ごパン戦争[完結]+番外編[連載中]   作:Anacletus

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第113話「対話~特攻野郎KチームVS最後の巫女~」

 作戦開始時刻午後1時ジャスト。

 最も早く敵を認識したのは敵NV14機だった。

 

 先行して敵主力の能力を丸裸にしたバナナの話によれば、透明化は連続44時間稼動。

 

 機体は動作停止中に限り、極省力モードで伝送系の八割が停止する仕様。

 

 重要なメインカメラや各センサー類が搭載された頭部ユニットと各関節部に据え付けられたサブセンサーが最低限の働きをしているだけらしい。

 

 これが動き出す条件は明確に撃破可能な戦力と危険度判定を受けた存在がセンサー内に掛かるか。

 

 または携行火器の中でも極めて高火力な武装を見に付けた部隊や個人を見つけた場合に限る。

 

 つまり、飛行船周囲に円陣を組むようにして各方位を警戒していたNV14機はリンクによって周辺情報を共有、警戒こそしていたが、自分達を遠巻きに囲むよう出てきた3km先の戦車を本当の脅威とは見ていなかった。

 

 それを証明するのは円陣から動き出したのは2機のみという事実。

 

 上空の飛行船はタワーの如く何層かに固まって密集していたが、それにも動きは無く。

 

 完全に舐め切っていた。

 その光景は極めて単純な構図だ。

 大人と子供以下。

 

 蟻と象くらいの差を【統合《バレル》】達の兵は自分達と共和国軍に感じているのだろう。

 

 どうして、仲間が十数機以上撃破されているのにそんな態度でいられるのか?

 

『いや~~ウチのプログラム使うてる連中が出始めた頃にな~~新型のアップデート時に隠しファイルが一緒にインストールされるようにしたんよ♪ だから、リンク状態の連中を欺瞞するのは簡単なんや。ま、センサー類自体は誤魔化せんが、リンクで共有される定期的な生存確認や他の統合情報は異常無しとしか相手に伝わらん。ちゃんと設定を勝手に検索、勝手に暗号化解除、勝手に平常運転してますよ~~的な情報が相手にも届いとるはずや。部隊の連携も無い兵隊なんぞ。実力が上の相手に勝てる道理ないやろ? ま、音声通信や定期的な映像での報告なんかまでは誤魔化せんさかい。そういうのだけ音信不通にするよう調整しとる。そうすりゃ、相手は敵の妨害で今も戦ってると勝手に思い込むわけや。昔は仰山、敵をバラバラしてからこの手法で料理したっけなぁ~~あ~~ウチの甘酸っぱい青春の一頁……』

 

 極めて悪魔的な独白をしてくれたバナナ・R・クリームさんの手柄は大きい。

 

 相手が大きく跳躍しながら戦車との距離を詰めていく。

 残り20m程になった瞬間。

 火炎放射器らしい装備が構えられた。

 

 銃口の大きなライフルにも見えるソレがノズルを伸ばし、一瞬で炎が吹き上がる。

 

 粘着する液体燃料らしきものが戦車装甲表面に付着して急激に熱で火脹れさせたかと思うと数秒後に爆発した。

 

 これに気を良くしたのか。

 

 同じように時計回りで次々に戦車8台が二機のNVの火炎放射で爆発炎上していく。

 

 作戦の第二段階。

 3km離れた場所で二機のNVが新たな機影を確認。

 そして、一瞬だけ緊張が彼らに奔る事だろう。

 戦車の真上に括り付けられたモノ。

 レールガンを見て。

 

 それが自分達の技術の産物だと分かっているからこそ、敵は無視出来ない。

 

 北西の機影が跳躍して更に2km先の角から現れた戦車。

 

 二股の槍のような超兵器の()()を括り付けた囮に食い付く。

 

 敵が使い捨てのレールガンを道端に放棄していたのは確認済み。

 

 それを共和国軍が回収した事も知っているだろう。

 

 だから、その戦車のレールガンもソレだろうと考えるのは自然。

 

 と、此処で予めバナナに仕掛けさせておいた時限式のタイマーが終了。

 

 ()()()にレールガンが発射された。

 

 それが建造物の一角を貫き爆砕。

 そうしてようやく。

 

 敵主力NV全機が稼動状態となり、次々に臨戦態勢を取り始めた。

 

 もしかしたら、レールガンを修理した。

 あるいはレールガンが完全に壊れていなかった。

 

 という不確かな事実に誰もが戦車を無視出来なくなる。

 

 そうして、それと同時にほぼ八方向5km先から様々な放棄された武装を括り付けた戦車群が姿を現せば。

 

 お膳立てはほぼ終了。

 

 戦闘状態に入った機体が全て一斉に跳躍してもしもの事態を潰す為に戦車を破壊しに向かう。

 

 その跳躍と加速と着地する機体の動きは圧巻だ。

 最速で誘導弾や近接武装で敵を破壊しつつ。

 的確にガラクタを潰す為に火力を消費していく。

 虎の子のレールガンは使わない。

 そう、緊急事態への備えとして。

 

 こうして、敵が機甲戦力に食い付いたのを確認した全方位6地点。

 

 隠されていたレールガンの設置地点で前方にある建造物の看板が前以て刳り貫かれていた部分を前に叩き出され、発射が可能となる。

 

 時刻13:02分。

 

 照準がもう終わっていた第一射が正確無比に魚群最下層の吊り下げられていた黒いバンカーバスターを直撃した。

 

 密集していた事が仇となったか。

 確認出来る限り1撃で9発を破壊。

 続いて第二射。

 レールガン下部に設置された照準機器。

 

 人力で組まれた360°横回転する鋼の枠が人の手で押される事で動き。

 

 射角を微調整され、12秒で放たれた。

 それとほぼ同時。

 最下層の魚群が爆発に巻き込まれて完全に崩壊。

 

 その上の船体も幾らかが巻き込まれて轟沈し、爆炎を巻き上げて次々、下層から炎が立ち上る。

 

 これに慌てたのだろう飛行船が一斉に散り散りに動き出し、密集陣形を解こうとして。

 

 9km先の上空から放たれたレールガンの一撃で2隻が沈んだ。

 

 次々に逃げ出そうとする端から打ち落とされていく飛行船が4機。

 

 これで身動きを封じられ、地表のNV達にどうにかするよう指令を下したのだろう敵の指令部は混乱状態だろう。

 

 輸送機は逃げていたはずだと彼らは思ったのだ。

 

 しかし、それは偽装で敵はレールガンで上空と地表から狙撃した。

 

 こうなればもう相手の武器を完全に破壊する事でしか自分達の安全は確保出来ない。

 

 そうして、全速力で地表の狙撃ポイントと上空で移動している輸送機を確実に打ち落とせる距離まで敵は近付いてくる。

 

 飛行船団の直衛に何機残るかと確認したが、合計で3機のみ。

 

 他は次々数km先目掛けて跳躍機動に入った。

 飛行船団から離れた300m先の路地裏。

 

 屋根の看板の背後に固まって身を潜めていたガトーが立ち上がり様に跳躍する。

 

 両肩の後ろに付けられたロープとソレに括られた金属製の鐙《あぶみ》のようなものに足掛け、しがみ付いた。

 

 跳躍の勢いで後ろに引き剥がされそうになるを堪えながら、突入を慣行。

 

 約3回の跳躍で爆炎によって溶けて未だ灼熱する敵の直下30mまで付けた。

 

 こちらの動きを察知した直衛が見えないにも関わらず的確に向かってくる。

 

 レールガン自体はもういつでも撃てる状態にしてあるようだが、どちらも見えない以上は至近でなければ、攻撃は当たらない、というのがあちらの判断だろう。

 

 無論、そんな事はない。

 

 何故ならNVのセンサーに掛からないはずの姿が見えるという稀有な人材が此処にいるからだ。

 

「右前方43度!! 建物の上スレスレを突撃して来てるぞ!!」

 

 ガトーが腰に付けていた誘導弾をその方角にフルファイア。

 同時にポットをパージし、身軽になった。

 こちらのミサイルが現れた瞬間にあちらもミサイルで相殺。

 ついでに僚機が援護に入って、レールガンで撃墜。

 

 そう相手ならば、考えたはずだが……その未来もまた次なる一撃で粉々となる。

 

 脇の下からニュッとレールガンが飛び出し。

 

「左前方23度!! パン屋の32m上だ!!」

 

 この状況で正確無比な照準をしたパン共和国の英雄が片腕で撃った。

 

 その衝撃は常人なら肉体が粉々になっていてもおかしくないのだが……どうやら巨女はその例外に入るらしく。

 

 撃った後のレールガンを手放す事もなく。

 

 ブラブラと折れたらしい片手に握って獰猛に笑んでいた。

 

 銃口をこちらへ向けていた敵は空中で爆砕。

 だが、其処で背後の上空から爆発音が聞こえた。

 たぶんは突っ込んできていた輸送機がやられたのだ。

 しかし、振り返っている暇は無い。

 

 ミサイルの飽和攻撃同士の激突に右前方から猛烈な衝撃が襲ってくる。

 

「左後方から回り込まれてるぞ!! 下方に緊急回避!!」

 

 相手は10m級の巨躯だ。

 しかし、こちらはそれよりも小さく。

 入り込める場所は多い。

 ガトーがこちらの指示へ従って、すぐ降下。

 

 跳躍する瞬間、レールガンの攻撃が上空を通り過ぎ。

 

 地面スレスレを機体が砲弾のように駆け抜けた。

 

 一直線上にある路地の脇はもう爆炎の熱量によって溶けていたが、それを吹き飛ばすような衝撃波を後方へ置き去りにする。

 

「カシゲェニシさん!!」

 

 背後で4mの武装がこちらに手渡される。

 移動の最中だ。

 

 普通の人間に受け取れるはずもないが、それが何故か上手く……本当に上手く受け取れた。

 

 もう自分が常人の範囲にない事は分かっていたつもりだったが、それにしても武装を両腕で抱える事に不安も無かったのだから、変質しているのは確かだろう。

 

 音速でも出ていそうなガトーの背後で限りなく静寂に包まれつつ。

 

 ロープから離脱。

 

 灼熱地獄の溶鉱炉さながらの地表を片足で削りながら何とか爆発跡の中央付近で踏ん張り。

 

 レールガンの重量に振り回されそうになりながらも抜けそうな腕で運動エネルギーを円運動に変換して勢いを殺す。

 

 筋肉が破断し、骨が粉砕骨折するのも構わず。

 上空へ向けた状態で静止させた。

 腕と足が熱量と衝撃に砕けながら焼かれていく。

 断熱作用がある衣服とはいえ。

 それでも呼吸をすれば、肺が焼ける。

 

 外套やスーツの隙間から入り込む熱量まではどうしようもない。

 

 ああ、それでもどうにかなってしまうから動ける自分は正しく巨女に言われた通りの狂人だと感じながら、全身から一瞬噴出した血に塗れ、渇く瞳のままインカムが壊れない内にと告げる。

 

『動くな!! 戦闘はお終いだ!! 動けばレールガンが飛行船を下から全て撃ち抜く!!』

 

 予めバナナに調整させていた通り。

 敵陣営の全艦に通信は届いているはずだ。

 オープンチャンネル。

 

 それに割り込んでくるというだけでも相手側からすれば、驚きだろう。

 

 後は相手が応えるかどうか。

 

 残っていた二機は既にこちらへ向けてレールガンを照準した状態で周辺の建物の横に静止している……一歩間違えば、頭部まで粉微塵の可能性が高い。

 

――――――総員、戦闘停止……武器を収めなさい。

 

 それが何秒の沈黙だったのか。

 感覚は麻痺していた。

 

 だが、それが人生の中でも飛び切り長い時間だった事は確かだ。

 

『まさか……このような事があろうとは……世は不思議に満ちております。名も知らぬ君……どうやら、我々は負けたという事でよろしいか?』

 

 インカムが拾った声は機械音声のように声音が変換されており、男か女かも分からない。

 

 しかし、確かに強い意思を感じさせた。

 

「武装解除しろとは言わない。だが、お前らを狙ってるのはオレだけじゃないと言っておく。こちらからの要求は以下の四つ。一つ、地下の遺跡を諦める事。二つ、下でドンパチしてる化け物の封じ込めを手伝う事。三つ、あの肉の塔を封じ込めている黒い玉を譲渡し、維持運用の方法を教える事。四つ、化け物の封じ込めが終わった後、ただちにこの国から立ち去る事」

 

『それは要求ではなく。足元を見るという行為では?』

 

「生憎と交渉しているわけじゃない。一緒に滅ぶか。一緒に生き残るか。答えはシンプルに二択だ。第三の選択肢も、第四のイレギュラーもありはしない。ここで決めろ。お前達が滅びるか否か」

 

 静かに静かに肺が焼けていく事も構わず声帯を酷使する。

 

『……ふ、ふふ。あはは、あははははははははははははっっっ!!!』

 

 その大笑いする声には狂人のような開き直りも、全てに対する諦観も含まれてはいない。

 

 純粋にただこちらの言葉がツボに嵌ったかのような、そんな響きを宿していた。

 

『宿敵との戦いに望んでみれば、彼らは自ら滅び。我々は侵略者に成り下がってしまいましたか……よろしい。名も知らぬ君よ……貴方の要求を呑みましょう。この新統合宗教連合体《しんとうごうしゅうきょうれんごうたい》【|理想郷主義者()()()()()()()()】の宗導者。八百万の神々司りし、神道最後の巫女が……」

 

 その声の背後で何か声が多数上がった。

 

 それは驚きであり、怒りであり、または別の否定だったかもしれない。

 

 しかし、それを後ろにして尚。

 声の主は揺るがなかった。

 

『資産以外にユダヤ意見するべからず。技術以外にキリスト意見するべからず。詮議以外にイスラム意見するべからず。人選以外にヒンドゥー意見するべからず。軍略以外に神道意見するべからず。我ら五派の相違在らん時は宗導者の決断に従うべし』

 

 後ろの声がすぐに静まった。

 

『各々方。我ら危急の時、これ相違によって相食む事は全宗派を滅ぼすと知られよ。この声の主が如何に法外な要求をしていようと。我らとて、この地の者達に自らの業を押し付けた事に違いは無い。死んでも殺せる輩が、両者死なずにと言うのだ。これを受け入れず何を受け入れると言うのか。未だ、我らの意は死なず。我らの身は滅びず。ならば、違う道を求める事もまた出来よう』

 

 声の後。

 

 他の雑音が入る事は一切無かった。

 

『失敬。では、一時停戦を……そちらも矛を収める。それでよろしいか?』

 

「いいだろう。宗教組織とまともに殲滅戦で泥沼なんて御免蒙る。軍の連中を首都機能の最終防衛ライン前まで後退させて欲しい!! いいか!!」

 

 近くの建物の影で予備のインカムを使っている総司令官が何やら溜息を吐きつつも「了解」と声を返してきた。

 

『では―――地下の包囲を崩してはなりません!! む? 包囲を突破された……名も知らぬ君よ。悪いですがもはや我らの精鋭では押さえ切れぬようで』

 

「チッ、ああ、クソッ……此処まで来て地表にかッ。今、何処にいる!!」

 

『敵は真っ直ぐこの地表に向かっている……もうすぐ貴君の傍にある地下から―――』

 

 その声が終わるより先に鋭利な切っ先が8m程先の地面から突き出し、一瞬で地下に地面の一部が崩落していった。

 

 その下から片手の鎧われた指が突き出て。

 

 下からの銃弾が弾ける音を引き連れながら、ソレが這い出てくる。

 

 左腕は既に無く。

 右足は既に無く。

 もはや黒い影で無くなって尚。

 威圧感は僅かにも衰えず。

 片足片腕で武装はブレード一つ。

 黒い全身鎧の何者かが立ち上がり。

 

 表層から落ちる黒い羽毛を散らしながら、こちらを見据える。

 

 その鎧の表面はもはや見る影も無くボコボコに凹んでいたが、それでも相手が並みの手負いの獣より強い事は確かだ。

 

 焼けた肺は周囲の空気温度の低下と共に癒え始めている。

 

 こちらは五体満足。

 敵はハンデ二本。

 それでもギリギリ。

 それでも勝てるというビジョンが不鮮明。

 

 このような開けた場所で戦うと言うのなら、もはや銃弾などに頼れはしないだろう。

 

 以下に手足が無かろうと。

 

 鎧の主は高速で避けるだろうし、火力の収束は困難。

 

 ならば、もはや戦う方法は一つだけ。

 超近接戦のみ。

 

 鎧を突破する威力の火器が今のところレールガンしかない以上。

 

 こちらの手札はブレードが二本に暗器が二つ。

 

「オイ。アンタ……今一番下層にある飛行船数隻に乗ってる連中を離脱させろ」

 

『出来ますが、どうするつもりです?』

 

「オレがこいつを抑えてる間に落とす準備をしておけ。こいつが離脱しそうになったら、その方角に落として進路を塞ぐ。それと火力を出来るだけ集中出来るようにNVの配置を。全ての方角を押さえた後、オレが負けそうになったらオレ毎コイツを仕留めて、地下遺跡に肉片を一つ残さず放り込め。こっちの遺跡はまだ閉ざされてない。そうだろう?」

 

『ええ、閉ざされていませんが……正気でしょうか?』

 

「生憎と狂人の類だ」

 

 封鎖は任せるとインカムに告げる。

 

 その声が届いているヒルコから「任せておくのじゃ」と答えは返った。

 

『……お名前を窺ってもよいですか?』

 

「カシゲェニシ。ちょっと、この国で戦争ボケの老人を世話してる一般人だ」

 

『ぷっ』

 

 思わず噴出した様子の相手が何やら取り繕うように咳払いをした。

 

『短い間の共同戦線かもしれませんが。よしなに……』

 

「ああ、少なくとも次にこういう形で会う事が無いよう祈る。ちなみに一つ聞いていいか?」

 

『何か?』

 

「巫女って今でも紅白の袴姿なのか?」

 

『―――貴方は……』

 

 動き出した黒鎧に向かって走り出す。

 その時、ほんの僅か。

 鎧の面の下で相手が笑ったような気がした。

 踏み込みは神速。

 こちらのブレードの構えは真っ向唐竹割り。

 

 しかし、それでも相手の細長い片刃の長剣は迎撃して。

 

 クロスした刃が火花を散らす間も無く。

 

 確かに片方は両断され。

 

 片方は相手の体を捉えた。


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