【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:ゆめうつろ

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今回で無印は終了です、フィーネ戦は気が向いたら書くかもしれません(適当)

そしてお「マ」たせしました、彼女の登場と新たな勘違い&カオス展開の開幕です


終幕、そしてプロローグ

 

 

 アスカが居なくなって3日、ダメージを負った装者への対応や、弓美やアスカの実家への説明に胃を痛めていた二課へ届いたのはフィーネからの『果たし状』だった。

 その内容は『襲撃するから非戦闘員は退避させておけ』というモノ。

 

 とはいえ響も翼と二課に保護されたクリスもとてもではないが戦える状態ではなく、それだけアスカの『死』は三人の傷となっていた、だが何時までも俯くばかりでは居られないと最初に叫んで立ち上がったのは翼だった。

 

「アスカは……もう居ないが私達はまだここにいる……戦う事が残された私達の義務だろうッ!」

 

 もはやある種の自棄であった、『止まるんじゃない』とばかりに復活して修行に打ち込む翼、次に響が復活。

 

「そうだ……私達はアスカさんに託されたんだ!だから戦うんだ!」

 

 かつてアスカが響に言った『翼を支えて欲しい』という言葉を思い出して復活、そして残るはクリス。

 

「……お前に貰ったモノ、少しずつでも、返して行こうと思うよ」

 

 アスカに命と心を救われたクリスはそれを頼りに復活。

 

 

 そして三人は、シンフォギア『イカロス』を纏い、ソロモンの杖と、異端技術と武術を融合させた『異端格闘術(ブラックアーツ)』を携えたフィーネとの決戦に挑む事となる。

 

 結論から言えば、装者達は勝利した。

 

 だが『カ・ディンギル』と化した二課本部施設は崩壊し、月の一部は破壊され、完全聖遺物であるデュランダルもフィーネが繰り出した異端格闘術、地球の自転エネルギーを利用した『諸手螺旋(もろてらせん)』によって爆砕。

 

 装者達も重傷を負いながら対抗、最終的に未来の応援で復活した響のエクスドライブ状態での『因果絶唱』が決まり手となり決着がついた。

 

 戦いの果て、燃え尽き敗れたフィーネの表情は晴れやかであったという。

 

 

―――――――

 

 

 過ぎた時は戻らず、希望はいつでも未来にしかない。

 

 アメリカ合衆国、ハワイにある異端技術研究所敷地内の浜辺で一人、マリア・カデンツァヴナ・イヴは黄昏ていた。

 

 アメリカ政府は異端技術研究の中心人物であるフィーネを切り捨て、F.I.Sという組織もまた解体再編となり、このまま行けば所有する資産を全て接収後によくて追放、悪ければ口封じ。

 

「私達がしてきた事は……セレナの死は……」

 

 一寸先は闇、進むも戻るも出来ずに佇んでいたマリアはふと何かが流れ着いているのを見つける。

 

 それは黒い岩の様なモノで、まるで冷え固まった溶岩にも見えるが、エメラルドの様な結晶が所々生えた不思議なモノだった。

 

「何かしら……」

 

 近付いてよく見れば見るほどただの石炭か何かの様でありながら結晶を生やした不思議なそれに触れようとした時、結晶が突然に増殖を始めて、マリアは慌てて飛び退る。

 

「な……何!?なんなの!?」

 

 そしてある程度まで膨張すると結晶の塊は突然弾け、中から現れたのは。

 

 『純白』を纏った少女だった。

 

 

 マリアが『昏睡状態の少女』と周囲に散らばる『結晶』を持ち帰った事により、FISは解散を免れ……否、その少女の研究の為に再編された。

 

 『アウフヴァッヘン波形』を放ち、肉体の大半を未知の物質で構成する少女に与えられたコードネームは『エンジェル』

 

 だが『エンジェル』発見から一週間後、月の一部が破壊される『ルナアタック事変』が発生、世界中が混乱に包まれ、FISと『エンジェル』の存在は後回しとなる事となった。

 

◆二ヶ月後◆

 

 

「朝よ、起きなさいセレナ」

 

「……5秒待って」

 

 第一発見者のマリアは、謎の少女をセレナと名付け『妹』として扱い、世話をしていた。

 

 それは半月前、少女が目を覚ました時に遡る。

 

 目を覚ました少女に記憶は無く、何を質問しても「わからない」の一点張り、記憶喪失と判断され、それ幸いと何故かマリアが『妹として扱う』と提案し、研究者達も何故か許可した。

 そして暁切歌や月読調と引き合わせた際に『日本語』を得意に話せる事が判明。

 それ以降、日本語で接しているが、「わからない」事だらけなのはあまり変わり無い。

 

――――

 

 それはそうと突然であるが、真琴明日歌は英語が苦手である。

 外国人に道を聞かれても「そーりぃ、あいどんのーう」としか答えられない。

 

――目を覚ませば、そこは異国の地で、月は何故か欠けていて……そしてなんか知らないお姉さんの記憶喪失の妹扱いされていました。

 

 最初は英語がわからず、日本語で会話できる様になっても『シンフォギア』『聖遺物』関係の事や密入国(不本意)などやましい事だらけ、何も答えるに答えられないのでアスカは記憶喪失キャラを通していた。

 

「セレナ、大丈夫?」

 

「うん……大丈夫だよ、ねえさん」

 

「セレナー!おはようデース!」

「……おはよう、セレナ」

 

「おはよう二人とも……」

 

――セレナって誰!?私は真琴明日歌です!

 

 元気に挨拶してくる切歌と調の二人組に曖昧な微笑みで返す。

 

――私を……私を日本へ帰せえええ!!

 

 一人異郷の地、アスカの心の叫びは誰にも届かない。

 





フィーネの「諸手螺旋」と響の「因果」は覚悟のススメネタです、師匠が師匠だしいいよね!

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