オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

4 / 63
第4話 事件発生!発進!トライドロン!

アリア「やった!やったわ剣護!」

剣護「んあ?どしたよ」

 

剣護が部屋でDVDを見てるとき、アリアが嬉しそうに叫んできた。ちなみに剣護はコマンドーを見ていた。

 

アリア「キンジが一回だけパーティー組んでくれるって!」

剣護「おやまあ。決闘の後もあんなに嫌がってたのに……まあ良いんじゃね?」

アリア「うん。それでアンタはどうする?」

剣護「あー……俺も組むよ。勝ったけど」

アリア「いいの?」

剣護「おう。もちもちろんろんよ」

アリア「そう…ありがとね」

剣護「いいってことよー」

アリア「それじゃああたしは部屋に帰るわね」

剣護「ちょい待ち。これ持って行きな」

 

そう言うと剣護は仮面ライダードライブのDVDBOXをアリアに渡した。

 

アリア「え?なにこれ?」

剣護「布教。それに話してる時に目線がセットに集中してたし」

アリア「うっ……」

剣護「まあ、返すのはいつでも良いからさ」

アリア「そ、それじゃあお言葉に甘えて……」

 

 

剣護「あーい………………1人確保じゃあ…」

 

 

アリアはDVDBOXを両手で抱えると部屋から出ていくのを剣護は仲間が増えたとニヤニヤしながら見送るのだった。

 

 

 

 

 

「キンジ!戻ってきたか!さあ早く死ね」

「よう!キンジ!久しぶりだな!死にやがれぇ!」

剣護「よっすー、キンジ」

キンジ「剣護……お前だけだよ。死ね死ね言わないのは」

剣護「そりゃこいつらが死にかけたことがないからだろ」

「なんだと剣護てめぇ!死にやがれ!」

剣護「うるさいよエ○スが」

「なんか違くない…?」

キンジ「お前馴染んでんなぁ」

剣護「まあ襲ってきた奴を片っ端からどつき倒したりいろいろやってたけど」

「アレはマジでヤバかったなぁ……」

「よく生きてたな俺ら…」

キンジ「何したのお前……」

剣護「襲ってきた方が悪い。いいね?」

キンジ「いやそれは仕方な……」

剣護「い い ね ?」

キンジ「アッハイ」

 

剣護が強襲科に入ってキンジが戻ってくる日までの間、剣護は相当派手にやったらしくキンジは軽く眉間を押さえた。

 

剣護「それでどういう風の吹き回しだ?キンジ」

キンジ「……別に関係ないだろ」

剣護「あっそ。まあ良いけどさ」

キンジ「そういやお前、この前の決闘すごかったよな」

剣護「そいつぁどーも」

「でもホントすごかったよなぁ!Sランク同士だったしさ!」

「そんじょそこらの模擬戦とは見応えが違いましたしね」

剣護「へいへい。俺この後武藤と平賀さんに呼ばれてるからこの辺りで」

キンジ「あぁ、わかった」

剣護「多分遅くなるから、晩飯は作り置きしてあるからそれ食ってくれ」

キンジ「おう、てかなんかお前主夫みたいだな」

剣護「60mm砲で吹っ飛ばすぞ?」

キンジ「60mm砲!?」

 

剣護が出ていった後もキンジは他の強襲科の生徒をいなして学校を出て、アリアと一緒にゲームセンターまで走ったりクレーンゲームをやったりしていた。

 

一方で剣護は車輌科の倉庫に来ていた。

 

武藤「おーい!剣護ー!」

平賀「こっちなのだー!」

剣護「おーっす武藤!平賀さん!」

 

倉庫には武藤剛気と平賀文の2人がシートの前で立っていた。

 

剣護「どうだ?進行は」

平賀「順調なのだ。これなら今日中に仕上げて明日には動かせるのだ」

剣護「よっしゃ!それならさっさとやりますか!」

「おう!」「なのだ!」

平賀「あ、その前に剣護くん携帯を貸して欲しいのだ」

剣護「ん?あいよ」

平賀「ありがとなのだ。えーと……ここをこうしてこうやって……」

武藤「剣護、これ積むから手伝ってくれ」

剣護「ウホッ!いいガトリング」

武藤「おいバカやめろ」

 

ワイワイガヤガヤと3人は喋ったり、ふざけたりしながらも作業を進めていく。参考にしている2つの画像を確認しながら削り、切り、組み立て、繋ぎ合わせたりして進めていく。

 

 

 

そしてーー

 

 

 

剣護「おっしゃできたー!」

平賀「うんうん、見た目もバッチリなのだ!」

武藤「変形は無理だけどな」

剣護「変形なんて飾りです。偉い人にはそれがわからんのですよ」

平賀「弾薬も充分、操作も問題なし、プログラムも完璧なのだ!」

剣護「それなら明日の放課後に試運転するか」

武藤「さっき動かしてみたけどエンジンも問題なく動作するしいけるだろ」

平賀「あ、剣護くん携帯返すのだ」

剣護「おう、サンキュー」

平賀「これを操作するプログラムを入れておいたからいつでも呼び出せるのだ」

剣護「ふむ……なるほど……ありがとよ平賀さん」

平賀「いえいえなのだ!あとこれ預かってたファイブセブンなのだ」

剣護「おぉ、すっかり忘れてたわ。ドーモ」

武藤「それじゃあ今日は解散するか」

剣護「だな。外はもう暗いし」

平賀「また明日なのだー……ふわぁぁぁ」

剣護「あー明日が楽しみだなー……オラワクワクすっぞ!」

武藤「落ち着け落ち着け」

 

3人はコツンと拳を合わせたらそれぞれの寮へ帰っていった。明日、それが叶わないとも知らずに。

 

 

 

 

次の日の朝、バスに乗り遅れたキンジは先に出ていた剣護に追いついて一緒に歩いていた。

 

剣護「お前またバスに乗り遅れたのかよ」

キンジ「うるせえ。ちゃんと時計みたのになぁ……」

剣護「……ちょっと貸してみ」

 

剣護はキンジから時計を預かるとマジマジと見つめ自分の時計と照らし合わせる。

 

剣護「……これ時間間違ってね?」

キンジ「マジで?」

 

そんな話をしている時にキンジの携帯が鳴った。アリアからだった。

 

キンジ「もしもし」

アリア『キンジ、今どこ』

キンジ「強襲科の近くだ」

アリア『剣護は?』

キンジ「近くにいるぞ」

アリア『ちょうどいいわ。C装備に武装してすぐに女子寮の屋上に来て』

キンジ「なんだよ。授業は5時間目……」

剣護「いや事件だキンジ。僅かに火薬の匂いがする」

キンジ「なに?事件だと?」

アリア『そうよ。すぐ来なさい!』

キンジ「お、おう、わかった」

剣護「掴まれキンジ、飛ぶぞ」

キンジ「は?ってうおおお!?」

 

携帯を切るなり剣護はキンジを掴むとダンッ!と思い切り飛んで学校に入っていった。

 

女子寮の屋上にはアリアと狙撃科のレキがいた。

 

アリア「揃ったわね」

キンジ「一体何が起きたんだ?」

剣護「バスジャックだな。空気中に火薬の匂いが混じってたから不自然に思ってたが……」

アリア「えぇ、そうよ」

キンジ「犯人は、車内にいるのか?」

アリア「分からないけど、多分いないでしょうね。バスに爆弾が仕掛けられてるわ」

剣護「そして、この事件はチャリジャックと同じ『武偵殺し』ってわけか」

アリア「えぇ、最初はバイク、次にカージャック。その次がキンジの自転車で今回はバス。乗り物に『減速すると爆発する爆弾』を仕掛けて自由を奪い遠隔操作でコントロールするの。でもその操作に使う電波にパターンがあってね。キンジ達を助けた時も、今回も、その電波をキャッチしたの」

キンジ「でも『武偵殺し』は逮捕されたハズだぞ」

剣護「いや、そいつは真犯人じゃない」

キンジ「なんだと?」

剣護「このことはいつか話すとして、まずはバスジャックの方を何とかしないと……あ、そだ」

 

剣護は携帯を取り出すと誰かに電話をかける。

 

剣護「あ、もしもし?ちょっと車輌科の倉庫の扉開けといてくんね?うん、うん、よろしく」

アリア「誰に電話したの?てかなんで車輌科?」

剣護「後で説明するって」

キンジ「とにかく行くか」

 

話しつつも4人はヘリに乗り込み現場へと向かった。

 

レキ「見えました」

キンジ「何も見えないぞレキ」

剣護「……見つけた。ホテル日航の前あたりだ」

レキ「はい、そこの前を右折しているバスです。窓に武偵高の生徒が見えます」

アリア「あ、あんた視力いくつよ」

レキ「左右ともに6.0です」

アリア「……剣護はなんで分かるのよ」

剣護「流れを読んだのさ。爆弾が取り付けられてる分、流れの形が変わってる」

アリア「……わけがわからないわ」

キンジ「……俺もだ」

 

そうこうしているうちにヘリがバスに近づいていた。アリアはパラシュートを使いバスの屋根に降りていき、キンジと剣護もそれに続く。

アリアとキンジはワイヤーで体を固定し、剣護は体勢を低くしてバランスを取る。

 

武藤「キンジ!剣護!」

キンジ「武藤、2限はまだだが、また会っちまったな」

武藤「あ、ああ。ちくしょう……!なんで俺はこんなバスに乗っちまったんだ?」

キンジ「友達を見捨てたからバチが当たったんじゃねーの」

剣護「バーカバーカ」

武藤「剣護てめぇ……そ、それよりキンジ。あの子」

女子「と、遠山先輩!月島先輩!」

剣護「一体何事かね?」

女子「い、いい、いつの間にか携帯がすり替わってたんですっ。それが喋り出して」

 

『速度を落とすと、爆発しやがります』

 

剣護「やっぱキンジの時と一緒か」

キンジ「だな」

アリア『キンジ、どう?状況を報告しなさい!』

キンジ「お前の言った通りだったよ。このバスは遠隔操作されてる。そっちはどうなんだ」

アリア『爆弾らしいものがあるわ!カジンスキーβ型のプラスチック爆弾、『武偵殺し』の十八番よ。炸薬の容積は3500立方センチはあるわ』

剣護「それヤバくね?」

キンジ「電車でも吹っ飛ぶほどの炸薬量だぞ」

アリア『潜り込んで解体をーーあっ!』

キンジ「うおっ!なんだ!?」

 

ドンッ!とバスに振動が走り、生徒がもつれ合うようにして転ぶ。キンジが後ろの窓を見ると一台のオープンカーがバスから距離を取っていた。

 

キンジ「大丈夫かアリア!……くそっ!」

剣護「来るぞ!みんな伏せろ!」

 

剣護が叫んだ瞬間、オープンカーの銃座がバリバリと掃射してバスの窓を粉々にする。キンジも胸に1発受けて車内に押し戻される。剣護は手甲でガードしていた。

 

武藤「キンジ、やべえぞ。運転手がやられてる」

キンジ「武藤!運転を代われ!減速させるな!」

武藤「い、いいけどよ!俺、こないだ改造車がバレて、あと1点しか違反できないんだぞ!」

剣護「じゃあなんで俺の提案に乗ったし」

武藤「ロマンだよ!仕方ねえだろ!」

剣護「いいセンスだ」

 

そんなこんなしてるうちにバスはレインボーブリッジに入っていく。キンジと剣護はバスの屋根に登ると、アリアがワイヤーを伝って上がってきた。

 

キンジ「おいアリア!大丈夫か!ヘルメットはどうした!」

アリア「さっきルノーにブチ割られたのよ!あんたこそどうしたの!」

キンジ「運転手が負傷して今、武藤に貸して運転させてるんだ!」

アリア「危ないわ!どうして無防備に出てきたの!伏せなさ」

剣護「あーもー!2人とも黙れ!!危ないのはどっちもだ!」

アリア「うぐっ……って後ろ!」

 

キンジと剣護がバッと振り向くとルノーがキンジの顔面めがけて銃座をぶっ放していた。アリアは真っ青になって応射する、キンジは自身の死を感じた。しかし一つの声がそれを振り払った。

 

剣護「月島流、富嶽風車!」

 

剣護が刀を抜きそれを風車のように回して銃弾を全て弾いたのである。

 

キンジ「……すげえ」

アリア「嘘……全て弾くなんて」

剣護「アリア、これを付けろ」

アリア「えっ……って危ないわ!」

 

剣護はそう言うとカポッとアリアに自分のヘルメットを被せた、そして自身は運転席辺りに行くと武藤に話しかける。

 

剣護「おい武藤!こうなりゃアレ使うぞ!」

武藤「え!?でもアレ試運転は……」

剣護「この場でやる!迷ってる暇はない!」

武藤「ちくしょう!わーったよ!やっちまえ!」

 

剣護は携帯を取り出すとカチカチと操作していく。その様子をアリアとキンジは警戒しながら見ている。

 

剣護「2人は車内に入ってな。俺が食い止める」

アリア「で、でも……」

剣護「入ってろ。チームワークもろくに発揮できてないしな」

アリア「うっ……わかったわ……」

キンジ「剣護、さっき何をしたんだ?あとアレって……」

剣護「見てればわかる」

 

全員が見守る中、剣護は1人屋根の上でルノーの銃座の掃射を弾いていく。そんな中、アリアが後部の窓から叫んだ。

 

アリア「ねぇ!何か来るわ!」

キンジ「なにっ!?新手か!」

 

アリアが言った通り、かなり後ろの方で赤い車がバスに向かって走ってきていた。全員が表情を強張らせる中、運転席の武藤と屋根の上の剣護はニッと笑う。

 

武藤「来たぜ!剣護!」

剣護「わかってらぁ!レキ、ルノーは俺がやる。爆弾は任せた」

レキ『わかりました』

 

剣護はダンッ!と飛び上がると車も加速して剣護の真下にきて屋根が開く。その中に剣護は乗り込むとドルンッとエンジンを鳴らし走る。

 

アリア「け、剣護!?それってまさか……」

剣護「おうよ!そのまさかよ!」

キンジ「あ、アリア知ってるのか?お前」

アリア「この前借りたDVDに出てたのよ」

キンジ「……あー、なるほどね」

剣護「ハッハァー!これぞ!武藤と平賀さんと俺の3人のロマンの結晶!トライドロンだ!」

 

そう、剣護が呼び出したのは昨日まで武藤と文の3人でNSXを改造して作ったトライドロンなのである。ただし見た目と機関砲だけ再現しており変形はできない。

 

ルノーはトライドロンにUZIを掃射するが簡単に弾かれてしまう。

 

剣護「無駄無駄無駄無駄ぁ!そんなもんがトライドロンに効くか!」

 

ドギュンッドギュンッと車体前部の機関砲を撃ちルノーの銃座を破壊し、さらに車体後部が展開されメインウェポンが姿を現わす。

 

キンジ「ダニィ!?60mm砲だとぅ!?」

アリア「ガトリングと暴動鎮圧器まで付いてるわよ!?」

武藤「ミサイルも付いてるぞ」

金&アリ『なんでっ!?』

武藤「トライドロンの武装はバットモービルを元にしてるから」

アリア「……あぁ、タイヤフエールができないからなのね」

 

剣護「くたばりやがれぇぇぇ!!」

 

ズドォォォンッ!!

 

60mm砲をぶっ放してルノーは爆散した。さらにレキの狙撃により爆弾もバスから外され、それをレキが狙撃で飛び上がらせ、剣護がガトリングで破壊した。

 

剣護「くぅ〜……最っ高だぜぇぇぇ!!」

キンジ「はぁぁぁ……」

アリア「な、なんとかなったわね……」

 

歓喜の声を上げる剣護を見て、アリアとキンジは糸が切れたかのように安堵の息を吐きながらその場に座り込んだ。

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。