次々と発射される光弾、それをかわし相手に接触し右足の部分に1つナイフを突き刺し、また距離をとる。
そしてまた発射される光弾、それをかわし次は左足の部分に突き刺す。
「さあ、どうしたんだい?まさかその光弾での攻撃しかないってわけじゃないだろ?」
シャルルは無人機だとわかっていながら、それに話しかけ挑発までした。これだけでどれだけシャルルが力を抜いているかがわかるだろう。
「無人機っていう、人間の力無しに、だが人間の力が無い分、人間の負担なんか考えなくてもいいんだ。ならもっと出せるよね?力」
その言葉を聞いてか、ライフル型の銃を剣型の武器に変更し接近戦へと変えてきた。おそらくシャルルが近接型の攻撃スタイルだとわかっていたから中距離、遠距離型の攻撃しかして来なかった。しかし、それが全く意味をなさない。
「なら力の出せる接近戦に変えたってことかな?でも残念だね、僕に接近戦を挑むには力が足りなかったようだ」
剣での攻撃を指に挟んだ小さなナイフで応戦しながらも余裕綽々と話していく。そして、言葉を紡いでたその刹那でシャルルは大きさ、質量、強度どれもが劣っているナイフというもので剣を弾き右腕部分と左腕部分にナイフを突き刺した。
「僕はちょっとだけ人間とは違うからね」
パチンと指を鳴らすと刺さっているナイフから見えない何かが這うように巻き付き無人機の動きを止める。
「システム『メドゥーサ』」
完全に無人機の動きが止まったところで他のみんなが来た。
「やあ、遅かったね」
「遅かったって…まさか、もう終わらせたのか?」
「そうだね、もう動けないようにはしてるよ」
「システム的にはまだ起動しているようだが?なぜ動けないんだ?」
ラウラからのその問にマスクを被っている状態でもわかるほどわかりやすくニコッと笑いながら答える。
「秘密」
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シャルルの戦いの様子をモニターで見ていた織斑先生と山田先生。
「凄いですねデュノア君。タイプは違うみたいですけど前に襲撃してきた無人機と似たようなものですよね。それを1人で圧倒するなんて」
「そうだな。一介の操縦者にしては十分すぎるほどの戦力だ、あいつ1人であいつら全員を相手に出来るかもしれないかもな」
「やはりこれはISの性能によるものが大きいのでしょうか?」
「それもあるな、だが、一番の要因はあいつに施された肉体改造の末の強化だな」
「あぁ…さっきも自分で言ってましたね。人間とは違うって」
「普通人間は自らの力の全力は出せない。出そうものなら体が耐えきれないからな。しかし、デュノア弟はその数値が並の人間のそれを上回る」
「つまり、例えるなら普通の人間が50しか出せないのをデュノア君はもっと出せる…70〜80あたりですかね」
「そうだな。しかもそれを脳のICチップが勝手に計算し、適切な、それでいて強い力を出すように命令を出して筋肉を動かす」
「…普通そんな事が脳内で起こっていたら機能しない臓器とか…体とかあるんじゃ」
「…だからこそ、かもな」
「え?」
「私の勝手な解釈だ、直接聞いたわけでも何でもないが、研究や改造を施されている時あいつは脳の一部の機能が停止した。それを補うためのICチップ…だったのではとな」
「なるほど…一理ありますね」
「何れにせよ、あいつの負担は大きい。だから常にISと接続し続けているのだろう、だが、力を使いすぎれば機能が停止するとも言っていた。正直あいつの体は諸刃の剣だ。あいつは大きな戦力だが、頼りきりではいつあいつが動けなくなった時の対応が出来ない。故に死ぬことになる」
「つまり?」
「デュノア弟には手を抜かないで、専用機持ち達と実践訓練をしてもらう。もちろんあいつの体力が持つ間のみだがな、時間がすぎればISを起動出来ないと言っていた」
「なるほど…」
「あいつには悪いが使えるものは使っていかなければ…な。…少し心苦しいが、今後何が起こるか分からん、その時は山田先生、貴女にも頼る事になる」
「お任せ下さい」
これからの方針が決まったところで専用機持ちたちは学園へと戻って来たのだった。
前半は『別にあいつを倒してしまっても構わんのだろう?』の成功例
後半はただのシャルルの説明です。キャラが特殊過ぎて何話も説明に使ってしまう…これからもシャルルの説明は続く!
…あと、シャルルの戦闘の描写が思うようにいかない…