【更新停止】今を生きて、明日を歌う為に   作:ゆめうつろ

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執筆中
(翼さんヤンデレ面に)堕ちろ!

執筆後
(よく見たら主人公がもっとめんどくさい系に)堕ちたな……!



初月です


痛みでさえ、通じあえば

「天羽々斬うんぬんは一刻も早く翼さんに会いたいが為についた嘘なんです、別に大丈夫なんです、私は、私は大丈夫なんですよ櫻井先生!」

 

「……アスカちゃん、大丈夫よ、私達はわかってるから……」

 

「えっ……」

 

「だからそうやって強がらなくて大丈夫、必ず治療法は見つけるから、詳しく話して、ね?」

 

ぜ……全然わかってない……!なんでそんな事言うの櫻井先生!

 

 

「アスカ、いいんだ」

 

よくない、よくないよ翼さん!その壊れたような微笑み怖すぎてよくないよ!

 

「よくありません!私はっ!」

 

「アスカは、私が守るから」

穏やかな微笑みにしてもダメです!

 

「ダメです!私よりも、私よりも翼さんは翼さん自身を優先してください!元はといえば私のせいです、私が悪いんです!」

 

「アスカ……そんな事を言わないでくれ……私にお前を守らせてくれ」

 

本当にどうして……どうしてこんな事になったんだ……!

 

って私の、私のせいだ!私のせいじゃないか!

 

こんなバカな私なんて!いなくなればいいのに!

 

翼さんを傷つけてしまうような私なんていなくなればいいのに……!

 

『――本当の悲劇は絶望によって生まれるのではない事を、運命に抗う事で見いだされる希望、それが僕らを――「犠牲」へと駆り立てた……』

そうかこれが、これが生きる為の希望を求めた代償か!

 

 

だったら私にも考えがある!!

 

 

「なら、せめて翼さんの為に私の命を使わせてください……!お願いします……!」

 

もう後戻りは出来ないのなら私は翼さんの為に命を全部使う!

 

それが、私が思い付くただ一つの解決方法です!

 

「……わかった、わかったから落ち着こう、だったらアスカも自分を大事にしてくれ……お前が死んだら私はどうしていいのか本当にわからなくなる……」

 

ああっ……どうして、どうしてこんな事になったんですか……。

 

 

こうして、同居人で、仲間予定だった私達は『不健全な関係』になった。

 

それは翼さんか私のどちらかが死ぬか、互いの心が離れるまで続く、痛みを伴う関係。

 

 

依存で殴りあうような関係に。

 

 

◇◇

 

「奏、私はアスカをお前の代わりとして見ていた、アスカにお前と同じ部分を求めていた」

 

『だろうな、さみしがりのアンタならそうしそうだ』

 

「それで勝手に自分だけ傷ついて、本当に傷ついてる彼女を見なかった」

 

『だったら翼、アンタはこれからどうする?』

 

「まだわからない、けれどまずはきちんと向き合おうと思う、それでその中で答えを探そうと思う」

 

『まあ、及第点としてこれからは思い込みには気をつけなよ、アンタはただでさえ突っ走りやすいんだから』

 

 

夢から覚めればそこは医務室だった。

 

しばらく意識がはっきりしなかったが、櫻井女史に向けて慌て叫び散らすアスカの姿に目が覚める。

 

それは死への恐怖ではなく、私への怒りでもなく。

 

私を縛り付けてしまった『自分自身』を責めるような叫びだった。

 

ああ違うんだアスカ、お前が責めるべきは傷つけないように、傷つかないように逃げた私なんだ。

 

 

「アスカ……いいんだ」

 

「よくない!」

 

……一度認めてしまえば私は互いを縛り付ける関係を嬉しく思う。

 

――それはまるで新たな使い手を見つけた妖刀の様な気分だった。

 

奏の代わりとして見ていた醜い親愛とその罪悪感の反動か、お前が奏でない事を受け入れた今、なおさらお前に親愛を感じる。

 

おぞましく、醜く、汚らわしいとかつての私なら切り捨てた歪んだ愛情が今の私には満ちている。

 

「アスカは、私が守るから」

 

だがそのフランベルジュの様に歪んだ刃も使い方次第、剣は持ち手次第で善きにも悪しきにもなる。

 

「ダメです!私よりも、私よりも翼さんは翼さん自身を優先してください!元はといえば私のせいです、私が悪いんです!」

 

「アスカ……そんな事を言わないでくれ……私にお前を守らせてくれ」

 

アスカ、お前に私を振るわせたい。

 

お前の罪悪感で私を上手くつかってくれ。

 

お前を守らせてくれ。

 

 

「なら、せめて翼さんの為に私の命を使わせてください……!お願いします……!」

 

ああ、嬉しい事を言ってくれる!!

 

なら私も同じ様にその命を使わせて貰おう!

 

「……わかった、わかったから落ち着こう、だったらアスカも自分を大事にしてくれ……お前が死んだら私はどうしていいのか本当にわからなくなる……」

 

表向きはこの歪んだ気持ちを隠しながらアスカを落ち着かせる。

 

ああ、こんな気持ちははじめてだ!

 

 

はっ!?

 

もしかして!!これが恋というものか!?

 

 

 

 

『違うから!!ってか何やってんのさ翼!?おい誰かこのバカを止めろ!!間に合わなくなるぞ!!』

 

 

◆◆

 

ねえ、何?何このどす黒い空間は?

 

風鳴翼と真琴明日歌、確かに依存関係的な状態に落とし込めばうまく使えると思ったんだけど……

 

誰がここまで拗らせろと!?

 

真琴明日歌は自責、風鳴翼は依託。

 

互いに一方通行の感情の刃で突き刺しあう関係って何!?

 

雪音クリスに痛みこそが人を繋ぎ止めるなんて教育を施してるけど!

 

これは何だ!本当に何なのだ!?

 

バラルの呪詛か!バラルの呪詛が悪いのか!おのれ!




要約

アスカ
「やっちまったぜ、私は責任取ってこの命を全部翼さんに預けるね(錯乱)」

翼さん(暗黒面)
「(これからはアスカに命を預ける形に)切り替えていく」

フィーネ
「なにやってんだこいつら……(畏怖)」

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