案ずるな!ローマにはギャグがたっぷりとある……筈だ!
馬鹿の誕生名話
街が炎で焼き尽くされる。
ここは、1978年のボゥカ……アフリカ、ヅゥチカ共和国の都市である。
この街の殆どを先進国がクローン研究所を多く建てた為、クローンバレーと呼ばれ、発展途上のヅゥチカ共和国も土地代等が収入の主体となっていた。
だが、先進国やあらゆる機関が違法であるクローン研究所が明るみに出始め、どうするか審議した結果、ヅゥチカ共和国と取引をし、聖杯を故意にここに出現させ、聖杯戦争でこの都市を破壊されることとなった。
「どこだ、ここぉ」
燃え盛るクローン研究所から、ある少年が這い出してきた。
番号はCFT774、試作魔術回路搭載式既存人間融合型クローンというプロトタイプの一人である。
だが、774は既存の死体である事故死した日本人の赤ん坊と試作型成長式クローンの部位を融合させた、いわばサイボーグ的なやつであり、故に寿命も常人よりずっとずっと長く、老化もある時期で止まる。
「んぁ、マイクはどこいった?あいつ、俺の教育係だろ」
イギリス訛りの英語で周りを見ながら悪態を吐く少年。
「貴様、民間人か」
声の方向を見ると、イケメンでありながらも西洋甲冑を着て、聖書を抱えた剣を持った奴が立って居た。
「あんた、だれ」
しかし、少年は誰なのかという事御構い無しに恐れず、そのイケメンの名を尋ねた。
「私は、セイバー。いや、少年には言っていいか。私はジル・ド・レェという者である。記憶の片隅にでも置いて貰えると幸いだ」
少年は、おう。という言葉を言った後に、こう言った。
「俺を、何処かに連れて行ってくれ」
それ以来、ジル・ド・レェと日本人のマスターと共に、彼は聖杯戦争を渡りながら、遂にその日本人のマスターは聖杯戦争でジル・ド・レェを失いながらも勝利した。
「聖杯への願いは……この子を日本に送り、充実した生を生きさせてあげる事だ。私の願いはそれで良い」
そして、日本人は力尽き、774は日本にて聖杯の力により寿命はそのままで、ある魔術師の家に次男坊として1997年程に生まれ2015年まで、前世の記憶を持ちながらも何不自由なく暮らしていた。
が。
神様は聖杯という不安定な物により生を受けた子を許さず、精神喰らいの森……精神を徹底的にぶち壊す世界へと閉じ込めてしまった。
しかし、神様は知らない。
この前世はクローン、今世は長寿マンでありながら。
どうしようもない馬鹿で、精神汚染の世界なんて簡単にブチ抜ける馬鹿だったという事を。
そして時間軸から独立した世界から抜け出し、冬木に至るのだった。
to be continued……
セイバー☆☆
真名 CFT774
宝具 不明
不明