オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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第2話 ちょっと何言ってるかわかんない

キンジ「はぁ……」

剣護「俺はお前っで〜♪お前は俺っで〜♪」

 

新学期初日の放課後、剣護とキンジは寮で休んでいた。と言っても剣護は歌を口ずさみながら銃の手入れをしている。

 

キンジ「なあ、剣護。今朝のことどう思う?」

剣護「ん?うーん……今のところなんとも言えんわな。武偵殺しの目的も見えてこないし」

キンジ「そっかぁ……」

剣護「キンジはどう思う?」

キンジ「俺は……武偵殺しの模倣犯は爆弾魔だと思う」

剣護「ふーん……武偵殺しはボンバーマンってか」

キンジ「爆弾しか合ってねえ」

 

2人で今朝のことについて話してるとき

 

ピンポーン

 

剣護「…………」

キンジ「…………」

 

ピンポンピンポーン

 

剣護「…………」

キンジ「…………」

 

ピポピポピポピポピピピピピピピンポーン!ピポピポピンポーン!

 

キンジ「はぁ……」

剣護「しょうがねえ、出てやるか」

 

剣護は渋々玄関に向かうとドアを開ける。

 

アリア「遅い!あたしがチャイムを押したら5秒以内に」

 

バタンッ ガチャッ

 

アリア「ちょっ!?なんで閉めるのよー!」

 

ドアを開けた瞬間、アリアが入り口で立っていた。

剣護は速攻でドアを閉め、鍵を掛けた。そして何事もなかったかのように戻ってきた。

 

キンジ「お、おい剣護?」

剣護「外に誰も居ませんよ?」

キンジ「いやでもアリアが……」

剣護「入り口には誰も居なかった。いいね?」

キンジ「アッハイ。ってなんでクレイモア出してきてんの!?」

剣護「え?何か問題でも?」

キンジ「大問題だ!」

 

剣護がいそいそとドア付近にクレイモアを仕掛け始めたので慌ててキンジはそれを止める。

アリアはギャーギャーと騒ぎながらドアをドンドンと叩く。

 

アリア『ちょっとー!開けなさいよー!』

キンジ「おい、そろそろ開けてやった方が……」

剣護「え?なんで?」

キンジ「外道か!」

剣護「おいおい外道じゃねえ。ドSと呼べ」

キンジ「変態じゃねえか」

アリア『ね〜ぇ〜……グスッ……開けてよぉ……』

剣護「……そろそろ良いかな」

キンジ「最低だなお前!」

 

アリアがちょっとぐずり始めたので剣護はドアを開けてやる。アリアは部屋に入るとキッと2人を睨みつける。

 

アリア「鍵を閉めたのは誰!」

剣護「キンジがやりました」

キンジ「お前だろが剣護!」

アリア「アンタでしょ剣護!」

剣護「へいへい、俺ですよっと」

アリア「風穴ぁ!!」

剣護「させるかバーロー!」

 

アリアが太もものホルスターに手をかけるのと同時に剣護は素早く足を払い転ばせ、十字固めを繰り出した。

 

剣護「イヤーッ!」

アリア「いだだだだだ!痛い!痛い!」

剣護「イヤーッ!イヤーッ!イヤーッ!」

アリア「ぎ、ギブギブギブギブ!風穴はしないから離して!」

剣護「ういっす」

 

パッと剣護は離れて、アリアは腕をぐるぐる回しながら立ち上がる。

 

アリア「いたたた……やっぱSランクね……」

キンジ「てかなんでここに来たんだよ」

剣護「何の用さね」

アリア「まあいいわ」

剣&金『よくねえよ』

 

2人のツッコミをスルーしてアリアは窓辺りまで行くとクルッと振り返ってこう言った。

 

アリア「キンジ。剣護。あんた達、あたしのドレイになりなさい!」

キンジ「…………は?」

剣護「ちょっと何言ってるかわかんない」

アリア「なんでわかんないのよ!」

キンジ「なんでそのネタ知ってんだよ」

アリア「ほら!さっさと飲み物ぐらい出しなさいよ!」

剣護「うぃー」

 

ポフッとソファーに座るとアリアは早速命令し始める。剣護は反発したらメンドくさいことになると分かるとキッチンに入っていった。

 

剣護「お待たせしました。エスプレッソ・ドス・マッカォになります」

キンジ「名前の後半モンスターじゃねえか。てかなんでエスプレッソあるんだよ」

剣護「前に買ってきた。手作りのお菓子に合うと思ってな」

アリア「……淹れるの上手いわね」

剣護「お褒めに預かり光栄です。お嬢様」

アリア「……なんで貴族って分かったのよ」

剣護「微妙に感じる雰囲気と直感」

キンジ「それで分かるとかすげーなおい……」

剣護「それで、アリア嬢よ。ドレイの意味を話してくれ」

アリア「強襲科であたしのパーティーに入りなさい。そこで一緒に武偵活動をするの」

キンジ「嫌だよ。強襲科が嫌で探偵科(インケスタ)に転科したんだぞ。それに武偵自体やめるつもりだし、あんなトチ狂ったとこに戻るなんて……無理だ」

アリア「あたしにはキライな言葉が3つあるわ。『ムリ』『疲れた』『面倒くさい』。この3つはあたしの前では二度と言わないこと。いいわね?」

剣護「人の話を聞けや」

アリア「キンジと剣護のポジションは……そうね。フロントがいいわ」

キンジ「よくない。剣護はともかくそもそもなんで俺なんだ」

剣護「待てやアホキンジ」

アリア「太陽はなんで昇る?月はなぜ輝く?」

剣護「ちょっと何言ってるかわかんない」

アリア「キンジは質問ばっかりの子供みたい。仮にも武偵なら、自分で情報を集めて推理しなさいよね」

剣護「んー……なあなあアリア嬢」

アリア「なによ?」

剣護「私に1ついい考えがある」

 

話が通じなさそうだと思った剣護はアリアに1つ提案をする。

 

剣護「もうめんどくさいから決闘で決めたら?」

アリア「……なるほどね」

キンジ「おいちょ待てよ!?」

剣護「そっちが勝てば俺もセットでチームを組む。こっちが勝てばキンジだけチームを組む。どうだ?」

キンジ「あのすんません。何も変わってないんすけど」

アリア「良いわ。ちょうどアンタの実力も知りたかったし」

剣護「じゃ交渉成立ってことで」

アリア「えぇ」

キンジ「あーもうどうにでもなれよ……それと終わったなら帰ってくれ」

アリア「だが断る」

キンジ「なにっ!?」

アリア「キンジがあたしのパーティーに入るって言うまで泊まっていくから」

キンジ「ちょっ……ちょっと待て!決闘で決めるんだろうが!?帰れ!」

アリア「うるさい!泊まってくったら泊まってくから!長期戦になることも想定済みよ!」

剣護「ほんじゃ俺は部屋にいるから後は2人でやっててくれなー」

 

そう言うと剣護は自室に戻っていった。戻る途中『裏切り者ぉー!』と聞こえたが無視した。

 

(神崎・H・アリア……俺らをパーティーに入れるってことは何かあるってことだよな……よし)

 

剣護は携帯を取り出すと、ある人物に電話をかけた。

 

剣護「もしもし?俺です。月島です。この辺にぃ美味いラーメン屋……間違えた、じゃなくてちょっと調べて欲しいことがあるんですが……」

 

 

 


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