オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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 ドーモ、ALEX改です。今回から間宮あかり編に入ります。
 剣護のアミカは一体誰になるのやら。まあ、この話で決まるんですけどね。
 それではどうぞ!


第二章 戦兄妹
第9話 戦姉妹結成!


アリア「間宮あかり。戦姉妹を賭けて、あたしと勝負よ!」

 

ある日の夕方、そんなアニメ声が武偵高に響いた。それは1人の1年生、間宮あかりにかけた神崎アリアの言葉である。

 

アリア「あんた、あたしに戦姉妹の申請をしたのよね?」

あかり「は、はい」

 

アリアに問われて、迫力に押されていたあかりもなんとか言葉を返す。

 

アリア「あたしは忙しいの。教務科の命令でも、無条件でお守りなんか……」

 

しないと言い切る手前でアリアはくるっと後ろを向くと目を凝らす。あかり、ライカ、志乃の3人もつられてアリアと同じ方向を見るとモウモウと砂煙が上がっていた。

 

あかり「……なにあれ?」

ライカ「んー……よく見えないなぁ」

志乃「あ、誰か走ってくるよ」

 

剣護「うおおおおおおお!!」

 

その姿を見て3人は1発で誰なのかを理解した。そう、アリアと同じクラスの男、月島剣護である。何故か焦った様子で爆走している。

 

あか・ライ・志乃『月島先輩!?』

アリア「ちょっ、剣護!?なんでこっち来るのよ!」

剣護「げぇっ!?関羽……じゃねえやアリア!?」

 

ズギャギャギャと急ブレーキして急停止する。

 

アリア「あんた何してんの?」

剣護「いやちょっとスーパーの特売が…」

アリア「主婦かあんたは」

剣護「そんで?何で1年達がいんの?」

アリア「実は……」

 

アリアは事の発端を剣護に説明する。

 

剣護「なーるほどねぇ……戦姉妹ねぇ……」

アリア「えぇ、そういうこと」

剣護「こいつに戦姉妹を申し込むたぁ、根性あんねぇ」

 

会話する2人をあかり達は目を丸くして見ていたがライカは剣護に近づくと話しかける。

 

ライカ「月島先輩!」

剣護「ん?」

ライカ「その……あたしと戦姉妹(アミカ)を組んでください!」

剣護「…………え?」

アリ・あか・志乃『え?』

 

ライカのまさかの言葉に剣護だけでなく、アリア達もポカンとしていた。

 

剣護「え……俺と……戦姉妹を?」

ライカ「はい!」

剣護「う、うーん……」

 

剣護は腕組みをして唸る。そしてしばらく唸ってから溜息をつくとライカに言った。

 

剣護「……わかった。なら、エンブレムだったな」

ライカ「はい」

アリア「それなら合同でやる?」

剣護「あぁ、そうしよう」

アリア「わかったわ、それじゃあ……」

剣護「あぁ、始めますか!」

 

アリアと剣護は脇腹に星のシールを貼り付け、タイマーをセットする。ライカはトンファーを構え、あかりも身構える。

 

アリア「あ、武器を使ってもいいわよ」

剣護「そこんとこは任せるさ」

志乃「あかりさん!ライカさん!頑張って!」

あか・ライ『はぁっ!』

 

2人はそれぞれ飛びかかり、アリアは桜の木に飛び、剣護は素手でトンファーを受け止める。

 

ライカ「っ!はあっ!」

剣護「ふっ!」

 

アリアとあかりは日本刀、ガバメントとナイフ、UZIで組み合い、剣護とライカは素手とトンファーでぶつかり合う。

 

アリア「おいで。鬼ごっこしよ」

剣護「ならこっちは組手だ!」

 

アリアはツインテールを翻し走り出し、剣護はライカに向かって駆け出す。

 

ライカ「あかり!頑張ってな!」

あかり「ライカも気をつけて!」

 

あかりはアリアを追いかけて、ライカは剣護を迎え撃ち、それぞれの思いを貫くために戦う。

 

剣護「はっ!」

ライカ「やぁっ!」

剣護「ふっ!」

ライカ「くっ……たぁっ!」

 

お互いに引けを取らず打ち、蹴り、投げ、などの技の応酬が繰り返される。しかし、それも少しの間だけでだんだんとライカが押され始めてくる。

 

ライカ「ぐっ!……はぁっ……はぁっ……らぁ!」

剣護「月島流、渓流捌き・無手」

ライカ「うわっ!」

剣護「せいっ!」

 

ライカの繰り出した拳をいなして、その勢いのまま投げ飛ばす。

 

ライカ「うっ……ぐっ……」

剣護「残り五分か……結構粘るじゃんか、ライカ」

ライカ「っ……ぐぅ……」

剣護「ふむ、ちょっとだけ聞かせてもらおうかな。なんで戦姉妹に俺を?」

ライカ「っ……中学の時に先輩のことを聞いて、それでどんな人なんだろうって気になって……武偵高で強襲科に入ってからずっと先輩のこと見てて…いろいろ教えてもらいたいなって思ってたんです」

剣護「……なるほどね……」

 

コキコキと首を鳴らして剣護はライカに向かって構え直す。

 

剣護「まあ、お前の思いはわかったよ。なら……早くエンブレムを取らないとな。あと3分だぞ」

ライカ「っ……はい!」

志乃「ライカさん、頑張って!」

ライカ「あぁ!」

剣護「これが最後だ。行くぞ!」

 

ライカも腰を落として構える。目を離さず真っ直ぐお互いに見据える。

 

剣護「月島流拳技」

ライカ「っ!おおお!」

 

剣護は左手を前に出して駆ける。それに対してライカも決死の覚悟で剣護に向かって突っ込んでいく。

 

剣護「螺旋巌砕拳!!」

 

踏み込んで捻りを加えたコークスクリューブローを繰り出す剣護。

 

ライカ(っ!ここだ!)

 

拳は迫る瞬間、ライカはギリギリのところでスライディングで回避してお互いすれ違う。

 

ライカ「はっ……はっ……よ、避けれた…?」

剣護「おぉう…マジかー……やるじゃあねえの」

ライカ「え……?」

剣護「自分の手見てみな」

 

見てみるとライカの左手には星型のエンブレムが握られていた。

 

ライカ「っ…てことは…!」

剣護「おう。合格だ」

ライカ「っ……ぃやったぁーーー!!」

 

志乃「す、すごい……」

 

佐々木志乃は先ほどの出来事に驚きを隠せないでいた。剣護の拳技もすごかったが、最後のライカの寸前での回避にもすごいと思った。

 

志乃(そして、月島先輩はまだまだ本気じゃなかった……)

 

今回で剣護は体術で相対した。本来の戦法の剣術で戦っていたら結果は違っていたのだろうと志乃はまだ見ぬ剣護の実力に息を飲んだ。

その後、アリアからあかりにエンブレムを取られたと連絡があり志乃とライカは喜び合った。

 

こうして間宮あかりと火野ライカは無事、それぞれ神崎アリアと月島剣護と戦姉妹になったのだった。

 

ちなみに剣護は特売のことをすっかり忘れており、思い出した頃には完全に時間が過ぎていて膝から崩れ落ちた。

 

 

 

 


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