ストライクザブラッド~ソードダンサーと第四真祖〜 作:ソードダンサー
もし、何かアドバイスがありましたら感想に書いてください。よろしくお願いします。
ナラクヴェーラにまっすぐ突っ込んで行く古城と回り込みながら走る火乃香。
古城がナラクヴェーラの下をくぐり抜け飛び出すと、ナラクヴェーラ火を噴く槍で古城を攻撃する。
足元に攻撃を受けた古城は、尻餅をつきながらそれでも走って行く。
「クッソ!なんでこいつこんなにすばしっこいんだよ!火乃香!早くその背負っているミサイル打ち込んでくれ!」
「なに古城はバカなこと言っている!切り札とは最後の最後まで取っておいてこそ真価を発揮するものだ!こんな前菜に使ってられるか!」
「なっ!?今そんな悠長なこと言ってられる状況かよ!?」
「安心しろ古城!俺を誰だと思っている?那月姉さんや阿夜姐に散々魔力や霊力の使い方を叩き込まれたんだ!今こそ俺の真の力を見せてやる!」
「お前!魔術使えるのかよ!?」
「当たらずとも遠からずだ!まぁ見てな…!姉さんに拾われて10年間唯のうのうと銃を撃ち、刀を振り回して来た訳じゃない!」
そう言いながら火乃香は倉庫の屋根に登り、手を太陽にかざす。
「不死の太陽よ、我が前に立ちはだかる永劫の闇を焼き払わんと欲す、我に勝利を運び給え!『プロメテウス』!」
詠唱を終えた瞬間、太陽にかざした手を振り下ろす。火乃香の動作に合わせ古城たちの直上に輝き続ける太陽の方角から巨大な焔が降り注ぐ。それはまるで隕石の落下のようだ。
焔がナラクヴェーラに直撃する。
「ひゃっはー!ナラクヴェーラ!灼熱の焔に打ち滅ぼされろ!」
火乃香のハイになりすぎている。
古城たちは火乃香が呼び出したプロメテウスの焔に唖然とするしかなかった。
ナラクヴェーラに直撃した瞬間辺りに轟音が響き渡り、内臓が押しつぶされる錯覚を感じだ。
直撃の衝撃波で壊れかけの倉庫が次々と崩壊して行く。
さらに海は荒れ果てている。
これだけの衝撃を喰らってもいまだ耐える余裕のあるサブフロートは人類が生み出した建築技術の賜物だろう。
「火乃香!なんだよこれ!おま!こんなことできるんだったらなんで使わないんだよ!」
古城は驚きながら火乃香をみる。
「はぁ…はぁ…。バカ…か……。こいつを…使うと………体力がごっそり持って…いかれるんだ…。動かないという…ことは…ないが…。はぁ……。暫くは、魔術が使えなくなる…。俺はあんたみたいに不死身じゃないし、真祖でもない。ただの人間だ」
火乃香は両手を屋根につき肩で息をしている。
うまく酸素を取り込むことができない。疲れすぎで、息をするのもやっとだ。
そんな状態なのにも関わらず、火乃香は古城に説明する。
「だがこれでナラクヴェーラは再起不能なんじゃ…ってうわ!」
あれだけの攻撃を喰らってもいまだ健在なナラクヴェーラがそこにはいた。いや、ダメージは通っていた。つまり
「再生した…!?」
古城がそう言った瞬間ナラクヴェーラは古城に向け攻撃を仕掛けた。
ビームが古城を貫くまでに、コンマ数秒。
古城は死を直感した。真祖はしなないが元々人間だった古城にとって、それは死の恐怖を感じてしまうのは無理がない。
もうダメかそう思った瞬間、ナラクヴェーラの攻撃が消えた。
「あっ…煌坂!」
「私の煌華鱗の能力は2つ。1つは物理攻撃の無効化よ。そして…」
そう言いながら煌華鱗を持ちながらナラクヴェーラに向かって走り出す紗矢華。
「あらゆる障壁を塞ぐ刃はこの世で最も堅牢な刃にもなる!」
ナラクヴェーラの六本ある足のうち2本を斬り、さらに高く飛びナラクヴェーラ本体に対し煌華鱗を突き立てようとする。
しかし
「!?」
攻撃が通らない。
「どういう事だ?」
古城は混乱する。
そこにヴァトラーが近づき説明を加える。
「斥力場の結界だな…フフッどうやらあの剣は、触れたものの空間連結を切り裂くものみたいだからネ。触れる前に結界で防いだのサ」
いまだに結界を斬り裂こうとする紗矢華を見ながらヴァトラーは感心する。
相手の攻撃を学習し進化する–神々の兵器とはこう言ったことを言うのだろう。
ナラクヴェーラはいまだに張り付く紗矢華を振りほどこうと暴れ出す。
その揺れで紗矢華はナラクヴェーラに振りほどかれてしまう。
その隙をナラクヴェーラは見逃すはずもなくビームを撃つが、先に古城が紗矢華を抱え、壊れた倉庫の壁に隠れた。
「暁古城…アッ…その傷…」
「この程度ならすぐ塞がる。」
息を整えながら2人は壁の外を見ると、ナラクヴェーラが宙に浮かんでいる。ちらりと火乃香の方を見るが未だ動けそうにないらしい。
「叩き落とせ!
古城は叫びながらレグルス・アウルムを召喚しナラクヴェーラの頭上に向け、体当たりをさせた。
その反動でナラクヴェーラはサブフロートの地面を突き破り海の底まで落ちて行く。
しかしこの攻撃が決定打となったのか古城たちの足元から一気に崩落し、2人はサブフロートの地下に落ちて言ったのだった。
「2人とも何したんだよ…」
そう呟きながら火乃香は無線を那月に繋ぐ。
「姉さん、司令室にあるM82を持ってきてくれない?」
『お前は私をなんだと思っているんだ!まぁいい可愛い義弟のためだ感謝しろ』
「助かるよ〜」
『デルタワン、B-503だが到着は40分後だ!それまでになんとか持ちこたえてくれ!』
「了解!」
そう言いながら火乃香は通信を切り、落ちて行った2人を見ながら、はてさて修羅場になりそうだと思いながら、那月の到着を待つのだった。
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雪菜は現在オシアナス・グレイブの格納庫にいた。
目の前に対峙するのは今回の騒ぎの首謀者であるクリストシュ・ガルドシュ本人だ。
「獅子王機関の剣巫か。不意打ちとは言え、素手で獣人を倒せる人間はそう多くはない。見事なものだ」
「クリストシュ・ガルドシュ…」
「こいつらの存在はヴァトラーも知らない。」
雪菜の目の前にはナラクヴェーラの大群がいた。これらが起動すればいくらヴァトラーや古城がいたとしても手の施しようがない。
雪菜はそう感じていた。
「これがあなたの目的ですか?ナラクヴェーラの軍団を手に入れることが…!」
怒気を含みながら悠然と立ち尽くすガルドシュに尋ねる
「戦争というのは個々の性能ではなく戦力で決まる。如何に強大な第一真祖だろうと、広大な戦王領域を1人で守りぬくのは不可能だ。奴を倒さなくても奴のドミニオンが崩壊すれば聖域条約は維持できなくなる。」
雪菜はこの事を聞かされ、怒りが増す。しかし直接顔には出してはいないもののそれでも増していく怒りはガルドシュにもわかる。
「絃神島の人々だけでなく、戦王領域の人々までも犠牲にするつもりですか!」
「ふん!だから我々はテロリストと呼ばれているのだよ!」
ガルドシュはそう言いながら、ナイフを鞘から抜き、完全な獣の状態になり、雪菜に襲いかかった。
縦、横、斜め様々な方向からナイフが振り下ろされていく。しかしそれら全てを雪菜は霊視により避けながら、ガルドシュの懐に潜り込む
「響よ」
雪菜がガルドシュに対し攻撃を仕掛けるが一切効いているそぶりが見えない。
「!生体障壁!?」
「お前たちが気功術と呼ぶ技だな?獣人だからと言って使えないというわけではない!」
ならばと雪菜はさらに詰め寄る。
「鳴雷!」
しかしどれも効かない。雪菜はアッパーデッキへ逃げ込むことにした。
しかし雪菜は選択を誤ってしまった。アッパーデッキに移動すれば、逃げ道がなくなる。
詰んだ–そう思った瞬間、ガルドシュの足元に銃弾が撃ち込まれた。
「なんだ!?」
ガルドシュが声を乱す。そこにガルドシュが持っていた無線に雪菜の知った声が聞こえた。
『やぁ、ガルドシュ…10時間ぶりかな?昨日のパーティーにいたよね?』
「誰だ!?」
『貴様に名乗る名前などない!元軍人なら分かるだろうが今あんたの足元に撃ち込んだのは警告だ。動くんじゃねーぞ…俺はスコープ越しにあんたのその醜く歪んだ顔がよく見えている。たかだかサブフロートから1キロちょっとしか離れていないんだ。狙撃にはもってこいの距離だと思わないか?』
「くっ!」
『少しでも変な真似したら12.7ミリの徹甲弾がお前の顔面にクリーンヒットして綺麗なザクロを咲かせることになる。それでも良いんだったらどうぞご自由に…じゃぁな』
一方的にガルドシュたちの無線に入り込み、一方的に殺害予告を突きつけ無線をリーブした火乃香はさすがといったところだろう。
そんな事を考えていると雪霞狼が飛んできた。
「雪霞狼!?」
「気流使いか…。流石は極東の魔族特区…!珍しい人間がいるものだ!戦闘はこうでなくてはな!」
ガルドシュはナイフを構えなおしながら雪菜を睨む。
「獅子の神子たる高神の剣巫が願い奉る!破魔の曙光、雪霞の神狼、鋼の神威をもちて我に悪神百鬼を討たせ給え!」
詠唱が終わりガルドシュに向かい斬りかかりにいく。
すれ違う瞬間雪菜はガルドシュのナイフを持つ手を斬りつける。
「流石は剣巫!…ぐっ!」
ガルドシュは腕を斬られただけでなく足に銃弾が喰らった。
火乃香だ。
「これで終わりです!投降してください!」
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「流石だな火乃香」
「あんまり無理すんなよー、監視者」
「フゥン成る程…監視者は直接戦闘に介入出来ないンダ」
「うっせぇ消えろクソホモ」
「火乃香…酷いじゃないか…」
体力が回復した火乃香は那月に持ってきてもらった対物狙撃銃でガルドシュの足を狙い打った。
「あれ?なんかやばくね?ナラクヴェーラあんなにいたの?」
スコープ越しでなくともオシアナス・グレイヴに張り付く4機のナラクヴェーラ。
唯でさえ、力はもう使えない上に、切り札として取っておいたソニックミサイルも1発しか渡されていない。B-503が到着していればまだなんとかなるかも知れないが、生憎到着まで残り20分もある。
すると一機だけ妙に性能の良さそうなナラクヴェーラがやってきた。
後ろでは先ほど、古城が解放した9番目の眷獣
「あれが…指揮官機か!」
火乃香は古城たちの元にはしっていった。
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マレカが放った攻撃をアルナスル・ミニウムが振動で破壊するが一部破壊に失敗したものが住宅街へと流れていく。
「なんて…ことを」
古城は戦慄する。それを他所にある声が聞こえた
「フゥン、あれが女王みたいだネ。一体の指揮官に無人の子機が付き随うことによって真価を発揮する。やってくれるじゃないか、ガルドシュ…。
古城、変わろうか?」
「うっせぇ、お前は引っ込んでろ!いい加減戦王領域だのなんだのって、頭に来たんだ!ここから先は
そう言いながら古城は馬鹿正直に走り出す。
ナラクヴェーラが古城に向け、ビームを撃つがそれらは全て消え去った。
「いいえ先輩!私達の
雪菜が現れ、ナラクヴェーラがはなってきたビームを打ち消していた。
「姫柊!」
古城は雪菜の登場に安堵した。さらに後ろから声をかけられる。
「古城、奴らは切り札を出してきた。その意味わかるか?」
声の主は先ほどまで屋根でへばり、狙撃したい少年火乃香だ。
「まさか…!」
「あぁ、そうさスコープ越しに見えたんだがあれの起動コマンド解析したのは浅葱みたいだな…。だろ?姫柊さん?」
「流石ですね南宮先輩。それと暁先輩新しい眷獣を掌握したんですね?」
火乃香には真剣な顔でそう答え、古城には微笑みながら眷獣のことについて問いただす。
顔は笑っている。しかし目が笑っていない。古城は本能的に危険を感じた。もちろん、原因の1つである紗矢華も冷や汗を流す。
「違うの!雪菜!これにはその…深い訳があって…!」
「そ、そうなんだよ!緊急事態で!」
まるで浮気が発覚した夫のようだ。
紗矢華が言い訳をしようとする。しかし現在2人が言い訳したところで火に油を注ぐようなものだ。
紗矢華が着ているパーカーを目敏く睨みつける。
「3人とも痴話喧嘩は後回しにしてくれ奴は元祖変換で破壊しても修復されるんだ。ソニックミサイルは1発しかないから女王のコックピットハッチに向けて撃つから、浅葱が作ったであろうコマンドを入力してくれ!」
「「「痴話喧嘩じゃねぇ(ないわよ、ないです)!」」」
「兎に角、まずは子機をどうにかしないとロックオンがそっちにいっちまうどうにかしないと…」
「それなら、任せろ!疾く在れ!
周りの子機が電撃によって吹き飛ぶ。さらに女王にもダメージがいくしかし無傷のようだ
「フハハハハっ!効かないぞ!第四真祖!戦争は楽しいなぁ!」
ガルドシュが大きく笑うが次に耳にした声を聞き青ざめる
「待たせたな…!そっちが古代兵器ならこっちは最新兵器だ!青ざめろ!恐怖に打ちひしがれろ!シーカーオープン!
火乃香が担いでいるスティンガーにも似た形状のミサイル発射管弾道が発射されたミサイルは迷わずにガルドシュの乗るコックピットハッチに突っ込んでいく。後ろからは反動を打ち消すためのカウンターマスが噴出する。
ミサイルの速度はマッハ8。発車を確認した瞬間にはすでにミサイルが障壁を打ち破ろうとしている。
ミサイルが青く光った。ミサイル本体に刻まれた、呪術式により障壁に穴が開く。
そこから振動弾が撃ち込まれ、マレカのコックピットに接着した。
ここまで行けばもう抗う術はない。物体がこの世に存在し続ける限り必ず固有振動数というものがあり、共鳴反応が起きる。崩壊のシンフォニーが鳴り響く。辺りには耳をつんざくような甲高い音が鳴り響いている。
そして数秒後、コックピットだけではなくその周辺諸々、破壊された。
「コックピットが空いたぞ!」
「す、すげぇな!」
古城は感嘆の声を上げる。
人類の兵器が神々の兵器を超えた瞬間だ。
コックピットからガルドシュは飛び降り、古城たちの元に走り出す。途中、雪菜とすれ違ったが、そのことには気にもとめなかった。
「第四真祖!剣巫!ソードダンサー!戦争は楽しいな!」
餓鬼のようにはしゃぐガルドシュに対し古城は魔力の込めた強烈なアッパーを叩きつける。
「んなこと知るかぁぁぁぁあ!」
「グハッ!!!!」
ガルドシュ側は決着がついた。
あとはナラクヴェーラに55番目のコード終わりの言葉を聞かせるだけだ。
「ぶち壊れてください!」
そう言いながら雪菜は女王に浅葱のスマホを投げる。すると周りの子機が軒並み機能停止して動かなくなったのだった。
勝った誰もがそう確信した。
再び無線が火乃香に入る。
『デルタワン!レーダーに機影確認!数10!戦闘機だ!』
「なに!?おい!ガルドシュ!どういうことだ!」
「くっ…!私は戦士としての誇りを失っていた。そんな我々に力を与えてくれ、さらに今回我々がナラクヴェーラを使うことができたのはあのお方達のおかげだ…」
「それは誰だ!」
「JAMだ…」
「なっ!JAMだと…」
JAM(ジャム)火乃香が所属するCOMBAT FAIRY FORCEの最大の敵。10年前に起きたnightmareの首謀者
「くっそ!なんてことだ!少佐!対空ミサイルの用意は!?」
『急だからまだ出来ていない!くっ…!なに!?やっとか!?』
「どうした!」
『喜べ!B-503雪風が!来たぞ!』
その無線と同時に火乃香達の頭上すれすれを飛行する一機の戦闘機。前進翼の翼をもち、戦闘機ではあり得ないほどの機動力を持つ機体。
そう火乃香が操る戦闘機B-503ペットネーム雪風。
最高速度マッハ3を誇る世界最強の戦闘機。
両翼に備えらつけられたミサイルは全部で12発。
その機体が火乃香の前に垂直着陸した。
「火乃香…お前…それを使って…」
「無謀です!南宮先輩!幾ら何でも一機だけでは…!」
「心配するな。俺は堕とされない。堕ちるのは
そう言いながらコックピットに乗り込み、ヘルメットをつけながら機体を操作する。火乃香が乗り込んで数秒後、雪風は飛び出していき、すぐに音速に達した。見る見るうちに機体が遠ざかっていく。のをみながらその場にいた全員はその先の戦闘を見つめるのだった。
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飛び出してから数秒、編隊を組んだ飛行部隊が見えた。
雪風のコックピットに備え付けられている電子パネルからは
「enemy contact
engage safety cancel」
と伝えられる。雪風に搭載された人工AIシステムだ。〈彼女〉には意識がある。感情がある。雪風と火乃香は一心同体だ。互いに信頼し合っているからこそ、無茶な飛行もできる。
「雪風…行くぞ!」
そう呟きながら火乃香の左手に握る操縦桿を最大限まで押し込む。アフターバーナーも吹きながら最高速度のマッハ3に到達する。
少しでも機体を揺らそうものなら凄まじいGが加わり、対Gスーツの着ていない火乃香は気を失いそうになる。
「ぐっ!」
ミサイルが前方に展開していた飛行部隊を全機ロックオンした。火乃香は迷わずミサイルを発射した。
凄まじいスピードで迫ってくる機体に気をとられていた敵のパイロット達は目の前でミサイル発射された事で、痛みもなくすぐに撃墜されていった。
それでも勇敢なパイロットは火乃香を発見した後すぐにミサイルを発射していた。追尾性能の高いミサイルだ。
火乃香はミサイルを振り切りながらループや急旋回を試みるがなかなか振り切れない。
「っち!こうなったら…!」
エアブレーキを全開に開きその場で180度回転しミサイルと向き合う。
雪風のディスプレイからは
「auto attack」つまり自動で迎撃する旨の内容が伝えられる。その瞬間雪風の20ミリバルカン砲が火を噴く。
永遠に思える長さだった。火乃香が時間の感覚を取り戻したのは目の前で空対空ミサイルが破壊された時だった。メーターを見ると800発だった球が600発にまで減っていた。ディスプレイには
「mission complete RTB you have control」の文字が書かれていた。火乃香は古城達のいるサブフロートに向かった。
しかしHUDから見えたのは古城、雪菜、紗矢華、ヴァトラー、ガルドシュ…そして、見知らぬ…いや火乃香のよく知っている人間が立っていた。