弱ければ相手から何もかも奪えばいい。   作:旋盤

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投稿がかなり遅れてしまった。眠い。疲れた。この言葉で察してください。
ゆっくり見ていってください。


友情の証

そして、俺はミコト達がいる場所へと戻ってきた。

 

「早かったな。数はそう多く無かったのか?」

 

「いや、それなりにいたが、弱かっただけだ。」

 

事実である。

五分かかったかかからなかった位の時間で制圧できたんじゃないかな。

あっ。死体の処理はどうしようか?後で〈ネクロマンサー〉のレベル上げに役立ってもらおうか。

それに従って、というか、絶対にしとかなければならない事がある。

 

「移動するぞ。レオナに死体を見せるわけにはいかないからな。」

 

14歳とはいえ死体を、しかも血だらけのものを見せる気にはなれない。しかも、朝っぱらに見たら、トラウマになりかねない。

 

「はいはい。わかりましたよ。」

 

ミコトも同じ気持ちなのだろうか?

それとも、なんとなくなんだろうか?

人の気持ちなんてわからないし、興味ないからいいか。

俺はレオナを起こさないように抱きかかえ、静かに移動を開始した。その後ろをミコトがついてくる。

 

「にしても、一気に冷え込んだな。」

 

「そうか?俺はそこまで変わらんと思うが。」

 

冷え込んでいたら、服とロングコートしか着ていない俺でも気付くはずだ。

 

「は?お前大丈夫か?このままではいると風邪をひくくらいさむい寒いぞ。」

 

「……」

 

そこまで一気に寒くなるか。

あっ。俺のせいだ。俺が魔法で盗賊を氷漬けにして放置しているから、周りの温度も低くなってしまったんだ。

やばい。魔法ってどうやって消すんだ。あれか?魔力の結晶体と考えて、それを分解するイメージか?

だめだ。確認できない。周りの景色と同化しているのか消えたのか全くわからん。

ハァ、気温が下がったのは俺のせいか。そのせいで、風邪を引かれては困るな。

だが、今はレオナを抱っこしているので何もしてやれない。

しばらく歩いて、野宿できそうな場所に来ると、焚き火をおこした。

 

「しばらくの間、またレオナを頼めるか?」

 

「今度はなんなんだ?」

 

「いや、敵じゃない。ただ、死体を焼いてくるだけだ。」

 

疫病が流行ると大変だからね。

まぁ、俺は小説で手に入れた知識だから、焼いたほうがいい。位の事しかわからんが。

 

「はぁ。直ぐに戻ってこいよ。私も眠いんだ。」

 

そう言って、欠伸をこらえたような顔をした。

俺は直ぐにその場から静かに離れて駆け出した。

第一の目的は〈ネクロマンサー〉のレベルを上げる事だろう。まぁ、どれだけ捧げればいいかわからんが、四十を超える位には死体ができているはずだ。

あっさり付いてしまった。死体を捧げるかー。どうやるんだろ。

そんな事を考えていると、周りの死体が紫色の光に包まれ、

 

「消えた!?」

 

驚く事に跡形もなく消え去ってしまった。

捧げるとは知っていたが、こんな感じだとは思はなかった。

それから、死体を探したが、見つからなかった。明かりが見えないとミコトが不審がると思ったので、周りの木に燃え移る事がない場所で火をおこした。

その火を見ながら、〈ネクロマンサー〉のレベルを確認して見た。

 

〈ネクロマンサー Lv3〉

 

思ったより上がらなかったな。一気にレベルマックスまでいくと思ったが、そうでは無かった。

次のレベルに上がるには何が必要か見てみた。

 

〈ネクロマンサー Lv3〉 次のレベルに上がるには死体を後25体捧げてください。

 

俺に何人殺せと?

まぁ、今の力で間に合ってるから別にいいんだが。

かなり殺していたんだな。実感がないだけで、十分自分がやばい力を持っている事が実感できた。

少しの時間落ち込んで、立ち上がり、ミコト達がいる所に戻っていった。

 

「やっと、戻ってきたか。ふわぁ。」

 

欠伸をしながらそんな事を言われた。

 

「すまない。それと、まだ寒いか?」

 

「マシになってきたけど、まだ肌寒いな。」

 

それを聞いて俺は、ロングコートを脱ぎ、

 

「レオナと一緒に使え。何もないよりマシだろう。」

 

「案外優しいじゃん。」

 

そして、ミコトはレオナと一緒にロングコートを上にかけて寝た。

久しぶりに感じるステータスの確認でもしようか。

 

〈種族〉 獄魔族 (人間) 〈名前〉 マグナ・ゼギアノス 〈年齢〉 不詳〈職業〉闇騎士 Lv1 〈Lv〉 102674

〈ステータス〉 物理攻撃力 測定不能 (20000) 物理防御力 測定不能 (20000) 魔力測定不能 (20000) 魔法攻撃力 測定不能 (20000) 魔法防御力 測定不能 (20000) 俊敏力 測定不能 (20000) 運 60.9 魅力 測定不能(どちらかの意味で。)

〈固有スキル〉 強欲Lv3

〈スキル〉 〈攻撃スキル〉 〈魔法スキル〉 〈補助スキル〉 〈妨害スキル〉 アンデッド作成

〈固有魔法〉 獄属性付与

〈魔法〉 〈基本属性魔力魔法〉 〈獄属性魔力魔法〉 死霊魔法

〈称号〉 死の具現

 

なんか色々変わってる!?!?

年齢が不詳ってなんだ。俺は今年で18になるんだよ。だから、17だ。なのに不詳ってなんだ。

ステータスが測定不能にまでなってしまった。今までは、十万や百万くらい表示できていたのに、とうとう測定できなくなってしまった。

スキルのアンデッド作成って、もはや人ができる領域を超えているだろ。いや、あの神が渡してきた時点で嫌な予感しかしなかったけど。

称号の〈死の具現〉って何!?物騒だな。てかどういう意味だよ。

 

〈死の具現〉 「死」そのもの。この者が殺すと決めた相手は死の運命から逃れられない。殺気を調節できる。

 

物騒すぎる。俺はなんなんだろう。バケモノの領域もブッチギリで超えていると思ったのは俺だけだろうか。

魅力の所は相変わらずだな!!ないんだろ!俺には魅力が無いんだろう!だったらそう言えよ!

フゥ、久しぶりに見てみたが、これは、どうしようか。桁違いすぎて人と一緒にいていいかすら怪しく思えてきたぞ。

山奥でひっそりと暮らそうか?いや、でも一人じゃ寂しいか。多分、()内の値が〈完全偽装〉で表に出てきている強さの値だろう。

 

「ハァ……」

 

と一つため息をついたところで、二人の寝姿が目に入った。

二人仲良く寝ている姿は顔立ちや諸々似てはいないが、姉妹の様だった。

それを見て、少し笑い、ステータスを閉じて、二人にあの装備を渡す時の言葉を考えるのだった。

 

 

 

次の日、焚き火で肉を焼きながら、今日で肉だけの生活とおさらばできる。という思いで一杯だったが、眠たかった。徹夜に慣れていると思ったが、そうでは無かったらしい。

 

「そういえば、チームを組まないか。と、前に言っていたが、それは本気で言っていたのか?」

 

前に思っていた疑問を聞いてみた。

あれが、冗談や面白半分ならば、一人で旅をしようと思っている。あれが、本気ならチームを組んでもいいとは思っている。

 

「ああ。あの話か。そういえば返事を聞いていなかったな。」

 

「なんの話ですか?」

 

レオナはこの話をしていた時は寝ていたな。

 

「ミコトとチームを組むか、組まないかの話だ。」

 

「お二人はチームを組まれるのですか?」

 

それにミコトが、

 

「今、チームを組むかその返事をもらおうとしているんだ。それで?どうする?」

 

どうやら、本気で聞いてきていた様だな。

どうするも何も、目的が無いより、あった方が何かと捗りそうだ。主に情報収集が。ある程度達成したら、人助けでもするか。

無償で。と言いたいが、そうもいかないだろう。ミコトもいるのだ、生活費を稼がないといけないからな。

 

「いいだろう。だが、チームを組むのに必要な条件はあるのか?」

 

「よっしゃ!後、必要な物は冒険者登録証を持っていればいいだけ。そしたら、周りが勝手にチームだと認識してくれるから。」

 

結構緩かった。

問題は冒険者登録証をどうやって手に入れるかだな。俺は〈獄魔族〉だ。種族的に〈魔族〉と変わりは無い。種族を見抜かれたら俺だけでなく、ミコトにも迷惑をかける。

過信かもしれないが、俺の〈完全偽装〉を見破ることはできないから、それは心配するだけ無駄かもしれない。

 

「冒険者登録証はどうやって作るんだ?」

 

「お前も、もしかしてどこかの貴族の息子とかか?」

 

反応から察するに常識らしい。

仕方ないじゃ無いか。こことは違う世界から、いきなり連れてこられたんだから。この世界の常識を俺が知るわけないだろ。

そんな事を言えるわけがないので、

 

「野育ちだからな。世間の常識なんて俺は知らんぞ。」

 

そういうと、二人はなんとも言えない表情をして、

 

「いやー、なんか、スマンな。」

 

「あの、なんというか、辛い記憶を思い出させていたら、すみません。」

 

二人から謝られてしまったよ。どうしようか。誤魔化す為に吐いた嘘だから、謝られると困る。

しかも、このタイミングで俺が黙ったら気まずい空気が流れてしまう。

 

「気にするな。過去との折り合いはつけている。」

 

そう言うと二人は少し安心した様な顔をした。

そして、俺たちは朝食を終えた。

森を三人が歩いて行く。

この森は魔境と呼ばれていたあの森とは違い、優しい木漏れ日が差し、落ち着く雰囲気があった。

そんな事を思っていると、

 

「そういえば、剣を二本腰に差していますが、二本とも使うのですか?」

 

レオナからそんな質問がきた。

二本とも使っているかと聞かれれば、Noだ。

〈村正・獄式〉は使っているが、〈憎悪具現の細剣〉は使っていない。

細剣の方はなんと言うか、覚悟の証みたいな感じで差している。

 

「主に使うのは刀の方で、細剣は覚悟の証の様なものだ。」

 

「覚悟?なんのですか?」

 

俺が守れるもの全てを守る覚悟だ。

まぁ、そんな事を俺は恥ずかしくてあまりいえないので、

 

「秘密だ。真理とは教えられるものでは無く、自分の手で掴むものだ。知りたければ、自分で探してみる事だな。」

 

レオナは釈然としない顔をしながら、渋々といった感じで引き下がった。

 

「聞き損ねていたが、冒険者登録証はどうやって手に入れるんだ?」

 

「ああ。そういえば言ってなかったけ。簡単だよ。冒険者ギルドへ行って、発行すればいいだけ。」

 

冒険者ギルドってあるんだ。ラノベとかでよく見かけていたけど、あるんだね。

その前に詳しい事を聞いておくか。

 

「発行するのに、必要な手順とかはあるか?」

 

「うーん、必要な手順か。名前を書く事位しかなかった気がする。あと、スキルを任意で書く事位だったかな?」

 

スキルを書く?

 

「スキルを書く意味がわからないのだが。」

 

「確か。緊急時の依頼で有効なスキルを持っている者にいち早く頼みたいとか。どうたらこうたら言っていたな。」

 

あてにしていいのかな、こいつの情報。

そんな事を話しているうちに雑草があちこちに生えている場所に出た。そこに遠目から見てもかなりでかい城壁があった。

 

「あれが目的地のアレストだ。」

 

ミコトが少し残念がる気持ちが見える様な感じでそう言った。

アレストという街の名前なのだろう。聞き慣れないから、一瞬なんの事を言ったのかわからなかった。

 

「もう、終わりなのですね。」

 

レオナも残念がる様に言った。

 

「ああ。これで終わりだが、もう会えない訳じゃない。」

 

それを言って、少し忘れかけた物を渡すことにした。

 

「これをお前達にやろう。」

 

そう言って、〈友情の証〉と言うブレスレットを取り出す。

 

「これは?」

 

「これか?正直に言うと、俺もよくわからん。」

 

説明が大雑把でどれをどうすればいいかなんかは書いていなかった。ので、作った俺ですら把握しきれないのだ。

 

「まず、登録とやらをしなければならないのだが、仕方がわからん。」

 

「まぁ、とりあえずはめてみよう。」

 

ミコトがウキウキしながらブレスレットをはめた。レオナも腕にブレスレットを付ける。だが、大きさがあってない事に気付く。

 

(ヤベェ)

 

と思ったが、なんか、ぴったりになる様に自動で調節された。

これが異世界か。魔法的な力が働いたのだろう。

俺はあらかじめ〈マシラのブレスレット〉を外していたので、そのまま付ける。

 

「んで、登録ってどうやんの?」

 

それが、分かっていれば、苦労はしない。

適当に魔力でも流すか。

すると、ピカッと光った

 

「どうやったんですか?」

 

「魔力を流したら、なんか出来た。」

 

すると、レオナとミコトのブレスレットもピカッと光った。

そして、ブレスレットに命じてみる。レオナとミコトのブレスレットを登録しろと。

するといきなり

 

『レオナとミコトを登録しました。』

 

久しぶりにこの無機質な声を聞いた。

なんか出来た。やっぱり製作者だな。なんとなくで分かっちゃうからな。

 

「登録の仕方がわかったぞ。ブレスレットに命じれば勝手にやってくれる。」

 

「「え?」」

 

二人が驚いた様に声を上げる。そして、三十秒もかからないうちに

 

「あっ、本当だ。」

 

「すごいですね。」

 

二人とも出来た様だ。これって、結構すごい防具なんだろうけど、なんで俺防具にしたんだっけ。

あっ、身を守って欲しいといった感じだったはずだ。確かそんな事だったはずだ。たぶん。

そんな事を考えているといきなり

 

『おーい、聞こえるか?』

 

と、頭に直接話しかける様な声がした。それが、〈友情の証〉の能力だと気付くのにそう時間はかからなかった。

 

『ああ。聞こえるぞ。』

 

俺もそんな事をブレスレットを通じてそう思う。

 

『へぇ、こんな感じで聞こえるんだな。』

 

どうやら、聞こえているらしい。

俺はそれをレオナにも話しかける様にして、

 

『レオナ、聞こえるか?」

 

レオナはびっくりして辺りを見回す。どうやら、よくわかってない様だ。

 

『このブレスレットは登録した者同士で離れていても会話ができるらしいぞ。』

 

それで、レオナはある程度理解した様だ。

 

『聞こえますか?』

 

と、頭の中に聞こえたので、

 

『聞こえるぞ。』

 

と答えた。

 

『コレって三人で同時に会話をする事が可能なんだな。』

 

ミコトも聞こえていた様なのでどうやら、三人で会話をする事が可能らしい。

 

「俺たちは離れてしまうが、これがある限り近くにいるのと同じだ。だから、悲しむ事は無いな。」

 

俺は声を出してそう言った。

 

「ええ。確かにそうですね。」

 

「ああ。そうだな。」

 

二人も声を出してそう言った。

 

「それじゃ、行くか。」

 

そう言って、別れの道の一歩を踏み出した。




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やっと、街に着いた。やっと話を次に持って行く事ができる。長々と書きすぎた。
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