ごパン戦争[完結]+番外編［連載中］

間章

　〇〇〇-325332

　Unclassed

　特別収容プロトコル:【NAME ME CALL】

　〇〇〇-325332及び325332-A1から続く関連番号オブジェクト群の収容は事実上不可能ですが、LK-classシナリオ収容プロトコル:【NAME ME CALL】が適応されます。本プロトコルにおいては収容された事実が暴露された“捲られてしまった世界”に対しての特別プログラムが紐付けされており、財団の全リソースの特化運用が承認されます。これは関連世界群【BOND領域】を観測する基底現実番号LBS-3238Ⅳの〇〇〇-939200“疑似平行世界群”内の財団が発足させた自己収容型隔離プロトコルを共有した他世界間の財団組織連合が主に主導する多世界群規模のミーム汚染を主体とする多用途プログラムであり、現在進行形でLBS-3238Ⅳ標準時間内で共有された世界群は凡そ9032乂個にも及ぶと推計されます。このプロトコルは外宇宙、多次元、別宇宙、平行世界、このような領域観測を可能とする世界に現実描が存在し、尚且つ財団及び財団に類する価値観を共有出来る組織において他の領域の財団から接触を行う事で実行が可能となります。

　実行プロトコル:概要

　特別収容プロトコル:【NAME ME CALL】はこの運用を始めた基底現実番号LBS-3238Ⅳの〇〇〇-939200“疑似平行世界群”内の財団が組織した“有限個の財団による無限支援”の総称です。このプロトコルを最初に発案した財団は〇〇〇-939200同士を繋ぐ事が出来る“世界を繋ぐ機械”が存在する事で増え続ける現実宇宙内の“疑似平行世界群”と呼ばれる領域内の地球にて誕生しました。

　その内部にある地球型の西暦を有する惑星という条件でデータの相互共有が可能な繋がっている宇宙数は基底現実番号LBS-3238Ⅳに集まったデータに拠れば、観測可能な生命と財団組織が存在しているものだけに限定して凡そ89恒河沙個あるとされており、滅びてしまった宇宙や生命がもう存在しない宇宙を含めると更にその数は532乗倍程存在すると推測されています。

　【NAME ME CALL】の発動条件は5つ存在します。財団が他のプロトコル共有財団に最初に接触したファースト・コンタクト時点での組織を構成する構成員である生命体と同一種族である事。要請した財団の半数以上Dクラス職員以外の構成員が財団管理下もしくは運用下もしくは適応状況に無いオブジェクトによるミーム汚染に晒されていない事。LK-classシナリオを引き起こしたオブジェクトの隔離が他世界に対しても有用な情報として流用出来る可能性を証明する事。要請した財団が世界再建を行うタウミエルの起動不能、もしくは枯渇によってLK-classシナリオを許してしまった事。このプロトコルを共有する財団が他の同じ条件下の財団群に支援を要望する事。これらが揃った場合のみ実行要請が可能です。

　宇宙崩壊シナリオ及び人類絶滅シナリオ、支配者交代シナリオなどの当該基底現実番号世界の人類が事実上滅びるか滅び掛けた際には一部の例外を除いてこのプロトコルは発動出来ません。これはこのプロトコルの運用初期段階において、他世界へのシナリオ影響の波及によって幾つかの宇宙が甚大な被害を受けるのみならず、影響の波及した末に消去もしくは生命体の大量絶滅が確認された事が原因であり、他世界の保全に重大な懸念のあるオブジェクトの収容離脱や放逐などで他世界の財団を崩壊させる可能性を排除する目的で設定された条件付けです。

　一部の例外とは人類の他世界への移住による人類復興シナリオの為の限定的な移民や他世界への教訓を残す為にその基底現実から重要な人類の情報や遺伝子、オブジェクトを接収する遺産収容シナリオ“エピタフ・プログラム”のみとなりますが、これ以外にも〇〇〇-939200の収容実体〇〇〇-939200-αに関しても運用される事があります。

　本プロトコルはこの時点でタウミエル以外のオブジェクトは収―――AAA-Code.　No end.

『くそぉおおおおおおおおおおお!!?　どうして!?　この!?　このっ!?　見せろ!?　見せてよ!?　お願いだから、何がどうなってるのか教えてよぉ!?　そうしないと!?　そうしないと!?』

　その日、無名山地下に存在するとある施設内において一台の大型端末が使用不能になった。

　そして翌日……遂に帝国からの来訪者は犯罪者達が夢見たユートピア。

　楽園へと降り立つ事になる。