オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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第25話 ボディガード開始!

 

 

翌朝の7時。朝練のためにアリア、キンジ、剣護は待ち合わせていた場所に集まっていた。何をするのかキンジが聞くと通常モードのキンジにストレスを与えヒステリアモードにさせて、覚醒後の反撃までの流れを作る訓練だそうだ。そこでアリアが提案したのは真剣白刃取りの練習である。

何故か真剣白刃取りと聞いて剣護がワクワクし始めたが。

 

剣護「よーし!ならアリアがお手本見せてやれよ」

アリア「良いけど……なんでそんなに元気なのよ」

 

そう言いつつ2人はお互いに向き合う。アリアが白刃取りをする役、剣護が刀を振り下ろす役である。剣護は刀を上段に構えた。

 

アリア「良いわよ。いつでも来なさい」

剣護「オッケー。月島流奥義…」

アリア「え?」

剣護「富嶽泰山斬りぃ!!」

アリア「ヒィッ!?」

 

サツバツめいたアトモスフィアを纏いながら剣護は刀を振り下ろした。コワイ!

当然アリアは白刃取り……ではなく思い切り逃げた。

 

剣護「おーい、キンジにお手本見せるんだろー?逃げちゃダメじゃん」

アリア「だからって奥義まで使わないでよ!」

キンジ「てか奥義の初使用がこんなんでいいのかよ…」

剣護「仕方ないね」

キンジ「そのセリフはやめれ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の放課後、剣護は教務科に呼び出されていた。教室に入るとそこには白雪と綴が椅子に座って向き合っていた。

 

綴「おー来たか。月島ぁー」

白雪「あ、剣ちゃん……」

剣護「剣ちゃんやめーや。怜二とお前はずっとその呼び方だなおい。怜二は多少マシになったけどさ」

白雪「ご、ごめんね。つい……」

綴「まー、とりあえずこっち座れや」

剣護「イエスマム」

 

綴に言われ剣護は白雪の隣の椅子に座り、2人の話を聞いた。

 

綴「ねぇー、単刀直入に聞くけどさァ。星伽、ひょっとしてアイツにコンタクトされた?」

白雪「魔剣(デュランダル)、ですか」

 

剣護(……魔剣?)

 

白雪「それはありません。と言いますか……もし仮に魔剣が実在したとしても、私なんかじゃなくてもっと大物の超偵を狙うでしょうし……」

綴「星伽ぃー。もっと自分に自信持ちなよォ。アンタはウチの秘蔵っ子なんだぞー?」

剣護「そーだそーだー」

白雪「そ、そんな」

綴「星伽ぃ、何度も言ったけど、いいかげんボディガードつけろってば。諜報科は魔剣がアンタを狙ってる可能性が高いってレポートを出した。超能力捜査研究科だって、似たような予言をしたんだろ?」

白雪「でも……ボディガードは……その……」

綴「にゃによぅ」

白雪「私は、幼馴染の子の、身の回りのお世話をしたくて……誰かがいつもそばにいると、その……」

剣護「いや俺がいる時点でお世話の必要無くね?てか俺も一緒にいたよね?」

白雪「あ……いや剣ちゃんは……その……」

綴「星伽、教務科はアンタが心配なんだよぉ。もうすぐアドシアードだから、外部の人間もわんさか校内に入ってくる。その期間だけでも、誰か有能な武偵をボディガードにつけな。これは命令だぞー」

白雪「……でも、魔剣なんて、そもそも実在しない犯罪者で(スパァン!)あいたっ!?」

剣護「ったく……グチグチグチグチしつこいわ。白雪の話はおしまい。それで綴先生、なんで俺は呼び出されたんすか?」

綴「あぁ、アンタもボディガードをつけろってことさ」

剣護「……なして?」

綴「アンタも超偵だろ?」

剣護「俺、超能力無いっすよ?」

綴「またまたぁー。だったらなんで去年、超能力捜査研究科にいたのさ」

剣護「……ちょっと調べておかないといけないことがあったんですよ」

綴「ふーん……あとアンタ光弾みたいなの出せるだろ」

剣護「ソンナコトナイッスヨー」

綴「誤魔化しても無駄だぞー。色んなとこから情報入ってるし」

剣護「そ、そそそ、ソンナコトナイッスヨー」

綴「そうなの……?剣ちゃん」

剣護「そんなことないっての」

綴「んー……でもお前、マークされる可能性高いって出てるぞ」

剣護「……嘘やん……うんもういいや。あれもこれも全て魔剣のせいってことにしておこう。うんそうしよう。これも全て魔剣ってやつの仕業なんだ……!」

綴「あと月島ぁ。夢子が偶には顔見せろってさ」

剣護「なんでそこであの人の名前が出てきますのん……あと先生。なんかおるんすけど」

綴「構わん。やれ」

剣護「あらほらさっさー」

 

そう言って剣護は通風口のカバーの真下に立つと、体を低く捻るように構える。そしてジャンプと共に拳を放つ。

 

「昇龍拳!!」

 

ドグシャア!!

 

金・アリ『アバーッ!?』

綴「んー?なんだぁ。こないだのハイジャックのカップルじゃん」

 

そう言いながら綴はダクトから落ちてきたアリアとキンジを壁際に投げ捨てた。

 

綴「こいつは神崎・H・アリア。ガバメントの二丁拳銃に小太刀の二刀流。二つ名は『双剣双銃』。欧州で活躍したSランク武偵。でもアンタの手柄、書類上ではみんなロンドン武偵局が自分らの業績ちしちゃったみたいだね。協調性が無いせいだ。マヌケぇ」

アリア「い、イタイわよっ。それにあたしはマヌケじゃない。貴族は自分の手柄を自慢しない。たとえそれを人が自分の手柄だと吹聴しても、否定しないものなのっ!」

綴「へー。損なご身分だねぇ。アタシは平民でよかったぁー。そういえば欠点……そうそう。アンタ、およ「わぁーーー!」」

アリア「そそ、それは弱点じゃないわ!浮き輪があれば大丈夫だもんっ!」

綴「じゃあ今度、浮き輪無しで東京湾に捨ててやろ」

アリア「やめてください死んでしまいます……」

綴「んで、こちらは、遠山キンジくん。性格は非社交的。他人から距離を置く傾向あり。しかし、強襲科の生徒には遠山に一目置いている者も多く、潜在的には、ある種のカリスマ性を備えているものと思われる。解決事件は……たしか青海の猫探し、ANA600便のハイジャック……ねぇ。何でアンタ、やることの大きい小さいが極端なのさ」

キンジ「俺に聞かないでください」

剣護「ある種の不幸体質かと」

キンジ「お前は黙れ」

綴「武装は、違法改造のベレッタ・M92F。3点バーストどころかフルオートも可能な、通称・キンジモデルってやつだよなぁ?」

キンジ「あー、いや……それはこの間ハイジャックで壊されました。今は米軍払い下げの安物で間に合わせてます。当然、合法の」

綴「へへぇー。装備科に改造の予約入れてるだろ?」

キンジ「うわちっ!」

剣護「うわ、根性焼きとかふっる」

綴「なにをー」

 

綴が剣護の額に根性焼きをする前に剣護は二本指でタバコを止める。

 

剣護「あっぶね」

綴「おー、やるねー。あと違法改造で思い出したけど、アンタのファイブセブンも改造してたよなぁ?」

剣護「ぶっちゃけそこまでイジってないすよ?特注のマガジンがあるだけで。あ、でも、3点バーストとフルオートできるや」

綴「……マガジンの装弾数は?」

剣護「50発の超ロングマガジン」

金・アリ『50発!?』

綴「……まあいいや。M500も……蘭豹が絡んでるから良いか」

剣護「やったZE☆」

綴「でぇー?なんであんた達は盗み聞きしてたのかなぁー?」

アリア「白雪のボディガード、24時間体制、あたしが無償で引き受けるわ!」

キンジ「お、おいアリア……」

綴「……星伽。なんか知らないけど、Sランクの武偵が無料で護衛してくれるらしいよ?」

白雪「い……いやです!アリアがいつも一緒だなんて、けがらわしい!」

剣護「お前が言えたことかバーサーカー」

白雪「うぐっ……」

アリア「あたしにボディガードをさせないと、コイツを撃つわよ!」

キンジ「お、おい!武偵法9条!9条!」

白雪「き……キンちゃん!」

剣護「じゃあ俺はアリアと白雪を撃てばいいのか」

金・アリ・白『どうしてそうなった!?』

 

キンジのこめかみにガバメントを当てるアリアと、はわっ!と両手を口に当てて慌てる白雪にM500を向ける剣護に3人は一斉にツッコんだ。その様子を綴は面白そうにニヤニヤと見ていた。

 

綴「ふぅーん……そぉかぁー。そぉいう人間関係かぁー。で?どーすんのさ星伽は?」

白雪「じ、じょ、条件があります!キンちゃんも私の護衛をして!24時間体制で!私も、私も、キンちゃんと一緒に暮らすぅー!」

剣護「いや、俺、キンジと暮らしてるんだが」

アリア「ならアンタが出ていけばいいことじゃ「ヌッコロスぞ」ごめんなさい」

白雪「あ、じゃあ剣ちゃんも護衛に付いてよ。強いし!」

剣護「重傷患者ですけど」

キンジ「頼む剣護。お前が居てくれるだけでかなり楽なんだ」

剣護「わかってるって」

 

こうして、アリア、キンジ、剣護の3人は白雪の護衛の依頼を受けることになったのだった。

しかし、キンジに手を合わせてお願いされた時の剣護の表情はどこか疲れ気味だった。

 

 

 

 


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