オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

49 / 63
第44話 夏祭り

 

 

剣護「きーみーがーいたなーつーはー」

怜二「とおいーゆーめーのなかー」

阿部「アーッ」

剣・怜『やめーや』

武藤「テンション高いなお前ら」

剣護「オィィィィィィッスどうもー剣護デース!えー今日は夏祭りですけどもー参加者はー……………………副部長、峰理子氏が轟沈しました」

怜二「えっマジで」

平賀「本人から連絡があったのだ」

阿部「おいおい、副部長入れて3人もいないじゃないか」

剣護「なお本人曰く『邪気眼が暴走したから行けない』とのことで」

猿飛「嘘だゾ、絶対ベトコンのアンブッシュだゾ」

服部「そうだよ。もしくはモウドク=ジツを操るニンジャか……」

田所「俺の持ちネタ取らないでくれよ頼むよ」

武藤「ピーポーレッドは?」

剣護「ピーポーセーバーこと乾桜氏はあかり達と回るそうな」

服部「百合ィ……」

怜二「剣ちゃんピーポーセーバーはドライブや」

猿飛「夾竹と……桃子氏は?」

剣護「夏コミ」

猿飛「あっ(察し)」

剣護「てな訳で今回は俺、怜二、レキ、武藤、文、阿部、田所、ニンジャ2人で回ろうと思います。質問は?」

武藤「キンジと神崎さん見かけたらどうする?」

剣護「あぁ、そうだそうだ。あの2人にバレないように全員お面買っとけよ。見かけたら話しかけず陰から見てるだけか写真撮るだけな」

田所「バレたらどうする?」

剣護「手段は問わん。誤魔化すなり何なりしてやり過ごせ。武力行使でも構わん」

田所「えぇ………」

阿部「いや遠山はともかく神崎に勝てるわけないだろ」

剣護「オンドゥル語かグロンギ語でやり過ごせ。ともかく夏祭りといえどイベントであることには変わりなし……各自思うままに満喫すること」

全員『ラジャ!』

 

 

 

剣護「それでは日本娯楽研究部……いざ‼︎出陣‼︎」

全員『エイ!エイ!オー‼︎』

 

 

まるで戦場に向かう武将のようなアトモスフィアを醸し出しながら剣護を始めとした娯楽研究部一同が夏祭りに出陣する一方で、上野駅ではキンジとアリアが待ち合わせしていた。

 

 

アリア「お、おまたせ……」

キンジ「お、おう…じゃあ…行くか?」

アリア「……う、うん。い、言っておくけどこれはカジノ警備練習だからね!」

キンジ「わかったわかった……そうだアリア」

アリア「何よ?」

キンジ「あー…その……似合ってるぞ、その着物」

アリア「そ、そそそう…あ、ありがと……」

 

ボシューと湯気を吹き上げながら真っ赤になるアリア。それにつられてキンジも赤くなる。

 

アリア「そ、そろそろ行くわよ!警備に!」

キンジ「だ、だな!行くか!警備に!」

 

駅から国道沿いに少し歩いてから曲がると屋台が並ぶ通りに出た。

 

アリア「わぁ……」

 

色とりどりに飾られた屋台、賑わう人々の喧騒にアリアは目を丸くしている。すると何かを見つけたのかアリアが目を細めはじめた。

 

キンジ「どうした?」

アリア「あれ………」

キンジ「ん?りんご飴か?」

アリア「あの黄色いの美味しそう……」

キンジ「おっ、あんず飴か」

アリア「……………よ」

キンジ「え?」

アリア「行くわよキンジ!」

キンジ「あ、やっぱ欲しいわけね」

 

アリアに引っ張られキンジはりんご飴屋へと歩いていく。

 

 

一方、他のメンバーと別れた剣護はレキと怜二の3人で屋台を回っていた。

 

剣護「いやーやっぱ祭りはいいねぇ」

怜二「ほとんど食べ物系の屋台しか回ってないんだけど」

レキ「………………」

剣護「良いじゃん別に」

レキ「剣護さん、あそこにりんご飴の屋台が」

剣護「あんず飴‼︎買わずにはいられない‼︎」

怜二「待って剣ちゃああああん⁉︎」

 

りんご飴屋を見つけると剣護はあんず飴を求めてまっしぐらに突っ込んでいった。ちょうど屋台にはあんず飴がラスト1つ残っていた。

 

剣護「あんず飴えええええ‼︎」

アリア「これちょうだい」

剣護「ウソダドンドコドーン‼︎」

 

しかし一足遅く、あんず飴はアリアが買ってしまった。

 

アリア「おわっふ⁉︎け、剣護⁉︎」

剣護「ファッ⁉︎アリア=サン⁉︎」

キンジ「あ、お前ら……」

怜二「キンジとアリアじゃん」

レキ「どうも」

アリア「あんた達も来てたのね」

キンジ「てっきり剣護は間宮達と回るかと思ってたんだが」

剣護「あかり達はあかり達でまわるんだと」

アリア「なるほどね」

怜二「一応僕ら日本娯楽研究部のメンバーで来てるんだよね」

キンジ「え、あいつらも一緒なのかよ……」

剣護「んまぁ各員別行動だけど。お前ら2人と出くわさないように言ってるから大丈夫大丈夫」

レキ「私たちが大丈夫ではないのでは」

剣護「もう手遅れじゃけえ……」

キンジ「…一緒にまわるか?」

怜二「もうこの際そうしようか」

剣護「よっしゃ型抜きで勝負しようぜキンジ!」

キンジ「やだよ!あれでお前に勝てる気せんわ!」

 

結局、5人で屋台をまわることになり皆でそれぞれお面を買ったり、アリアがももまん味の綿あめを頬張ったり、レキが射的で無双したり、金魚すくいをやったり、剣護がベビーカステラを爆買いしたりと思い切り楽しみまくった。

 

剣護「いやー…やっぱ祭りは最高やな!」

キンジ「お前そのカステラ何個目だよ」

剣護「200から先は数えるのやめた」

怜二「食べスギィ!」

アリア「いくらあたしでもそんなには食べられないわ……」

レキ「そうでしょうか?」

アリア「むしろなんでレキはそんなに食べられるのよ」

キンジ「諦めろアリア。こいつらに常識は無意味だ」

アリア「……そうね」

怜二「感動的だな」(^U^)

剣護「だが無意味だ」(^U^)

アリア「風穴開けるわよ?」

剣・怜『スンマセン』

キンジ「アホだなお前ら。…っとちょっと休んでくるわ」

アリア「あ、あたしも…」

レキ「では私達はそこら辺にいますので」

キンジ「おう」

 

そう言うとキンジは神社の本殿の裏に行くとその後をアリアが追って行った。

 

キンジ「やっぱあいつといると退屈しねえな」

アリア「ねぇ……1つ聞いてもいい…?」

キンジ「なんだ?」

アリア「カナは…キンジの何なの…?」

キンジ「ただの家族だ。それ以上でもそれ以下でもない」

アリア「そっか………」

キンジ「心配すんな。誰のもんにもなりゃしねえよ。俺はお前のパートナーだからな」

アリア「キンジ………うゅ"ッ⁉︎」

キンジ「?」

 

突然アリアが声とも言い難い奇妙な音を喉から出した。

 

アリア「みぎゃあああああああああああ⁉︎」

キンジ「な、なんだ⁉︎」

アリア「な、何かが着物の中にぃぃぃ‼︎」

 

バタバタと縁側の上で荷物をぶち撒けながら転げ回るアリア。暴れる中着物の中からブーンと虫が飛んでいき、近くの木に止まった。

 

キンジ(コガネムシ……か?)

 

アリア「はぁ…はぁ…なんてとこに入ってんのよ…」

キンジ「大丈夫か?」

アリア「ヘンなとこをこちょこちょと……!」

キンジ「お、おいこんなとこでぶっ放すなよ?」

 

アリアが睨みつけながらガバメントを抜くと、視線に気づいたのかコガネムシは雑木林の中へと飛んでいった。

その時、バシュンッと青白い光弾が飛んできて、コガネムシを跡形もなく消し飛ばした。

 

アリア「」

キンジ「……なんだ今の」

 

そう言いつつキンジはアリアが撒き散らした荷物を拾っていく。ふとアリアの武偵手帳から1枚の写真を見つける。

写真には若い男が写っていた。

 

キンジ(これは………)

 

しばらく写真を眺めていたがすぐにアリアに取り上げられてしまう。

 

アリア「見た?」

キンジ「いや、まあ……悪い」

アリア「別に気にしないわよ」

キンジ「そうか……でその人は?」

アリア「私が一番尊敬している人よ」

 

そう言ってアリアはキンジに写真を見せる。

 

アリア「シャーロックホームズ一世……私の曾お祖父様で…もうこの世にはいない人…」

キンジ「どうりで見覚えあったわけだ」

アリア「言っとくけど今までに誰かに見せたことないんだからね」

キンジ「現に見せてるじゃないか」

アリア「……キンジじゃなきゃ、見せないよ」

 

少し顔を赤らめて言ったアリアに、思わずドキッとキンジの心臓が跳ねた。

 

キンジ「そ、そろそろ帰るか…」

アリア「そうね。そうしましょ」

 

キンジ(き、きっと気のせいだ…ギャップとかそういうやつなんだ、きっとそうだ…………多分)

 

自身の感情に内心言い訳するキンジ。2人は縁側から降りると寮へと帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

木 | 0M0)

 

 

 

 

 

 




日本娯楽研究部とそのメンバーについてはまた番外編で説明したいと思います。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。