オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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第三章 魔剣
第24話 武装巫女『星伽白雪』見!参!


 

 

天誅ぅーーー!!

風穴ぁーーー!!

 

ガッシャーンッ!

 

ある日の夜、疲れ切った剣護が寝ていると2人の女子の声と何か物が壊れる音が響き、剣護は目を覚ました。

 

剣護(うるせえなぁ……誰だよ全く……)

 

普段なら流れを感じ取り喧嘩している人物を特定するのだが、剣護のこの感覚は眠気がヤバい時や寝起きの時などの場合は鈍っていて感じ取ることができないのだ。

フラフラと目をこすりながらリビングに出るとアリアと白雪が斬り結んでいた。

 

剣護「……あれ、白雪来てたんか…」

白雪「剣ちゃん!手を貸して!アリアをキンちゃんから引き離すの!」

アリア「剣護!なんなのこいつ!どうにかして!」

剣護「えー……痛いのやだよ……」

白雪「いなくなれ泥棒ネコッ!キンちゃんの前から消えろっ!」

アリア「何よ何よ何なのよ!」

剣護「………ったくよー」

 

その時、斬り合っていたアリアが棚にぶつかりガシャンと棚の上に置いていた『デンドロビウム』のプラモが派手な音を立てて粉々になった。そんなことをお構い無しに斬り合う2人。

 

剣護「俺のデンドロビウムゥゥゥゥゥ!?」

白・アリ『ちょっ!?』

 

思わず剣護は2人の間に割り込んだが、この時のタイミングが非常に最悪であった。何故なら、剣護が割り込んだ時には2人がお互いに刀を振り下ろしていたところだった。

止めるのは間に合わないので咄嗟に白雪とアリアは刀を返して峰の方を向けて振り下ろし、ガンッ!と鈍い音を立てる。

 

剣護「いってええええええええええ!!??」

 

この日1番の絶叫が学園島に響いた瞬間である。剣護は頭から血が流れており、アリアと白雪は顔を真っ青にしてあたふたしている。

するとそこへ、さっきの絶叫を聞いて防弾物置からキンジが出てきた。

 

キンジ「おいなんだ今の絶叫……って剣護、大丈夫か!?」

アリア「ご、ごごごごめん!剣護!」

白雪「あ、あわ……あわわわ……き、キンちゃん……」

剣護「うぬおおおお……!」

キンジ「と、とにかく、手当てしねえと」

 

そう言うとキンジは急いで救急箱を取りに行き、その間アリアと白雪は剣護に土下座した。

 

アリア「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……」

白雪「本当にごめんなさい……あぁ、ご先祖様になんて弁解すれば……」

剣護「お前ら刃の方だったらこれより大惨事だぞ……」

白雪・アリ『本当にごめんなさい……!』

 

その後しばらく2人はめちゃくちゃ静かだったという。

 

 

 

 

 

 

そしてある日の昼休み、学食の中でキンジ、アリア、剣護がそれぞれ昼食を取っていると不知火と武藤がやってきた。

 

不知火「遠山君。月島君。ここ、いいかな?」

剣護「良いけど。我、怪我人ぞ」

不知火「気をつけるよ」

武藤「聞いたぜキンジ。ちょっと事情聴取させろ。逃げたら轢いてやる」

キンジ「なんだよ事情聴取って」

武藤「キンジお前、星伽さんとケンカしたんだって?」

剣護「そういや全ての元凶はキンジだっけな……」

キンジ「俺が悪いの!?」

武藤「星伽さん沈んでたみたいだぞ?どうしたんだ」

剣護「アリアとキンジがなんか口喧嘩してたらしくて、そこに白雪が獲物を求めるイビルジョーみたいに乱入したらしく、そんで俺が起きてきたら斬り合いしててデンドロビウムのプラモ壊されて俺がキレて2人の間に割り込んだら刀で殴られた」

武藤「星伽さんをあんな暴食龍に例えるなよ!」

不知火「なんか……ご愁傷様だね……」

剣護「デンドロビウム組み立て直すのと慰謝料請求したから良いけど」

武藤「剣護てめぇ!星伽さんになんつーもん頼んでんだよ!」

剣護「当然やん」

武藤「この野郎!轢いてやる!」

剣護「上等だコラァ!カイシャクしてからネギトロにしてやる!」

 

剣護と武藤が言い争うのを他所に3人はアドシアードのことについて話し始めた。

 

キンジ「そういえば不知火。お前、アドシアードどうする。代表とかに選ばれてるんじゃないのか?」

不知火「たぶん競技にはでないよ。補欠だからね」

キンジ「じゃあイベント手伝いか。何にするんだ?何かやらなきゃいけないんだろ、手伝い」

不知火「まだ決めてなくてねぇ。どうしようか」

キンジ「アリアはどうすんだ?アドシアード」

アリア「あたしも競技には出ないわよ。拳銃射撃代表に選ばれたけど辞退した。あたしは閉会式のチアだけやる」

キンジ「チア……?あぁ、アル=カタのことか」

アリア「キンジもやりなさいよ、パートナーなんだし。手伝い、どうせ何でもいいんでしょ?」

キンジ「あ、ああ……剣護はどうすんだ?」

剣護「そーさなー……あんまし怪我に響くのはちょっとなー……あ、音楽は?確かあったろ?」

キンジ「音楽、か。まあ得意でも不得意でもないし……それでいいか、もう」

不知火「あ。遠山君がやるんだったら、僕もそれにしようかな。武藤君と月島君も一緒にやろうよ」

武藤「バンドかぁ。カッコイイかもな。よし、やるかぁ。剣護が歌えよ」

剣護「ふふふ……『SUPRISE DRIVE』に『EXCITE』に『シルエット』にふふふ……心が躍るなぁ!」

武藤「お前それ特撮とアニソンじゃねえか」

アリア「まあ、あたしはアドシアードなんかよりやらなきゃいけないことがあるし。競技の練習に出てるヒマはないわ。それよりも」

キンジ「それよりも?」

アリア「キンジ、あんたの調教の方が先よ」

武藤「……ちょ、調教?お前ら、なんかヘンな遊びでもしてんじゃねーだろーな……?」

剣護「そりゃあもう(バキューン!)とか(ズキューン!)に(チュドーン!)に(ウェーイ!)とかいろいろ……」

キンジ「そんな訳あるか!あと白雪と似たようなこと言うな武藤。あとアリア……せめて訓練と言ってくれ、人前では」

アリア「うるさい。ドレイなんだから調教」

キンジ「ていうか調教って何をするつもりなんだ。具体的には」

アリア「そうねー……んー。まずは明日から毎日、一緒に朝練しましょ」

キンジ「げぇ……」

アリア「もちろん、剣護もよ」

剣護「……馬鹿めと言って差し上げますわ」

 

そう言うとキンジと剣護はガックリと項垂れた。

 

 

 

 

 

 

剣護「なあ、不知火」

不知火「ん?なんだい?」

 

午後の授業10分前。アリアたちがトレーを片づけている時、剣護は不知火に話しかけた。

 

剣護「最近、あの人どうよ」

不知火「あの人?」

剣護「白榊さんだよ」

不知火「あー……あの人かぁ……まあ相変わらずだと聞いてるけど」

剣護「そっかぁ……」

不知火「あと偶には顔を見せに来いだってさ」

剣護「あー……尾上さんとしか会ってないもんなぁ」

 

剣護の言う白榊とは本名『白榊夢子(しらさかきゆめこ)』。蟲奉行所寺社見廻り組同心、白榊夢久(しらさかきゆめひさ)の子孫である。尾上と同じ公安0課の職員でデザートイーグルやショットガンなど威力の高い銃を好む。

しかし、何故不知火がこのことを知っているかというと彼は公安0課の協力者でキンジの監視をしているからである。1年の時に射撃訓練で不知火の射撃を見た剣護が不審に思い問い詰めて尾上たちの名前を出したらアッサリ話したからである。

 

不知火「あ、そうそう。白榊さんがこれを君にって」

剣護「あん?なんだこれ?」

不知火「面白い物だって言ってたけど」

 

そう言って不知火は包みを剣護に渡した。開けてみると中には銃弾が入っていた。

 

剣護「……何この弾?」

不知火「僕も詳しく聞いてないから分からないよ」

剣護「武偵弾っぽいけど……」

不知火「説明書見る限り色々あるね」

剣護「……これ普通に渡してきて良いやつなのかよ…」

 

説明書を見ながらボヤく剣護に不知火は苦笑いしかできなかった。

 

 

 

 

 

 


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