら蛇がいるから、それを捕食しよう」

「うっへぇ蛇を食うのか?」

「今の状況で好き嫌いはできない。兵士たるもの、どんな時でもなんでも食べることのでる胃袋を持つべきだ。と言うことでお前は荷物番な」

「はぁ!?まてよ!?まじでか!?」

「この島には何が潜んでいるかわからない。だからお前は体力を温存しておけ。それと、無線機を渡しておこう。チャンネルは01だ。何かあったら連絡してくれ」

火乃香はそう言いながらカメラバッグから無線機を3つ取り出し、はそれぞれ渡した。

「クッソ…わかったよ」

「では解散」

そう言いながら3人はそれぞれの役目についたのだった。

 


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