弱ければ相手から何もかも奪えばいい。   作:旋盤

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すみません。忙しくなり少し短いかもしれません。
ゆっくり見ていって下さい。


名付け2

遠くに轟音が響くのを聴きながら、歩いて行く。

後二人の名前を決めなければならない。

なるべく変な名前にしないで、しっかりとし名前をつけてあげたい。

俺にそんな事が出来るかはわからないが、出来るだけやってみよう。

しばらく歩くと、

 

「見つけましたよ!」

 

その声は、前方から聞こえ、その言葉を聞いた瞬間逃げ出したくなったが、名付けがあるので逃げられない。

それがなければ本気で逃げていたところだろう。

燻んだ白髪の女性が、近づいてくる。

 

「私の話の途中で抜けださないで下さい。さあ、続きを話しますよ」

 

そして、長くなりそうな話が始まろうとしたところで、

 

「まあ待て。今はお前の名付けをするのが先だと思うのだが」

 

「名付けですか?」

 

彼女は首を傾げている。どうやらあまり名前に頓着しないようだ。

というか、魔物自体名前に頓着しないのではないか?

 

「神であられる御身自身が考えてくださるのですか?」

 

「ああ。その通りだ」

 

言葉の最初か最後に神ではないのだが、と付けたかったが話がややこしくなりそうなのでやめた。

 

「そうでしたら、是非お願い致します」

 

そして、俺の前に跪き祈るような姿勢になる。

 

「そうだな。お前の名前は、〈ブラム〉この名前でどうだ?」

 

〈ブラム〉これもなんとなくこんな感じがするといった感じだ。

宗教と聞くと、まずは信仰者が真っ先に思い浮かぶが、その次が、罪なのだ。

なので、最初はシンというのにしようとしたが、男っぽいので、〈ブラム〉にした。

どちらにしてもあまり良い意味ではないのだが。

 

「〈ブラム〉ですか。……」

 

少し考え込み、そして、不敵な笑みを浮かべる。

 

「良いですね。フフ。〈ブラム〉それが私の名前ですか」

 

「気に入ってくれて何よりだ」

 

どうやら、問題は無いようだ。

名付けで結構ドキドキする。気に入られなかったらどうしようか。なんて事を考えてしまう。

必死に考えてはいるが、何せ時間が少ない。そんな時間の中で出来た名前が良いか悪いかと考えると、どうしてもマイナスに考えてしまう。

 

「では、後一人残っているので俺は行くぞ」

 

そして、俺はその場を去ろうとした。

しかし、

 

「待って下さい。次に行く前に私の話の続き…いえ、初めから言わせていただきますね」

 

マズイ。今この時にこいつの話を聞き続けると、日が暮れてしまう。

どうする?早く逃げないとかなり長い話を聞くことになるぞ。

さて、どうやって逃げるか。

 

「大丈夫だ。俺の強さは神と同等かそれ以上の存在だ。そして、お前達を生み出した。お前達の今後の活躍に期待しているぞ」

 

それとなく話題を逸らして誤魔化せるか?

 

「フフフ。そんな事当たり前ですよ。名を受け賜わり、さらに強くなった私の力にご期待下さい」

 

おっ。意外に誤魔化せてそうだな。

 

「ああ。期待しているぞ。まあ、力を振るうのは当分先になりそうだがな」

 

「それでも構いません。私の力が必要な際はいつでもお呼びください」

 

後少し会話をすれば俺の作戦は成功するはずだ。

 

「そうか。その時が来れば頼らせてもらうぞ」

 

「ええ。その時は必ず完遂させていただきます」

 

良い感じだ。

 

「これからもよろしくな。それではな」

 

よし。このタイミングなら大丈夫なはずだ。

 

「待ってください。私の話は終わっていませんよ」

 

「!!」

 

なんだと!誤魔化すには一手足りなかったか。

クソ。こうなったら、最終手段。

そして、俺とリーフの姿が一瞬でどこかに消えた。

 

 

「ふう。これで一安心だな」

 

「そうですね。明日はどうなるか考えると一安心ですね」

 

「……」

 

明日の事は置いておこう。

さて、後一人だな。

 

「それと一つよろしいでしょうか?」

 

リーフが俺に聞いてきた。彼女の言葉で助かる事もあるので、聞いてみる。まあ、誰の言葉でも聞きますけど。

 

「なんだ?」

 

「では、私の力が必要な際はいつでもお申し出ください。以上です」

 

「おう……。そうか」

 

いきなりの事に驚き、先のような返事しかできなかった。

しかし、最後の一人は探すのが大変だ。気配がわからない。見つけるのも困難。どうすりゃいいんだ!

 

「呼ばれたと思い、参上しました」

 

まさかの俺の思考が読まれた。俺の思考は読まれやすいんだね。ここ最近で実感したよ。

だが、話は早い。

 

「俺は名付けを行いたいんだが、別にいいか?」

 

「ああ。私は貴方をずっと見てきたから事情は理解しているし、どうぞ、名前を付けておくれ」

 

何それ。俺をずっと見てきたって事?それに空間魔法を使って逃げたのにその場所までわかったのか?

こいつすごいな。俺なんかより強いんじゃないか?

だが、俺も負けてられない。いつか、ここにいる奴がたどり着けないほど強くなってやる。

それを俺の目標にしよう。

俺はそう決めた。それを達成するまで曲げずに生きようとも決めた。




面白ければ幸いです。

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