そろそろ大体の準備は出来てきたので、次回かその次で無印が始まれるようにしたいですね
初投稿
遂に私が装者となる日がやってきました。
事前の検査などでは適合率は翼さん以上に高いらしいですが、実際に動かしてみなければどう動くかはわからないでしょう。
付け焼き刃程度には動くようになったこの体でも、イメージ次第では十全には戦えるだろうとは櫻井先生の言葉。
「さあ、行きましょうか……『イカロス』」
――無きを在るべきように偽りて、飛べ-イカロス
羽を持たず、地に生きる人が空を翔る為には違うカタチになるイメージを受け入れなければなりません。
けれどもそれを私は成す、成さねばなりません。
発光が収まり、設置された鏡に映る姿。
スーツは白と濃紺、グレーのジョイントパーツにホワイトのアーマー、そして背面には巨大なウィングユニット。
私がイメージする、空を翔るに相応しき姿は「マークゼクス」。
翼さんの為に全てを捧げるならばきっとこれ以上なく、相応しい姿だと、私は感じました。
「守りましょう、私の命で」
そして私は、ブースターと重力操作能力を組み合わせてふわりと空へと飛び上がった。
◆◆
『イカロス』の装者となった明日歌が空を舞い、そのデータがリアルタイム更新されていく。
「飛行機能は結構難しい筈なのに、初回起動とはいえ平時のテンションも保ってるし……本当に規格外ね、あの子……まるで飛ぶ為に生まれてきたみたい」
それを見ていつもより真剣な表情をする櫻井了子、その内心では『やはり肉体と聖遺物の融合とギアの適合率には関係があった、装者を人工的に増やす為のヒントとなる』と新たな発見に歓喜していた。
「凄い、確かにギアを使いこなしている……だけど……」
だがその側で見ていた翼は気付いた。
装者として、とても大事なそれが欠けた明日歌に。
「どうして……どうして心で歌わないんだ……アスカ」
ギアから溢れ出すのは装者の心像風景の様な歌、だが明日歌が口ずさむのは『練習』で覚えた『仮りモノ』の『楽曲』。
翼がそれを不安に感じている事を知らず、明日歌は唄う。
あくまで最初の起動だしフルパワーで歌うより練習の歌で最低限のパワーで慣らしていく方がいいよねと練習に使っていた『fly me to the sky』を口ずさむ。
ギア側もそれに対応して合わせてるのだが、それを知るのはデータを見ている櫻井了子と明日歌本人のみである。
「じゃあ続けて武装のテスト、行きましょうか」
『はい』
モニター越しの野外訓練場に複数の的が出現した。
明日歌はまずそれをピストルで撃ち抜く、弾頭は徹鋼榴弾、時間差で的が爆発する。
次に取り出したのはナイフ、翡翠色の刃をした大きめのナイフ、それを的の横を通り抜けざまに深く突き立てる。
そして再び爆発。
そして最後に主力のアームドギアとして展開するのは。
-ルガーランス-
銀の刀身が二つ割れて、放たれた光弾が的を爆砕した。
「……見た目の割に威力はそうでもないのね……」
『相手に突き刺して内部から破壊する武器ですから』
明日歌が展開した武器は全てが二段攻撃で爆発するモノであり、それはまるで明日歌自身の歩く地雷のような性格を表しているようだった。
――敵対する以上、『アレ』一人だけでは分が悪いかも知れないわね……こちらももう一つコマを増やしましょうか
そしてその地雷じみた在り方が、また敵を増やして、自らを追い詰める事をまだ知らないまま。
ただ少女は束の間を翔ぶ。
◆◆
「ふふ、筋がいいな。君にはやはり人殺しの才能がある」
力を持つ者が弱者を虐げる世界に平和を望んで、引き金の引き方を、撃ち抜き方を学ぶ。
「さて、今日のレッスンは終わりだよ」
無防備に背を向けるそいつにあたしは表情を変える事もなく銃口を向ける、が。
「まだまだ殺気が消せてない、それに戦い方を教えたのは僕なんだからそれで君が勝てる道理はないよ」
いつの間にか、ナイフが銃口に刺さっていた。
返り血のように紅い髪の女傭兵、ソイツは。
私の教師であり、家族の仇。
「……てめえはぜってえ一番最初に殺す……」
平和を望む、それも嘘ではない。
だがパパとママが望んだ夢よりも、あたしはまずは目の前の仇を焼き尽くす事を望む。
「そうかい、まあ精々頑張るんだね」
――こいつを殺さなきゃ、あたしは前に進めない。
「……ばーん」
指で形作った銃口が、鉄の銃口に変わる様に。
言葉の銃声が火薬の銃声に変わる様に。
思いの弾丸が、鉛の弾丸に変わる様に。
あたしは、今日も無様に生きる。
クリスちゃん「三人に勝てる訳ないだろ!」
との事なので敵を増やしてみようと思いまして
はい。
まだ動く時ではありませんが、サーシェスとリボンズをモチーフにしてるのでどんなキャラになるかは大体お分かりいただけますね?