オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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皆さんお久しぶりです。
なかなかモチベが上がらず前回の投稿からかなり期間が開いてしまいました。
これからもこんな感じになるかもしれませんが気長に待ってておくんなし。


番外編4 結び合う想いと芽生える想い

 

 

 

事件と決闘から2週間ちょっとの月日が経ち、剣護は一つの病室の前に来ていた。病室前の壁の名札には2つの名前が貼ってあった。

「間宮あかり」「火野ライカ」と。

 

剣護「………ゔー…どないしよ……」

 

病室の入口前でウロウロと歩き回る剣護。麗から2人の想いを聞かされ、それに答えることを決めたものの、いざ向かうとなかなか入る勇気が出てこない。

 

剣護「ったく…なんで誰も付いて来てくれねーんだよ」

 

ここに来る前にキンジ達に相談したのだが、キンジとアリアにはなんで自分達がとボコられ、白雪は頑張れと応援されただけだった。

 

剣護「……仕方ない、行くか…」

 

服装を整え、ドアをノックする。

 

あかり「はーい」

ライカ「どーぞー」

剣護「入るぞー…」

 

剣護が病室に入るとあかりとライカがトランプをして遊んでいた。周りには花束や色々な贈り物が置いてあった。

 

あかり「あ、剣護先輩!」

剣護「よう、元気そうだな」

ライカ「退院はまだ先ですけどね…」

剣護「んまぁ……なぁ………」

ライカ「?」

あかり「…どうかしたんですか?」

剣護「あー………いや……まぁ………」

あか・ライ「?」

剣護「………あのさ、高千穂から聞いたんだが……」

あかり「高千穂さんから?」

ライカ「何を聞いたんすか?」

剣護「………2人は………俺のことが…その……好き………なのか…?」

あか・ライ「……!」

 

剣護の言葉に2人は一瞬目を見開き、少しの間俯きそれから顔を見合わせ、一呼吸置いてから真剣な表情で剣護を見つめた。

 

ライカ「…あいつの言う通りですよ」

あかり「私達は……剣護先輩のことが好きです…………ですから!」

剣護「?」

あかり「改めて言わせていただきます」

ライカ「もう一回ってのは無しですよ?」

剣護「お、おう」

あかり「先輩は昔から優しくて、強くて………」

ライカ「あたしの為に怒ってくれたりと仲間思いで………」

あかり「でも大怪我したりして無茶することが多いけど……」

ライカ「それでも…あたし達はそんな先輩のことが……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あか・ライ『……大好きですッ!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣護「ッ…………」

 

2人からの告白を受け、剣護もまた決心したように少し赤くなりながらも真剣な表情で2人を見る。

 

剣護「俺は………この間まで2人に好かれてることがわかんなかったけどさ……………でも、今ならはっきりと言える……俺も…2人が好きだ。でも……」

あか・ライ『でも?』

剣護「…………どちらかを選ぶってのはちょっと…俺には無理だ」

あか・ライ『…………』

剣護「だから……2人両方……ってのはダメか?」

ライカ「……まあ、そうなりますよねぇ…」

剣護「す、すまん……」

あかり「ま、そこが先輩の良いところなんですけどねっ」

剣護「うおっ⁉︎」

 

2人に両腕を引っ張られ剣護はベッドに倒れかかってしまう。

そんな剣護の両頬にあかりとライカは口付けをした。

 

剣護「…………へ?」

あかり「えへへ……」

ライカ「あはは……」

剣護「え、えっと……?」

あかり「不束者ですが…」

ライカ「これからもよろしくお願いしますね?」

 

あか・ライ『剣護先輩っ!』

 

剣護「……あぁ、こちらこそよろしく頼むな。あかり。ライカ」

 

今この時三人のカップルが誕生した。あかりとライカの想いがようやく実を結んだのである。

 

そしてその様子を優しく見守る人影が……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アリア「……良かったわね。2人とも」

白雪「うん……そうだね。私もいつかキンちゃんと!」

キンジ「なんで俺なんだ。まあ、剣護もあんな顔するんだな」

怜二「僕もあんな剣ちゃん見るの初めてだよ」

アリア「それじゃ、邪魔者は退散しますか」

キンジ「だな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

志乃「はぁ………」

 

自宅の自分の部屋で志乃は机に突っ伏して溜息を漏らしていた。

 

志乃(敵わないなぁ……あの人には……抜刀術の打ち合いだって……恋愛の方だって…)

 

脳裏に浮かぶのは朗らかに笑っているあかり、月夜にて剣を構える剣護、白い髪の剣護、覚悟を決めて自身との決着に挑んできた剣護……

 

志乃(……ってなんで月島先輩ばかり浮かぶのよ⁉︎)

 

ガシガシと頭を掻き悶えてるとコンコンとドアをノックする音が聞こえた。

 

詩織「志乃様、少しよろしいですか?」

志乃「え、えぇ……なにかしら?」

詩織「先程、志乃様宛にこのような荷物が届きまして……」

 

そう言ってメイドの詩織が差し出したのは紫色の布に包まれた木箱だった。

 

志乃「木箱?」

詩織「差出人は……書いてませんね」

志乃「中は?」

詩織「いえ、まだ見ておりません」

志乃「そう。なら良いわ。下がりなさい」

詩織「はい、失礼します」

 

志乃「……これの中何かしら…ましてや差出人不明って…」

 

メイドが部屋から出た後、志乃は木箱を開け中身を確認した。

中には布に包まれた物がありさらに布を解くと、中には一振りの刀が入っていた。

 

志乃「これは…刀?サーベル壊れた今としてはちょうどいいけど…」

 

箱から取り出して抜刀してみる。柄は赤色、刀身は白銀色に輝いていて、鍔は金色の正方形で、刃元にはこの刀の銘が刻まれていた。

 

 

白銀椿(しろがねつばき)】…と……

 

 

志乃「綺麗……」

 

あまりの美しい刃に志乃は見惚れてしまっていた。

それから居合いの構えを取り、胴払いの一閃を放つ。巌流の技「燕返し」である。

志乃の放った一閃は白い軌跡を残しながら閃いた。

 

志乃「……ものすごく使いやすい…気のせいかわかんないけど燕返しがいつもより速くなった気がする…というより私に合わせたような造りをしてる…?」

 

その時フワリと一つの紙飛行機が窓から部屋の中に飛んできて志乃の足元に落ちた。

 

志乃「これは……」

 

飛んできた紙飛行機を拾い書かれている文を読み、何かを察したかのように呆れたような顔をしながらもクスリと笑う。

 

志乃「全く……こんなことしても認めませんからね。まあでも…お礼くらいは言っておくべきですよね…」

 

庭のガス灯を模した電灯に視線を移しながら志乃は呟いた。

まるでさっきまで誰かがそこに立ってこちらを見ていたのがわかっているかのように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣護「まあ、そう簡単に認めたりせんわなぁ…あいつなら」

 

街灯照らす夜道を歩きながらぶつくさと呟く剣護の姿があった。しかし、その表情はどこか満足げな雰囲気を醸し出していた。

 

 

 




いかがでした?
恋愛の場面を書くのは初めてだったんでイマイチだったかもしれませんね。
それでは次回もお楽しみに!

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