傷だらけの憧れ   作:時雨日和

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第3話 真相

発せられたのは、シャルルとシャルロットに関係することだった。

 

「それ….どういう…」

 

「言葉通りだよ。それに、境遇も似ている。僕も本当の…いやこれは適切ではないかな。やはり、妾の子…と表現した方が適切かもしれない」

 

「っ…」

 

シャルルはさっきまでの雰囲気とはまるで別物で、とても温厚という雰囲気は感じられない。とても、冷徹に物事を進めるようなという表現が合う。

 

「ただ、僕の場合母の顔もどんな人だったかもわからない。物心つく頃には…いや、生まれてから1度も見たことは無い。生きているのかすらもわからない」

 

「そして、父ともほとんど会っていなかった。僕は父の会社の施設に住んでいた。ほとんど囚人と同じような生活だった。ベットと浴室とトイレしかない部屋に閉じ込められ、食事も決まった時間に少ない量を用意されていただけ。そして、ほとんどの時間が僕の体の研究と改造に当てられていた」

 

「研究と改造…?」

 

「そう、これもさっきついた嘘だ」

 

そう言うとシャルルは上着を脱ぎ上半身が露になる。そこには縫傷とツギハギが所狭しと上半身にあった。

それを見た2人は声も出せずにいた。シャルルはすぐに服を着直して話を続ける。

 

「最終的に僕に施されたのは筋力強化と脳にICチップを埋め込まれたこと。そして、ISに乗れるようにする何か」

 

「何か?」

 

「そう、僕自身一夏のように元々乗れるようなタイプじゃない。何かを施されISに乗れるようになったんだ、ただ、その方法は僕も見た訳じゃないから知らない」

 

「それで…シャルルはそんな境遇だったのにどうやってここまで来れたの?」

 

「簡単だよ。父に反発し暴れた。肉体の強化のお陰で多少の怪我で済んだし、止めに来た人達、ISも含めて何とか相手にしていたんだけど流石に大人数では敵わなかったよ。父の前まで連れられて身一つのみで追い出されたんだよ」

 

「そして、路頭に迷っていたところを束さんともう1人の女性に助けられた」

 

「もう1人の女性?」

 

「…それはまた今度。きっといつか会う時が来ると思うからね」

 

一夏からの質問に1度目を逸らしてからその質問を流す。

 

「まあ、あとはさっき言った通り。束さんにISを改良して貰い、IS学園の方にも…というより織斑先生にかな、話をつけてもらいここに来たというわけなんだ」

 

「そして…」

 

と言ってシャルルはチョーカーを外してその下のものを見せた。そこにはUSBなんかを差すようなコネクタがある。

 

「それは…?」

 

「これがISを改良した理由。僕の脳にあるICチップに電極を繋いでISと接続する。これのおかげで僕がISをあそこまで使いこなせる事が出来るんだ」

 

「でも、そんな事をしたら脳とかに負担とかってこないの?」

 

「そこが束さんの凄いところなんだろうね。やったのはもう1人の女性なんだけど指示は全て束さんだったから。まあ、どっちも凄いんだろうけどね」

 

話し終わるとチョーカーを付け直す。

 

「ふむ、話は終わりか?」

 

その声は入り口の扉の近くで聞こえる。そこに立っていたのはラウラだった。

 

「ラウラ!?いつの間に」

 

「本当は用があってきたのだが、邪魔をしては悪いと思ってな。次いでに話も聞いてしまった。悪かった」

 

「いや、僕は気にしていない。いずれはばれることだし。それで、用って?」

 

「いや何、どこで訓練を受けていたのか聞こうと思っていたのだが、もうその質問はいい」

 

「そっか」

 

「それでシャルル、どうして俺に話そうと思ったんだ?シャルはともかくとして俺は関係ないだろ?」

 

その質問に対してシャルルは少しだけ小さく笑った。

 

「一夏なら何かあった時に力になってくれるって織斑先生に言われたのと、その言葉を信じれると僕が直感的にわかったからかな。だから、一夏には隠し事は無しかなと思ったんだ」

 

「確かに一夏なら助けてくれるよ。僕達の時もそうだったしね」

 

「うむ、なんたって私の嫁だからな」

 

「ま、まあ、何かあったら言ってくれよ出来る限り俺はお前の力になるし、皆だってお前の力になってくれる。だからシャルと同じだ、父親と決着をつけたいなら俺だって力になるからな!」

 

その言葉を聞いて思い出すかのように微笑むシャルロットとラウラ。それにつられるようにシャルルは微笑んだ。

 

「ありがとう一夏」

 

「よし、それじゃあ夕食でも食べに行こうぜ!」

 

「そうだな」

 

一夏とラウラが先に部屋を出ていく。それに付いていくように部屋を出ようとしたシャルロットに向かってポンポンと肩を叩いた。

 

「ん?なに?」

 

「なんて言えばいいのかな…一夏との事僕は応援しているからね」

 

「な、何のこと?」

 

惚けようとしているがシャルロットの顔は紅く染まる。

 

「何って、一夏の事好きな人が多いみたいだからね。直接的にはしないけど、それとなく一夏と付き合えるように応援するって事」

 

「な、な、なぁ!?」

 

「唯一の姉なんだからあそれぐらいの贔屓はさせてよね。シャル姉さん」

 

「ね、姉さんって!?」

 

「おーい!どうしたんだ?早く行こうぜ!」

 

「今行くよー!ほら行こう姉さん」

 

「ちょ、ちょっと!?」

 

「大丈夫、姉さんって呼ぶのは皆に公言した時か、事情を知っている人達の前でしか呼ばないから」

 

「そ、そういう事じゃなくてぇ…もう…」

 

と言いながらも少しだけ嬉しそうにしているシャルロットだった。




とりあえず私がかためていた設定とシャルルの過去についてを書いてみました。これからこの話を書き続けるかは皆さんの反応次第かもしれません。
そして、本当にこれからssとISについて勉強します。

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