ダンジョンから地上に戻ってくると、何故かギルドでは職員の人達が忙しなく動き回っていててんてこ舞いの状態だった。
そこに丁度良い所にエイナさんが通りかかって来たので話を聞くことにした。
「エイナさん、この状況何かあったんですか?」
僕がそう聞くと、エイナさんはこう答えてくれた。
「ベル君、それがねつい先刻ダンジョン内部で大規模の地震があってねそれの対応に追われてるんだ。」
それを聞いた僕は首を傾げてしまう、少なくともダンジョンの中にいた時は地震なんて一度もなかったからだ。
そんな事を考えていると、ある事を思い出した。
それはゴライアスと戦った時に使用した魔法の事だ、ダンジョンの壁に大穴を開ける程の威力のある魔法を使ってダンジョンに何の影響が無いというのは可笑しな話だ。
思わずこれからの冒険では魔法の使用は控える事を考えてしまった。
「ベル君、どうかしたの?」
そう言って僕の顔を覗き込んでくるエイナさんにこう答える。
「エイナさん、後で時間貰えませんか?話しておきたい事があるんです。」
小声でエイナさんにそう伝えると、エイナさんも小声で答えてくれた。
「うん、分かった。それじゃあ一時間後に講義に使ってる部屋で話そっか。」
「はい。」
エイナさんは僕の返事を聞いてからすぐに仕事にへと戻っていった。
僕もダンジョンで得た魔石とドロップアイテムを全て換金してヴァリスにへと変えた。
換金を終えた僕は一人先に講義室に入ってエイナさんが来るのを待つ間アジ・ダハーカと話す事にした。
精神世界に入った僕は早速アジ・ダハーカに話を聞くことにした。
「おい、アジ・ダハーカ話がある。」
『何だよ、ベル。』
「ダンジョンで言っていたことの事だ。」
『あぁ、あれか。』
僕がそう言うと、アジ・ダハーカはめんどくさそうにそう言って来る。
「そうだ、キッチリ話してもらうからな。」
『チッ、メンドクセーがしょうがねぇか。いいか、よく聞いとけ。』
アジ・ダハーカの話はこうだ。
僕の魂は何故か邪龍の魂と適合し合い一つの魂と存在しているにも拘らず邪龍達が意識を持っている事が出来ているのは分かっていないらしい。
普通であれば魂同士の主張が強すぎて壊れてしまうからだそうだ。
確かに、邪龍達は個性が強いからな・・・。
だけど、そのおかげで僕にアジ・ダハーカの魔力を分けたり出来るというのだから凄い事だろうなと思う。
「そうか、分かった。」
僕はそう言って現実世界に戻っていく。
誰もいなくなった精神世界でアジ・ダハーカがこう呟く。
『さて、お前が進むのは果たして
現実世界に戻ってくると、講義室にはまだ誰もいなかった。
結構な時間アジ・ダハーカの話を聞いていたからエイナさんが来ていても可笑しくないと思っていたんだけどな・・・。
「仕事が長引いてるのかな・・・。」
そう呟いていると、講義室のドアが開きエイナさんが入ってくる。
「遅くなっちゃってごめんね、ベル君!!」
「いえ、僕もさっきまで寝ていたので気にしてませんよ。」
エイナさんの謝罪に僕はそう言って答える。
「それで話って何なのかな?」
「それなんですけど、まずは到達階層を更新したいんですけど・・・。」
「そうなの、それじゃあ今日は何階層まで到達したのかな?」
「十七階層の【嘆きの大壁】です。」
「えっ?」
到達階層を伝えた途端、エイナさんが固まってしまった。
「それって
「はい、そうですよ。」
エイナさんの質問に即答すると、こう言って来る。
「ベル君、いくら君が邪龍の【ステイタス】を使用出来るからって十七階層まで降りるのは危険過ぎるよ!!」
そう言って来るエイナさんに、僕はこう言って返す。
「大丈夫ですよ、エイナさん。僕はここで死ぬつもりはありませんから。」
僕はそうハッキリと言い切ると、エイナさんは黙ってしまう。
「それとですね、階層主のゴライアスを邪龍の魔法で撃破しました。」
「えっ、えぇ~~~~~~~~~~~~~~!?」
ゴライアス撃破の話をしたらエイナさんは大声で叫び出した。
「階層主を一人で!?それに邪龍の魔法って何!?」
勢いよく質問してくるエイナさんに戸惑いながらも僕は説明する。
「実は【嘆きの大壁】に着いたら丁度ゴライアスが生まれましてそれで邪龍の一体が使う魔法を使って撃破したんですけどダンジョンに大穴を開けちゃいまして・・・。」
それを聞いたエイナさんが僕にこう言って来る。
「もしかして、あの時のダンジョン内部の大揺れは・・・。」
「たぶん、僕の使った魔法のせいだと思います。」
それを聞いたエイナさんはフラッと背もたれに背中を預ける。
「うん、分かった。ベル君があの時いつも通りだったのが解けたわ。」
そう言うと、僕の方に視線を合わせてこう言って来る。
「いいかな、ベル君。今後魔法を使う時は緊急時の時だけにして欲しいの、そうじゃないとね・・・。」
このエイナさんの言葉は疲労感が物凄く伝わってくる。
「分かりました、これからは出来る限り強力な魔法の使用は控えるようにしますね。」
「ありがとう、ベル君。」
僕がそう言うと、エイナさんは嬉しそうにそう言って来る。
すると、エイナさんがこう言って来る。
「やっぱり無茶だけはしないでね、ベル君がいなくなっちゃったら悲しむ人が居るんだからね。」
「はい」
エイナさんの言葉に僕はそう言わざるを得なかった。
あの後、僕はエイナさんと別れて
「おかえりー、ベル君!!」
そう言いながら抱き着いてくる神様を軽く受け止めてから僕はこう言った。
「ただいま帰りました、神様。」
そうやった後、僕は装備を外して普段着に着替える前にこう言った。
「神様、さっそく今日の【ステイタス】の更新をお願いします。」
「うん、分かったよベル君。」
僕の言葉に神様はそう言って同意してくれる。
ベッドの上でうつ伏せになると、神様が【ステイタス】の更新が始まる。
着々と更新が進んでいくと、突然神様がこう言って来る。
「べ、ベル君、今日は一体何をしていたんだい?」
「えっ、何ってダンジョンに潜っていたんですけど・・・。」
不思議な質問に対して僕がそう答えると、神様がこう言って来る。
「じゃあ、何で
「あぁ、それは階層主を撃破したからでしょうね。」
捲し立てる神様の問いに僕は平然と答える。
その言葉を聞いて顔を引き攣らせながら神様はこう言って来る。
「階層主って君は今日どこまで潜っていたんだい?」
「十七階層です。」
その問いに僕が即答すると、神様はこう言って来る。
「なるほど、君がランクアップ出来るのはゴライアスを倒したからか。それでも、他の冒険者と一緒に倒したんだろ。」
なにやら縋るような顔をしながらそう言って来る神様に対して僕はこう答える。
「いえ、
その僕の言葉を聞いた神様は崩れ落ちるかの様にベッドに倒れた。
「か、神様、どうしたんですか?」
そうやって聞くと、神様は飛び起きてこう言って来る。
「ベル君、君のスキルはただでさえ異常過ぎるんだ。だから、自重というものを覚えてくれ・・・。」
「出来る限り善処しますね。」
「そこは分かりましたと言って欲しかったよ・・・。」
神様はそう言いながらランクアップを済ませて羊皮紙に僕の【ステイタス】を書き写してくれた。
【ステイタス】を書き写したその羊皮紙を受け取ると、そこにはこう記されていた。
ベル・クラネル
level2
力SSS9998 耐久SSS9970 器用SSS9989 敏捷SSS9991 魔力SSS9999
邪龍SSS 魔導SSS 精癒SSS 耐異常A 魔防SSS 破砕A 拳打A 狩人I
【
・身体の中にいる八体の邪龍の肉体と力、特性を使役する。
・使役した邪龍の【ステイタス】(level以外)が自動的に書き写される。
【
・力、耐久、器用、敏捷のアビリティ超高補正
・使役している邪龍の肉体と同じになる。
【
・全アビリティ常時超高補正
・
・
【
・
・瀕死時における力のアビリティ超高補正
・耐久、器用のアビリティ低下
【
・
・
・
【
・邪龍アジ・ダハーカの魔法を使用できる。
・同時に複数の魔法を行使できる。
・詠唱破棄
【
・邪龍の精神力を己の物にする
・
・耐久のアビリティ低下
この【ステイタス】は異常過ぎる、神様の言う通りだ。
これは【ランクアップ】したからといってもだ。
それに、levelが上がった事で発展アビリティも邪龍のモノが発現している。
「ベル君、【ランクアップ】した事で更に君の【ステイタス】は絶対に隠しておかなければならない代物になっている。」
真剣な表情で神様はそう言って来る。
「はい。」
僕は短く返事をすると、神様は優しくこう言って来る。
「それでも、
「はい、神様。」
そう話し合った後、僕達は夕食を食べて今日の疲れを取るために就寝するのだった。
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