【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:ゆめうつろ

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君は知るだろう、それが世界の変わらぬ問い掛けであり、その答えは初投稿だという事を。



目覚めの音色-かくせいのこどう-

 

――夜を切り裂いて飛べば、イカロスは太陽に焼かる事もなく何処までも行ける気がした。

 

翼さんに出会ったあの日から一年、初めて私が戦う日が来ました。

 

 

私の役目は特性を生かした高速運搬と空中からの援護、今まで使っていたヘリやバイクなんかよりも早く移動できればそれだけノイズの犠牲は減るのだから責任重大です。

 

 

太股と腕に展開した固定用のハンガーアームを緩め、翼さんがいつでも降りられるようにしました。

 

「もうすぐ着きます、予定通りに私は上空からの攻撃で支援します」

 

「わかった、だがお前にとっては初めての実戦だ……くれぐれも無茶はするなよ」

 

「翼さんがそういうならば」

 

「…っ……行くぞ」

 

私はその指示に従って降下し、翼さんはノイズの密集地帯に舞い降りる。

 

そして私はハンドガンを手に、ノイズを撃ち抜いてゆく。

 

そしてしばらく戦う後に、翼さんとの距離が開いてしまったなあと、振り返ってみれば、ビルの上に取り残された子供二人。

 

すぐに助けなければ、と加速を始めた時。

 

『ガングニールだとぉ!?』

 

目の前の少女の姿が変わったのはまだ耐えられましたが、司令の声でビックリして失速、鉄塔にぶつかりって墜落してしまいました。

とりあえずダメージはなかったのですぐさま上昇して、先程の少女達の元へと向かえば。

 

なんとノイズと戦ってるではありませんか!

 

『翼が向かうまで接触は待て!相手の正体がわからない以上きけ……』

 

司令の言葉よりも早く、気付かれたようです。

 

仕方ないのでガンドレイクでノイズ達を蹴散らし舞い降ります。

 

こんな時は時間稼ぎが重要です。

 

逃げられたり攻撃されたりしにくい、相手を困惑させる台詞を。

 

「―あなたは……あなたはそこにいますか?」

 

「えっ……?み……見ればわかるとおもいますけど……多分……います」

 

超困惑してるし、第一段階はクリア、見た感じ悪そうに見えないし、翼さんももうすぐ着くだろう。

 

にしてもこの子はなんなのだろう?

 

◆◆

 

何故まだ生きているの?

 

何故まだここにいるの?

 

何故私でなければなくちゃならないの?

 

その答えはわからないけれど。

 

「平気、へっちゃら……だから私は生きるのを諦めない……!」

 

初めて溢れ出した胸の歌を握りしめて、ノイズを砕き、見上げた夜空。

 

月の光に照らされて舞い降りるのは純白の羽のような鎧を纏った人。

 

「…あ………綺麗……」

 

瞬く間にノイズ達をやっつけてこちらを向くと、表情も変えずにゆっくりと口を開いた。

 

「――あなたは……あなたはそこにいますか?」

 

突然投げ掛けられた不思議な問いかけ。

 

「えっ……?み……見ればわかるとおもいますけど……多分……います」

 

それは深く、私の心に突き刺さった。

 

――私は本当に、ここにいるの?

 

その後、あったかいものだったり、色々あったけれど、その疑問だけはずっと消えないままだった。

 

◆◆

 

ガングニール、それは無双の一振りであり、かつて天羽奏が纏っていたシンフォギア。

 

当然、風鳴翼にとって思い入れの強いモノである。

 

全くの別人がそれを纏っているとなると、とてもではないが心穏やかに居られるはずがない……という事もなかった。

 

「奏のガングニールの欠片……お前が居た証はまた誰かを守れたんだな……」

 

むしろ奏が残したガングニールの欠片が人を救えた事を喜んでいた、ついでにいえばまだ確定ではないがもう一人装者が増える事にも少しだけ喜んでいた。

 

「この重荷が少しでも軽く……いやダメだ何を考えてるんだ私は……これは私が背負わなければならない責任……」

 

そう「アスカ」という超重力なテクニカル不器用バカが思いの他、翼にとっての負担となっていた。

 

悲しいかな、防人として生きてきた少女は戦士としての責任や歌手としてのファンからの期待、あげくには『自分の生まれ』には耐えられるのだが、テクニカル不器用バカのふわふわした距離感の暴力は『掴み所がなくて防げない』病の様なダメージとなっていた。

 

「……彼女は普通の少女と聞く、もしかしたらアスカとの距離感の掴み方がわかるかもしれないな……」

 

だから普通の少女(実際にはこちらも闇が深い)である立花響に、同年代の少女に対する技能を学ぼうと思い浮かべるのだが、翼はある事に気づいた。

 

「待てよ、もしアスカが彼女にまで……いかん……私が守らねば、アスカから守らねば……犠牲となるのは私だけで十分だ」

 

いつの間にか『アスカを守る』はずが『アスカから守る』にシフトしてるのに気付かない程に、風鳴翼は疲れていた。

 

そして最近になって謀らずも風鳴翼を弱体化させていた事に気づいたフィーネは『やはりアスカはヤバいな』といい加減慣れてきていた。

 

今日も思いの他、世界は『こんな筈じゃなかった』で溢れていた。

 

「つらい……」

 

そう呟いた声は誰かに届くのだろうか……。




この作品は翼さんはかなり弱くなってます。

病んデレ(意味が違う)

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