オタク剣士が武偵校で剣技を舞う!   作:ALEX改

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第15話 習得せよ!新たなる力!

 

剣護「俺の技を教えて欲しい?」

あかり「はいっ!」

 

放課後、屋上で素振りをしていた剣護は4人にそう返す。今日の昼休みにカルテット、4人対4人の実戦テストの知らせがあり、剣護は通信科の中空知の手伝いで一緒にいたからすぐに理解した。

あかりたちの対戦相手は高千穂。強襲科のAランクで女王様みたいなヤツである。剣護も何度か見かけたが女王様笑いがうるさくて何回か叩き潰したことがある。

今回もライカが投げ落とされたところを見かけて思わず羊殺しで締め上げている。ちなみに風魔は隠れていた。

 

剣護「ふーむ……わかった。教えよう」

あかり「本当ですか!」

剣護「そのかわり、絶対に勝つこと!」

4人『はい!』

剣護「んーでもなぁ……」

麒麟「まだ何かあるんですの?」

剣護「俺が4人相手に教えるんだよなぁ……こういうときに影分身とかできたら便利なのに……」

ライカ「いや忍者じゃないんですから」

 

ぶつくさ呟く剣護にあかりは突っ込む。こうして4人の猛特訓が始まった。

 

翌日、あかりたちはとある道場に来ていた。

 

剣護「悪いな怜二。道場の掃除手伝ってもらって」

怜二「いいよいいよ。僕らの仲じゃん」

あかり「あ、あの……月島先輩。この人は……?」

怜二「あぁ、ごめんよ。僕は柳生怜二。剣ちゃ……剣護の幼馴染」

4人『剣ちゃ?』

怜二「剣護の昔の呼び方が剣ちゃんだったんだよ」

剣護「怜二貴様ぁ!」

怜二「ギャバンッ!?」

 

剣護が飛び蹴りをかました人物は柳生怜二(やぎゅうれいじ)。蟲奉行所武家組同心、柳生義怜(やぎゅうぎれい)の子孫で剣護の幼馴染である。

そしてあかりたちが来ている場所は月島道場。剣護の実家の道場だが今は家には誰もいないので柳生家が管理している。

 

剣護「まあそれはいいとして……なんで理子もいるんだ」

理子「まあまあツッキー。堅いこと言わないでよー」

麒麟「麒麟がお呼びしましたの!」

剣護「はぁ……まあいいさ。アリアもいるし」

 

この場にはあかりたちだけでなく麒麟の元戦姉妹の理子もアリアもいた。そしてさらに。

 

剣護「昼行灯キンジを召喚するぜ!」

キンジ「すんません勘弁してください」

 

何故かキンジまで連れてこられていた。

 

ライカ「な、なんで遠山先輩まで…?」

剣護「一応こいつも体術強いからな?」

キンジ「剣護いるなら良いじゃん……」

 

 

 

その後、それぞれ個人の特訓を始め、あかりとライカに剣護の技をそれぞれに教えていく。

 

ライカ「ふー……やっ!」

キンジ「しっ!」

ライカ「はっ!」

キンジ「ふっ!なかなか良い感じだな」

 

ライカはキンジと組手をして、キンジの攻撃を捌いている。

ライカにはキンジの体術と剣護の月島流拳技を教えられている。

 

 

 

メイド1「いきます!志乃様!」

メイド2「参ります!」

志乃「はあああああ!」

 

志乃は宮本武蔵の末裔であるメイド2人を相手に剣を捌いていた。

2人ばかりズルいとのことで志乃には鬼哭流の水の型の動きを教えることになり、今は相手の剣を捌きながら技を繰り出す特訓をしている。

 

 

 

麒麟「やっ!たっ!せいっ!」

理子「おっと!りんりん結構やるじゃんっ」

 

麒麟は元戦姉妹の理子から中国武術を教わっていた。手刀や掌底を繰り出し、理子はそれを防いだり反撃したりしている。

 

 

 

あかり「はぁ……はぁ……はぁ……」

アリア「ほら、頑張って」

あかり「ふー……はい!」

 

あかりはアリアに見てもらいながら木偶人形に向き合う。

あかりもライカと同じように月島流拳技を教わり、木偶人形で技を練習をしている。

 

剣護「果たしてこれでいけんのかねぇ……」

アリア「まああかり達次第でしょうね」

怜二「僕達はできる限りサポートするしかないね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

夜も更けた頃、就寝のために、あかりたちは部屋に入る。剣護の家の居間はかなり広く女子たちが同じ部屋で寝られるほどだった。

ちなみにキンジと怜二は剣護の部屋に泊まっていた。

 

あかり「ふぅ……」

 

そんな中あかりは1人道場で練習を続けていた。木偶人形はいくらか砕けたものが散らばっており、どれだけあかりが練習しているのかを物語っている。

 

あかり「はぁ……はぁ……だ、だいぶできたかな」

 

散らばっている木偶人形を片付け、あかりは道場を出たところで足を止めた。そして道場の縁側辺りに行くと庭で剣護が刀を構えていた。

 

あかり「月島先輩……」

剣護「ん……あぁ。あかりか」

 

剣護が集中を切り、あかりの方を向くとドッと汗が吹き出した。

 

あかり「うわっ、すごい汗…」

剣護「そんだけ集中してたってことよ」

 

あかりは剣護にタオルを渡して、剣護は受け取ると顔を拭き首に掛ける。

 

あかり「……月島先輩は」

剣護「おん?」

あかり「どうして強くなろうと思うんですか?」

剣護「………んー」

 

あかりの問いに剣護はちょっと考えてから答える。

 

剣護「最初はまあ負けたくなかったから。でも今はキンジやアリア達がいるから皆を守りたいからかなぁ」

あかり「守るため……」

剣護「安直かねぇ?」

あかり「そんなことないです!……私も…守れるようになりたいです」

剣護「………ならもっと特訓していかないとな」

あかり「はい!」

剣護「あと勉強」

あかり「うぐ……」

剣護「ほら、今日はもう寝るぞー」

 

そう言って2人は部屋に戻っていった。

 

あかり(…強くならないと……もうあの時みたいなことは……!)

 

 

 

 

 


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