この回からこの話の主体に入ってます。私がその場で考えたIS等出てくるのでそこら辺は気をつけてください。
不思議な空間がシャルルの目の前には広がっていた。何があるわけでもない、強いて挙げるなら地面と草が生えた草原が広がった地平線のみ。
「ここ…は…?」
シャルルは呆然とその場に立ち尽くすのみだった。
その時立体映像のようにその場に人が現れた。いや、正確には人型のものが現れたと言った方が正しいだろう。なぜならそれはシャルル自身のIS『アスピラション』だったからだ。
「君は…」
そのアスピラションはただシャルルの方を向いているだけだ。中に人がいるのかすらわからない。
「アスピラション……君は、誰なんだ?」
「………選べ」
シャルルの問に答えずアスピラションは言葉を発した。その声はとても透き通る女性の声だった。もちろんシャルルには聞き覚えのがない。
アスピラションはそのまま言葉を続けた。
「あなた自身の姉か…あなたが愛する者か…」
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クロエがシャルルの元へ来てから数日が経ったある日、いつもの訓練をしていた。今日は2対1でシャルルと相手をするというものだった。
まずはセシリアと鈴のペアだ。この2人は結構バランスの取れたペアだろう。鈴が近接で相手をし、セシリアが遠距離でその援護をする。という動きが理想だろう。昔は2人とも連携がなってなく、一人で仕留めようという考えしかなかったようだが、今ではしっかりと自分の仕事をを理解しているようだ。
ちなみに唯一シャルルは鈴の龍砲、つまり衝撃波はナイフでは斬れもせず受け流しもできない。故に龍砲は回避している。
次にラウラとシャルロットのペアだ。この2人も良い連携をする。特にシャルロットは援護が上手い。ラウラの邪魔をせず、ラウラの意図を汲んだ行動をする。そして、ラウラのAICは言わずもがな強力だ。1体1もしくはラウラ自身が多数側についてる場合の多対1では真価を発揮する。
最後の一夏と箒だが、2人とも主に近接型のためか他の2ペアに比べると釣り合いが取れてないように見えるがそんな事は無かった。エネルギーを消費するかわりに強力な攻撃をできる一夏の零落白夜、そして百式のエネルギーを増幅させることが出来る箒の絢爛舞踏。まさにこのふたりで組むべきと言わんばかりだ。
しかし、欠点なのは例外ではあるがシャルルのような機動力を持つ相手に近接のみでは一気に2人ともやられる場合があるという事だろう。
「一通り終わったかな?」
と、ISを解いてから他の6人が集まっている場所に向かう。6人とも顔には疲労の色が見えている。
「いつも思うが、どうしてお前は俺たち全員を一人で相手してるのに疲れないんだ?」
「鍛え方が違うんだよ」
「どんな鍛え方をすればそんな体力になるのよ…」
「きっと、織斑先生もこれくらい楽に出来ると思うよ」
「確かに…教官なら…」
「うむ…納得だな」
すると、コアネットワークに通信が入った。
「ISですか?織斑先生」
『…ああ、今回は有人機だ。気をつけろ、この前のやつとは勝手が違う筈だ』
「今回もシャルルに最初に行かせるんですか?」
『いや、今回は全員で行け。何があるかわからん、全員今までの訓練の成果を見せろ』
「「「「「「「了解!!」」」」」」」
全員再びISを起動し、目標のISへと向かう。先頭を行くのは一夏、次いで箒、シャルロット、鈴、ラウラ、セシリア、そしてシャルルだ。
その最後尾をついていたシャルルに異変が起こる。突然ハイパーセンサーが起動しなくなった。
(しまったなぁ…もう限界がきたか…早いところ終わらせないと……そんな上手くはいかないか…)
『……ル!…シャルル!!』
「っ!?どうしたの?姉さん」
『どうかしたのはこっちのセリフだよ。さっきから呼びかけても返事がないから』
「そっか、ごめん。考え事をしてたよ。…みんな聞いている?」
『ああ、聞いてるぞシャルル』
「よし、なら今回の配列だけどラウラと一夏は近距離での戦闘をして欲しい、次に箒と鈴は基本中距離だがいつでも近距離に対応できるようにして欲しい、そしてセシリアと姉さんは言わずもがな遠距離での援護をして欲しい」
『シャルルさんはどうしますの?』
「僕は基本中距離のところで全員のサポートに入る。今までみんなに偉そうに言ってきけど、僕が1番連携に向いていない戦闘スタイルなんだ、だから相手の遠距離攻撃や最低でも中距離付近で相手を足止めをする役に回るよ」
と作戦を説明しているうちに目標のISはハイパーセンサー無しのシャルルでも見えた。
一言で言ってしまえば異形な姿のISだと言えるだろう。機体すべてが真っ白で背中には球体のジェットパックのようなものが搭載され、手にはライフル銃が装備されていた。しかし、それは『正面の体』にだ。その機体はまるで阿修羅を思わせるように体が三つあった。左右の体には両方剣が装備されている。
『最初は映像のブレとかかと思ったけど…』
『本当に体が3つあるとはな』
『どうする?さっきの配列のままにするのか?』
「…いや、箒は近距離の方に入って欲しい」
『了解した』
『よし、いくぞみんな!!!』
一夏の掛け声とともに相手のISが脚部からミサイルを撃ってきた。
それにいち早く反応したシャルルは羽根型のナイフを一つだけむしり取り、ミサイルに向けて投擲しみんなの近くに来る前に爆破させた。そして、シャルルはみんなの数メートル前に移動して爆風を縦に切り裂く。すると、爆風は避けるように左右に流れ、誰にも当たることは無かった。
シャルルは液体でも付いたのを払うようにナイフを払い言葉を発した。
「僕の手が届く範囲は君の好きなようにはさせないよ」
シャルルの活動停止まで残り1:00
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